過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~勇者と家族~

奴隷。過去2度の異世界でも存在していた

グズニールではまだ多少の人権はあった
マリーは魔族だったので、奴隷であろうと人間であろうとマリーからすれば同じなので差別しなかった。
そもそも俺以外には興味がなかったようだ

ショーマリーは酷かった。もはや家畜同様だった
別に俺は奴隷制度を否定したりはしない
否定してもどうしようもないし、どうもできないから
その世界では当たり前なのだろうから
セリーヌも家畜認識だった。あの慈愛に満ちた愛姫でも
だから俺はセリーヌに激怒して認識を改めさせた
せめて俺と親しい人達だけはそういう差別をして欲しくなかったからだ

イリアスにも奴隷はいる
どんな扱いなのかはわからない
サーシャや奴隷達に認識を改めさせる必要があるだろう

□□□□

帝都エクスペイン・『中央区』奴隷商

商館はなんか立派な建物だった
冒険者ギルドと変わらないぐらいに

(堂々としすぎだろ!後ろめたくないの!?常識なの!?でもこんな大通りに堂々と構えるぐらいなら奴隷の扱いはそこまで酷くないのかもな)

外にいる案内係?に声を掛け、中に案内された
中で予算と4人ほどの購入目的を伝えたら案内係は奥へと入っていき、しばらくしたら主人らしき人物がやってきた

〔ようこそ、当商館へ。私はこの商館の館主のアロルドと申します。よろしくお願い致します。本日は4人ほどご購入を検討されているとか、ありがとうございます。様々な種族を取り扱っておりますのできっとお気に召されるでしょう。ところで先程係の者から伺いましたが、ご予算のほどは?〕

「アロルドさん、よろしくお願いします。ユウジです。予算は気にしないでください、潤沢にあります。黒金貨を用意してきました。足りないようなら王金貨も出せます」

『ユウジ様!?』

あれ?俺またなんか間違った?イリアスの常識知らないからなぁ
なんかサーシャだけでなく、アロルドさんも驚いてるし

〔い、いえ、ユウジ様。さすがにそこまで高い奴隷はおりません。基本相場は金貨でございますから〕
あ、そうなんだ。安くね?そうでもないのか?

〔なにか奴隷の条件はありますでしょうか?〕
そこの確認は重要だよね。たくさんいそうだしな

「女の子のみで歳は10~20の間、どんな種族でも構いません。あとは・・・処女ですかね。性奴隷の了承はあってもなくても構いません。それぐらいです」
な、なんだ?隣のサーシャから冷たい視線が・・・

〔畏まりました。しばらくお待ちください〕

そう言ってアロルドは奥に入っていった
サーシャの視線が気になるが無視だ!痛い、痛いよ!

『ユウジ様?どうして『処女』限定なんですか?お好きなんですか?処女が』
ひぃ!サーシャから声を掛けてきた

「落ち着け、サーシャ。ちゃんと理由があるから、な?性奴隷目的じゃないからこその処女なんだよ。経験があったりすると、俺に気に入られようと体を使って誘惑してくる可能性だってあるかもしれないだろ?そういうことに対する抵抗が弱いと思うんだ。逆に処女なら、そういうことに対する抵抗が強いと思ったんだよ。俺が無理強いしない限りは大丈夫かなって」

『そうですか。なら私からは言うことはございません』
ふぅ~、怖かった。納得はして・・・なさそうだが

しばらくするとアロルドが戻ってきた
10人ほどいるらしいので、5人ずつ案内するそうだ
その後気に入った奴隷がいたら個別の面談をさせてくれるらしい
最初の5人が入ってきた。サーシャの目は真剣だ
さてと、神眼、神眼

①アリス  15歳 人間族 村人  Lv.3
②サラ   17歳 犬人族 料理人 Lv.6
③ハリー  18歳 猫人族 闘士  Lv.35
④ローラ  19歳 鰐人族 盗賊  Lv.24
⑤マリッサ 20歳 烏人族 盗賊  Lv.16

(うぉ!盗賊いんじゃねぇか!鑑定スキルないやつとかわからないだろ、これ・・・。まぁ、奴隷だし関係ないのか?う~ん。盗賊はなしとして屋敷の管理だし、アリスとサラが有望か?ハリーは戦いたがるだろうしなぁ~。可愛いけど)

