過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~魔山と神託~

ラブラブな状態で帰ってきた俺達に、王城の人達は驚いていた
サーシャももう隠す気はないようだ
俺達は一旦部屋に戻った

「ユウジ様、ほかのみなさんが女神様で、魔王様で、王女様って本当ですか?なんか私なんかがユウジ様のお側にいるのは畏れ多い気がします・・・」
やっぱり身分気にしちゃうか~。まぁ予想の範囲内

「じゃあサーシャは俺の隣にいるのは諦めるか?」 

「いえ!それは諦めたくないです!」
うん、決意してる顔だ。美しい

「結局そういうことなんじゃないか?身分に違いはあれど、想いが一緒なら居ていいんだよ。だから俺の側に居てくれ」 
抱き寄せて頭をなでなでする

サーシャはもうすっかり甘えモードだ
頭をユウジの胸にすりすりしている
ユウジはかわいいなぁ、と愛しく愛でる

「馴れ初めはどうだったんですか?」 
やっぱり女の子はそういうのが好きなのか

「まず世界はいっぱいある。俺の世界やサーシャの世界のようにな。そしてそんな世界を管理しているのが神だ。神もたくさんいる。神がたくさんいるなら・・・サーシャ?」
ユウジは思わず笑ってしまった

ユウジの胸の中が気持ち良かったのか、デートで気を張り過ぎて疲れていたのか、いつのまにかサーシャはすぅすぅと寝息を立てていた

(本当に俺の愛しのメイドは完璧なんだか、マイペースなんだか・・・サーシャ、今日はありがとう。また機会があったら話すから。今はゆっくり休んでくれ、おやすみ)

サーシャを横向きに抱えしばらく抱擁した後、おやすみのキスをしてサーシャの寝室へと赴いた
びっくりしていたのはサーシャと同室のメイド達だ
サーシャがデートに行っていたのは噂になっていた
デートから帰ってきたら隠すこともなくいちゃいちゃしていた
そして今はお姫様抱っこで眠ってしまっている
もうメイド達は好奇心の固まりになっていた
ひとしきりセリスにからかわれたユウジはサーシャをセリスに任せ部屋を後にした

□□□□

「さて、早速魔山に行ってみるか。転移!」

(え~と、どうやって83Fまで行くんだ?この前は1Fからだったしなぁ。人もそれなりにいるし、しばらく見てるか)

ダンジョンには、深夜であるにも関わらず冒険者がたくさんいた
ユウジはしばらく観察していると、冒険者たちは入口の横にあるプレートらしきものに触れ、そのままダンジョンに入っていった

(これか?エレベーターのボタン的役割なのかな?どれどれ・・・おぉ!頭の中で行ける階層がでてきた。じゅあ83Fっと)

ダンジョン83F

「ダンジョンの中は外が夜でも明るいのか。ん?この気配は魔物か?」
ユウジの陰陽スキル『気配察知』に敵意ある存在が反応した

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
フロッグタートル レベル:68

体力:8800
魔力:5200
筋力:6600
敏捷:7800
器用:60
幸運:12

加護:なし
技能:捕食

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「蛙が甲羅しょってるのか、なんかきもいな・・・多分普通は甲羅じゃない場所を攻撃するんだろうな、めんどくさいからそのまま叩くか、いくぞ!ふぉるきな」

(マテリアルとアプソリュート発動!)

向かってきたフロッグタートルを甲羅の上から叩いて砕いた
魔物の息はもうないようだ

(まぁ所詮こんなもんか、さっさと魔山にでも行けるようにしないと。ドロップは蛙肉?う、う~ん。まぁギルドで買い取ってもらうかな)

ドロップ品を異空間ボックスへとしまい、ダンジョン攻略へと向かった
攻略は概ね順調だったが、ユウジは少しイライラしていた
魔物は全て瞬殺していたが、ボス部屋を探すのに時間がかかるからだ

(くそ!めんどくさいな!いちいち各階層にボスを設置するなよ!嫌がらせか?普通は5F毎とかだろ!そこはテンプレ踏襲しとけよ!)

