過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~Sランク昇格と家族紹介~

リアとエステルとのデートの翌日
俺とエステルはSランク昇格試験を受ける為、冒険者ギルドに向かっている

「エステル。なんかあったのか?」
『な、なんでもないのじゃ!』
なんでもないように見えないから聞いたんだが・・・

エステルの様子がおかしい
明らかにそわそわしている
昨日のデート以降妙によそよそしいのだ
たまに俺をチラチラ見ている時もある

「そう?せっかくだし手でも繋ぐ?昨日繋いでたしな」
『・・・チラッ・・・チラッ』
そのチラッと見るのなんなんだよ!?繋ぎたいんだよね!?

エステルに右手を差し出すも、いつまで経っても差し出した手をチラ見しかしてこない

(あ~!もうじれったいな!俺は少しでもエステルと恋人気分を味わいたいのに!多少強引だが仕方ない!)

俺はエステルの細く小さな可愛らしい左手を強引に握った
エステルの左手はスベスベで、だが少し汗ばんでいた
汗?緊張でもしているのか?なんで?

『~~~!』
うっ。こうも露骨に恥ずかしがられるとこちらも恥ずかしくなる

「い、嫌だったか?」
『嫌じゃないのじゃ!』
「そう?ありがとう」
『・・・』
「・・・」

な、なんなんだよ!?これ!?
いつものエステルじゃないんだが!?
こういうのも悪くはないけど俺まで調子狂うなぁ

ちょっと甘酸っぱい恋愛体験をしながらエステルとともに、冒険者ギルドを目指していった

□□□□

『迷宮区』冒険者ギルド

冒険者ギルドに着いた俺達を待ち構えていたのはリアだった
俺とエステルが恥ずかしそうに手を繋いでいる姿を見てにやにやしている

「な、なに?」
{いえ、仲がよろしいようで妬けちゃうなぁ、と}
リアはそう言って悪戯っぽい笑顔を俺とエステルに向けた

(絶対そう思ってないですよね!?むしろあなたが元凶なんですが!?リアは一体なにを企んでるんだ!?幸いリアとエステルの様子から喧嘩しているとか、仲が悪いってことじゃないのだけはかろうじてわかるが・・・)

その後も俺は、リアのにやにやに不安を感じながらも試験内容の説明を受ける
簡単に言うと、Sランク冒険者と試合をしてSランクに上がれるだけの実力があるかどうかを見極めるみたいだ

「倒しちゃっていいんだよな?この後用事あるからめんどくさいことになると困るんだが・・・」
いちお最高ランクだしな。簡単に倒しちゃっていいのか気になる

{問題ありませんよ。いちおSランク冒険者になるに辺り、様々な特典や諸注意などの説明がありますが・・・ユウジさんは聞かれないですよね?}
分かってるじゃないか!リアも段々俺の扱いが分かってきたな!

「そのへんはエステルに任せようと思う。頼めるか?エステル」
『わ、分かったのじゃ』
う~ん。まだおかしいままか・・・

{ところでこの後なにされるんですか?先程用事があるって言ってましたが}
そこ突っ込むのかよ!?う、う~ん・・・

「魔物娘を紹介しようかな、と・・・」
{どなたにです?エステルさんですか?}
「いや。か、家族に、かな?」
{家族?ユウジさんは転移者ですよね?家族ってどういうことですか?エステルさんはご存知ですか?}
ぐいぐいくるな!別に隠してはいないんだよ?

『妾も知らぬな。気になるのじゃ』
あれ?エステルさん!?急に様子が!?

