過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~創造と偽造~

『ユウジくん、朝だよ!起きて!遅刻しちゃうよ~』

朝の清々しい空気に全身が包まれる
部屋には窓から優しい光がさしこんでくる
小鳥の小さな合唱を聞きながら、俺は同級生のヘイネに起こされている

「ヘイネ~。後5分~。」
うむ、テンプレである

『ダメだよ、ユウジくん!おばさんに怒られちゃう!』

ヘイネはお袋に頼まれてきたらしい
お袋うるさいからな~

(ん?なんで会話が成立してるんだ?これは夢か?ものは試しだ)

「頼むよ、ヘイネ~。後少しだけ~。」
どうだ?さすがに無理だよな?

『ダ~メ!ユウジくんは本当私がいないとダメなんだから!ほら、起きて学園いこ!』

(おいおい、どういうことだ?地球の目覚まし時計はそこまで進化したのか?明らかに異常だぞ?夢か?てか、会話の内容、同級生じゃなく幼なじみじゃないか?お、幼なじみのヘイネもたまらんな・・・)

ガバッと起き上がったユウジは意識が覚醒していくのがハッキリとわかる

「ヘイネいるのか?」
もちろん、返事は返ってこない

どういうことだ?訳がわからない
やっぱり時計が怪しい

目覚まし時計をじっと見つめた

『ヘイネご機嫌目覚まし時計』
あっ!びっくりした?
再度神眼で見た時用の説明文を設定してみたよ
この時計ね、込めた魔力量でセリフが何パターンもあるようにしてあるんだ、もちろん妹や通常のヘイネにも、ね
どうせ初日は同級生でも選んだんじゃない?
あと、言葉に反応して、ある程度会話できるようにもしてあるよ。飽きられたら悲しいからね
いい?ユウジの事なら何でもわかるんだよ?

「はぁぁああああああ!?べべべべ、別に下心あって同級生選んだ訳じゃないし?ヘイネもいいなぁ~ってちゃんと思ったよ!信じてくれ!」

目覚まし時計に言い訳をするユウジ
実に滑稽だ、そして返事はもちろんない

「てか、そうじゃなくて!なんだこの神時計!凄すぎだろ!ヘイネ不器用じゃないの!?ちょっと待て!他のアイテムもそうなのか?」

全部のアイテムに神眼で目を通すが、目覚まし時計だけであった

「はぁ・・・なんだろ、この掌で踊らされてる感。ヘイネには敵わないなぁ」

そんな朝の一コマであった

□□□□

朝のドタバタ劇(主に俺だけ)から一変して、朝食を終え、これから訓練らしい、訓練と言っても強制ではないみたいだ
なんでも非戦闘系の加護を貰った生徒もいるらしく、任意で訓練、残りは適当に過ごしていいみたいだ
俺は当然不参加だ
早く強くなりたいのは山々だが、それよりも優先しないとマズイことがたくさんあるからだ
各自散会して、俺は自分の部屋に戻った

「まずは、ステータス!」

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ユウジ・ハクト 17歳 ♂ レベル:1

種族:人間
職業:勇者

体力:2300/2300(+2000)
魔力:3250/3250(+3000)
筋力:2150(+2000)
敏捷:2100(+2000)
器用:250(+50)
幸運:95(+80)

称号:女神に愛されし者 全てを見通せし者
加護:女神アウラ『記憶創造』
   女神ヘイネ『時空魔法』『空間魔法』『寵愛』
技能:イリアス言語
   神眼
   異空間ボックス操作
   無詠唱
   変化
   生活魔法
   付与

装備:(右)神剣ふぉるきな(左)魔剣フォルキナ
   学生服
   ふぇんりるマント
   革靴
   神愛の指輪
道具:う~さ~フォン 魔力保有量 10032/50000 
   目覚まし時計設定 「同級生」
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「明らかに異常ステータスだ、いつかバレるかもしれないが隠せるなら隠したほうがいいだろう。あと、こんなにステータス差があるようだと一緒に訓練も控えたほうがいい。うっかりクラスメート殺しちゃいました、とかは洒落にならんからなぁ。幾つか作ってみるか」

(記憶創造!)

「うん、無詠唱効果出てるな」

(イメージ、イメージ。偽造だ、他人への表示の際に幻のステータスを見せる。偽造内容の変更を任意にして、偽造自体も強化しないと、神眼を騙すのは無理だ。神の力だしな。極鑑定または魔眼までを対象だ。過去ショーマリーで極偽造は取得していたからいけるだろう、創造!)

