過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~オークションと魔物娘~情愛再び②

『中央区』オークション会場入口前・12時50分

時間もちょうどいい塩梅なので俺とエステルとリアの三人は仲良く手を繋いでオークション会場へ向かうことにする
オークション会場は『貴族区』寄りの中央区にある、ちょっと小洒落た円形の建物だ
休日で月一の開催ということもあり、たくさんの人々が次々と会場入りをしていく

行き交う人々の中には戦士風の人も多数見受けられる
戦闘用奴隷でも購入するのだろうか?
また別の人々の中には下卑た笑みを浮かべている者もいる
・・・こいつは絶対性奴隷目的だろうな

たくさんの人々がそれぞれの思惑で集まる娯楽地、それがオークション会場だ。

俺の目的は二つ
一つ目はユニークアイテムの獲得
二つ目が転移の護符の獲得である

{私実はオークションって初めてなんですよ!ちょっと緊張します}
へぇ~。まぁあまり一般人には馴染みないらしいからなぁ

『妾も昔小さいときに来たきりじゃな。懐かしいのじゃ』
さすがは公爵令嬢だな。目的は家の使用人奴隷とかかな?

「俺は8月と9月に利用したな。二人ともなんか欲しいのあったら遠慮なく言えよ?落札してもらう・・・・・からな」

ブラッド事件以後ユニークアイテム集めを始動した俺は当然オークションも利用している
残念ながら8月、9月のオークションにはユニークアイテムはなかったみたいだ

{え?いいんですか?ユウジさんがオークションを利用する為に来たんですよね?}
その通りなんだが別によくね?せっかく来たんだし

『妾は別にお師匠様に買ってもらわなくともなんとかなるのじゃが?』
ちっがうんだよなぁ!エステルは何も分かってない!

「あのな?二人とも何も分かってない。今はデート中なの。ここまではいいな?男の子はデート中に女の子にカッコイイ所を見せたがる生き物なんだよ。可愛い男心を潰そうとすんな?二人にカッコつけさせてくれよ。だから遠慮なんてすんなって。金なら潤沢にあるしな」

{ふふっ。カッコつけなくてもユウジさんは十分カッコいいですよ?ですが、そういうことなら甘えちゃいますね}
そうしてくれ。甘えられるのは好きなんだよ!

『よくわからぬが、お師匠様がそうして欲しいなら遠慮せず買ってもらうことにするのじゃ!』
そうしてくれ。エステルの好感度を上げさせてくれ!

こうして俺達三人はオークション会場に入る・・・ことはしないでその横に併設されている商人ギルドの待合テントに入っていった
係の者にいつものように頼んでしばらく待つことにする

{?オークション会場に入るんじゃないんですか?}
『ここは・・・商人の待合室じゃな?なんか用でもあるのか?』
二人とも質問する気持ちはよくわかる!理由があるのだよ

「いや実はさ、俺自身はオークションって利用したことないんだよ。大体オークションってなんかの慣例があったりするのがお約束じゃん?いちいち説明とか聞きたくない。だから仲買人に任せて結果だけ教えてもらってたんだ。俺が理解するよりも最初から分かってる人に任せるのが一番早いだろ?その中でも商人は最も金で動かしやすい連中だからな。馴染みの商人を今呼んでもらってるところだ。適材適所ってやつ?違うか。笑」

{はぁ。その仲介料が既に無駄遣いですよね?さっきカッコつけさせろって言ってたのはなんなんですか?それと説明は相変わらず聞かないんですね。私の時も・・・ぶつぶつ}
やべ!昔のことを思い出してぶつぶつ言ってるぞ!?

『人を使う、という考え方が既に貴族のそれと一緒なのじゃ。それより妾の説明はいつもちゃんと聞いておらぬか?オークションのほうが簡単なはずなのじゃが?』
エステルは特別だからなぁ。・・・てか爆弾落とすなよ!

{・・・え?どういうことですか?ユウジさん}
ほら!気付かれた!いらんこと言わなくていいから!

