過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~義兄と義妹~

帝都エクスペイン・『中央区』宿屋 ~武闘大会前日~

僕とセリーヌ様は帝都エクスペインに昨日到着した
そして昨日セリーヌ様お姉ちゃんの本当の奴隷になれた
傍から見れば奴隷になることを喜ぶなんて異常だと思うよ?
でも僕が奴隷だったからセリーヌ様お姉ちゃんに救われ、出会い、旅をし、友達と呼んでもらうことができたんだ
だから僕にとって奴隷であることはセリーヌ様友達との大切な繋がりで、僕の宝物なんだ
僕はできることならずっと、セリーヌお姉ちゃん様の奴隷妹・友達でいたい

僕とセリーヌ様お姉ちゃんは高そうな宿屋で明日開催される武闘大会について話していた

『やっと戦えますの。明日が楽しみですの』
「け、怪我だけはしないでね?」
本当に嬉しそうだよ、尻尾が左右にぶんぶん振られてる

『大丈夫ですの。セリーヌが優勝するんですの!』
「う、うん。頑張って。いっぱい応援するよ」
セリーヌ様お姉ちゃんが強いのは知ってるけど、さすがに優勝は・・・

『アオイも一人で大丈夫ですの?なんだったら宿屋で待っていてもいいですの』
「こ、怖いけどセリーヌ様お姉ちゃんの応援がしたいんだよ?友達だから」
セリーヌ様お姉ちゃんは試合に出るから、僕は一人で応援なんだよね

『ありがとうですの、アオイ!大好きですの。お姉ちゃんセリーヌ頑張りますの』
「う、うわ!セリーヌ様お姉ちゃんあぶないよ」

抱き着いてきたセリーヌ様お姉ちゃんは可愛らしかった
僕の方が年上だけど、僕はセリーヌ様お姉ちゃんの妹なんだ
僕とセリーヌ様は奴隷と主人であり、妹と姉であり、そして友達でもあるんだ
そんなちょっぴり不思議な関係なんだよね

□□□□ (以降『セリーヌ』を『お姉ちゃん』に固定)

帝都エクスペイン・『迷宮区』闘技場

お姉ちゃんが会場を見てみたいと言い出したので、僕とお姉ちゃんは闘技場にきた
なんだろう、ちょっと怖い雰囲気がする
周りにいる人達もちょっと怖い。ぼ、僕明日大丈夫かな?

『アオイ?大丈夫ですの?』
「う、うん。大丈夫だよ?怖くないよ?」

お姉ちゃんが僕をじっと見つめてる
たまにこんな感じでじっと見つめられる時がある
大抵僕がやせ我慢をしている時に
そして決まって、

『アオイ、嘘ついてますの。セリーヌにはわかるんですの。アオイセリーヌお姉ちゃんが護りますの。アオイが怖くならないように手繋ぎますの』
「ご、ごめんね、お姉ちゃん。ありがとう」
『いいんですの、いいんですの』
お姉ちゃんは本当に優しくて、いいご主人様友達

しばらくお姉ちゃんと手を繋ぎながら闘技場を見ていたら、どこからか大きな喚声が聞こえてきた
なんだろう?たくさんの女性の嬉しそうな声が聞こえる?
お姉ちゃんも気になったらしく、そちらに歩いていった
そこには真っ赤な髪で青い目、整った顔立ちに白い服、いかにも騎士様みたいな人がいた
誰だろう?すごく立派な人だけど優しそうなオーラがある

〔きゃ~!アラン様よ!〕
〔ティグルス様ステキ・・・〕
〔やっぱりアラン様はカッコイイわ!〕
〔アラン様、握手お願いできますか?〕
〔参ったな。ここじゃ他の方の迷惑になる。お嬢様方、あちらにいきましょうか〕
様々な女性の黄色い喚声からこの男性の名前がわかった

アラン、ティグルス、と。アラン=ティグルス?あれ?
エルフの僕でもしってるよ・・・。剣聖アラン
確か・・・聖騎士でもあり、Sランク冒険者でもある
人類最強と歌われる一角の一人だよね、確か
なんでここにいたの?まさか出るの?大会に?