{私も気になります。ユウジさん、ご家族を紹介してもらえますか?}
『妾も紹介してほしいのじゃ!お師匠様』
「こ、今度でいいかな?ほら、リアは仕事あるだろ?」
『{ダメなのじゃ(です)!}』
「はい・・・」

結局リアとエステルに押し切られてしまった
リアはいつものように早退するらしい
まだエステルを攻略中だから、できればサーシャ達を紹介したくはなかったんだが。まぁいいか・・・
いずれは二人にも紹介するつもりだったし

こうして試験の後はエステルとリアに家族を紹介することになった
いちお秘密は口外しないことなどは約束してもらっている

(はぁ~。エステル攻略に支障が出ないといいが・・・。でもエステルもいつもの調子に戻ったみたいだし、リアには感謝かな?いや、もともとはリアが原因なんだから感謝はいらないか。それよりも家族を紹介する以上、リアとのデートには細心の注意を払わないとな・・・)

□□□□

『迷宮区』冒険者ギルド ~昼休み~

既に気疲れしている俺だがエステルの為にもSランクにはなっておきたい
ギルド職員の昼休みに試験が行われるので俺達は昼休みまで酒場で時間を潰した

昼休み、連れて来られた試験会場はギルドが所有する訓練場だ
初めて知ったがギルドでは初心者冒険者に訓練も行っているらしい。全く知らなかった・・・
説明しましたよ?とリアから爽やかな笑顔を向けられたが、目はやはり笑ってはいなかった
これにはエステルも苦笑していた。
どうやらエステルはいつものエステルに戻ったみたいだ。
初なエステルも可愛かったが、俺はいつものエステルのほうが好きだ。自信に満ち溢れているエステルが。

試験会場で待っていると、一人のエルフが入ってきた
こいつがSランク冒険者か?と思っていたら、エステルが耳元で教えてくれた
エステルの甘い吐息に興奮しかけたがなんとか色魔で抑える

『Sランク冒険者『光速の貴公子』ロビン=フリードリッヒなのじゃ。卓越した魔法とエルフなのに華麗な剣捌きが評判の冒険者なのじゃ』

(ふ~ん。確かに腰にレイピア引っ提げてるもんな。エルフであるなのに剣術もできるとなると確かにイリアスでは強者の部類だろうな。それにしても・・・やはりイケメンか!エルフは美男美女と言うのは定番だ。実際アオイも美少女だしな)

判定役から細かい試験説明がなされる
要は殺さない程度なら自由にやってくれて構わないらしい
それはいい。それはいいのだが・・・
ロビンが爽やか過ぎる!物腰もかなり柔らかい

(強くてイケメンで物腰が柔らかいだと!?お前モテる為にいる冒険者だろ!ふざけんなよ!?絶対ぶっ飛ばしてやる!俺は悪役だ。今からイケメン勇者を倒す魔王だ。キヒヒヒヒ!魔王ユウジ降臨じゃ!今から貴様の名声を粉々に打ち砕いてやる!)

[Sランク冒険者のロビンです。魔術大会の優勝者と聞いています。お手柔らかに頼みます。いい試合をしましょう]
そう言って爽やかな笑顔を向けつつ右手を出してきた

(お手柔らかに頼みます~?お前Sランクだろ!なに?謙遜しちゃってるの?どこまで善人なんだよ!生まれながらの聖人気取りか!?)

「こ、こちらこそよろしくお願いします」
ロビンから差し出された右手に俺も右手を差し出して応える

もちろん爽やかな笑顔でだ。心は悟らせない
一旦俺とロビンは分かれて試合の準備をする
エステルとリアの元に戻った俺は二人にこう宣言した

「イケメンは許さん!瞬殺する!二人はすぐ移動できる準備をしてくれ。リアがいるから説明をしてもらう必要はない。家族紹介のときに合わせて説明を頼む」
常に正義イケメンが勝つと思うなよ!フツメンの力を見せてやる!