リアからただならぬ殺気を感じる
どう言い繕うかと考えていた時に救いの女神がやってきた

〔これはこれは、ユウジ様。今回もオークションをご利用でしょうか?〕
ナイスタイミング!さすが商人は機を読むのに優れているな!

「ごほん。リア、エステル、紹介するよ。彼女はソフィア。俺がオークションを任せている商人だ」
〔これはこれは可愛らしいお嬢様達ですね。私はソフィア=マリスカルと申します。以後お見知り置きくださいませ〕

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『ソフィア=マリスカル』24歳 ♀ 狸人族 商人
商人ギルドに在籍している代々商人の家柄である
白髪のナチュラルボブヘアーで真ん丸な狸耳がキュートだ
目がキリッと吊り上がり、身長は160ないぐらいだ
全体的にスラッとしており、胸はそれなりだろうか
性格は真面目で勉強家、信用に値する商人だ
準男爵家でもある
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お互いが簡単な自己紹介を始める
しかし自己紹介が終わってもソフィアは何やら考え込んでいるようだった。なんだろう?なんか疑問でも?

〔失礼ですが、エステルさんはもしかしてシェルストリーム公爵家のご令嬢様ではあられませんか?〕
『その通りなのじゃ。妾はエステル=リステラ=シェルストリームなのじゃ』

(ちょっと!せっかくエステルが公爵令嬢なのはリアに内緒にしてたのに!やはり商人、いや準男爵というべきか。さすがに公爵のことは知っているのか・・・。最近のエステルは貴族風を吹かせるようなことはしなくなったから完全に油断してた。ま、まずいぞ!リアは・・・)

リアをチラッと見ると完全に固まっている
え?公爵様?とぶつぶつなにやら言っている
こうなっちゃうから内緒にしておきたかったんだよなぁ
片やエステルはソフィアに公爵扱いするなと話している
俺がリアを説得するしかないか

「なぁ、リア。確かにエステルは公爵令嬢だが、今までと変わらない態度でいてくれないか?」
{いやいやいや!公爵様ですよ!?私みたいな平民が親しくさせて頂くなんて恐れ多いですよ!}
やっぱりそうなるのか。困ったなぁ・・・

「急によそよそしくなるほうがエステルは傷付くと思うんだ。エステルの為にも頼むよ!俺はエステルが傷付く姿は見たくないんだ」
{しかしですね、公爵様ですし・・・。う~ん。}
迷ってるな。なにかもう一押しさえあれば!

「じゃあこうしよう。リアがエステルに今まで通り接してくれるなら、ご褒美として可能な限り1つだけお願いを聞こう!どうだ?」

ご褒美で釣るってのもあれだが、それよりもエステルが悲しむ姿は見たくない!
せっかく平等に仲良くすることに馴染んできたところだ
エステルの為にもリアには頑張ってもらいたい

{本当にお願い聞いてもらえるんですね!?}
「か、可能な限りだぞ?無茶なのはダメだからな?」

な、なんだろう?なにをお願いされちゃうんだろう!?
勢いよく聞かれたから不安しかないんだが・・・
結局リアは頑張ってくれることになった
もちろんエステルもそうして欲しいと言ったからそれも後押ししたのだろう

なんかドッと疲れたが時間もないのでソフィアとオークションについての打ち合わせをする
もちろん競りはソフィア任せだ。いちいち覚えたくない!

「今回はユニークアイテムと転移の護符の買い占めを頼む。転移の護符はイシス以外なら全て買い占めてくれ。あと今回は俺達も会場入りする。二人リアとエステルが気に入ったものがあったら指示するから落札してくれ」

〔転移の護符を全て買い占め!?ご、ご予算は大丈夫ですか?落札したものをお支払いできなかった場合は一年間オークションの参加を禁じられます。それに私にも・・・〕

(ふ~ん。そんなペナルティーあるんだな。最後口ごもったがソフィアにも何か課せられるんだろうか?まぁ代理を頼む訳だし連帯責任とかあるのか?)

