過去と現在を結ぶ異世界ストーリー
~愛しの我が儘とマイホーム~
帝国エクスペイン・帝都エクスペイン
巨大な城塞都市である
東西南北4つの城門があり様々な施設がある
東門方面は主に『居住区』
中央から城門に向けていくに従ってランクが落ちる
西門方面は主に『研究区』
魔法学校や帝国の魔法研究機関などがある
南門方面は主に『迷宮区』
闘技場や迷宮、冒険者ギルドなどがある
北門方面は主に『貴族区』
帝国の帝城や貴族などの家などが連なる高級立地等になる
東西南北中央が『中央区』
市場やオークションなどが開かれている場所になる
□□□□
帝都エクスペイン・『居住区』
「でかい都市だなぁ~。王都の数倍はあるぞ?それに様々な種族も見かけるな」
『王都の約4倍らしいです。大陸随一の都らしいですよ?イシスは人間国でしたが、ここは実力至上主義の国なので様々な種族が集まると聞きました』
ほぉ~、さすがサーシャ物知りだ。ご褒美に頭なでなでだな
「魔法学校なんてものもあるんだな。こんなもんあるなら、魔法は帝国が独り占めしててもわかんないだろうな。ちょっと興味あるな」
『私も詳細がわからないので後で調べてみますね』
マジ最高だな、サーシャは!俺は動きたくないでござる
「迷宮もあるし、暇なときに潜るのもいいなぁ。武闘大会もあるんだったな。魔山みたいなところもあるの?」
『いえ、魔山みたいな所はさすがに。ただ迷宮は上級者向けらしいです。イシスのが初級者向けだったので、迷宮がかなり厳しいのでしょう。大会は時期的に3日後ですね』
まぁ、魔山にはいつでも転移できるから問題ないか
「買い物は中央区でいいとして、神殿は?」
『ユウジ様の目的地ですね。高級区、通称貴族区にありますよ』
「げえ~。マジか。貴族区とかめんどくさいか、トラブルしかない所じゃねぇか」
『ユウジ様は貴族様がお嫌いみたいですね。でも北門近くでは声を潜めてくださいね?』
聞かれたら大変らしい、めんどくさい
「でも思ったよりいいな、ここ。腰を据えるにはいいかもしれん。サーシャ?帝都に家でも買って拠点にでもするか!移動は転移あるし、魔法学校行ってみたいし、大会にも興味あるし、迷宮にも行きたい。男の子の夢満載なんです!」
『ふふ、ユウジ様らしいですね。でも帝都はすごい高いと聞きますよ?大丈夫ですか?』
あぁ、微笑むサーシャは可愛いな!やる気出た!
「誰に言ってんの?金なんて簡単に稼げるよ?魔山にでも転移して、神圧ぶっ放して皆殺しにすればザックザクでしょ」
『もはや普通に稼ぐのがバカらしくなる方法ですよね?それ。また変な噂たちますよ?』
やめてくれます!?イシスの二の舞は避けたいです!
「とりあえず家は買うか。ヘイネとの『約束』でもあるしな。ちょっくら金稼いでくるよ。サーシャはどうする?帝都観光してるか?俺が帝都に戻ってきても、場所は『貴方の側に』でわかるだろうし」
『私はユウジ様のお役に立ちたいので、魔法学校やその他のこと色々調べてますね』
「助かる、サーシャ。絡まれても手加減するんだぞ?じゃあ、行ってくる」
『ユウジ様もやり過ぎないようにしてくださいね?お気を付けて・・・んぅ!』
俺はサーシャといってきますのキスをして、魔山に転移した
おはよう、いってきます、おかえり、おやすみの4つでキスするように義務付けた。だって、したいし、喜ぶしね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『貴方の側に』
愛情Lv.5により取得できるスキル
愛情対象者との距離が近ければ近いほど全身体能力UP
愛情対象者の居場所がわかるようになる、愛情ゆえに
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
□□□□
魔山50合目
魔山に着いた俺は神圧と神帝龍で魔物を殲滅した
ほとんどの魔物は神圧(レベル依存)で死ぬのだが、たまにユニークモンスターがいたりすると生き残っているのだ
リアに聞いた所、バグらしき魔物はユニークモンスターと言われ突然変異扱いらしい。脅威はないらしい
「これこれ、これが高く売れるんだよな。美味いし、少しサーシャに渡すか」
拾ったのは[R]ファント肉だ。
ラブリーファントのドロップアイテム、超貴重な素材だ
なかなか会えないレア魔物らしいが殲滅するので関係ない
50合目から適当に下山しながら素材を回収していく
□□□□
帝都エクスペイン・『迷宮句』
魔山での素材回収を終えた俺は『迷宮区』の冒険者ギルドにきた
王都の冒険者ギルドでもよかったが、リアいるし顔を合わせづらい。クエストの進捗だけ確認できればいいしな
受付がお姉さんの所で並んで待機した
当たり前だろ?男の受付とかないわー。待つとしてもな!
「えっと、お姉さん。換金したいんですが、個室かなんかあります?数があまりに多いのとあまり見られたくはないんです」
個室とかいやらしい響きに聞こえるだろうが理由がある
王都でもそうだったが、素材鑑定するような個室があるらしい。こんなでかい都市なら確実にあるだろう
案内してもらった俺は一部の素材を出した
これもリアに教わったのだが、素材を一気に放出すると価格の暴落が起こり他の冒険者に迷惑がかかるらしい
リアが困ってたから協力はしてあげた
「これが所持している素材の一部です。まだ大丈夫でしたら出します。それとは別にファント肉の買取をお願いします」
これもリアから(略)リア様様だな!ありがとう!