『なんなんでしたの?さきほどのは?』
「お、お姉ちゃんは知らないだろうけど、当代の剣聖でSランク冒険者だよ。多分武闘大会に出るんじゃないかな?」
お姉ちゃんは異世界の人だから知らないよね

『あれで剣聖?Sランクですの?』
「ど、どうしたの?お姉ちゃん?」
お姉ちゃんが困惑してる。どうしたんだろう?

『弱すぎですの。話にならないですの』
「・・・え?よ、弱い?け、剣聖だよ?Sランクだよ?人類最強の1人だよ?・・・というかなんで強さがわかるの?」

『勝負にもならないですの。セリーヌは『審美眼』のスキルを持ってますの。『審美眼』は相手の強さ鑑定眼と嘘をついてるかどうかわかるスキルですの』
あっ、いつもやせ我慢がバレるのはそれなんだ・・・

でもさすがにまずいんじゃないかな?
お姉ちゃんは僕に嘘つかないから、本当に話にならないレベルなんだろな・・・お姉ちゃん凄すぎ
剣聖だからって負けない訳じゃないだろうけど・・・
お姉ちゃんみたいな年端のいかない少女に手も足も出せないまま完敗とかは剣聖の威厳やら、Sランクの威信、世間体とか考えるとまずいよね?
お姉ちゃん何も考えてないみたいだから、ぼ、僕がしっかりしないと!

「そ、そうなんだ・・・お姉ちゃんすごいね。か、勝つつもりだよね?」
『当然、優勝しますの』
や、やっぱり何も考えてないんだね・・・

「ぼ、僕も応援するよ!でもね?お姉ちゃん。け、剣聖にあっさり勝ったら有名になっちゃうから、ユウ様探しにいけなくなっちゃうよ?で、でも優勝したいんだよね?そんなお姉ちゃんの為に、僕にいい考えがあるよ」
『ユウ様に逢いたいですの!アオイ、どうしたらいいんですの?』
あぁ、お姉ちゃん単純すぎて可愛いよ~

「へ、変装して、名前も偽名で参加すれば平気だよ。仮面かなにかで顔隠そうよ」
『なるほどですの。アオイは賢いですの。さすがセリーヌの妹ですの。早速市場にいきますの。アオイ、一緒にいきますの!』

こうして僕とお姉ちゃんは闘技場を後にして、市場に仮面を買いに走り出した
ちなみにお姉ちゃんが選んだ仮面はなんか変な仮面だった
お洒落関係はいいセンスなのに、なんで仮面は変なんだろう?
まぁ顔隠せればなんでもいいか・・・

これでおもいっきり戦えるね!
頑張って、お姉ちゃん!・・・ほどほどにね!

□□□□

帝都エクスペイン・『迷宮区』闘技場 ~大会予選~

翌日、お姉ちゃんは張り切っていた
そして僕は初めてお姉ちゃんの戦闘服をみた
普段のお姉ちゃんは私服で戦闘をこなしていた為、戦闘服を見るのはこれが初めてだった
全体的に薄いピンクのプリンセス装備一式
姫騎士と間違えなそうなくらい、凛々しく、でも可愛らしい
どこかのお姫様みたい!あっ、お姫様なんだっけ・・・

お姉ちゃんが受付を済ませ、会場入りしていった
ど、どうしよう。応援行きたいけど、怖い・・・
僕はよほどオロオロしてたんだと思う
そんな僕をみかねかねたのか、二人のお姉さんハリーとアイサが話しかけてきた

[迷子でありますか?] 
[この子、あたいならと同じ奴隷さね。ご主人様は?]
よく見たらお姉さん達ハリーとアイサも奴隷だった

「え、えっと。お姉ちゃんの応援に来たんだけど、こ、怖くて中に入れなくて・・・」

[奴隷を一人にするなんて珍しいでありますな!]
[そうさね、ユウ・・と一緒さね。あたいらも観戦しにきたから、よかったら一緒に応援するさね?アイサもいいさね?]
[自分は構わないであります。一緒に行くであります!]