『お師匠様!?』
{ユウジさん!?}

準備を終えたロビンと俺が試験会場の中央で対峙する
爽やかな笑顔のイケメンエルフと心が醜悪な感情で塗れた勇者
今、イケメン勇者自称フツメン魔王の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた

[試験開始!]
判定役から試験開始の合図だ

[よろしくお願いします]
「・・・」

(戦いの最中に挨拶してんじゃねぇ!どこまでも聖人を気取りやがるのか!目にものみせてやる!・・・神眼!)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロビン=フリードリッヒ 24歳 ♂ レベル:312

種族:妖精族エルフ
職業:精霊騎士

体力:1800000(+800000)
魔力:9600000(+4000000)
筋力:110000
敏捷:450000
器用:280000
幸運:90

加護:精霊王ミラ『貴公子プリンス
称号:貴公子/騎士/精霊騎士
技能:剣圧/精霊の戯れ/身体強化/精霊眼/剣術Lv.55/ヒール
   体術Lv.41/精霊守護/剣舞Lv.50/ヒーリング/キュア
   精霊召喚/火炎魔法/水刃魔法/風凪魔法/聖光魔法
   家事Lv.21/精霊結界/魔力操作/魔力感知/詠唱短縮

『貴公子』:体力と魔力のステータスUP大(固定)
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(欲しいものはないな。にしてもこいつ、精霊騎士にプリンスだぁ?それに家事スキルまでありやがる!お前どんだけモテ要素注ぎ込んでるんだよ!まさに男の敵じゃねぇか!全人類の同士達よ!お前達の無念を今俺が晴らしてやる!南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・テレポート!)

試合開始の合図とともに、神眼でロビンのステータスを見た俺はぶちギレた
まさに許されべからずの神敵だからだ
もはや少しでも顔を見ていたくない俺はすぐさまテレポートでロビンの背後に移動した

ビブラシオン一時的機能停止!」

ロビンの首筋に手刀一発。ロビンがその場で崩れ落ちた
あまりの開幕劇に見学者全員が唖然としている
Sランク冒険者があっという間に倒されたらそうなるだろう
勇者イケメンは倒れた。それを見下ろす魔王自称フツメン
もしかしたらユウジ魔王自称フツメン魔王自称フツメンでも大魔王仲間想いのフツメンだったのかもしれない

(この世にイケメンの栄えた試しはなし!フツメン、ブサメンの同士達よ!お前達の敵、このフツメンが果たしてやったぞ!同士達よ、今はただ安らかに眠るがいい・・・)

こうして試験に合格した俺は晴れて22人目のSランク冒険者になることができた

Sランク冒険者には各自通り名が付くらしい
アランはそのまま『剣聖』、ロビンは『光速の貴公子』、白鷺は『月下の舞姫』、みんななかなか厨二臭くてカッコイイ
冒険者ギルドの上層部が会議にて決めるみたいなので、カッコイイのを期待したい

俺はなんて呼ばれるのかな~?なんて思いながら、エステルやリアの元に戻った

□□□□

『居住区』ユウジ邸・14時00分

今、俺の目の前には可愛い女の子達で溢れていてる

Sランク試験を終えた俺は、エステルとリアに家族を紹介する為に家に招待した
家族紹介は結論から言うとかなり疲れた
まだアヤメ達の事は何も話していないのにだ
疲れた主な原因はサーシャ、サリー、エステル、リアの嫉妬だ

まずはエステルとリアを家に連れていった時点でサーシャとサリーが険悪なムードになった
サーシャはエステルを見て、サリーはリアを見て、また女か!と、鬼と般若が同時に現れたのでそれはそれは恐ろしかった

次に俺の家族を紹介した時にエステルとリアが険悪なムードになった。ちなみに鬼と般若はなんとか宥めた
奴隷の家族達に対しては二人ともなんともなかったのだが、
サーシャとセリーヌの二人に対してエステルとリアは強い嫉妬心を抱いたみたいだ
まぁサーシャとセリーヌは恋人であり嫁でもある、と紹介したから仕方ないとは思う。事実だからしょうがない

エステルからは悪魔が、リアからは天狗が見えた気がした
サーシャは鬼で、サリーは般若。となるとマリーは差し詰め閻魔様だろうか?
鬼に、般若に、悪魔に、天狗に、閻魔様とか俺のお嫁さん達はどこに向かっているのだろうか・・・仲良くしてくれよ!