ファント肉は超貴重な素材なので他の素材とは別の査定が入る。肉1つで黒金貨1枚だ
金貨100枚で白金貨1枚、白金貨100枚で黒金貨1枚、黒金貨100枚で王金貨1枚となる。金貨の下は銀貨に銅貨
日常生活は基本銀貨に銅貨だ。金貨がそこそこの価値
白金貨、黒金貨、王金貨なんて滅多に使われない
さすが帝都、査定員の数が多い
みんな仰天しているが仕事はしっかりこなしている
結局俺はファント肉50個(一部)と多数の素材を渡して待機している
査定が終わり受付のお姉さんが戻ってきた
〔こちらが今回の換金結果です。王金貨2枚と黒金貨80枚、白金貨56枚、金貨36枚、銀貨96枚、銅貨33枚となります。全額換金は只今ギルド内の備蓄ではできませんので預金扱いとさせて頂きます。申し訳ありません〕
顔引き攣ってるなぁ。リアも最初そうだったよな
「預金で構いません。お手数かけます。金貨未満はいらないんで孤児院に寄付してもらえます?それと家買いたいんですが、不動産屋の場教えてもらえますか?」
〔寄付の件はギルドが責任をもって承ります。ご協力ありがとうございます。不動産屋はギルド公認のお店がありますのでそちらの地図をお渡ししますね〕
公認とかあるのか。なら安心だな、助かる
「助かります。ちなみに相場ってわかりますか?預金いくら卸せばいいか見当つかないので」
まぁさすがに知らないかな。キャリアウーマンな印象あるが
〔場所にもよると思います。『中央区』周辺だと白金貨10枚~20枚相場、城門にいくにつれて安くなります。『貴族区』ですと城に近くなるほど高くなり、黒金貨50枚前後となります。詳しくは不動産屋にお聞きください〕
知ってるのかよ!できるな、お姉さん!よし、今後はお姉さん一択だな、可愛いし
「それでは白金貨50枚と金貨50枚下ろしてもらえますか?それにしてもダメ元で聞いたんですが驚きました。お姉さんかなり優秀ですね、それに可愛いですし。俺ユウジって言います。帝都に腰を据えるつもりなので、今後受付の担当はお姉さんを優先しようと思います。いや、させてください!あっ。ついでで悪いですが、プレートの更新もお願いします」
〔ユウジさんですね・・・。お誉め頂きありがとうございます。私はヒルダと申します、今後ともよろしくお願いします。プレート更新して参りますので少しお待ちください〕
受付嬢のヒルダさんは顔を赤くして奥に去っていった
(なんで赤くなるの?事実しか言ってないんだが・・・。口説いたつもりないんだけどなぁ~。またリアみたいにならないよう気をつけないと)
しばらくするとヒルダさんが戻ってきた
なんだか嬉しそうな顔に見えるがきのせいだな、気のせい
〔ユウジさん、おめでとうございます!Aランクに昇格されてますよ!本当にユウジさんはお強いんですね!〕
キラキラした目で俺を見つめてくる。眩しいから!
「お姉さん、ありが・・・」
〔ヒ・ル・ダ、でお願いしますね!〕
(言葉を遮られたよ。ぐいぐいくるな・・・。ギルド職員はみんなこうなのか?リアもそうだったよな)
「ヒ、ヒルダさん、ありがとうございます。ちなみになんですが、Sランクになるにはどうすればいいんですか?このまま素材換金だけでなれるんですか?」
〔さん、もいらないですが、今は勘弁してあげますね?Sランクは特別なので昇格試験がありますよ。説明ありましたよね、聞いてないですか?この世界では20人しかいないです〕
(ふ~ん。20人もいるんだ。なら大したことなさそうだな。2人しかいない、とかなら興味持ったんだが)
〔Sランクに興味あるんですか?〕
「試験あるんですよね?めんどくさいです。いつでもなれるでしょうから、今は特に興味はないです」
〔Sランクを全く歯牙にも欠けない不遜ぶり、素敵・・・〕
(・・・!なんか雲行き怪しくなってきたな。聞くこと聞けたし退散するか!)
「ヒルダさん、ありがとうございました。またきますね。それじゃ」
俺は踵を返して冒険者ギルドを出た
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユウジ・ハクト 17歳 ♂ レベル90
種族:人間
職業:剣士
所属:冒険者ギルド Aランク
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
冒険者ギルドを出て冒険者プレートを確認したら、確かにAランクだった
偽造も問題なさそうだな
それにしてもクエストとか一切やらず換金だけでAランクだ
ランクちょろすぎない?まぁイリアスならこんなもんか
『ユウジ様?随分と親しげにお話されてましたね?』
!!!ま、まさか・・・。ねぇ、いるの?いるんですか?
背後から強烈なプレッシャーを感じた
ま、まさか、見られてたのか?どこからだ?
や、やましいことはしていない、絶対にだ!
意を決して振り返るとそこには笑顔のサーシャがいた
サーシャの笑顔はうつくしく・・・ないよ!
目が笑ってないから!なんか黒いオーラ見えそうだから!
「サ、サーシャ?おかえり。換金と不動産屋の情報聞けたよ」
自然だ、自然体でいこう
『そうですか、あくまで知らぬ損ぜぬを貫くんですね?私が一生懸命ユウジ様の為に情報収集していたのに、ユウジ様は『可愛い』受付嬢さんを『優先』して楽しくお話されてましたもんね?いいんですよ?ユウジ様が楽しいならお話され・・・ても・・・ぐすん。・・・ユウジ様ひどいです』
ええええ!?なにその反応!?ちょっと!?