「安心してくれ、ソフィアに迷惑はかけないから。だったら王金貨120枚以内で可能な限り買い占めてくれ。足りないならまだ出せるから言ってくれたらいい」

『{〔王金貨120枚!?〕}』
あ・・・。またなにかやっちゃいましたかね・・・

ソフィアやエステルに改めて話を聞くと転移の護符は大体1枚白金貨1枚程度らしい
更に言うと、エクスペインの1年の国家予算が王金貨80枚前後らしいのだ。またやっちまったよ、どうも慣れん・・・
大体一狩りするだけで王金貨5枚程度の収入だったから、そこまで大層なもんだと思わなかった

さすがに現実味のない金額だったらしい
ソフィアに信じてもらえなかったので金貨の入った袋を見せたら腰を抜かされた
ソフィアを立たせる為に合法的にソフィアのお尻を触らせてもらった。尻尾ももふもふでした!

□□□□

オークション会場・13時00分 アイテムオークション

時間も時間なので俺達4人はオークション会場の中に入っていった
中は薄暗く、中央のステージを中心に扇型に観客席が配備されている。まぁテンプレ通りの造りだな

もちろん席に着く必要があるのだが困ったぞ・・・
今日はリアとのデートだ。当然リアは俺の隣だ
当然色々指示も出したい。そうなるとソフィアには隣にいてほしい

『むぅ!』
エステルはご立腹だ。大変ご立腹である。これはあかん!

結局エステルは小柄だし俺の膝上に落ち着いたのだが・・・
縦ロールドリルヘアーだぞ?お前達!当然したくならないか?
びよ~んって髪を引っ張りたくなるよな!我が同志達よ!
・・・エステルに許可をもらい堪能しました!

それに気付いたんだがエステルが落ちないようお腹を支える必要がある
手の上にくる重圧?乳圧?がやばいんだが!?いつもはセリーヌやサリーが膝上担当だからかかる乳圧がないんだよな
盲点だった!今度はエステルも膝上担当に加えよう!!

そんなことを考えながらしばし待つと、ホールの席はほとんど埋まった。
ステージに男が一人登場する
恐らく司会者か何かだろう。檀上から話し始める。

【ご来場の皆様。本日は帝都エクスペインのオークションにご参加下さり誠にありがとうございます。私が本日の司会進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします】
会場からパチパチパチと拍手が起こる

(拍手いるのか?まぁ空気を読んで拍手しとこう)

【ありがとうございます。ではさっそくオークションに移らせて頂きます。本日皆様に紹介させて頂くのはアイテム類と奴隷です。最初にアイテム類を紹介させて頂き、その後10分の休憩を挟みまして最後に奴隷を紹介させて頂きます。ご存知の方も多いでしょうが、本日は大変珍しい奴隷が出品されております。ぜひ最後までお楽しみください】

(珍しい奴隷?竜人とかか?まぁ奴隷は買う予定ないから別にいいか。それよりもユニークアイテムあってくれよ!)

司会者の話を聞きながらエステルの乳圧を楽しんでいたら、どこからか囁き声が聞こえてきた

《おい、珍しい奴隷ってなんだ?》
《知らないのか?魔物娘だってよ》
《マジかよ!魔境の化け物じゃねえか!》
《なんでも魔境に遠征した冒険者が捕まえたらしい》
《滅多に手に入らないし狙ってみるか》
《やめておけ。どうせ貴族が買っていくだろ》

(魔物娘?娘ってことは女性だろ?化け物とか可哀相だろ!ったく、これだから男ってやつはどうしようもない)

「エステル。魔物娘って?」
『体の一部が魔物なのじゃ。魔族は人なのじゃが魔物娘は魔物じゃな』

(一部が魔物・・・あっ、思い出した。モン娘のことか!なんでもいるな、イリアス!この分だと仙人や天狗もいそうだぞ!?それにしてもモン娘か・・・)

