過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~たんぽぽとかすみ~

「では、最初に魔法の簡単な説明するよ?いい?」
サーシャといちゃいちゃしていたいが、時間は有限だ
サーシャも真剣な表情だ。本気で学ぶつもりなのだろう

「基本的に魔法は系統がある。火・水・風・土・闇・光・無の7種だ。あっ、多分この世界では無はない。俺のオリジナルね。それで・・・」
どんどん説明しようとすると、サーシャに遮られた

「ちょ、ちょっと待ってください!ユウジ様!」

(なんだ?慌ててんな、ツッコむ所あった?あぁ、俺はサーシャの胸元にツッコミたい)

「なにさも当たり前のように説明続けようとしてるんですか!オリジナル魔法って何なんです?この世界にない?そんなすごいことサラッと暴露しすぎです」

あ、そこか。衝撃的な内容を簡単にばらすな!的な?

「ん~、確かに隠さないとダメな内容なのは理解してるよ?召喚もののテンプレだしね。でもテンプレに従うならどうせサーシャには話す流れはくるんだし、今しちゃえ、みたいな感じ?そんな簡単に信じて~みたいなお約束はいらないから。サーシャは俺の女はほぼ確定してるはず。信用もくそもない。今はほぼだけど、頑張って確定にするんだろ?」

なに当たり前のこと言ってんの?とサーシャに返す

「ユウジ様の女!?・・・女。えへへ、信じていいんですよね?」
いや~めっちゃ嬉しそうだな~。当たり前なのに。

「いや、信じるもなにも確定事項だし?逃がすつもりはない。ただ手放すかどうかはサーシャ次第だよ?」

あまり調子にのらせてもあれだし、釘は刺しておかないとな
そう思ったが、ユウジ様の女~、お嫁さん~、と既に妄想の世界へと旅立っていたのでチョップをおみまいして現実世界へと帰還させた
チョップ後のなでなではもはやお約束である

「説明続けるぞ。系統はそのままの意味。光は~とか覚える必要はない。そんなこと覚えるよりもさっさと魔法を覚えたほうがいい。サーシャには時間がとにかくないから、丁寧に覚えるよりも実践で学ぶような叩き上げ式で教える。荒削りだが、きっと強くなる。だから信じろ?」 

サーシャは頷いた
(丁寧に習ってみたい気はするけど、確かに時間がない、そこまで考えていてもらえるなんて・・・。本当に私を求めてくれてるんだ。だったら今は信じよう)

「よし、これから毎日サーシャには課題を出す。翌日チェックをして。クリアしていたら新しく課題をだす。でも未クリアの場合は部屋からたたき出して、クリアできるようになるまで一人で鍛練だ。いいか?課題に躓けば躓くだけ一緒にいられなくなると思え?仲間に関して俺は甘えは許さない。荷物はいらない。俺と対等でいろ?」

ユウジの異常なプレッシャーにサーシャは身震いした
仲間でいるためにはそれぐらいの覚悟が必要なのだと改めて思い知る

「まず魔法はイメージが全てだ。呪文は必要ない。でも魔法書には呪文なんたらと書いてある。もう一度言う呪文は必要ない。イメージだ。常識を捨てろ。課題1無詠唱スキルの獲得だ。サーシャの場合魔力眼があるから、自分の魔力の流れを感じられるはずだ。魔力の流れを感じて、その魔力を希望の形に模るんだ。魔力眼がある以上他人より有利だ。取得できないのは許さない」

いつもの優しいユウジでないことに若干寂しく感じつつも気を引き締めるサーシャ

「イメージがある程度できるようになったら、生活魔法を覚えてもらう。全ての魔法の源流だ。課題2生活魔法の取得。これはイメージさえ出来れば誰でもできる。今のサーシャでもできるだろう。ただサーシャはまだ魔法のコントロールがうまくできないはずだ。だからコントロールに慣れてもらう。今から時間をあげるから魔力眼で色々なものを見てくるんだ。その中で必要な情報と不必要な情報を取捨選択できるようにする。いいか?嘘はつくなよ。魔法は正直だからな?」

ひとしきり説明が終わったところで、ユウジはサーシャを抱き寄せ、いっておいで、と声をかけた

(ふふ、ユウジ様ったら。自分で甘えは許さないと言いつつ、結局甘いんですから。真剣な顔のユウジ様はちょっぴり怖かったけど、それでもかっこよかったな)

サーシャは改めてユウジに惚れている自分を確認しつつ、部屋を出て行った

□□□□

1時間後、サーシャが戻ってきた。
頑張ったのだろう、少し気怠そうな印象を受けた

「サーシャおいで」

サーシャを抱きしめたユウジは、抱擁すると同時に魔法をかけた
ユウジとサーシャを包む光は彩られていた

「サーシャ、どうだ?」
「はい、温かい光が体に染み込んできて、体が軽くなっ気がします」
「光は何色だった?」
「赤と緑だったと思います」
「よし、さすがサーシャだ!」
胸のなかにすっぽり収まっているサーシャの頭をなでた