俺はアロルドさんに礼を言い、次をお願いした
アロルドは5人を連れて奥へと入っていった

「どうだった?サーシャ」
サーシャは常識人だから意見は参考になる

『盗賊はダメですね。ユウジ様に間違いなく粗相を働きます。それ以外の3人なら問題ないでしょう。個人的にはサラさんは気になります』
やっぱりそこ食いつくか~。料理好きだもんな、サーシャ

しばらくするとアロルドが次の5人を連れてきた
5人の女の子が中に入ってきた時

「君と君は購入確定だからよろしく!!!アロルドさん、彼女達はどんなに高くても購入します!必ず購入します!先約いたとしても購入します!ひゃっほ~い!!」
彼女達を見て俺は飛び付いた。神様、ヘイネ様ありがとう!

『〔ユウジ様!?〕』
俺の変身に二人は驚いたようだ

「サーシャ、悪い。彼女達は無条件で買う。いくらサーシャが反対してもだ!仮にヘイネが反対・・・してもだ!」

『ユウジ様!?ヘイネ様の場合だけ微妙な間があって、ちょっとショックなんですが!?』
よしよし、いいツッコミだ。サーシャ!

①ミシャ       11歳 兎人族 裁縫師 Lv.6
②アイサ       20歳 竜人族 守護者 Lv.24
③サリー       12歳 金狐族 村人  Lv.8
④ティア       18歳 小人族 鍛冶師 Lv.18
⑤シーノ(南條詩乃) 16歳 人間族 村人  Lv.3

(ミシャとサリーは確定だ!何が何でも買う!問題はシーノだ。なんだこいつ?日本人じゃねぇか!偽造使ってるな。俺達とは別に召喚されたやつか?う~ん。話してみるか・・・)

「アロルドさん、ありがとうございます。先程も言いましたが、ミシャとサリーは購入します。よろしくお願いします」

アロルドは5人を連れて奥に戻っていった
ミシャとサリーはいい買い物でした

『ユウジ様?どういうことですか?』
視線が痛いよ!突き刺さってるから、サーシャ!

「もふもふだな。それの一言に尽きる。いいか?兎人族のミシャは絶対ヘイネも喜ぶ。ヘイネは兎好きだしな。その時点で確定だ。例え盗賊でも矯正してでも買う、絶対だ!それに耳と尻尾ももふもふさせてもらう。それに兎人族ってのは、その愛くるしさから愛玩用として人気なんだよ。さっきも見たろ?ミシャの可愛らしさ。俺が買わなくても絶対売れて愛玩にされちゃうんだぞ?かわいそうだろ。だから俺が買う。そしてもふもふする」 

『は、はぁ~。サリーさんはどうなんです?』
俺の勢いにたじろぐサーシャ。勢いは止まらない!

「もふもふだな。それの一言に尽きる。いいか?金狐族のサリーは絶対俺が喜ぶ。俺は狐が好きなんだ。その時点で確定だ。例え盗賊でも矯正してでも買う、絶対だ!それに耳と尻尾ももふもふさせてもらう。さっきも見たろ?サリーの可愛らしさ。俺に買われなくても絶対売れる。俺以外の男がサリーを愛でるのは許さん!だからかわいそうだろ?俺が買ってあげなくちゃ。そしてもふもふする」

『ミシャさんと大体同じですよね?狐好きだったんですね。そうですか。・・・狐のサリーさんが好きなんですね?狐好きなんですもんね?』
あ、あれ?そういうことを言いたいんじゃないよ?

「べ、別に好きってわけじゃないぞ!狐の尻尾と耳!尻尾と耳が好きなんだよ!も、もしも、サ、サーシャが狐の耳と尻尾付けてみたら可愛いだろうなぁ~。きっとサリーが目に入らなくなるはず・・・。サーシャしか見えなくなるはずだよ?」
ど、どうかな?いけるかな?いってくれ!