「どんな扱いを受ける?」
『冒険者なら最前線で戦わされ、貴族なら鑑賞用じゃろうな』
「鑑賞用なら酷いことはされないか?」
『・・・人によるのじゃ』

(はぁ・・・。所詮は貴族か。あいつらの脳みそは腐ってやがるからなあ。エステルやシャル達が特別すぎるのか?モン娘と言っても女の子だぞ?男よりも遥かに価値がある)

『なんじゃ?お師匠は魔物娘に興味あるのか?』
{え?冗談ですよね?ユウジさん}
〔鑑賞用にでも購入されますか?〕
「いや酷い事されたら可哀相そうだろ?女の子なんだし」

三人から信じられないものを見るような視線を向けられる
え?どういうこと?俺の方が信じられないんだが!?

『女の子って・・・魔物なのじゃぞ?』
{う~ん。ユウジさんが優しいのはわかりますが・・・}
〔えっと?魔族や獣人とは違いますよ?立派な魔物です〕
「・・・」

(リアやエステル、ソフィアもこんな態度なのか・・・。なぜこの世界の人達はこんなに常識に囚われるのだろう?魔物だから悪なのか?魔族だから悪なのか?この前のユウキは最終的には魔族になったが人間だったぞ?なら人間が悪いんじゃないのか?悪いことをしたやつが悪じゃないのか?・・・存在自体が悪にされてたら誰だって怒るだろ!まぁこの三人は悪くはないし仕方ないか・・・)

【オークションのやり方は簡単でございます。主催者側が最低落札価格を提示させて頂きます。お気に入りになられた際はご自身が支出できる額をコールしてください。最終的に最も高い価格を提示して頂いた方を落札者とさせて頂きます。落札なされた方はその後ステージ裏にて主催者側に落札額をお支払い頂きます。それにて終了でございます】

(とりあえずモン娘のことは置いておこう。今はオークションだ!)

淡々と司会者が説明をしていく
説明の内容もまぁテンプレみたいなものだな

【よろしいでしょうか?では只今よりオークションを開始させていただきます。まず最初にご紹介しますのは・・・】

とうとうオークションが始まった。
最初はなんだかよくわからん絵画が出てきた
リアとエステルが絵画について話してたが全く興味はない

《16枚!》
《17枚!》
《18枚!》

競りか?何の数だ?
勢いよくコールが叫ばれる

【18枚、金貨18枚、それ以上の方はいらっしゃいませんか?・・・では金貨18枚で落札とさせて頂きます!おめでとうございます】

そこでホール全体から拍手が起こる
どうやら落札者が出たようだ。枚数は金貨の数だった

〔基本的には金貨が主流となります。金貨の場合は枚数をそのまま言い、白金貨なら白~枚、黒金貨なら黒~枚となります〕

俺の横からソフィアが簡単に説明してくれた
ありがたい。やはり隣にしたのは正解だった
その後も様々なものが出ては落札されていく
思った以上に進行が早い。これならデートに支障はなさそうだ

特にやることのない俺はエステルの乳圧やリアの太股の感触を楽しんでいた。エステルには気付かれてはいない
リアは最初こそ恥ずかしがってたがなんだかんだで受け入れている
性格は真面目だが意外と好き者か?なんてことを考えていたら、

{あっ}

リアが声を漏らした
やべ!太股はリアの性感帯だったか!?
リアの顔を伺ったら視線は中央に注がれていた
なんだあれ?ティーセットか?・・・神眼!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『白磁のティーセット』レア度:SSR
連邦国家ベルカイム産。名匠の作りし一品
主に宮廷などで使われる高級品
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(あぁ~なるほどね。ベルカイムには興味持ってたもんな。物欲しそうな顔だな。言ってくれたらいいのに)

既に競りは始まっていた
どんどん値が上がっていく

「ソフィア。あれを全力で落札してくれ、頼む」
〔わかりました。・・・96枚!〕

ん?なんで金貨なんだ?白か黒当たり出せば決まりそうなのに?
しばらく競り合戦が続いている

{いいんですか?ユウジさん。かなり高くなってるようですが・・・}
「カッコつけさせろって言ったろ?金なんかどうでもいいよ。リアの喜ぶ顔のほうが価値がある」
ちょっといい感じじゃないか!?キマッた!?