「いやいやいや!ちょっと、ちょっと待って、サーシャ!誤解だから!勘違いだから!俺なにもしてないから!口説いてないよ?世間話だから、な?落ち着け?」
『でしたら優しく抱きしめてください。それで許してあげます』
「おぅ、おやすいご用だ」
俺はサーシャを優しく抱きしめ背中を摩ってあげた
サーシャは落ち着くに従い、嬉しそうに頭を俺の胸にすりすりしてきた
それにしても怒られると思ったのにどうしたんだ?
なんか様子が違ったな、聞いてみるか
「どうしたんだ?サーシャ。てっきり怒られると思ったんだが」
『おわかりにならないんですか?ユウジ様。ここのところずっと私は鍛練の為、朝と夜以外はユウジ様と一緒にいませんでした。もちろん、朝と夜にご寵愛頂けるのはとても幸せです。ですが、『それ』だけなのです。王都にいた頃は少しでしたが、二人だけの時間がありました。しかし最近は全くありません。本日久しぶりに二人だけの時間ができて、とても嬉しく思っておりました。そんな時にあんな楽しそうな顔をほかの女性に向けられたら悲しくもなりますし、淋しくもなります。わがままなのは承知してますが、もう少し私を優先して欲しいです』
(あ~なるほど。お楽しみだけじゃなくて、もっと恋人らしいいちゃいちゃがしたいって事か。サーシャはいちゃいちゃ不足なのか。確かに最近はあまりしてなかった気がする。サーシャは鍛練でサーシャの世界に行くからこっちの世界からいなくなるし、向こうではスイとレンがいるからなかなかいちゃいちゃできないしな。悪い事をしたな)
「俺が悪かったよ、サーシャ。気付いてやれなくてごめんな?俺鈍いからさ、なんか不満あったら遠慮しないで言ってくれな?」
胸の中ですりすりしているサーシャの頭をなでる
『いえ、そのお気持ちが嬉しいです。私こそ我が儘を言って申し訳ありません。ユウジ様・・・こんな我が儘な私はお嫌いですか?』
不安そうに尋ねてくるサーシャ
「サーシャを嫌いになるわけないだろ。どんなサーシャも俺は好きだ!だからどんどん我が儘を言ってくれてもかまわないぞ?」
『ありがとうございます、ユウジ様。でしたら、もうしばらくこのままで居させてください』
可愛い我が儘だなぁ。サーシャらしい控えめな我が儘だ
しばらくサーシャの可愛い我が儘を叶えたユウジ
しっかりサーシャの髪のしっとりさらさら感も楽しんだ
完全な桃色空間だがユウジは周りの目を気にしていなかった
ギルド前という出入りの激しい場所であっても
それだけ胸の中にいる愛しい人を愛でていたからだ
『ありがとうございます、ユウジ様。ユウジ様成分堪能しました。早速不動産屋いきましょう!』
一輪のたんぽぽが華やいだようだ。美しい
しかし俺は満足できなかった
見るなら満面に咲き誇るたんぽぽだ!
だから俺は
「おいおい、サーシャだけ満足するなよ。俺はまだ満足してないぞ?家の購入は明日だ。今から帝都観光という名のデートにいくぞ!サーシャ、ついて来い!」
サーシャは驚いていたが、すぐに嬉しそうな顔で満面な笑顔を見せた
やっとたんぽぽが満面に咲き誇った・・・
俺はそれが見たかったんだ!
愛しい人の美しくも可愛い、俺が惚れた笑顔を
結局その日は、満足いくまで二人でいちゃいちゃしてデートを楽しんだ
□□□□
帝都エクスペイン・『居住区』
翌日サーシャはご機嫌だった
夜と朝のご奉仕にも力が入っていた
積極的なサーシャに燃えた、それはもう燃えた
ふむ、なるほど。いちゃいちゃは大切だな、色々と!
二人で軽く朝の鍛練を終えた俺達は『居住区』に来ていた
家を購入するためだ
そうそう朝の鍛練と言うのは真面目なやつもある
俺とサーシャの軽い模擬戦だ。魔法なしの純粋な技術のみだ
最初のうちは打ち負かしていたが、今では3本に1本取れるかどうかにまでなってしまった
既に敏捷はサーシャのほうが上だ
悔しくはあるが、サーシャが強くなったことに改めて感慨深くなった
話を戻そう
家に関して俺は特に希望はなかった
それなりの人数さえ住めればいい
ヘイネと相談したら、ヘイネも俺と同意見だった
後はサーシャの希望だけだ
「サーシャはどんな家がいい?」
『そうですね、サーシャの世界とは別にガーデニングはしたいですね。嫌みではないのですが、あちらは植えれば何でも咲き誇りますので育てる楽しみというのが薄い感じがします。季節にあった植物を愛でてみたいと思います。それとやはりキッチンは気になります。それぐらいでしょうか』
ふむ、季節にあった趣というやつか
全く考えてなかったな。咲いてればいいだろ、的にしか
「わかった。庭付きの家にしよう。色々みせてもらおうか」
『ありがとうございます、ユウジ様』
笑顔のサーシャは可愛いな
二人で腕組をして不動産屋に向かった
不動産屋に着いた俺達は早速店内へと入り、店員に家の購入と希望を伝えた
初め店員は訝しがった目で俺を見ていた
まぁどこからどう見ても幼い少年に見えるから仕方ないだろう
めんどくさったので大量の白金貨を見せたら、態度がコロッと変わって上客扱いをしてきた
いるよねー。こういう人
店員に紹介されたのは5つの家で全て見て回った
①『中央区』から遠いが、庭付きの屋敷で家具調度品あり。白金貨13枚