「今サーシャに、俺の魔力を譲渡した。魔力眼は大して魔力を使わないはずだが、それでもかなり消費していた。かなり頑張ったんだろ?気怠くなっていたのは、魔力欠乏によるものだ。それに体を壊されたら元も子もない、ヒールを念のためかけておいたから。それと今後こんな感じのことが何回もあるだろう。その都度光の色を確認するんだ。最終的には見なくても光の色を識別できるようになったら、お願いを1つ聞こう」

(お願い!ごほうび的なやつでしょうか。キスは最後がいいです。もちろん抱いてほしいは却下されるでしょうから、別のなにかを!)

「生活魔法に入るぞ。一度見本を見せる。これは今後役に立つ魔法だ。サーシャ家事得意だったよな?きっと気に入るぞ。なにをイメージするかだ」

ユウジはサーシャの前に右手を差し出し、ての平を上にした状態で見本をみせた

「まずは火。料理の際に点火している炎だ」
「水。ポッドからコップに注ぐ水の流れだ」
「風。自然のそよ風を思い浮かべるんだ」
「土。砂時計がわかりやすかもな」
「闇。難しいが暗雲あたりだな」
「光。小さな太陽を作り出す感じだ」

「呪文は魔法名のみ。これを無詠唱でだせるようにするのがサーシャの課題だ。今回は詠唱するからちゃんと覚えるんだ。ファイヤ!ウォーター!ウインド!サンド!スリープ!ライト!」

ユウジが詠唱すると、手の平に全ての呪文が発動した
親指から火が、人差し指から水が、中指から風が、薬指から土が、小指から闇が、そして手の平に光が。
どれも同じ大きさの小さい球体で浮かびあがっていた

「魔法の形・大きさ・強さなどは、イメージと魔力のコントロールによってなんとでもなる。例えば、風と闇は本来目に見えない魔法だ。だけど、そよ風に薄く土を纏わせれば風はみえるだろ?闇も光を纏わせればいい。これがコントロールに該当する。まだサーシャには早いからこれはできなくてもいい。とりあえず無詠唱で、火、水、そよ風、土、眠気、光がだせればいいからな?」

サーシャはユウジの手の平に彩られる魔法に心を奪われていた

(なんて綺麗な魔法なんでしょう・・・魔法がここまで美しいとは思いませんでした。今まで魔法に触れてこれなかった時間がとてももったいなく感じます。私にもこれができるでしょうか・・・)

サーシャはひたすら魔法を練習していた
魔力が欠乏しそうになったら、ユウジに回復してもらいながらひたすら、ひたすら。
いつしかこの魔力欠乏がとても不便に感じるようになった

「ユウジ様、魔力を増やすにはどのような方法がありますか?」
サーシャから質問とは珍しいと思いながら答えた

「まずはレベルをあげることだな。レベルは主に経験値であがる。魔物を倒すか訓練魔法が有名だ。あとは今サーシャがやってるような自己鍛練でもあがるな。ただし、魔物や訓練魔法よりかは上がりにくい。次にアイテムだ。所謂ポーション無双をして無理矢理経験値をあげる、これはお金がかかる。俺の魔力譲渡あるだろ?それの有料版だな。他には装備品でステータスがあがるものもある。特殊なのが、加護だ。これは手に入れたいと思ってもなかなか無理だ。それこそ神のみぞ知るってやつだな。あと俺だけだと思うが、俺の力を与えることもできる。ただこれには甘えるなよ?俺の力で強くなるだけで、借り物の力だからな」

(ユウジ様の力を頂くのはやりたくない。私の力でがんばらないと。訓練魔法は使えない。魔物ならあるいは・・・。でもそれをするには休暇を頂かないと。装備品もダメ。それもユウジ様の力と一緒だ。加護はよくわからないけど、多分無理。それならやっぱりポーションしかない。貯金ならたくさんある。あとで注文しておこう。)

「ユウジ様、たまに休暇を頂いてもよろしいでしょうか?」 

「ん?全然かわまないぞ?好きに休んでくれて構わない。あっ!勘違いするなよ?サーシャがいなくてもいいとか思ってないからな?むしろ居てくれたら嬉しいが、俺は本読んでるだけだしな」
勘違いされて泣かれたら大変だしな

「ふふふ、お気遣いありがとうございます。休暇は事前に確認を取りますね」

(これで休暇は取れる。ユウジ様と会えないのは寂しいですが、訓練のため!あとは魔物を倒すための武器と魔物がいる場所。魔物がいる場所はメイド長なら知ってるかも。武器はなにがいいのかわからない。ユウジ様と一緒がいいな・・・)