『むっ』
はっ!エステル嬢がご不満でござる!

結局白金貨12枚で落札した
白金貨に上がってからは金貨の枚数ではなく白金貨の枚数がコールされていた

〔オークションにはルールがあります。金貨がコールされている時は原則金貨をコールします。コール単位は1枚~10枚までです。もちろんいきなり値を上げてもルール違反にはなりませんが、マナー違反と受け止められて目をつけられてしまいます。逆にコール単位を下げるのはルール違反となるので認められません。例えば白金貨がコールされている時に金貨はコールできないといった感じです〕

なるほどね。色々あるんだな
目をつけられるの意味がよくわからんが
とりあえずティーセットの支払いに行くか
俺が席を立とうとしたらソフィアに止められた

〔係の者に頼む事で落札の支払いをまとめて最後にすることができます。引き続きオークションを行う為の措置です〕

ステージ裏に案内する係にソフィアが何かを言って代わりに紙切れを受け取っていた
紙切れを見せてもらったら番号がかかれていた
多分オークションの出品番号なんだろう
不正ができないようご丁寧に魔法が使われていた

(結構考えられてるんだな。これなら俺にもできそうだが、まぁ今後もソフィア任せでいいか。オークションを任せる代わりに商人の情報網を利用させてもらおう)

その後もどんどん出品が続いたが結局今回のオークションにもユニークアイテムはなかった
相当出づらいものなのだろうか?

〔そうですね。エクスペインだからってのも原因はあるかもしれません。サラセニアかウォルダムならエクスペインよりかは出品される機会は多いでしょう。エクスペインは迷宮が一つですし上級者向けですから〕

つまりソフィアが言いたいことはこうだ
エクスペインは上級者向けの迷宮しかないから迷宮に訪れる人が少ない。人が少ないから魔物もあまり討伐されない
討伐されないからアイテムがでない。悪循環じゃないか!
迷宮王国サラセニアは迷宮目当てで訪れる人が多いらしい
獣王国ウォルダムは腕自慢が多いから魔物が多く倒されるらしい

(な、なるほど。うまくできてやがる。なら次回は場所を代えるか。護符も手に入ったし。ソフィアに会えなくなるのは残念だが、仕方ないだろう)

今回の戦利品は以下の通りだ

・白磁のティーセット (リア用)  白金貨12枚
・季節の紅茶パック  (リア用)   金貨16枚
・身代わりの護符   (リア用)   金貨50枚
・よくわからん魔導書 (エステル用)白金貨24枚
・よくわからん実験道具(エステル用)白金貨36枚
・最高品質のメモ帳  (ソフィア用) 金貨42枚
・最高品質のペン   (ソフィア用) 金貨40枚
・ベルカイムの護符24枚(俺用)   白金貨24枚
・ウォルダムの護符18枚(俺用)   白金貨18枚
・サラセニアの護符26枚(俺用)   白金貨26枚
・リブループの護符10枚(俺用)   白金貨10枚
・イステールの護符12枚(俺用)   白金貨12枚

護符に関しては1枚だけでもいいのだが、俺が転移魔法を使えることは隠したい。だから1枚だとかえって怪しまれる
どうせ大して高くないので全部買い占めた
いらない分はリアやエステル、ソフィアにあげればいい

これだけ購入してもまだ黒金貨1枚・白金貨63枚・金貨48枚しか使ってない。王金貨いらないな・・・
そりゃあみんな驚くわけだよ。勉強になった

□□□□

オークション会場・15時00分 奴隷オークション

アイテムオークションは終わったのでソフィアとは別れた
代理報酬は落札物1品につき白金貨1枚と伝えてある
これは落札物をちょろまかされないようにするための自衛だ
今回は一緒だったからいいが普段は任せている
ちょろまかされないよう金で釣る作戦だ

「俺はまだオークションに用があるんだが二人はどうする?なんだったら金渡すから市場を見回っててもいいぞ?」

{この後って奴隷オークションですよね?購入されるんですか?}
「冒険者稼業は危険が憑き物だからな。そういう意味で参考程度に見とこうかなって思ってるんだ」
まぁ本当は違うがな。適当な理由ってやつだ

『{・・・魔物娘なのじゃな(ですよね)?}』
ぶふぉ!?なんでわかったの!?二人ともエスパーか!?