【スキル『極偽造』を取得 ランク:SS】

「ふぅ、作れたか。かなり魔力を吸われた感じがしたな。創造でどれぐらい吸われるか、1時間でどれぐらい回復するか確認するか」

魔力:1250/3250

「ランク:SS、たった一つで2000も!?いや、むしろ少なく済んだと思うべきか?ランク毎に違うのか?それとも固定?回復手段も違いがあるのだろうか?とりあえずステータスをいじりながら1時間待つか」

ベッドに寝転がりながら、ステータスをいじっていく

(雑魚キャラ設定にしてとくか、絡まれたらぶっ飛ばせいい。隠せるだけ隠すんだ。そういえば、鑑定スキルなどではどこまで表示されるんだ?あとでクラスメートで実験してみるか)

1時間がたち、魔力の確認をする

魔力:1750/3250

「1時間で500か、少なすぎるな・・・。きっと回復手段で回復量も変わるタイプか。睡眠や食事、あとは本人にとってリラックスできる何か、だな。俺にとってはヘイネだ!でもいないしなぁ。あとは・・・いや、あれがあるな。まさかこの為に?いや、偶然だろうな」

まさか、ありえだろ?と思いつつも、ヘイネならもしかして、と思わず苦笑してしまう

(何にしても記憶創造は魔力全開時でするべきだ)
ふぇんりるマントに寝転がりながら考える
もっふもふ~、微かに甘い匂いが!ヘイネのかな~

30分後確認してみると、魔力は全回復していた
どうやらユウジの仮説は正しかったみたいだ

「とりあえず魔力がないと何もできないしな、魔力回復速度をあげるスキルと魔力消費軽減スキルも作るか、スキルも増えると見づらいから合成スキルもついでに作るか」

(記憶創造!イメージ、イメージ。最初は回復速度だ。イメージするのは最初に転移したグズニールだ。確か10倍だったな、その倍の20はいけるか?創造!・・・ダメだ、創造されない。存在しないか、魔力が足りない?とりあえず10倍だ、創造!)

【スキル『魔力回復10倍』を取得 ランク:S】

「よし、できた。魔力は残り1750か、ランク毎に違うっぽいな。10倍回復あるから、すぐ魔力は回復するだろう。
でもなんで20倍は作れなかったんだ?・・・あ、もしかして記憶創造のほうか?グズニールでは10倍だったもんな。記憶にあるものを創造するから、新規では作れないのとか?試すか」

15分ほどで魔力が回復した
もふもふ効果、大活躍

(記憶創造!イメージ、イメージ。グズニールの使用魔力半減だ。これを3倍でなら、どうだ?創造!・・・やはりダメか。記憶にあるスキルのみみたいだ。なら半減っと。創造!)

【スキル『魔力使用半減』を取得 ランク:SS】

「成功、仮説は正しそうかな。魔力はスキルのおかげだろう、残りは2250だ。もう一ついけそうだ」

(記憶創造!イメージ、イメージ。グズニールのスキル合成だ、合成数は制限なしにするか、創造!)

【スキル『スキル合成』を取得 ランク:不明】

(!?な、んだ・・・)

そのままユウジは意識を手放した
しばらくして目が覚めると、心配そうな声が聞こえた

「勇者様、意識が戻られましたか?」
声のほうを向くと、王宮のメイドらしき女性がいた

「えぇ、大丈夫です。ご心配をおかけしました。」
話を聞くとどうやら夕食の知らせにきたらしいが、ノックしても返事が返ってこず、念の為に確認したら床に俺が倒れていて、ずっと看病してくれてたらしい

「もう、問題ありませんので、お仕事に戻られて大丈夫ですよ。お忙しいのにすいません。助かりました」 
ユウジは申し訳なさそうに謝罪した

「かしこまりました。勇者様の夕食は料理係に伝えて残してありますので、食堂に行かれましたらすぐに食べることができますよ。夕食を食べていられる間に、お部屋の掃除を致します。それと念の為、本日はお風呂は控えたほうがよろしいかもしれません。代わりにお湯を持って参ります」
微笑みながら、気遣ってくれてるようだ

「わかりました、ありがとうございます。では、食事にいってきますね」
(すごい心配されてるな、それによく気が利く)

「いってらっしゃいませ」
メイドの女性はそう言って、頭を下げた

夕食を終え、部屋に戻ると、部屋は綺麗に掃除されていた
まるで全く使われていなかったかのように見える
夕食を食べている僅かの時間で、さすがメイドと言うべきか
その時扉からノックが聞こえた

「勇者様、お湯をお持ちしました。よろしいでしょうか?」
先程のメイドさんの声だ

扉を開けて中に招き入れる
でもなんでこんなタイミングがいいんだ?と考えていたら、俺は自然と難しい顔をしていたのだろう

「まだお体が優れませんか?勇者様がよろしければ、お背中をお拭きいた・・・」
メイドさんは心配そうに声をかけてきたが、その言葉を遮るように

「いやいや、大丈夫です!自分でできますから!考え事をしていただけです。ご心配頂きありがとうございます」
慌てて断った

(ん~、失敗したかな?でも恥ずかしいからなぁ)

「かしこまりました。ご無理をなさらないで下さいね。それでは本日は失礼致します。おやすみなさいませ」
微笑んで、頭をさげ、退室していった

「せっかく持ってきてくれたお湯を使わないのはダメだよな。浄化あるから必要ないけど、顔でも洗うか」
顔をお湯で洗いさっぱりしたところで、先程の件を考える

(多分魔力欠損だよな?ランク:不明を作れたはいいが、ぶっ倒れていては意味がない。やっぱりレベルもあげないとな。今日は大事を取って休むが、明日から鍛練を開始しないと。それとこの世界の魔法も調べないと。毎回不明を作り出して倒れていたら効率が悪すぎる。訓練には参加するつもりはないから、日中は調べものやスキル作成、夜に鍛練とするか。でも夜に鍛練となると、音がな・・・。静かな空間とか、騒いでも平気な場所さえあれば・・・。待てよ?あまりに巨大な力すぎて使い道がわからなかったが、いけるんじゃないか?)