とりあえず家族紹介は無事?終わった
メインはそれじゃないんだよ!アヤメ達なんだからさ!

「ごほん、では本題に入る。今日みんなに紹介したいのは新しい家族だ。名前はアヤメ、ガーベラ、アマリリス。エステルやリアは知っているが彼女達は魔物娘なんだ。既にサーシャの世界で過ごしてもらっている。サーシャの世界を閉じたのはそのためだ」

既にエステルやリアには家族紹介のときに俺の秘密は話している
もちろん秘密厳守を約束した上だ
家族を紹介すると決めた時点で秘密は公開するつもりだった

『サーシャの世界?お師匠様の秘密の力の一つなのじゃな?』
まだ見せてないから気になるか。エステルらしいな

{名前付けてあげたんですね。ユウジさんは本当変わってますね}
まぁまだ常識に囚われている状態じゃ仕方ないよな・・・

[魔物娘?魔物娘ってなんですの?]
セリーヌは知らないのか。ショーマリーにはいなかったもんな

〔なんでエステルさんやリアさんは知ってるんですか?〕
ちょっ!そこを突っ込むのかよ!サーシャはスルーだ!

「と、とにかく!新しい家族が三人増えて、魔物娘だと言うことだ。魔物娘ってのは体の一部が魔物な女の子の事だ。これから彼女達をみんなに紹介したい。ただ紹介する前にみんなに注意しなきゃいけないことがある。いつも通りだ。常識を捨ててほしい。外見で怖がらないで欲しい。一人の家族として見てほしい」

俺の言葉を聞いた家族達は何を当たり前の事を言い出すんだ、とばかりに口々に言い出した

[ユウ様!魔物だろうが魔物娘だろうが、ユウ様が家族として認めた者ならばそれはもうセリーヌの家族ですの!]
〔セリーヌちゃんの言う通りですよ。最初は驚くかもしれませんが家族を怖がる訳ないじゃないですか、ユウジ様〕

そうか、そうだよな!本当お前達は俺の自慢の家族だよ!
俺は嬉しくなって家族全員の頭をなでてあげた
家族全員をなでるなんてそうそうないことだ
それぐらい俺は嬉しかった。人は価値観を変えられるんだ!

そんな俺達家族のやり取りを見ていたエステルとリアは驚いていた
俺の家族がすんなり受け入れてしまった事実に驚愕しているようだ

『し、信じられぬのじゃ。・・・魔物じゃぞ?』
{み、皆さんは魔物が怖くないんですか?襲われる可能性だってあるんですよ?}

さて、邪魔な常識を取り除く作業を開始しますか
かつて俺の家族にそうしたように・・・

「まず二人とも考え方が根本的に違う。なんで魔物がいけないんだ?」
『な、なんでじゃと?人を襲ったり、殺したりするのじゃ』
{そうですね。時には村や町を襲撃したり、農作物を荒らしたりもします}

(うん、まぁごく一般的な意見だな)

「じゃあ聞くが、人間は魔物を襲ったり、殺したりしていないのか?魔物の住家や魔物の家族を襲ったりしていないのか?人間なら襲ったり殺したりしてもいいのか?人間だけが襲うことや殺すことを許されて魔物は許されないのか?ならどうして魔物は許されないんだ?」

『ひ、人と魔物は違うのじゃ』
「なにが違うんだ?外見か?それとも知能か?外見なら人型の魔物は殺せないよな?でもみんな殺してるぞ?知能なら知能ある魔物は殺しちゃいけなくなるよな?でも殺してないか?」