奴隷なのに、奴隷扱いされてなさそうな綺麗な服着て、体もうす汚れてもいない、むしろ清潔感すら漂う
しかも奴隷のように荒むことなく、優しくて穏やかな心のお姉さんたち
きっとお姉ちゃんみたいないいご主人様なんだろうな

僕はお姉さん達ハリーとアイサと一緒に観戦しにいった
武闘大会の予選は総勢128名が参加してるみたい
それぞれ16のブロック(A~P)に8名ずつ分かれて、全員一斉のバトルロワイアル
1名が残るまでの勝ち残り戦をするらしい
その後16名でくじ引きして対戦相手を決め、ベスト8まで決めるみたいだ
お姉ちゃんはHブロックにいた

[アオイのご主人様はどこさね?]
[自分達も応援するであります!]
{え、Hブロックにいる、小さい少女です}

[へ?あの子?変な仮面被ってる?]
[小さいでありますな。大丈夫でありますか?]
{お姉ちゃんは余裕だ、って・・・}

お姉さん達ハリーとアイサはどこか不安そうな顔だった
僕も不安だよ、お姉ちゃんが強いのは知ってるけど
不安に駆られる中、遂に予選が始まった

各ブロックの審判が次々と試合開始の合図をしていく中、遂にお姉ちゃんのHブロックも試合開始の合図がなされた
開始の合図とともにお姉ちゃんは構えた
・・・そしてHブロックは試合が終了した
お姉ちゃんが構えたと同時に、何故かお姉ちゃんを除く7人全員が場外に吹き飛んだからだ

・・・え?
どういうこと?
なんでみんな吹き飛んだの?

審判も、会場も、お姉さん達ハリーとアイサも、そして僕も
みんな唖然としていた
武闘大会の会場には不似合いな静寂が流れた

「え、えっと。お姉さん達ハリーとアイサごめんなさい。なにが起こったんですか?」
[ふ、吹き飛んで終わったさね] 
[ふ、吹き飛んで終わったでありますな]
うん、僕もそれは知ってる。お姉さん達ハリーとアイサもわからないんだね

お姉ちゃんの訳のわからない強さに驚いた
そして変装は正しかった、と改めて理解した

会場に熱気が戻り、再び予選が再開された
お姉さん達ハリーとアイサはあ~だ、こ~だと議論していた
僕に意見求められてもわからないよ!
それにしてもお姉さん達ハリーとアイサは仲がいい。楽しそうにしてる
なんか奴隷っていう概念、常識から外れている
本当恵まれた環境と素晴らしいご主人様なんだろうな
なんかお姉ちゃんみたいなご主人様みたい
お姉ちゃん以外にもいるんだね、そういうご主人様

その後バトルロワイアルも終わり、ベスト8決定戦に進んだ
ここでもお姉ちゃんは瞬殺だった
もうお姉さん達ハリーとアイサは苦笑しかしていなかった
ご、ごめんなさい。めちゃくちゃなお姉ちゃんで・・・

武闘大会初日が終了した
僕はお姉さん達ハリーとアイサにお礼を言って別れた
明日も一緒に観戦できたらいいな
その後会場から戻ってきたお姉ちゃんはご機嫌斜めだった

『全くおもしろくなかったですの!!!待っている時間の方が長かったですの!!!』
「ま、まぁまぁ、落ち着いて?お姉ちゃん。よくわからなかったけど、かっこよかったよ?帰りにお姉ちゃんの好きなキャンディ買って帰ろ?」

お姉ちゃんを満足させる相手なんていないんじゃないかな?
と、疑問に思いながら宿屋への帰途についた

□□後半パート□□

帝都エクスペイン・『迷宮区』闘技場 ~大会本戦~

お姉ちゃんを見送った後、僕は例の如くオロオロしていた
正確には昨日のお姉さん達ハリーとアイサを探していた  
予選を見に来て、本戦を見ないなんて有り得ないよね
絶対にきてるはず、そう思いながら探していた
でもさすが本戦
昨日とは比べようもないほど人がきていた
探すのも大変だし、もたもたしてたら席がなくなっちゃう
結局お姉さん達ハリーとアイサは見つからなかったので、僕は意を決して一人で会場の中に入った

武闘大会本戦が始まった
気付いたんだけど一人で見るのって淋しいし、つまらないね
僕に武術の心得があればまた違ったんだろうけど
エルフは魔法特化種族だから近接系ダメなんだよね
そもそも僕は魔法もダメだけど・・・ぐすっ

そんな僕でも剣聖アランの試合は心奪われた
綺麗な剣技、極められた身のこなし、さすが剣聖だよね
ただ時折、体に違和感を感じてるような印象が見受けられたんだよね。体調不良?剣聖も人の子か