『・・・本当ですか?・・・尻尾と耳付けたら可愛くなりますか?』

「当たり前だろ!後で狐の尻尾と耳プレゼントするから付けてくれよな!」
俺はサーシャにサムズアップした

『ありがとうございます!ユウジ様!』
助かった。サーシャの尻尾と耳、装備にしよう・・・げへへ

「ところで気付いたか、サーシャ?最後のやつ・・・」
『はい。偽造してましたね。しかも名前から察するとユウジ様と同郷の方では?』 
間違いなくそうだろうなぁ~、面談するか・・・

しばらくするとアロルドが戻ってきた
ミシャとサリーの購入が決まってるのでホクホク顔だ

〔ミシャとサリーのお買い上げありがとうございます、ユウジ様。その他の娘はいかがでしたでしょうか?気になる娘がおりましたら個別にて面談させますが〕

「大体は決まっているんですが、最後のシーノとだけ面談よろしいですか?」

〔畏まりました。シーノを連れて参ります。お待ちください〕

(なんで転移者が奴隷になっているのか。何の目的で転移させられたのか。色々聞かないとな)

アロルドがシーノを連れてきて、部屋を出た
シーノは俺を睨みつけている
どこか憎しみが篭っている目だった

「お前、日本人だろ?南條詩乃」
{そう、やっぱりあんたも日本人だったの}  
やっぱりか、黒髪珍しいしな。異世界では

「なんで奴隷になってるんだ?」
{魔族の里にいたときに、あんたたちの仲間に襲われて捕虜になったの}
魔族の里なんかにいたらそりゃあ捕まるわ!

「魔族の?なんでまたそんなところに?」
{あんたは知らないんでしょうが、魔族だからってみんな悪いわけじゃないの。少なくともあたしと一緒にいた魔族は悪くない}
あぁ、お約束の展開ね、ありきたりだなぁ

「いや、魔族が悪いなんてちっとも思ってないよ。お前もアウラ様から勇者にって?」
{そう、今から九ヶ月前。アステルに召喚されたの}
今から九ヶ月前って言うと、転移してからもう一年になるのか

「アステル?どこそれ?サーシャ」
『宗教国家です。神興国家アステル』

(うわ~、めんどくさそうなとこだな~。まぁアステルはいいとして、俺達以外に勇者がいるなんて聞いてないな。明らかにアウラ様が何か隠してるってのはわかった。それ以上はこいつに聞いてもわからないだろうな。さて、こいつどうするかな?)

「詩乃。お前奴隷がどういう扱いをされるか知ってるのか?」
{・・・}  
『ユウジ様・・・』
サーシャが物悲しそうな表情を向けてくる

(うぅ。詩乃は表情から察するに知ってるみたいだな。う~ん、サーシャもなんとかしてあげようって表情だしなぁ。サーシャの頼みだから聞いてあげたいが・・・タダってのもなぁ~。しっかし、こいつ地味なんだよなぁ。いまどき三つ編みおさげっているのかよ。眼鏡かけてるから余計地味)

「はぁ~。わかったよ、サーシャ。詩乃、俺が買ってやろうか?少なくとも他のやつに買われるよりはマシだろ」
『ユウジ様!』
うん、サーシャは可愛い。笑顔がまぶしいよ

{いいの?}
不安そうに伺う詩乃

「ただし!可愛くお願いしてみろ!お前は地味だ、今のままじゃ萌えない。俺を萌えさせてみろ!ちゃんと、買って欲しいと可愛くお願いしてみるんだ。そうしたら買ってやる」  
『ユウジ様!?』
{ええええ!?・・・あ、あたし可愛くないし}

「詩乃が可愛いかどうか決めるんじゃない、俺が決めるんだ。早くしろ」
{・・・}

詩乃は何かを考えながら俯いている
顔は既に真っ赤だ。恥ずかしいのだろう
意を決した詩乃は眼鏡をはずし近づいて来る

(おっ!意外と可愛い顔立ちだし、肌きれいだな)

ぷるぷるしている。小動物みたいだ
俺の側に立った詩乃はふぇんりるマントをちょこんと掴んだ
い、いいな!その仕種萌えるわ~
そして真っ赤な顔を上げ上目遣いで、慣れてないだろう笑顔を向けて一言

{あ、あたしを飼って?ご主人様。お願い}

・・・。

か、飼ってだと!?
ええ、飼いますとも!
飼わせていただきますよ!
飼わせてください!お願いします!

鼻血がでそうになったがなんとか堪えたユウジは、不安そうにしている詩乃に、

「ご、合格だ!飼ってやる!安心しろ」
『ユウジ様?なんか言葉に違和感あるんですが?』
ひぃ!サーシャは鋭かった。きょわいよ・・・

詩乃はホッとしていた顔をして部屋を退出していった
そして入れ代わりにアロルドがやってきた
さてと、俺の心は決まった

〔ユウジ様、お決まりになられましたでしょうか?〕
購入決まってるからってホクホクしすぎだろ!