②『中央区』と城門の中間地点で、庭付きの屋敷。家具調度品なし。白金貨12枚
③『中央区』と城門の中間地点で、庭付きだが古屋敷。家具調度品あり。白金貨16枚
④『中央区』寄りで、庭付きの屋敷。家具調度品なし。白金貨23枚
⑤『中央区』寄りで、庭付きだが古屋敷。家具調度品あり。白金貨25枚
「サーシャどう思う?俺は④か⑤だな」
『そうですね。お買い物とかする上でも『中央区』に近いと便利ですから、私も④か⑤でいいと思います』
サーシャも同意見みたいだな
「俺的には⑤がいいかな、と思うんだ」
『どうしてですか?アイテムボックスあるので④を選ばれるかと思ってましたが』
「確かにそうなんだが古屋敷と言っても、屋敷が古いだけでしっかり手入れされてるし、家具や調度品なんかもいいものだった。全部屋の家具や調度品を購入して、配置までの手間を考えたら古屋敷でもお釣りがくるぐらい十分だと思うんだ。」
『なるほど、確かにそうかもしれませんね。私も⑤でいいと思います』
俺とサーシャは⑤の屋敷を選び、即金で購入し屋敷の鍵を受け取った
まぁぶっちゃけ家具とか選ぶのがめんどくさかったし、調度品なんて全くわからん
既に用意されてるほうが楽でいいよね、って理由だ
遂にヘイネとの『約束』の1つ、マイホームを手に入れた
□□□□
帝都エクスペイン・『居住区』ユウジ邸宅
早速俺とサーシャは購入した屋敷にきていた
白塗りの壁に赤い屋根。瀟洒な造りの三階建ての洋館
もらった鍵を使って門を開け、敷地に入る
芝生が植えられた広い庭、そして小さな噴水付きの池がある
まさに豪邸と言っても過言ではないな!
「やっぱりマイホームは感慨深いものがあるよなぁ。なんかこう頑張らないと、って気が引き締まるよ」
『ふふ、ユウジ様はいつも頑張られてますよ?』
ありがとう、サーシャ。サーシャ達がいるからだよ
「サーシャにも個人部屋割り振るから自由にしてくれ」
『よろしいんですか!?』
いやいや、普通でしょ!こんだけ広いし
「遠慮するな。可愛く部屋をアレンジするといいさ。楽しみにしてるぞ?」
『ありがとうございます!ユウジ様!』
(すごい喜びようだな。あぁそう言えば、個人部屋は憧れだったんだっけ。サーシャがこんなに喜んでくれるならいい買い物だった。サーシャの笑顔は格別だ。さてと・・・)
俺は喜ぶサーシャを抱き寄せ
『ユウジ様!?』
驚くサーシャの耳元で囁いた
「やっぱり最初はベッドの感触を確認するべきだと思うんだ。いくぞ?サーシャ」
顔を真っ赤にして恥ずかしがっているサーシャをお姫様抱っこして、俺の寝室予定の部屋に駆け込んだ
その後サーシャと満足するまで楽しんだ
ベッドの感触は最高でした、もちろんサーシャも最高だった
ベッドの上でサーシャと横になりながら、サーシャの頭をなでていたらサーシャが
『ところでユウジ様?これだけ広いとお屋敷の管理大変だと思いますが、どうされるんですか?』
「・・・」
やっべ!全く考えてなかった!サーシャ1人じゃ無理だろうし
『まさかとは思いますが、全く考えていらっしゃらなかったんですか?』
「どうしよう?サーシャ。おっしゃる通りです」
呆れた顔で見てくるサーシャ
『そうですね、一般的には奴隷を買って屋敷の管理をさせるのがいいと思います。奴隷であればユウジ様のお力を口外したりできませんから』
「あ~、奴隷ねぇ。あれ?イシスには奴隷いなかったよね?」
王宮でも城下町にもいなかったような?
『イシスは奴隷禁止の国でしたから。ここ帝国エクスペインは奴隷がいますし、商館もあります。イシスがどちらかと言うと例外ですね』
「なるほど。サーシャは奴隷、気にしないの?」
俺は過去2度異世界経験があるから、奴隷の状況や扱われ方などは知っている
奴隷の待遇なんて世界は違っても、どこも大差はきっとないだろう
『性奴隷、そういう目的ではないんですよね?』
「当たり前だろ。興味がないと言えば嘘になるがそういうのじゃない。でも買うのは女の子のみだ。そこは譲れないし、譲らない。仮に男を買って、そいつが俺のサーシャをエロい目で見やがったら即殺しちゃいそうだしな!買い損になるなら最初から女の子一択だ」
男を買う男とか誰得だよ!女の子に囲まれたいです!
『はぁ、本当ユウジ様はブレないですよね。わかりました。でも奴隷を購入されるならついて行きますね?いいですよね?』
「は、はい。構いませんで、ございます」
ひぃ!なんかプレッシャー、プレッシャーきてるよ!
「じゃあ早速買いに行くか!っとその前に、奴隷に欲情したらまずいからな。もう一度しとくか?」
『ユウジ様がしたいだけですよね?』
バレてたかぁ~。でもきっとサーシャもだな
「あ~発散させないと奴隷に手を出しちゃうかもな~。サーシャとしたいなぁ~」
サーシャをチラッと見る
『ふふ、わかりました。いっぱい可愛がってくださいね?』
くすっと笑ったサーシャは可愛かった
二人はキスをかわし、本日二度目のベッドの感触を確認しながら楽しんだ
仲良く腕を組み、お金を下ろすため冒険者ギルドに向かう途中俺は尋ねた
「奴隷は何人ぐらいがいいと思う?」
『あのお屋敷の広さとお庭の管理も考えると、4人ぐらいでしょうか』
そんじゃ、行きますか!