第三試合も順調に終わり、いよいよお姉ちゃんの試合だ
また一瞬で終わるんだろうな~って考えていたら、事件が起きた

突然会場の一角から圧倒的な言葉の力で会場全体を静寂にさせた
騒然としていた会場を言葉だけで黙らせた
でもその言葉は威圧するような恐怖ではなく、ただただ愛しい人に届ける為の優しく、嬉しそうな温かい言葉だった

『逢いたかったぞ!愛姫セリーヌ!』

会場も、観客も、選手も、そして僕も
みんな言葉の主に注目した
言葉の主は状況に気付いたのか、すぐ着席してしまった
会場の人達は何か可哀相な人を見る目をして、すぐに興味を失ったみたいだ

でも僕は違った
今、お姉ちゃんの名前呼んだよね?
逢いたかった、とも言った。それなら知り合い?
お姉ちゃんは異世界ショーマリーの人だ。知り合いはいないはず
いないはずの知り合いが異世界イリアスにいる。普通ならありえない
でも以前お姉ちゃんは言ってた

愛しい人がいて、愛しい人がこの世界イリアスにいる
愛しい人の為に、異世界ショーマリーからこの世界イリアスにきた

ならこれはそうじゃないの?
お姉ちゃんを見てみたら、仮面で表情はわからないが明らかに嬉しそう
やっと、やっと逢えたね。お姉ちゃん。良かったね
異世界ショーマリーから追ってくるぐらい愛しい人だもんね。嬉しいよね

そして僕も・・・
会いたかった人だ
僕の生きる目的や頑張れる目標をくれた人
話してみたいと思った人だ。僕も会えて嬉しいよ

よく見たら昨日のお姉さん達ハリーとアイサと一緒にいる
そう言えば、お姉さんの一人ハリーが、ユウ、って言ってたっけ
ユウ様のユウ、だったんだね
なら、お姉さん達ハリーとアイサのご主人様だよね
お姉ちゃんと同じ優しいご主人様なんだね


だったら僕は確認したい!
お姉ちゃんの為にも、僕自身の為にも!


□□□□

僕はすぐ席をたち、彼のもとに向かった

「あ、あの。ユウ様、ですよね?」
『ん?・・・その呼び方。セリーヌの知り合い?』
やっぱり!お姉ちゃんの知り合いだった

お姉ちゃんセリーヌ様の奴隷です。アオイです」
『奴隷?セリーヌが?いや、大丈夫そうだな。俺は確かにセリーヌが言う所のユウ様だ。正確にはユウジだ。よろしくな!アオイ・・・でいいよな?アオイも砕けてくれていいぞ?セリーヌもそうしてるはずだ』

(ユウジ様って言うのか。お姉ちゃん同様奴隷を奴隷として扱わないみたい。それにしても女の子いっぱいいるな)
そんなことを考えていたら、ユウジ様があたりをキョロキョロし出した。何してるんだろう?

『アオイ、一人か?』
「う、うん。そうだよ?」
な、なんだろう?

それを確認したユウジ様は、矢継ぎ早に女の子達に指示をしてユウジ様の左隣の席を空けてくれた
え?どういうこと?なんで席を空けたの?

『ほれ座れ、アオイ。一人で観戦とかつまんないだろ?一緒に観ようぜ。俺はセリーヌ以外興味ないから退屈なんだよ。セリーヌの話を聞かせくれ』
「い、いいの?」
確かに一人は淋しかったし、つまらなかったけど・・・

『いいも、悪いもない、座れ。俺の退屈を埋めてくれ。お願いするよ。それに地味詩乃なやつから可愛い子アオイにチェンジしたんだ。俺は嬉しぞ?というか、座って欲しい、座って?、座ってください。お願いします!』

{ユウジ様?}
〔地味で悪かったわね!〕
[あにさま?]