「決まりました、アロルドさん。俺が購入するのは、ミシャ・サリー・サラ・シーノ・・・そして、ハリー・アイサの6人・・にします」

『{ユウジ様!?}』
二人とも驚きすぎだから

「ちょっと考えが変わりまして。別にいいですよね?お金もちゃんとありますし」

〔も、もちろんでございます。たくさんの奴隷を購入頂きありがとうございます。ではお支払いをお願い致します〕
おっ!きたきた。ちょっと気になるよね、みんなの値段

〔まずミシャですが、兎人族は愛玩用として非常に人気が高く更にあの可愛らしさですので多少お高くなっております。こちらは金貨150枚でございます〕 
ほうほう、高いのか安いのかわからん

『金貨150枚!?』
あ、サーシャがびっくりしてる。高いのかな?

〔次にサリーですが、金狐族というのは非常に珍しく滅多に市場に流れません。また見た目も可愛らしいですのでこちらもお高くなっております。こちらは金貨180です〕
あぁ、希少価値ってやつね

『き、きんか・・・180枚』
サーシャさん!?サーシャのHPは0寸前なようだ

〔サラですが、彼女は非常に優れた料理人でもあります。きっとお役に立てるでしょう。こちらは金貨45枚です〕
一気に下がったな!?犬人族は珍しくないみたいだ

『・・・奴隷って高いんですね』
そ、そうなのか?そっとしておこう・・・

〔シーノですが、彼女は特に特筆すべきところはございません。容姿も優れているわけでもありません。今回たくさん奴隷を購入頂きましたので、お礼にお安くさせて頂きます。こちらは金貨20枚です〕
に、にじゅう!?詩乃金貨20枚!?やっす!

『・・・』
憐れんだ眼差しをしないであげて!かわいそうだから!

〔ハリーですが、彼女は優れた闘士でございます。きっと旅のお供に最適でしょう。こちらは金貨60枚です〕
やっぱり戦闘奴隷は高くなるのか

『闘士ですか、鍛練に・・・』
え?何言ってんの?やめてあげてよ?

〔最後にアイサですが、彼女は珍しい竜人族となります。竜人族も滅多に市場に出ることはなく、しかも守護者という珍しい職業にも就いております。きっとユウジ様のよき盾となりましょう。こちらは金貨100枚です〕
へぇ~、珍しいんだ。竜人とか強そうだもんなぁ

〔6人合わせまして、金貨555枚でございます。よろしくお願いします〕
思ったり安く済んだな~、こんなもん?  

『金貨555枚・・・』
サーシャは呆然としていた、サーシャ戻ってくるんだ!

「では白金貨6枚でお願いします。お釣りいらないです」

『〔ユウジ様!?〕』
君達コントでもしてるの?ハモりすぎだから!

その後はアロルドから奴隷の説明がされた
俺はあまり興味がなかったのでサーシャの毛先で遊んでいた
サーシャから簡潔に聞いた話がこうだ

①奴隷の衣食住は主人が管理する
②奴隷は主人に逆らえない。逆らうと激痛が走るらしい
③奴隷は主人が死んだ際は、近くで保護した人が主人となる
④奴隷を乱暴に扱ったりすると国より罰則がある

と、まぁこんな感じだ
サーシャは真面目だから真剣に聞いていた
サーシャはサーシャだなぁと思いながらさらさらを堪能した

いざ、奴隷契約ってなった時はあまりの購入奴隷の多さに、みんな驚いていた
まぁ6人もいればそうだよな

俺は新しい奴隷家族が6人も増えて満足しながら、商館を出た

そのまま8人でぞろぞろとマイホームへ戻った
マイホームのでかさにみんな奴隷達が驚いたのは言うまでもない

□□□□

帝都エクスペイン・『居住区』ユウジ邸宅

俺達は帰宅した後、リビングに集まった
自己紹介をするためだ

「よし、自己紹介しようか。みんな席に自由に席に着いてくれ」

俺の隣にサーシャと詩乃、サーシャの隣にミシャが、その隣にサリーが座った
奴隷年少組は予想通り素直に席に着いた
奴隷になって日が浅いんだろう、奴隷という固定観念に縛られてなかった
詩乃は日本人だし、俺が奴隷扱いしないのはわかっていたのだろう