人と魔物の違いなんて外見ぐらいしかなくね?
知能があって話す魔物もいるぐらいだしな
ぶっちゃけ人間族から見たら魔族や獣人だって外見違うだろ
それと魔物の違いなんてほとんどないように思えるんだが

{ユ、ユウジさんも魔物を殺してますよね?つまりそういうことなのではないんですか?}
「俺が魔物を殺すのは生きるために必要だから殺すだけだ。そこに善悪の感情なんて少しもない。仮に俺より強い魔物がいて、それに殺されたとしてもそれは仕方ないと諦めるよ?だって俺が弱いのが悪いんだし、魔物も生きるために必要だったのかもしれないだろ?」

そろそろ核心に迫っていくか
押し問答してても仕方ないしな

「そもそもなんで魔物や魔族を悪だとみんな思ってるんだ?人間に害をなすから悪だと言われてるんだよな?結局それは人間が生きていく上で必要と判断し勝手に定義づけただけだろ。所謂人間至上主義なだけだ。魔族や魔物からしてみればいい迷惑だ。とんでもない差別だろ。仮に時代が変わって魔族や魔物の時代になったとする。魔族や魔物に俺達人間が悪だと決めつけられたらどうだ?嫌な気分にならないか?悪だから同族である人間を襲ったりするのか?しないよな?助け合うんだろ?本当人間ってのは自分勝手な生き物だよな。自分らのいいように都合よく解釈していく。別に魔物とかを殺すなとは言わない。生きていく上で必要なんだから殺してもいい。でもそこに善悪の感情を持ち込むのは違うと思う」

『{・・・}』

俺はエステルやリアを一瞥して、更に言葉を続ける

「話が長くなったが簡単なことなんだよ。魔族や魔物を悪と決めつけない。悪いことをしたやつが悪い。これは人間も一緒な?そして今から紹介するアヤメ達は魔物娘だけど悪いことをしていない。悪いことをしていないんだから悪じゃない。だから仲良くしましょうってことだ」

まぁ賢い二人なら分かってくれただろう
価値観を変えるには時間がかかるだろうが

[懐かしいですの。昔セリーヌも奴隷についての考え方でユウ様に烈火の如く怒られましたの。あれは怖かったですの。それに比べたらエステル達なんて優しいほうですの]

あぁ、ありましたね~。そんなこと
ショーマリーの奴隷制は酷かったもんな~
家畜も同然、いや下手したら家畜のほうが地位が上だったもんな~

〔そうなんですか?ユウジ様がセリーヌちゃんを怒ってる姿とか想像できないんですが?〕
「あの頃は今みたいに余裕なかったからなぁ。それに俺の国には奴隷なんてもんないんだよ。だからセリーヌの世界の奴隷事情にぶちギレちゃってさ。あの時は本当ごめんな、セリーヌ」

怒ることはなかったよなぁ
落ち込んでた俺を励ましてくれてた訳だし
ちゃんと話せばセリーヌなら分かってくれてたかもしれないし

[いいんですの。ユウ様のお言葉があったから今のセリーヌがあるんですの。ユウ様のおかげでアオイとも友達に、姉妹になれたんですの!奴隷にも差別や偏見をしない、そんな優しいユウ様がセリーヌは大好きなんですの!]

「おぉ!そこまでいってくれるのか!さすが俺の愛姫だ!」

俺は膝上に座る愛しい愛姫を抱きしめた
やはりセリーヌは最高だ!可愛いだけじゃない!
慈愛に満ちた優しいセリーヌに俺はいつも励まされる

「セリーヌ、いつまでも俺の側にいて俺を励ましてくれ」
[当然ですの!ユウ様のお側こそがセリーヌの居場所ですの!]
「セリーヌ・・・愛している」
[ユウ様・・・愛してますの]

お互い見つめ合う。愛しい者を求め合うように・・・

<えっと?言っても無駄かもしれないけどきょ・・・>

そして俺とセリーヌは唇を合わせた
セリーヌとのキスはいちごの味がしました
きっとキャンディを食べてた影響だろう

『{あ・・・}』
<ちょっと!せめて最後までセリフ言わせなさいよ!>
ふっふ~。甘いな詩乃!何度も同じ展開はいらないのだよ!