「ま、まぁそうだな。やっぱり可哀相でならないよ。別に彼女達は悪いことした訳じゃないみたいだしさ。魔物だからって差別するのはおかしいだろ?悪い奴なら人間にだっているんだしさ。人間の都合で鑑賞とか酷いことするのは間違ってると思うんだ」

常識が邪魔をしている二人には理解しづらいだろうな
だから一人で見ようと思ってたんだ

『なぜ魔物娘だけ助けるのじゃ?お師匠様だから男奴隷はまぁいいとするのじゃ。じゃがオークションは魔物娘だけでなく女の奴隷も出品されてるはずなのじゃ。そやつらは助けず、なぜ魔物娘だけ助けるのじゃ?それは差別にならぬのか?』
おぉ!至極真っ当な意見だ。さすがエステルだ

「エステル。俺はな、たくさんの国の奴隷事情を知ってる。詳細は省くが、それらと比べてもこの世界の奴隷はかなり恵まれてるよ?奴隷であるのに人権はちゃんとある。生活の保障すら主人に課せられている。あまりに酷いと国が守ってもくれる。奴隷ではあるがとても恵まれている。でもそれは人だからじゃないのか?俺は別に奴隷制度には反対してない。賛成もしてないがな。奴隷がいることについてはこの世界の常識なんだからどうしようもないと思ってる。だから女性の奴隷については同情はするが可哀相とは思わない。人である以上ある程度の保障はあるからだ。もちろん酷い主人もいるだろう。だがそれは奴隷制度につきまとう弊害だから仕方がない。でも魔物娘はどうなんだ?同じ奴隷扱いになるのか?エステルやリアでさえ魔物と認識している魔物娘は果たして保障してもらえるだろうか?ならないよな?なるはずがないんだよ、この世界の人達じゃ。だから俺は魔物娘を買う」

そろそろ時間だしなぁ~
市場に行くか一緒にくるか決めて欲しいな

「とりあえず時間ないから市場かオークションか決めてくれ。俺の考えを理解しろとは言わないからさ。ただし!ついて来るなら魔物娘に対しての偏見や差別はしないこと。守れないなら出て行ってもらう。魔物娘を傷付ける行為は許さないぞ?彼女らにも心はあるんだから」

結局二人は一緒に来ることになった
ただ納得している顔ではないので不安でしかない
やはり一人で見るべきだったかも・・・

会場の中に入ると明らかにさっきまでのオークション会場とは違う雰囲気になっている
なんというかギラギラしている
全員獲物を狙うかのような目つきだ。不快すぎる

「ウザいな、こいつら。全員気絶させるか?」
奴隷をモノであるかのように扱う目つきに嫌悪感さえ感じる

『{ダメなのじゃ(ですよ)!?}』
ちっ。エステルとリアに感謝しろよ?有象無象どもが!

俺のただならぬ雰囲気に二人が急いでとりなしたので事なきを得た
いや、得ないほうがよかったかもしれない。ゴミ掃除の機会を失ったのだから

□□□□

奴隷オークションが始まった
アイテムオークション同様滞りなく進行していく
正直暇だ。奴隷が目当てではない。魔物娘が目当てだからだ

暇だから周りを見てみる
屈強そうな冒険者がちらほら見て取れる
やはり冒険者で戦力補強しに来てる奴もいるんだろう
それとは対象的に明らかに貴族らしき姿が多く見られる
こいつらはきっと鑑賞用だとか娯楽目的だろう
だが皆どこか浮き足立ってるというかそわそわしているというか