ダンジョンに入って2時間後、ようやく100Fに到着した
そして、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
アダマンガーディアン レベル:90

体力:89000
魔力:5000
筋力:100000
敏捷:28000
器用:600
幸運:28

加護:なし
称号:『ダンジョン守護者』
技能:金剛/剛力/再生

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふ~ん。完全なパワータイプでしかも再生持ちかぁ。これは確かに強いな。サーシャでも苦労しそうだ。でも雑魚だな。再生うざいし、魔力吸いとって再生できなくするか。それじゃ、腹ごしらえっと」

ユウジはボスを前に座り込み、食事を始めた
アダマンガーディアンは大きく振りかぶって拳をくり出したが、ユウジには効いていない。そもそも届いてすらいない
ユウジの防御スキル『アプソリュート』だ
もとは精霊級の魔法だったが、様々な魔法と合成していくうちに強化され神級にまで昇華されていた
視認できない薄い障壁が体の周りに張り巡らされている
もちろん使用していれば魔力は消費されるが、今のユウジなら問題ない。しかし、そこはユウジ。せっかく敵がいるんだからそいつから奪えばいいんじゃね?と魔力絶操をアプソリュートに付与していた。つまり敵は自分の魔力が切れるまでほぼ無敵なユウジを相手にしなければならない

(う~ん。なんか味気ないなぁ。今後はサーシャに予め夜食作ってもらうかな)

アダマンガーディアンの攻撃!
しかし、ユウジには届いていない!

(そういえば、今後はサーシャがご飯作ってくれるんだよな?日本料理とかできないかな?やっぱり日本の飯はレベル高いと思うんだよなぁ)

アダマンガーディアンの攻撃!
しかし、ユウジには届いていない!

(天体魔法もできたんだし、料理魔法?いや、だったらサーシャに作ってもらう必要ないしな・・・自動翻訳レシピとか?これならいけそうだな!)

アダマンガーディアンの攻撃!
しかし、ユウジには届いていない!

(あっ!今日からはヘイネ抱き枕サーシャメイド服verが楽しめるんだった!こ、これはワクワクが止まらない!ヘイネとサーシャ、両方楽しめるしなぁ~)

アダマンガーディアンのこうげ・・・

「さっきからうるさいんだよ!考え事してるんだから、黙ってろ!」
ふぉるきなでおもいっきり叩きつけられたアダマンガーディアンは沈黙した

(今後のこともあるし、色々な服を用意しとくべきだな!そうしよう!ただ、ヘイネ、サーシャ、マリーは問題ないがセリーヌは山脈のサイズが違うから気をつけないとな~。絶対気にするし)

未来に夢を馳せながら、ダンジョンを攻略した

ドロップ品(N:ノーマル R:レア)
・[R]アダマンタイト鉱石×20
・ダンジョンマスターの証(ネックレス型)
・称号『ダンジョンマスター』

□□□□

魔山1合目

ダンジョンマスターの証を最深部の転移陣に掲げると、魔山に転移した
長年誰も踏み入れなかった秘境だ。当然道もなかった

「確かにダンジョンとは比べものにならないぐらい強い魔物がうようよいるな。サーシャにはまだ早い気がする。サーシャが無理しないようサポートするか。にしても道がないとマジかよ、めんどくさいな・・・。道つくっちゃうか」

ユウジは転移陣から気持ち遠めの場所まで移動して、ふぉるきなを構える
少し強めの力を込め山頂にむけて、ふぉるきなを振り抜いた
振り抜いたふぉるきなから、凄まじい剣撃が発生し、魔山の半分ぐらいまで跡形もなく破壊しつくし剣撃の道ができていた。自然破壊なんのそのだ