[次はサーシャ姉の番ですの!お姉様ヘイネ様のお言い付けは絶対ですの!早くするんですの!]
〔いえ、しかしエステルさん達もいらっしゃいますし・・・〕

セリーヌが言っているヘイネの言い付けとはつまり、平等にしなさい、と言うことだ
セリーヌとキスをしたなら可能な限りサーシャともキスをする
その逆もしかりだ。平等に愛する為の必要な過程らしい
これで恥ずかしがってなかなか踏ん切りがつかないサーシャとも所構わずいちゃいちゃできる!
ナイスだ!ヘイネ!ナイスだ!お嫁さん会議!

「いいから、サーシャ。いつまでも俺の側にいてその可愛らしい笑顔を見せ続けてくれ」
〔それはもちろんです!そのために今までも、そしてこれからもずっと努力していきます!ユウジ様のお側にいる為に!〕

そうだな、サーシャは努力の人だ
これからもきっと努力し続けるのだろう
そんなひたむきで一途なサーシャが俺は好きなんだ!

「ありがとう、サーシャ・・・愛している」
〔頑張ります、ユウジ様・・・愛しています〕

サーシャを抱き寄せ見つめ合う。愛しい者を求め合うように

<はぁ。えっと?エステルさんにリアさん?これがうちの日常なのでいちいち気にしてたら負けですからね?>
こいつ!ついにツッコミを放棄しやがったな!

『{日常!?}』
驚いている二人は放置だ!

そしてセリーヌ同様サーシャと唇を合わせた
サーシャからは微かな香水の匂いがした
最近は付けるようにしたらしい大人なサーシャに興奮した
危うく押し倒しそうになったがセーフ。色魔、色魔

□□□□

サーシャの世界ダンドリオン

エステルとリアの二人もある程度は理解してくれたみたいなのでいよいよアヤメ達を紹介することにした
サーシャの世界を初めて見た二人は驚いているようだ

『お、お師匠様は異空間まで創れるのじゃな・・・』
{はぁ~。ユウジさんはもはやなんでもありですね・・・}
リアは惚れてるとして、エステルは俺に惚れちゃう?

【おにぃ、お帰りッス!およ?また新しい家族ッスか?】
【お兄ちゃん、お帰りナノ~。また女の子ナノ~?】
「スイとレン、ただいま!家族ではないな。・・・いや、いっそ家族になっちゃう?二人ともエステルとリア
『お師匠様!?』
{ユウジさん!?}
<そんな拾ってきた猫じゃないんだからやめなさい!ハクト>

詩乃にエステルとリアを勢いで家族化しちゃう作戦を防がれてしまった俺は二人にスイとレンを紹介した

俺が魔力で創りだした魔力造型娘である、と
そしてこのサーシャの世界の管理人である、と

(あれ?そう言えばスイとレンは魔物扱いになるのか?イリアスにはアンドロイドなる知識はない。魔力で生み出したものだから世間では魔物扱いになるのだろうか?)

エステルとリアの様子を伺うも特になにも違和感はないようだ
普通にスイやレンと接している
う~ん、線引きがよくわからんな?

□□□□

サーシャの世界ダンドリオン・フラワーガーデン

スイやレンにアヤメ達の場所を聞いたらフラワーガーデンにいるそうだ
やはりそこなのね。気に入ってたもんな
全員で移動することにする
移動中スイ達に尋ねてみたらアヤメ達は元気だそうだ
フラワーガーデンに到着すると咲き誇る花々とまるで戯れるかのように遊んでいるアヤメ達を発見した
こちらに最初に気づいたのはアヤメだ

《ゴ主人、オ帰リ、アヤメ、頑張ッタ》
「え?なんで昨日今日でそれなりに話せてるの?」
【ふっふ~ナノ~。レン特製『言語の実』ナノ~。考案は詩乃お姉ちゃんナノ~。他にもいっぱいあるノ~】

(はぁ!?なんだそりゃ!?確かに詩乃はよくサーシャの世界に出入りしてはいたが・・・。言語の実とかファンタジーでは割りとあるあるだよな。上手く活かした結果か!)