きっとみんな考えていることは同じなんだろう
魔物娘が目当てなんだ

【皆様大変長らくお待たせ致しました。この中にいらっしゃる多くの方がもう既にご存じのことかと思います。本日のメイン商品となります、魔物娘でごさいます。全部で3体おりますので順にご案内致します】

ホールが大きくざわめいた。待望の魔物娘だからだ
しかも3体いるらしい。せめて1体でもと考えているのだろうか

【まずは世にも珍しいスライムの魔物娘でございます。最低落札価格は白金貨40枚からです。ではとうぞ】

出てきたのはサイドテールの髪型に形を模っているスライム娘だ
いちお今の姿は160位の少女になっているがスライムなので当てにはならない
身長・体重・体型は自由になるだろう

『魔物娘と言っても案外普通なのじゃな』
{むしろ可愛らしい感じですね}

(まぁスライム娘は魔物娘の中でも定番中の定番だ。人型に近い姿になるからあまり嫌悪感は抱かれないよな。とりあえずまずは普通に競りに参加するか)

「白60枚!」
《白61枚!》
《白62枚!》

(ちまちまめんどくさいな!確か10枚までは上げてもいいんだよな?さっさとあげていくか)

《白68枚!》
「白78枚!」
《白79枚!》
「白89枚!」

【白89枚、白金貨89枚、それ以上の方はいらっしゃいませんか?】

(決まったか?案外めんどくさいな・・・)

《白90枚!》

(はぁ!?いい加減にしろよ!さっさと諦めろ!)

「黒1枚!」
《く、黒2枚!》

(ちっ。どうやら一騎討ちのようだな。引き離してやる!) 
「黒10枚!」

俺のコール金額にホールが大きくどよめいた
競っていた貴族らしき男が俺を睨みつけてきたが無視だ
お前には渡さん!スライム娘は俺のものだ!

【黒10枚、黒金貨10枚、それ以上の方はいらっしゃいませんか?・・・では黒金貨10枚で落札とさせて頂きます!おめでとうございます】

『お師匠様おめでとうなのじゃ!』
{ユウジさん、おめでとうございます!}
「エステル、リア、ありがとう。スライム娘ちゃんGETだぜ!」

マスターボール王金貨が必要かと思ったが、ハイパーボール黒金貨でなんとかなったようだ
ただしやはり時間がかかる・・・めんどくさすぎる!

【続きましては下半身が蛇となりますラミア種の魔物娘でございます。こちらも最低落札価格は白金貨40枚からです。ではどうぞ】

続いて出てきたのは赤髪金目のナチュラルロングストレートのラミア娘だ。色っぽいし山脈はかなりデカい!
体長は8mはありそうだ

『へ、蛇娘じゃな。すごいのじゃ・・・』
{た、確かに大きいですね。・・・巻き付かれたりしないでしょうか?}

(ラミア娘も定番だぞ?情熱的なモン娘の代表格なんだがなぁ。二人とも明らかに動揺してる・・・。やはり無理そうかな?次で様子見るか。まずは競りだ。正直普通に参加するのはめんどくさい。マナー違反らしいが一気に上げるか)

《白68枚!》
《白69枚!》
《白70枚!》
「黒1枚!」

ホールが騒然となり有象無象どもが全員俺を見る
明らかにいい雰囲気ではない

《黒2枚!》

(ん?さっき競り合ってた貴族か?またお前かよ!)

『なんかあの貴族の周りに人が集まっておるのじゃ』 
{周りの人があの貴族の人にお金を渡してる?}

確かに貴族の周りの人々に目をやるとお金をカンパしているようだ
なるほど、目をつけられるとはこういうことか

「黒10枚!」
《黒20枚!》

貴族がにやりと勝利を確信した笑みを俺に向けてくる
気持ち悪すぎる。やはり笑顔は女性に限るよな!