「ただ、そのまま使い続けるには魔力が足りないな。魔法からスキルを取り出す魔法がグズニールにはあった。本来は違う意味合いの魔法だったが、要は力の応用だ」

魔力欠損になってもいいように、ベッドに寝転びながら、

(記憶創造!イメージ、イメージ。何かを生み出す力、グズニールでは生成と言ってたな、創造!)

【スキル『生成』を取得 ランク:E】

「やはりあったか。魔法主体っぽいこの世界なら大丈夫だと思ってた。しかもランク:Eか。そうだよなぁ、力的には生活魔法みたいなもんだしな。応用すればかなりすごい力なんだが。にしても、スキルが増えてきてステータスが見辛い。合成するか」

(スキル合成!合わせるのは、『魔力回復10倍』・『使用魔力半減』・『無詠唱』・『変化』・『付与』・『生成』・『スキル合成』だ、合成!)

【スキル『魔力成繰』を取得 ランク:不明】

「うまくいった。ランクは不明だが、これは創造とは違い創りだすというよりかは、合わせ出すに近いからな」

『魔力成繰』ランク:不明
使用者の魔力を完全コントロールする魔法
魔力の回復や使用量・詠唱も含む
「千変万化」、合成により変化が進化。物だけでなく、生物にも可能。一部は変化不可
「全体付与」、合成により付与が進化。物だけでなく、生物にも可能。一部は付与不可
「創成」、合成により生成が進化。創造の上位版。一部不可

(時空魔法!)

【異空間を作り出します。加速・通常・停止からお選び下さい】

「うぉ!こんな感じなのか、じゃあ現実で」 

【現実異空間を作り出しました。温度や重力などはいかがしますか】

「モデルは地球で、言語は自動翻訳、ただし空間内では有音で、外部には無音。外部からの音は使用者のみに聞こえる。また空間内は適温。以上だ」

【指定条件の異空間を作成しました。確認モードに移行します】

一瞬世界が揺れ、雰囲気が変わる。
どこか懐かしく感じるのは、この魔法だからだろうか
ヘイネのこの魔法に恐怖し、歓喜もした
今自らこの巨大な力に触れてみて、改めてヘイネのすごさを思い知る

(ヘイネ、ありがとう。大切に使わせてもらうな。魔力成繰!)

【スキル『無音空間』を取得 ランク:不明】

「この空間を破棄する」

【了解しました。現在の空間を破棄しました。時空魔法を終了します】


「ふぅ~。うまくスキルを取り出せたな。空間作成はそんなにできないんだろう。あのヘイネでさえ無理だったんだろうから。じゃなきゃ停止世界以外にも連れていってもらえたはずだしな」

ヘイネの作り出した世界は、事実と虚実が織り成す停止世界
停止世界での出来事は体験した記憶はあっても、現実世界では行われていない。
また逆もしかりで、現実世界で体験した記憶はあっても、停止世界では行われていないことになる。

「現状時空魔法の異空間作成は一回しかできないと考えるべきだな。作るなら慎重にだ。だからこそ魔力成繰は役にたつ。大したことのない生成魔法が神魔法にですら通用するんだから。強い魔法が強いだけじゃない、力の使い用だな」

(無音空間!・・・命名『サイレント』)

【スキル『無音空間』から『サイレント』に変更】


『サイレント』ランク:不明
ユウジ・ハクトにより構築されし魔法
指定条件(内部有音・外部無音、自動翻訳、外音知覚、内部適温)を有する異空間
スキル使用範囲によって魔力消費が異なる
一度展開した空間は解除するまで維持
魔力は展開時のみ、維持には魔力不要

「完璧だ!さすがヘイネの魔法!」
改めてヘイネの、神の巨大さを思い知らされる

「そろそろ寝るか。明日の鍛練の為のスキルを創造して寝よう。これはきっとこの世界にはない魔法だから。目覚まし時計とう~さ~フォンに魔力を込めるのも忘れないようにしてっと。今日はなんか悪いことをした気分にったから、モーニングコールはヘイネだな。明日から頼むぞ、ふぉきるなにフォルキナ!おやすみ!」

(記憶創造!イメージ、イメージ。ショーマリーで会得した訓練魔法、偽物・・・フェイク、創造!)

体から魔力が急激になくなり、そのまま意識を手放した

【スキル『フェイク』を所得 ランク:不明】

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