新しい奴隷を増やすために!
巨大な城塞都市である
東西南北4つの城門があり様々な施設がある
東門方面は主に『居住区』
中央から城門に向けていくに従ってランクが落ちる
西門方面は主に『研究区』
魔法学校や帝国の魔法研究機関などがある
南門方面は主に『迷宮区』
闘技場や迷宮、冒険者ギルドなどがある
北門方面は主に『貴族区』
帝国の帝城や貴族などの家などが連なる高級立地等になる
東西南北中央が『中央区』
市場やオークションなどが開かれている場所になる
□□□□
帝都エクスペイン・『居住区』
「でかい都市だなぁ~。王都の数倍はあるぞ?それに様々な種族も見かけるな」
『王都の約4倍らしいです。大陸随一の都らしいですよ?イシスは人間国でしたが、ここは実力至上主義の国なので様々な種族が集まると聞きました』
ほぉ~、さすがサーシャ物知りだ。ご褒美に頭なでなでだな
「魔法学校なんてものもあるんだな。こんなもんあるなら、魔法は帝国が独り占めしててもわかんないだろうな。ちょっと興味あるな」
『私も詳細がわからないので後で調べてみますね』
マジ最高だな、サーシャは!俺は動きたくないでござる
「迷宮もあるし、暇なときに潜るのもいいなぁ。武闘大会もあるんだったな。魔山みたいなところもあるの?」
『いえ、魔山みたいな所はさすがに。ただ迷宮は上級者向けらしいです。イシスのが初級者向けだったので、迷宮がかなり厳しいのでしょう。大会は時期的に3日後ですね』
まぁ、魔山にはいつでも転移できるから問題ないか
「買い物は中央区でいいとして、神殿は?」
『ユウジ様の目的地ですね。高級区、通称貴族区にありますよ』
「げえ~。マジか。貴族区とかめんどくさいか、トラブルしかない所じゃねぇか」
『ユウジ様は貴族様がお嫌いみたいですね。でも北門近くでは声を潜めてくださいね?』
聞かれたら大変らしい、めんどくさい
「でも思ったよりいいな、ここ。腰を据えるにはいいかもしれん。サーシャ?帝都に家でも買って拠点にでもするか!移動は転移あるし、魔法学校行ってみたいし、大会にも興味あるし、迷宮にも行きたい。男の子の夢満載なんです!」
『ふふ、ユウジ様らしいですね。でも帝都はすごい高いと聞きますよ?大丈夫ですか?』
あぁ、微笑むサーシャは可愛いな!やる気出た!
「誰に言ってんの?金なんて簡単に稼げるよ?魔山にでも転移して、神圧ぶっ放して皆殺しにすればザックザクでしょ」
『もはや普通に稼ぐのがバカらしくなる方法ですよね?それ。また変な噂たちますよ?』
やめてくれます!?イシスの二の舞は避けたいです!
「とりあえず家は買うか。ヘイネとの『約束』でもあるしな。ちょっくら金稼いでくるよ。サーシャはどうする?帝都観光してるか?俺が帝都に戻ってきても、場所は『貴方の側に』でわかるだろうし」
『私はユウジ様のお役に立ちたいので、魔法学校やその他のこと色々調べてますね』
「助かる、サーシャ。絡まれても手加減するんだぞ?じゃあ、行ってくる」
『ユウジ様もやり過ぎないようにしてくださいね?お気を付けて・・・んぅ!』
俺はサーシャといってきますのキスをして、魔山に転移した
おはよう、いってきます、おかえり、おやすみの4つでキスするように義務付けた。だって、したいし、喜ぶしね!
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『貴方の側に』
愛情Lv.5により取得できるスキル
愛情対象者との距離が近ければ近いほど全身体能力UP
愛情対象者の居場所がわかるようになる、愛情ゆえに
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□□□□
魔山50合目
魔山に着いた俺は神圧と神帝龍で魔物を殲滅した
ほとんどの魔物は神圧(レベル依存)で死ぬのだが、たまにユニークモンスターがいたりすると生き残っているのだ
リアに聞いた所、バグらしき魔物はユニークモンスターと言われ突然変異扱いらしい。脅威はないらしい
「これこれ、これが高く売れるんだよな。美味いし、少しサーシャに渡すか」
拾ったのは[R]ファント肉だ。
ラブリーファントのドロップアイテム、超貴重な素材だ
なかなか会えないレア魔物らしいが殲滅するので関係ない
50合目から適当に下山しながら素材を回収していく
□□□□
帝都エクスペイン・『迷宮句』
魔山での素材回収を終えた俺は『迷宮区』の冒険者ギルドにきた
王都の冒険者ギルドでもよかったが、リアいるし顔を合わせづらい。クエストの進捗だけ確認できればいいしな
受付がお姉さんの所で並んで待機した
当たり前だろ?男の受付とかないわー。待つとしてもな!
「えっと、お姉さん。換金したいんですが、個室かなんかあります?数があまりに多いのとあまり見られたくはないんです」
個室とかいやらしい響きに聞こえるだろうが理由がある
王都でもそうだったが、素材鑑定するような個室があるらしい。こんなでかい都市なら確実にあるだろう
案内してもらった俺は一部の素材を出した
これもリアに教わったのだが、素材を一気に放出すると価格の暴落が起こり他の冒険者に迷惑がかかるらしい
リアが困ってたから協力はしてあげた
「これが所持している素材の一部です。まだ大丈夫でしたら出します。それとは別にファント肉の買取をお願いします」
これもリアから(略)リア様様だな!ありがとう!