問題は奴隷年長組だ
ミシャやサリーはまだ若いから仕方ないと思っていたんだろう
ただ同じ年長組の詩乃があっさり着席したことに戸惑い、床に座るタイミングを逃し、そのまま立ち尽くしていた
ユウジはやっぱりか、と苦笑した

(まずは奴隷という常識を捨てさせないとな。恐らくサーシャも対象だ。詩乃しか理解者がいないってのもやりづらいしな)

「三人とも席につけ。主人命令な」

こうしてようやく、詩乃の隣にサラ、ハリー、アイサが着席した

全員がせきに着いたところで自己紹介をはじめた

・年少組
ミシャ 一人称は[ミー]※ミシャの愛称
サリー 一人称は[うち]

・年長組
サラ  一人称は[わたし]
ハリー 一人称は[あたい]
アイサ 一人称は[自分]
詩乃  一人称は[あたし]

みんなそれぞれが自己紹介を終えた所で、俺は考えを伝えた

「詩乃を除く、みんなに俺の命令お願いを聞いて欲しい。もちろん、サーシャもだ。まずは奴隷の常識を捨てて欲しい。奴隷だからこうしないと、奴隷だからこうなんだ、という常識を捨てた上で話を聞いてくれ」

奴隷のみんなは訳がわからないと言った顔をしている
詩乃だけ涼しい顔だ

「俺はみんなを奴隷扱いはしない。家族として扱う。だから、みんなの主人として命令お願いする。奴隷の常識を捨てて家族として振る舞うように!主人だの、奴隷だの、と家族の間で遠慮はいらない。俺がみんなを家族として思うから、みんなも俺を家族として思ってくれ」

一同唖然としている
まぁ当然だろう

「いきなり意味がわからないと思う。例えば、先程自己紹介をするから席に着くよう言ったが、サラ・ハリー・アイサは席につかなかったよな?なんでだ?」
さて、誰が答える?年長のリーダーは誰だ?

[普通、奴隷がご主人様と同じ席には着かないからです。床に座るのが当たり前ですが、席に着け、とおっしゃられたので困惑していました]
年長組を代表して、サラが答えた

「確かにそうだ。奴隷の常識ならそうだな。でも俺はその常識を捨てて家族として振る舞えと命令お願いしたな?仮にサラが奴隷じゃなかったらどうした?」  

[座っていたと思います]
うんうん、いい傾向だ

「よし、えらいぞ。サラ。だから今後は家族として、座れと言ったら座って欲しい」
ちゃんと誉めないとな!正解したら誉める、基本、基本

「例えば、ミー。奴隷は主人とは同じものは食べない。これが常識だ。だけどミーが奴隷じゃなくて、俺達が本当の家族だったらご飯はどうする?」
俺はミシャの席まで移動して尋ねた

[みんなと一緒に食べる!]
元気いいなぁ~、この子。耳がピクピクしてるよ!

「よし、いいぞ。ミー、正解だ!耳もふもふしてやる。奴隷なら同じものは食べないが、俺は常識を捨てて家族として振る舞えといった。だから今後は家族として、食事はみんなで一緒に食べてくれ」
もふもふ~。あぁセリーヌ思い出すなぁ

「例えば、サリー。奴隷はお風呂に入ったりしない、これが常識だ。だけどサリーが奴隷じゃなくて、俺と本当の家族だったとして一緒に入ろうって言ったらどうする?」
今度はサリーの席に移動して尋ねた

[一緒に入る!]
『{入っちゃダメですよね(だよ)!?}』

[え?どうして?]
「ちょ!サーシャに、詩乃!合法的にサリーとお風呂入れる権利を邪魔しないでくれます!?言質取ろうとしたのに!」

『ユウジ様?』
ひぃ!調子乗ってすいません!

「ごほん。サリー、正解だ!えらいぞ。尻尾もふもふするな。奴隷ならお風呂に入らないが、俺は常識を捨てて家族として振る舞えと言った。だから今後は家族として、みんなで一緒にお風呂に入ってくれ。俺と一緒に入ってくれてもいいぞ?」
奴隷ちゃん達にサムズアップする

ミシャとサリー以外から冷たい視線が送られる
お前達ミシャとサリー二人が俺の癒しだ!買ってよかった!