「クックック、よかろう。努力カンパだけではどうやっても超えられぬ資金力を見せてやろう!」
『お師匠様!?』
{ユウジさん!?}

王金貨1枚ゆけ、マスターボール!」

《お、王金貨だと!?》
《あの小僧、オークションをなんだと思ってやがる!?》
《さ、さすがに王金貨では敵わないぞ・・・》
《今回は諦めるしかないか・・・》

有象無象どもがなんか騒ぎ出している
そもそも資金力の差に気付かないのだろうか?
まぁ気付いてないからいつまでも会場にいるのか

【お、王1枚、王金貨1枚、それ以上の方はいらっしゃいませんか?・・・では王金貨1枚で落札とさせて頂きます!おめでとうございます】
司会者も少なからず驚いているみたいだ

『もはや競りがめんどくさくなって飽きたのじゃな?』
{確かに大変そうですもんね、やたらかかりますし}
「二人ともよくわかってるじゃないか!ラミア娘ちゃんGETだぜ!」

【さて最後にご紹介しますのは下半身が蜘蛛となりますアラクネ種の・・・】

(アラクネか。これは出てくる前に勝負を決めた方がいいだろうな。この後も二人とはデートするんだし。アラクネだときっと二人は嫌悪感を抱く。ラミアでさえ動揺してたぐらいだし)

「王金貨1枚!」
【・・・魔物娘となります。・・・え?】

「聞こえなかったか?王金貨1枚だ。どうせ俺のものになるんだ。競るだけ時間の無駄だろ?アラクネも出さなくていい。早く手続きをしろ。それとも王金貨2枚出すやつはいるのか?」
俺は周りの有象無象どもを睥睨する。そして、

「一つお前達に言っておく。バカな考えは起こすなよ?いいな?」

有象無象どもに軽い神圧をお見舞いする
有象無象の中には気絶する者や震える者、泣き出す者までいた
この後のテンプレを潰す為の行動だ
競ってた貴族がどうせなんかやってくるだろう
俺は忙しい。男に割く時間はない!
有象無象どもの相手はこれでいい

問題はエステルとリアだ
やはり魔物娘達に会いに行くのは俺だけのほうが良さそうだ
エステルとリアを説得しよう

「エステルにリア、ここまで付いてきてくれてありがとう」
二人の頭を優しくなでながら語りかける

「でも魔物娘達に会いに行くのは俺だけのほうがきっといいと思うんだ。この後もデートがあるんだしさ、無理しないほうがいい。いきなり価値観を変えるのって難しいし大変だと思うんだ。もし魔物娘達と仲良くする気があるなら徐々に受け入れてあげたらいいと思う」

『し、しかしお師匠様・・・』
{べ、別に私達のことは気にしなくても・・・}
それでも俺はエステルとリアの二人に向けて首を横に振る

「今はリアとのデートの最中だ。デートの最中なのにリアを俺の我が儘に無理矢理付き合せてるんだ。俺にとって一番大切な事はリアを気遣うことなんだよ。主役はリアなんだからさ。だからリア、俺の気持ちを汲んでくれないか?すぐ戻るからさ。そしたらデートを再開しよう!」

{・・・ユウジさんがそういうなら、わかりました}
ありがとう、リア!気持ちを汲んでくれて・・・

「そしてエステルもだ。今日の主役であるリアを俺がいない間守ってやってくれないか?有象無象どもには威圧をかけたがバカな行動をするやつがいないとも限らない。これはエステルにしか頼めないし、エステルだからこそ安心して任せられる。頼まれてくれるな?」

『・・・お師匠様はずるいのじゃ。でも任されたのじゃ!』
ありがとう、エステル!頼まれてくれて・・・

「ありがとう、二人とも!愛してるぞ!」
二人まとめてしっかり抱擁する。愛しい者を愛でるように

二人には市場で時間を潰してもらうことにした


きっと今は魔物娘と会ってもお互いプラスにはならないと思うから
お互いがお互いを傷付け合う可能性があるなら会わないほうがいい
少しずつお互いを理解していけばいいだけだ

エステルとリアならそれができると信じている!


「さて、魔物娘達に会いにいきますか!」


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