「あ、あのユウジ様はどんなスタイルで戦闘をされる予定ですか?」

「え?俺?俺は魔法と剣が主体だな。魔法剣士ってやつ。剣は2本、二刀流だな。だけど、1本は抜けないんだ。じゃじゃ馬みたいでさ笑」
そういって、魔剣フォルキナの鞘をなでる

「使えないんですか?それじゃ意味がないのでは?」
武器なのに?と小首を傾げる

「サーシャ、覚えておいてな。武器にも魂はある。自分の命を預ける相棒だ。いざピンチってなったとき、絶対に裏切らないのが武器だ。使えないなら使えない理由がある。意味がないわけじゃない。道具のように扱うか、相棒として扱うかで、きっと差がでると信じている。笑うなよ?俺はこいつらに普通に話しかけることがある笑。頑張ったら労るしな」 

(武器に魂がある!?初めて聞いた・・・。でも仮に魂があるなら、確かに相棒として扱ってくれたほうが嬉しいに決まってる。それに答えてはくれないだろうけど、話かけてくれたら嬉しいよね。私も武器を手に入れたらそうしよう)

「ユウジ様、私もユウジ様みたいに二刀流を真似してもよろしいでしょうか?」

「サーシャが?サーシャは小柄だから二刀流はきついと思うよ?多分短剣あたりかなぁ。でも二刀流に目をつけるとはさすがサーシャ!二刀流は男のロマンだからさ!なかなか理解できる女の子いないんだよなぁ。短剣の二刀流ってのもあれだしなぁ。あっ!あれならサーシャでも!サーシャ、双剣って知ってる?」

「ソウケンですか?初めて聞きますが・・・」

「え?マジ?双剣ないの?この世界・・・。ちょっと調べるから待ってて」

(・・・。なんでしょう?ユウジ様も武器とかお好きなのかな?明らかにテンションが。別に二刀流にこだわったわけじゃなく、ユウジ様と一緒にしたかっただけなんですが・・・。でも理解のある女の子って評価もらえたし、いいかな。ちょっとはしゃいでるユウジ様とか、かわいいかも)

「う~ん、ないみたいだな。マジか~、残念。せっかくだし作っちゃうか。世界創造!~♪~♪~♪~♪」

「えぇ!?なんでノリノリなんです!?」

「ほい、完了♪どうぞ、サーシャ。大切に使ってくれな」

「ほ、ほんとうによろしいんですか?」

「まぁサーシャの為に作ったしなぁ。いずれ武器は必要になるんだし大丈夫でしょ。そんなに気負わなくていいよ?ミスリルっていう少し固めの鉱石を使っただけの普通の武器だから。特殊効果もない。もしその武器が折れちゃった時は、その時こそサーシャが一人前になった証だ。」

恐る恐る双剣を受けとる

「俺が使ってる剣さ、姉妹剣らしいんだ。だからサーシャの双剣も姉妹剣にしといた。デザインも一緒だな。白銀と漆黒。サーシャはかわいい武器がいいかもしれないが、武器に関しては譲れない!かわいいよりカッコイイだ!」 

こだわりがあるらしい
でもサーシャにとっては、ユウジからの初めてのプレゼントでこの世界に存在しない唯一無二の武器。しかも嬉しいことにユウジが使ってる剣と同じデザインで、お揃い武器。
サーシャにとってはこれほど嬉しいプレゼントはない
歓喜に震えた

「ユウジ様!ユウジ様!この武器の名前はなんでしょうか!」

「テンション高いな、気に入ってもらえて嬉しいよ。白銀のほうは・・・そうだな、双剣『たんぽぽ』。漆黒のほうは、双剣『かすみ』にするか」

「たんぽぽにかすみ、どういう意味でしょうか?」

「笑わない?」
煮え切らないユウジ

「もちろんです!」
(笑うわけない、きっと素敵な意味があるんだろうから)  
「俺さ、最初サーシャの笑顔見た時たんぽぽみたいだなって思ったんだ。たんぽぽってのは俺の世界の花なんだけど、どこにでも咲く力強い花なんだ。すごい綺麗ってわけじゃないんだけど、それでも懸命に咲こうとしているところが、サーシャにぴったりだなって。かすみは俺の母さんが好きな花だよ。たんぽぽが花だから花の名前にしようと思ったらそれぐらいしか浮かばなくて」

(嬉しい!すごい素敵な意味!私もいつかたんぽぽを一度見てみたいな・・・。ユウジ様のお母様のお好きな花も。これからもよろしくね、『たんぽぽ』『かすみ』!)

「ユウジ様ありがとうございます!大好き!家宝にしますね!!」
そのままユウジ様に抱き着いた

「いや、使ってね!?」






そんな長い、長い一日が終わり、ユウジも自己の鍛練に向かっていった。

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