「よし、ここまで言えばバカでもわかるよな?ハリー。奴隷にはいい武器を買わない。常識だな。でも金に余裕あったら、ハリーはいい武器欲しくないか?」
[そりゃ、欲しいさ]

「アイサ。奴隷にはいい防具を与えない。常識だな。でもいい防具ならよりたくさんの命を護れるぞ。いい防具欲しくないか?」
[欲しいであります!]

「何度も言うぞ?奴隷としての常識を捨てて、みんなを家族だと思って接しろ?それがお前達の主人からの命令お願いだ。自分を奴隷だと思って卑屈になるな。家族が家族を奴隷として扱うな。身分は奴隷であっても、心は奴隷になるな。困ったことがあったら奴隷だからと遠慮するな。家族なんだから相談しろ。困ってるやつがいたら奴隷だからと躊躇うな。家族なんだから助けてやれ。みんな血縁じゃないけど、俺は本当の家族になれるようにしたい」

サーシャが俺の手をそっと握ってきてくれた
俺の気持ちが伝わったみたいだ
サーシャの優しさに温かい気持ちであふれた
ありがとう、サーシャ

□□□□

ユウジ邸宅 ~呼び方決め~

「では、皆さんに俺の気持ちが伝わったとして、家族会議を開きたいと思います。議題は俺の呼び方ね。ご主人様は禁止!家族でご主人様はないから。ミーとサリーは俺のこと兄だと思っていいぞ?」

まずは形からってな!
本当の家族なら気軽に呼び合いたいよな

『私は『ユウジ様』ですね、専属メイドですし』
「サーシャはもはやそれが定着したからそれで止し!では、ユウジ様は締め切りました。次~」

さて、どんな呼び方がくるのか・・・
ミシャとサリーはきになるな

{あたしは{ハクト}にする。恋人でもないのに、名前呼びは抵抗あるし}
「詩乃は確かにそうだな。それでいいだろう。はい、次~」

まぁ詩乃は日本人だし妥当だな
俺も期待してなかったしな

[ミーは[にいさま]って呼ぶ!ねぇ、にいさま、いい?]
「可愛いから許す!ミーはいい子だな。耳もふもふしてやる。どんどん候補なくなるよ?次~」

ミーの耳はもっふもふだな~
にいさま、か。元気っ娘ぽくていいな。げへへ

[う、うちはあにさまでいい?ダメ、あにさま?]
「くそっ!可愛いな!上目遣いは反則です!許可します!どんどん呼んでね?」

あにさま、あにさまか、なんか和っぽくていいな
サリーには着物着せたい、狐だしな!

「ねぇ、年少組はみんな決まったのに、年長組どうしたの?誰一人こないよ?君達ミシャやサリーのお姉さんだよね?妹よりだらしない姉とかどうなの?家族なら姉って妹のお手本にならない?ねぇ、ねぇ、ねぇ?」

『ユウジ様完全に煽ってますね・・・』
{はぁ、まぁハクトなりの後押しなんだろうね}

[わたしは旦那様と呼びますね。例え家族でも礼儀はかかせないですし、サーシャさんがユウジ様で大丈夫なら旦那様でも問題ないですよね?]
「お、おぅ・・・。サラは真面目だな。残り二人、はよ!」

サラは真面目すぎるなぁ
サーシャとは気が合いそうだ。お互い料理好きだしな

[自分はユウジ殿と呼ぶであります!やはり騎士たるもの殿方には殿をつけるであります!]
「うむ、苦しゅうない!よきにはからえ!」

『{だれ!?}』

まぁアイサらしいっちゃらしいか?
見た目騎士っぽいしな

[最後はあたしさね。あたしは年上だし、ユウ君とでもよぼ・・・]
「はい、ダメ~。それ先約いるから!それで呼んだら殺されるぞ?冗談抜きで」
マリーがぶちギレるわ!!争いの種を蒔くな

[なんであたしだけ・・・じゃあ、ユウ!]
「なんか恋人っぽいな・・・。まぁいいだろ!」

真っ赤だな~
こういうの苦手そうだしな

「みんな、ありがとな!これで少しは距離も縮まったと思う!これからもよろしくな!」

□□□□

ユウジ邸宅 ~役割分担~

みんな大分馴染んできたようだった
お互い気軽に会話しているようだ
これなら遠くないうちに家族となれるだろう

「じゃあ、みんな聞いてくれ。ここからは真面目な話をするな?」

家族みんながシンっと静まる
あぁ~美少女に見つめられるとか幸せだ

「まず奴隷を購入した目的だが、見ての通り屋敷と庭がデカすぎる。それの管理を頼みたくてお前達を購入した。まぁ、メイドみたいなもんだな。メイド経験なんてないやつがほとんどだよな?だけど安心して欲しい」