ファント肉は超貴重な素材なので他の素材とは別の査定が入る。肉1つで黒金貨1枚だ
金貨100枚で白金貨1枚、白金貨100枚で黒金貨1枚、黒金貨100枚で王金貨1枚となる。金貨の下は銀貨に銅貨
日常生活は基本銀貨に銅貨だ。金貨がそこそこの価値
白金貨、黒金貨、王金貨なんて滅多に使われない
さすが帝都、査定員の数が多い
みんな仰天しているが仕事はしっかりこなしている
結局俺はファント肉50個(一部)と多数の素材を渡して待機している
査定が終わり受付のお姉さんが戻ってきた
〔こちらが今回の換金結果です。王金貨2枚と黒金貨80枚、白金貨56枚、金貨36枚、銀貨96枚、銅貨33枚となります。全額換金は只今ギルド内の備蓄ではできませんので預金扱いとさせて頂きます。申し訳ありません〕
顔引き攣ってるなぁ。リアも最初そうだったよな
「預金で構いません。お手数かけます。金貨未満はいらないんで孤児院に寄付してもらえます?それと家買いたいんですが、不動産屋の場教えてもらえますか?」
〔寄付の件はギルドが責任をもって承ります。ご協力ありがとうございます。不動産屋はギルド公認のお店がありますのでそちらの地図をお渡ししますね〕
公認とかあるのか。なら安心だな、助かる
「助かります。ちなみに相場ってわかりますか?預金いくら卸せばいいか見当つかないので」
まぁさすがに知らないかな。キャリアウーマンな印象あるが
〔場所にもよると思います。『中央区』周辺だと白金貨10枚~20枚相場、城門にいくにつれて安くなります。『貴族区』ですと城に近くなるほど高くなり、黒金貨50枚前後となります。詳しくは不動産屋にお聞きください〕
知ってるのかよ!できるな、お姉さん!よし、今後はお姉さん一択だな、可愛いし
「それでは白金貨50枚と金貨50枚下ろしてもらえますか?それにしてもダメ元で聞いたんですが驚きました。お姉さんかなり優秀ですね、それに可愛いですし。俺ユウジって言います。帝都に腰を据えるつもりなので、今後受付の担当はお姉さんを優先しようと思います。いや、させてください!あっ。ついでで悪いですが、プレートの更新もお願いします」
〔ユウジさんですね・・・。お誉め頂きありがとうございます。私はヒルダと申します、今後ともよろしくお願いします。プレート更新して参りますので少しお待ちください〕
受付嬢のヒルダさんは顔を赤くして奥に去っていった
(なんで赤くなるの?事実しか言ってないんだが・・・。口説いたつもりないんだけどなぁ~。またリアみたいにならないよう気をつけないと)
しばらくするとヒルダさんが戻ってきた
なんだか嬉しそうな顔に見えるがきのせいだな、気のせい
〔ユウジさん、おめでとうございます!Aランクに昇格されてますよ!本当にユウジさんはお強いんですね!〕
キラキラした目で俺を見つめてくる。眩しいから!
「お姉さん、ありが・・・」
〔ヒ・ル・ダ、でお願いしますね!〕
(言葉を遮られたよ。ぐいぐいくるな・・・。ギルド職員はみんなこうなのか?リアもそうだったよな)
「ヒ、ヒルダさん、ありがとうございます。ちなみになんですが、Sランクになるにはどうすればいいんですか?このまま素材換金だけでなれるんですか?」
〔さん、もいらないですが、今は勘弁してあげますね?Sランクは特別なので昇格試験がありますよ。説明ありましたよね、聞いてないですか?この世界では20人しかいないです〕
(ふ~ん。20人もいるんだ。なら大したことなさそうだな。2人しかいない、とかなら興味持ったんだが)
〔Sランクに興味あるんですか?〕
「試験あるんですよね?めんどくさいです。いつでもなれるでしょうから、今は特に興味はないです」
〔Sランクを全く歯牙にも欠けない不遜ぶり、素敵・・・〕
(・・・!なんか雲行き怪しくなってきたな。聞くこと聞けたし退散するか!)
「ヒルダさん、ありがとうございました。またきますね。それじゃ」
俺は踵を返して冒険者ギルドを出た
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ユウジ・ハクト 17歳 ♂ レベル90
種族:人間
職業:剣士
所属:冒険者ギルド Aランク
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冒険者ギルドを出て冒険者プレートを確認したら、確かにAランクだった
偽造も問題なさそうだな
それにしてもクエストとか一切やらず換金だけでAランクだ
ランクちょろすぎない?まぁイリアスならこんなもんか
『ユウジ様?随分と親しげにお話されてましたね?』
!!!ま、まさか・・・。ねぇ、いるの?いるんですか?
背後から強烈なプレッシャーを感じた
ま、まさか、見られてたのか?どこからだ?
や、やましいことはしていない、絶対にだ!
意を決して振り返るとそこには笑顔のサーシャがいた
サーシャの笑顔はうつくしく・・・ないよ!
目が笑ってないから!なんか黒いオーラ見えそうだから!
「サ、サーシャ?おかえり。換金と不動産屋の情報聞けたよ」
自然だ、自然体でいこう
『そうですか、あくまで知らぬ損ぜぬを貫くんですね?私が一生懸命ユウジ様の為に情報収集していたのに、ユウジ様は『可愛い』受付嬢さんを『優先』して楽しくお話されてましたもんね?いいんですよ?ユウジ様が楽しいならお話され・・・ても・・・ぐすん。・・・ユウジ様ひどいです』
ええええ!?なにその反応!?ちょっと!?