「今まで誰も来なかった秘境だし、問題ないだろ。自然はたくましい!また豊かな緑を実らせてほしい、以上!じゃあ道ができてるところにある素材回収して帰るかな。待ってろよ!ヘイネにサーシャ!た、たまらんな!」

うきうきしながら素材を回収して帰宅につくのだった

ドロップ品(魔山のみ、剣撃によって消滅した魔物)
・[N]蒼爪×6(ブルーファング)
・[N]怨念草×8(蛇目樹)
・[R]ファント肉×2(ラブリーファント)
・[N]白狐の毛皮×4(白狐)
・[N]キーの実×3(イエローフラワー)
・[N]エンペラーの耳×6(ゴブリンエンペラー)
・[N]ファングの目×4(コボルトファング)

部屋に着いた俺は、ヘイネ抱き枕サーシャメイド服verをかかえ眠りつくのだった

目覚まし時計は、褒めてほしかったので、「ヘイネ」にした

□□□□

『ユウジ、起きて!はい、いつもの・・・ん!』

もはや起きてないのが失礼なぐらい起きてました
おはようのキスが楽しみで、最近は「ヘイネ」が多いです

「ヘイネ~。もう一回~。」

『もう!おきてるじゃない!でも昨日は頑張ったもんね?特別だよ?・・・ん!』

特別なキスもいいよなぁ~
ヘイネは俺にとって特別だしなぁ

『ふふ、ありがと。私もユウジは特別だよ。今は私だけを想っててくれてすごく嬉しい。今後はなかなかそうはいかないもんね・・・ぐすっ』

「だ、大丈夫だ、ヘイネ!みんな同じぐらい愛してる。優劣はない。それでも俺の1番はヘイネなんだから!」

独占欲が全く無さそうなヘイネにも少しはあるのか
うん、また一つヘイネが知れた

『本当に?なでてもらえないのが残念だけど、とても嬉しい・・・ねぇ、ユウジ。・・・愛してるって言って?』

な、なんだ?今日のヘイネはいつもと違って甘えてくるな・・・すごくドキドキする

「ヘイネ、愛してる。神に誓ってもいい。いや、女神ヘイネに誓う」

神って、ヘイネも女神だしな

『ありがとう、ユウジ!私も愛してる!』

ヘイネの嬉しそうな感情が全身を包んでくる?
な、なんだ?これ?今までと全く違う効果だぞ?

『もう、時間だね・・・いってらっしゃい、私だけの勇者様』

いってらっしゃいのキスをうけ、意識が覚醒していく
温かい、温かい光だった

(今日のヘイネはいつも以上に甘えん坊だったな・・・。
どういうことだ?関係してくるのはやはりデートだろう。でもヘイネはマリーたちのことも受け入れていた。サーシャのことも受け入れるだろう。でもどこか淋しそうだった。独占欲が少しでもあるなら、納得しづらい気持ちも少しはあるんだろう・・・きをつけないとな。サーシャも同じかな。)

彼女達をしっかり見ていようと改めて決意した

(それにしても途中にあった違和感はなんだったんだろう?ヘイネのことだ、また何かしてくれたんだろうな。ったく。ヘイネはどれだけ凄くて、俺に対して甘いんだよ)

ヘイネの無償の愛に嬉しくて、愛しくて、いつまでもたっても手が届かないことに悔しさが沸いてきた

(待ってろ!ヘイネ!必ずお前に追い付いて、隣にたってやるからな!)


しばらくするとセリスがやってきた
朝食の準備ができたと知らせにきたらしい
サーシャは?と尋ねたら、そんなに会えないのが淋しいの?とからかわれながら、まだ寝てることを教えてもらった
気が弛みすぎじゃね?と思いつつ食堂へ向かい朝食をしていたら、懐かしい声が頭のなかで聞こえきた


『勇者様方、お久しぶりです。本日は神託を授けに参りました』



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