「でかした!詩乃とレン!お前達の功績は凄まじく高いぞ!ご褒美だ!なでてやる!」
二人を目一杯なでながら考案した詩乃に経緯を尋ねる

<簡単なことよ。スイちゃん達の魔力だとまだまだ創れる物に限りがあるし、ハクトはよくスキルを創造してるでしょ?スイちゃん達もその創造の力はあるみたいなんだけど、直接スイちゃん達がデカい魔力を必要とするものやスキルを創造するのは無理みたい。だからこうやって一手間かけるだけで、少ない魔力でもデカい魔力を実際必要とするものやスキルなんかも創造できたりするんじゃないかって思っただけよ?ここは加速の世界なんだからその性質を利用しないでどうするの>

「ハ、ハイ。スイマセン・・・」
『ほほぉ!詩乃と言ったか?詩乃はなかなか話せるの!この世界に興味がわいたのじゃ!詳しく説明するのじゃ!』
いや、あの。仲良くなるのはいいんですが、アヤメ達を・・・

とりあえずメインがなんなのかを忘れているエステルと詩乃にチョップをかます
チョップをかました後ですぐさま後悔した
詩乃は別にいいのだがエステルにはまずかった
好感度下がるか?と不安だったが意外にもそうでもなかったようだ
むしろ嬉しそうでもある。そういう趣味の持ち主か?

なんとかみんなが落ち着いたところで、早速アヤメ達を紹介した

アヤメに関しては、全く心配無用だった
むしろ色々変形できるおかげか、うちの天使組のお気に入りになってるぐらいだ

ガーベラについては、蛇の尻尾を含めた体長の大きさに少し驚いたぐらいだろうか?
特段怖がってる様子はみんなからは感じられなかった
実際ガーベラは美人でもあるし、尻尾の鱗はとても綺麗だ
すぐ仲良くなるだろう

アマリリスに関しては、怖がる素振りを見せなかっただけでもみんなには感謝をしたい
ほぼ全員が息を飲んだのは確認できた
全く動じなかったのはセリーヌだけだ
やはりこの辺は旅慣れている経験の差なのだろう

アマリリスの為に何とかしてあげたいと考えた俺は、アマリリスに好きなことを尋ねた

《私、自分ノ糸、編ミ物、好キ》

(あれ?確かミーが裁縫師だったような?それにサーシャも昔編み物してたよな?)

「アマリリス、みんなの編み物の為に糸を少しもらえないか?」
《ワカッタ、ミンナ、一緒、編ミ物スル》

実際アマリリスにもらった糸はすごく綺麗だった
これ想像以上にいいものなんじゃないか?
もしかしたらセリーヌの夢にも役立つんじゃ・・・

ミーに見せた所、蜘蛛の糸はかなりの強度を保ち衣類だけではなく様々なものに活用できるらしい
蜘蛛の糸を受けとったミーの喜び用は凄まじかった
そんなにいいものなのだろか?オリハルコンみたいなもの?

ミーはアマリリスにべったりだ
一緒に編み物さえ始めてしまっている
アマリリスも嬉しそうだ
いずれみんなもミーのように打ち解けてくれるだろう


なんだかんだ言って、家族紹介と魔物娘達の紹介も終わった
まだぎこちなくはあるもののなんとかなりそうではある
時間が解決してくれるだろう、家族なのだから!

さて、そろそろ武術大会の準備をしますか!


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