「いやいやいや!ちょっと、ちょっと待って、サーシャ!誤解だから!勘違いだから!俺なにもしてないから!口説いてないよ?世間話だから、な?落ち着け?」
『でしたら優しく抱きしめてください。それで許してあげます』
「おぅ、おやすいご用だ」
俺はサーシャを優しく抱きしめ背中を摩ってあげた
サーシャは落ち着くに従い、嬉しそうに頭を俺の胸にすりすりしてきた
それにしても怒られると思ったのにどうしたんだ?
なんか様子が違ったな、聞いてみるか
「どうしたんだ?サーシャ。てっきり怒られると思ったんだが」
『おわかりにならないんですか?ユウジ様。ここのところずっと私は鍛練の為、朝と夜以外はユウジ様と一緒にいませんでした。もちろん、朝と夜にご寵愛頂けるのはとても幸せです。ですが、『それ』だけなのです。王都にいた頃は少しでしたが、二人だけの時間がありました。しかし最近は全くありません。本日久しぶりに二人だけの時間ができて、とても嬉しく思っておりました。そんな時にあんな楽しそうな顔をほかの女性に向けられたら悲しくもなりますし、淋しくもなります。わがままなのは承知してますが、もう少し私を優先して欲しいです』
(あ~なるほど。お楽しみだけじゃなくて、もっと恋人らしいいちゃいちゃがしたいって事か。サーシャはいちゃいちゃ不足なのか。確かに最近はあまりしてなかった気がする。サーシャは鍛練でサーシャの世界に行くからこっちの世界からいなくなるし、向こうではスイとレンがいるからなかなかいちゃいちゃできないしな。悪い事をしたな)
「俺が悪かったよ、サーシャ。気付いてやれなくてごめんな?俺鈍いからさ、なんか不満あったら遠慮しないで言ってくれな?」
胸の中ですりすりしているサーシャの頭をなでる
『いえ、そのお気持ちが嬉しいです。私こそ我が儘を言って申し訳ありません。ユウジ様・・・こんな我が儘な私はお嫌いですか?』
不安そうに尋ねてくるサーシャ
「サーシャを嫌いになるわけないだろ。どんなサーシャも俺は好きだ!だからどんどん我が儘を言ってくれてもかまわないぞ?」
『ありがとうございます、ユウジ様。でしたら、もうしばらくこのままで居させてください』
可愛い我が儘だなぁ。サーシャらしい控えめな我が儘だ
しばらくサーシャの可愛い我が儘を叶えたユウジ
しっかりサーシャの髪のしっとりさらさら感も楽しんだ
完全な桃色空間だがユウジは周りの目を気にしていなかった
ギルド前という出入りの激しい場所であっても
それだけ胸の中にいる愛しい人を愛でていたからだ
『ありがとうございます、ユウジ様。ユウジ様成分堪能しました。早速不動産屋いきましょう!』
一輪のたんぽぽが華やいだようだ。美しい
しかし俺は満足できなかった
見るなら満面に咲き誇るたんぽぽだ!
だから俺は
「おいおい、サーシャだけ満足するなよ。俺はまだ満足してないぞ?家の購入は明日だ。今から帝都観光という名のデートにいくぞ!サーシャ、ついて来い!」
サーシャは驚いていたが、すぐに嬉しそうな顔で満面な笑顔を見せた
やっとたんぽぽが満面に咲き誇った・・・
俺はそれが見たかったんだ!
愛しい人の美しくも可愛い、俺が惚れた笑顔を
結局その日は、満足いくまで二人でいちゃいちゃしてデートを楽しんだ
□□□□
帝都エクスペイン・『居住区』
翌日サーシャはご機嫌だった
夜と朝のご奉仕にも力が入っていた
積極的なサーシャに燃えた、それはもう燃えた
ふむ、なるほど。いちゃいちゃは大切だな、色々と!
二人で軽く朝の鍛練を終えた俺達は『居住区』に来ていた
家を購入するためだ
そうそう朝の鍛練と言うのは真面目なやつもある
俺とサーシャの軽い模擬戦だ。魔法なしの純粋な技術のみだ
最初のうちは打ち負かしていたが、今では3本に1本取れるかどうかにまでなってしまった
既に敏捷はサーシャのほうが上だ
悔しくはあるが、サーシャが強くなったことに改めて感慨深くなった
話を戻そう
家に関して俺は特に希望はなかった
それなりの人数さえ住めればいい
ヘイネと相談したら、ヘイネも俺と同意見だった
後はサーシャの希望だけだ
「サーシャはどんな家がいい?」
『そうですね、サーシャの世界とは別にガーデニングはしたいですね。嫌みではないのですが、あちらは植えれば何でも咲き誇りますので育てる楽しみというのが薄い感じがします。季節にあった植物を愛でてみたいと思います。それとやはりキッチンは気になります。それぐらいでしょうか』
ふむ、季節にあった趣というやつか
全く考えてなかったな。咲いてればいいだろ、的にしか
「わかった。庭付きの家にしよう。色々みせてもらおうか」
『ありがとうございます、ユウジ様』
笑顔のサーシャは可愛いな
二人で腕組をして不動産屋に向かった
不動産屋に着いた俺達は早速店内へと入り、店員に家の購入と希望を伝えた
初め店員は訝しがった目で俺を見ていた
まぁどこからどう見ても幼い少年に見えるから仕方ないだろう
めんどくさったので大量の白金貨を見せたら、態度がコロッと変わって上客扱いをしてきた
いるよねー。こういう人
店員に紹介されたのは5つの家で全て見て回った
①『中央区』から遠いが、庭付きの屋敷で家具調度品あり。白金貨13枚
②『中央区』と城門の中間地点で、庭付きの屋敷。家具調度品なし。白金貨12枚
③『中央区』と城門の中間地点で、庭付きだが古屋敷。家具調度品あり。白金貨16枚
④『中央区』寄りで、庭付きの屋敷。家具調度品なし。白金貨23枚
⑤『中央区』寄りで、庭付きだが古屋敷。家具調度品あり。白金貨25枚
「サーシャどう思う?俺は④か⑤だな」
『そうですね。お買い物とかする上でも『中央区』に近いと便利ですから、私も④か⑤でいいと思います』
サーシャも同意見みたいだな
「俺的には⑤がいいかな、と思うんだ」
『どうしてですか?アイテムボックスあるので④を選ばれるかと思ってましたが』
「確かにそうなんだが古屋敷と言っても、屋敷が古いだけでしっかり手入れされてるし、家具や調度品なんかもいいものだった。全部屋の家具や調度品を購入して、配置までの手間を考えたら古屋敷でもお釣りがくるぐらい十分だと思うんだ。」
『なるほど、確かにそうかもしれませんね。私も⑤でいいと思います』
俺とサーシャは⑤の屋敷を選び、即金で購入し屋敷の鍵を受け取った
まぁぶっちゃけ家具とか選ぶのがめんどくさかったし、調度品なんて全くわからん
既に用意されてるほうが楽でいいよね、って理由だ
遂にヘイネとの『約束』の1つ、マイホームを手に入れた
□□□□
帝都エクスペイン・『居住区』ユウジ邸宅
早速俺とサーシャは購入した屋敷にきていた
白塗りの壁に赤い屋根。瀟洒な造りの三階建ての洋館
もらった鍵を使って門を開け、敷地に入る
芝生が植えられた広い庭、そして小さな噴水付きの池がある
まさに豪邸と言っても過言ではないな!