(あぁ、そう言えばこういう人なんだっけ。お姉ちゃんから聞いた通りの人だ。あまりにもそのまんまでちょっと可笑しい)
僕は思わず、くすっと笑ってしまった

『その笑顔は可愛いな。さすがエルフだ。アオイも可愛いんだから、もっと笑ったほうがいいぞ?可愛い女の子は常に可愛くいるべきだ』

(あっ!それ、やっぱりユウジ様の言葉だったんだ!
そっか、僕が可愛いかはわからないけど笑顔でいよう)

そう言ったユウジ様は僕の頭に手を乗せなでてくれた
僕は驚いたのと、恥ずかしいのと、嬉しいのと、気持ち良かったのと、色々で、真っ赤になって俯いてしまった
ユウジ様のなでなではなんか温かい気持ちになった

それから僕は席につき、みなさんと自己紹介しあった

ユウジ様の右隣にいるのがサーシャさん
恋人みたい。お姉ちゃん知ってるのかな?

ユウジ様の膝の上で寛いでるのがサリーさん
奴隷みたい。奴隷?妹にしか見えないよ?

ユウジ様に地味と言われたのが詩乃さん
詩乃さんの膝の上で寛いでるのがミシャさん

後ろの席に座ってるのが、サラさん、ハリーさん、アイサさん
昨日のお姉さん達は、ハリーさんとアイサさんだった 

□□□□

それから僕はユウジ様にお姉ちゃんとの出会い
お姉ちゃんの奴隷になったいきさつ
お姉ちゃんとの旅でのあれこれ等などを話した

『ふむ、よくわかったよ、アオイ。セリーヌをここまで面倒見てくれてありがとな。それと今後もよき友として、しっかりものの妹として、セリーヌを支えて欲しい』
「う、うん。わかった、ユウジ様」
そう言ってユウジ様は頭をなでてくれた

(あっ。優しい眼差しで頭なでてくれてる・・・気持ちいい。これ好きかも)

『待て、アオイ!ユウジ様はダメだ。それはサーシャ専用だ。専用は大事だからな!他で頼む!もちろん、ユウ様もダメだぞ?セリーヌ専用だ。専用は大事だよな、サーシャ?俺はサーシャの専用を大事にしたい!』
え?どういうこと?専用とかあるの!?ど、どうしよう・・・

{ユウジ様・・・}
『サーシャ・・・』
な、なんでいきなりラブラブになってるの!?

〔はぁ。さすがにアオイさんいるんだからやめなさいよね?いい、やめなさいよ?大事な事だから二回言ったからね!〕
どういうこと?詩乃さんはなんでこんなに必死なの?

そしてユウジ様とサーシャさんは僕の隣で口づけをした

「え?ええ?ええええ!?きききき、キスぅ!?こんなたくさんの人がいるのに!?さも当たり前のように!?」

〔だから!やめなさいって言ったでしょ!なんでしちゃうの?注目されてるじゃない!アオイさんも驚い照るし!〕
[あにさま・・・う、うちも・・・ごにょごょ]
[にいさまとサーシャさんはいつもラブラブだよね!]
[はぁ~。またいつものか・・・]
[アオイ、これがあたいらの日常さね]
[その通りでありますな]

(これが日常なの!?すごい人達みたい。にしてもユウジ様とサーシャさんはラブラブみたいだよ、お姉ちゃん・・・。お姉ちゃんのライバルは強敵だよ、頑張ってね!)

『それでどうする?アオイ。アオイも今日から俺の家族・・なんだから、呼び方は妥協しないぞ?俺の楽しみの1つだしな』
「か、家族?僕も?」

『当然だろ?セリーヌは俺についてくるだろうしな。そしたら、アオイも一緒だろ?セリーヌは家族だ。恋人だ。俺の嫁だ。セリーヌが家族なら、セリーヌの妹であるアオイだって家族・・・・・・・・だろ?だから呼び方は妥協しない。俺を喜ばせろ!』 

(僕はお姉ちゃんとずっといたい。だから僕も家族なのか・・・。嬉しいな。たくさんのお姉ちゃんや妹達がいる。初めての温かい家族)

「じゃ、じゃあ、お兄ちゃんは?ユウジ様お兄ちゃんな感じだし」
『ダメだな、既にいる。次!みんなも協力してやってくれ』

こうして、僕達は武闘大会そっちのけで議論しあった
もちろんお姉ちゃんは瞬殺勝利だった

〔アオイちゃんは大人しい印象あるから、スタンダードに〔兄さん〕でいいんじゃない?〕
『ふむ、悪くない。アオイ呼んでみてくれ』
「に、兄さん?ゆ、ユウジ兄さん?」
ど、どうかな?なんかそこまで真剣じゃなくてもいいような気もするけど・・・