そこで俺はサーシャがイシス王国の元王宮メイドだったこと
メイド長就任間近の凄腕副メイド長だったことを伝えた
俺に激賛されたサーシャは照れていた。可愛いなぁ
そして俺について来る為に王宮メイドを辞めたことも

[そこまで上り詰めたのに後悔してないんですか?]
真面目なサラがサーシャに問い掛けた

『後悔どころか今幸せですよ。ユウジ様の側にいられるだけで。これ以上価値のある幸せはないです』
なに、この子、可愛いすぎるんだけど!

「サーシャ・・・」
『ユウジ様・・・』
サーシャを抱き寄せ見つめ合い、そして・・・

{ご、ごほん。ハクト、話をすすめ・・・}
わざとらしく咳ばらいする詩乃

そして俺とサーシャは唇と唇を合わせた
ちょっと調子に乗って舌も入れてみたら応じてくれた
サーシャの唇を堪能できて満足しました

{ええええ!?なんでキスしちゃったの!?普通咳ばらいしたら辞めるところだよね!?なんで!?}
動揺してる、動揺してる

「俺はテンプレにはたまにしか乗らない主義なんだ!それに愛し合うことは悪いことじゃないしな!みんなに愛のおすそ分けだよ」
{おすそ分けって・・・サーシャさん、恥ずかしがってるけど?}
裏切ったな、サーシャ!俺だけ浮いたじゃないか!

「と言う訳で、ミーとサリーとサラと詩乃はサーシャの下についてメイド業を学ぶように。それとは別に役割分担をするな。サラは料理担当。詩乃は日本の経験を活かして全員の管理な。無理して冒険に出なくていい。ここにいれば護ってやる。その代わりちゃんと働けよ?ミーとサリーは庭の管理が最適だろうな。全員サーシャと相談するように」

『なんでミーちゃんとサリーちゃんがお庭の担当に最適なんですか?』
そこに食いつくか~、さすがサーシャ

「外で遊べるようにと、何より花や蝶に囲まれて一番映えるのが二人だからだ」

『{[[[・・・・・・]]]}』
サーシャ、詩乃、サラ、ハリー、アイサが呆れた顔でみてくる

だってそうだよな?想像してみてよ? 
花や蝶と戯れている、兎と狐だよ!?
可愛いだろ!それに子供は外で遊びたくならないか?
まだ子供だよな、二人は?大人か?大人なのか?

「うぅん。そして、ハリーとアイサには守衛をしてもらう。ただし夜は必ず寝ろ。夜は俺のほうでなんとかするから。みんなに共通して言えることだがしっかり睡眠は取って欲しい。肌を荒らすな、健康でいろ。みんな可愛いんだから可愛さを損なう原因は排除するように。いつまでも可愛くいて俺を楽しませろ!お願いします!」

{いや、あたし可愛くないし・・・}
[あたい、そういうのあまり興味がないさね・・・]
[騎士たるものがそのようなものに現を抜かすなど・・・]
違うんだよなぁ、わかってないやつらだな

「可愛いかどうかは俺が決める、お前達じゃない。可愛い女の子は常に可愛くいろ。興味があるないの話じゃない。可愛さは神から与えられた才能だ。それを活かせ。その才能がないやつもいる。ある才能を活かさないのは怠慢だ。お前らにはその才能があるんだから自覚しろ。自覚したら更に可愛くなれ。俺が喜ぶ。神の代わりに俺が喜んでやる。だから可愛くなって俺を喜ばすんだ!喜びたいんだ!お願いします!」

・・・。

{サーシャさん、ハクトってすぐ話脱線しません?}
『わかります?でも脱線してる時のユウジ様はすごく必死で真剣な顔なのでカッコイイんですよ!』

・・・。

詩乃は、あぁ~こいつらダメなやつだ、と思いながらユウジの独説を眺めていた


ユウジ邸に新しく住まうことになった奴隷達家族達は、奴隷でありながらも奴隷ではない
そんな不思議な空間と住人達ユウジとサーシャに温かい気持ちでいっぱいだった

お互いがお互いを家族として思い、本当の家族であろうとする温かい家庭だった

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