「やっぱりマイホームは感慨深いものがあるよなぁ。なんかこう頑張らないと、って気が引き締まるよ」
『ふふ、ユウジ様はいつも頑張られてますよ?』
ありがとう、サーシャ。サーシャ達がいるからだよ
「サーシャにも個人部屋割り振るから自由にしてくれ」
『よろしいんですか!?』
いやいや、普通でしょ!こんだけ広いし
「遠慮するな。可愛く部屋をアレンジするといいさ。楽しみにしてるぞ?」
『ありがとうございます!ユウジ様!』
(すごい喜びようだな。あぁそう言えば、個人部屋は憧れだったんだっけ。サーシャがこんなに喜んでくれるならいい買い物だった。サーシャの笑顔は格別だ。さてと・・・)
俺は喜ぶサーシャを抱き寄せ
『ユウジ様!?』
驚くサーシャの耳元で囁いた
「やっぱり最初はベッドの感触を確認するべきだと思うんだ。いくぞ?サーシャ」
顔を真っ赤にして恥ずかしがっているサーシャをお姫様抱っこして、俺の寝室予定の部屋に駆け込んだ
その後サーシャと満足するまで楽しんだ
ベッドの感触は最高でした、もちろんサーシャも最高だった
ベッドの上でサーシャと横になりながら、サーシャの頭をなでていたらサーシャが
『ところでユウジ様?これだけ広いとお屋敷の管理大変だと思いますが、どうされるんですか?』
「・・・」
やっべ!全く考えてなかった!サーシャ1人じゃ無理だろうし
『まさかとは思いますが、全く考えていらっしゃらなかったんですか?』
「どうしよう?サーシャ。おっしゃる通りです」
呆れた顔で見てくるサーシャ
『そうですね、一般的には奴隷を買って屋敷の管理をさせるのがいいと思います。奴隷であればユウジ様のお力を口外したりできませんから』
「あ~、奴隷ねぇ。あれ?イシスには奴隷いなかったよね?」
王宮でも城下町にもいなかったような?
『イシスは奴隷禁止の国でしたから。ここ帝国エクスペインは奴隷がいますし、商館もあります。イシスがどちらかと言うと例外ですね』
「なるほど。サーシャは奴隷、気にしないの?」
俺は過去2度異世界経験があるから、奴隷の状況や扱われ方などは知っている
奴隷の待遇なんて世界は違っても、どこも大差はきっとないだろう
『性奴隷、そういう目的ではないんですよね?』
「当たり前だろ。興味がないと言えば嘘になるがそういうのじゃない。でも買うのは女の子のみだ。そこは譲れないし、譲らない。仮に男を買って、そいつが俺のサーシャをエロい目で見やがったら即殺しちゃいそうだしな!買い損になるなら最初から女の子一択だ」
男を買う男とか誰得だよ!女の子に囲まれたいです!
『はぁ、本当ユウジ様はブレないですよね。わかりました。でも奴隷を購入されるならついて行きますね?いいですよね?』
「は、はい。構いませんで、ございます」
ひぃ!なんかプレッシャー、プレッシャーきてるよ!
「じゃあ早速買いに行くか!っとその前に、奴隷に欲情したらまずいからな。もう一度しとくか?」
『ユウジ様がしたいだけですよね?』
バレてたかぁ~。でもきっとサーシャもだな
「あ~発散させないと奴隷に手を出しちゃうかもな~。サーシャとしたいなぁ~」
サーシャをチラッと見る
『ふふ、わかりました。いっぱい可愛がってくださいね?』
くすっと笑ったサーシャは可愛かった
二人はキスをかわし、本日二度目のベッドの感触を確認しながら楽しんだ
仲良く腕を組み、お金を下ろすため冒険者ギルドに向かう途中俺は尋ねた
「奴隷は何人ぐらいがいいと思う?」
『あのお屋敷の広さとお庭の管理も考えると、4人ぐらいでしょうか』
そんじゃ、行きますか!
新しい奴隷を増やすために!
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