『どちらも捨てがたいな。いや、待て。兄さんじゃなくて、義兄さんにいさんにしよう!俺の奴隷じゃなくて、セリーヌの奴隷なんだし。奴隷の所有者が違うんだから、血が繋がってない妹的な?。決まり!異論は受け付けない!はい、アオイどうぞ!』
「に、義兄さん」
勢いできめたみたいだけど、微妙に細かい義妹設定だよね

『・・・いい!名前も付けて頼む!』
「ユ、ユウジ義兄さん」
な、なんかすごい嬉しそうなんだけど・・・

『お義兄ちゃん、アオイの為に頑張っちゃうぞ!』
〔あんた、本当バカね〕
ユウジ義兄さんは僕の頭をなでなでしてる

{ふふ、ユウジ様も素直じゃないですね}
『サーシャにはお見通しか・・・詩乃はまだまだだな。俺の嫁への道はまだまだ遠いな』
〔べ、別になりたくないし。それでなんなの?〕
え?なにかしてるの?サーシャさんはわかってるみたいだけど

『詩乃にアオイも聞いておけ。鑑定のスキルを持った場合は初めて接触するものは必ず鑑定する癖をつけるんだ。大袈裟に言えば赤ちゃんでもしろ。どこに悪意があるかわからないし、鑑定しなかったせいでなんとかできるもの・・・・・・・・・に気付かない可能性もある。相手を善と信じ込むな。鑑定持ちは確認できるんだから、相手を疑うぐらいがちょうどいい。時に詩乃。お前、アオイを鑑定・・・・・・したか?』

〔し、してないけど・・・?〕
え?僕?なんで?  

『だからまだまだなんだよ。アオイは呪い持ちだった・・・。だから魔法が使えなかったはずだ。だよな?アオイ』
「う、うん。僕はエルフだけど魔法は使えない。な、なんで知ってるの?」

『治したからにきまってんだろ。ちなみに魔法は使えるぞ?いちお魔法の基礎は教わってたみたいだな。呪い解除したから今すぐに使える。それから俺からのプレゼントだな。剣聖眼も複製して分け与えた。愛しのセリーヌでも見て、応援なんかするだけ無駄な事実を知れ』

ユウジ義兄さんが僕を治した?
僕、呪いのせいで魔法使えなかったの?
なんでユウジ義兄さんは呪いがわかったの?
どうして僕を治してくれたの?
どうして?どうして?どうして?

ユウジ義兄さんの言う通り、お姉ちゃんを見たら驚いたよ
剣聖アランの数十倍以上のステータス・・・
確かにお姉ちゃんが剣聖アランを歯牙にもかけない訳がわかった
でもそんなことより・・・

「ど、どうして治してくれたの?」
『そんなの決まってるだろ。アオイは俺の愛姫の家族だし、俺の家族でもあるからな。第一、呪いを好き好んで持ち歩くバカいないだろ?どうせその呪いのせいで嫌な目にあったこともあっただろ?魔法使えなかった原因だし。魔法使えないんです、なんで?。みたいなテンプレはいらん。俺はテンプレは無視する!だから邪魔だから治した。本当はさりげなく治してアオイの好感度あげようとしたんだが、サーシャに感づかれた、残念だ!』

{ユウジ様?} 
〔・・・〕
[あにさま?]

(え、えっと?すごく嬉しかったのに最後で台なしなような?でも細かい所まで見ててくれてるんだね。それにさりげなく治してくれてる。きっとユウジ義兄さんの照れ隠しなのかな。お姉ちゃんやみんなが慕うのはこういう優しいところなんだろうね。ユウジ義兄さん!僕の好感度もちょっぴり上がったよ、ちょっぴりだけどね!)

「ユ、ユウジ義兄さん。ありがとう!」
僕はユウジ義兄さんに抱き着いた

お姉ちゃんが愛しく思う理由がわかったよ!
僕だってこんなに優しい愛しい人がいたら
異世界でもどこでも追いかけたくなる

ユウジ義兄さんと話せて良かった!

「大好き!ユウジ義兄さん!」


その後お姉ちゃんは
剣聖アランを決勝で下だし見事優勝した


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