過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

武術大会予選 ~予選と下忍~

いよいよ待ちに待った武術大会だ
優勝賞品がユニークアイテムなのは事前告知されている
ユニークアイテムの性能は手にするまではわからないが、何が何でも手に入れる所存である
ぶっちゃけ俺と家族達だけが暴れる未来しか想像できない
なので身内同士で対戦するような状況になった場合の対処方法だけは事前に話していた
俺とサーシャ、セリーヌはそのまま戦いを続行
ハリーとアイサは棄権する、と決まった

もちろん自由にしてもらって構わないのだが、普段の俺らの鍛練姿を見ていれば全く敵わないのはわかるのだろう
ハリーとアイサはやるだけ無駄だ、と判断した結果棄権することにするらしい
相手の力量を見て素直に引くことが出来るのもまた強さの一つである
二人の成長を嬉しく思った

まずはともあれ本選に進むための予選を突破しないといけない
俺と家族達は予選が行われる武闘場を目指すことにした

□□□□

『迷宮区』武闘場入口前

武闘場前はたくさんの人々でごった返している
以前の本選程ではないがそれでもかなりの数だ
正直ちょっとウザい、神圧でもぶっ放してやろうか・・・
それに先程から俺達は人々の視線も集めているようだ
まぁ俺達の出で立ちを見れば仕方がないのかもしれない

俺、サーシャ、セリーヌ、エステル、アオイ、サラ、ハリー、アイサ、ミー、サリー、詩乃の11人の集団だけでもかなり目立つ
そこに全員が同じ衣装、家族共同作業の結晶『ラブリーマント』を装備しているのだから更に目立つ

(目立ってるから!みんなに見られてるから!そもそも姿形を隠す意味合いも込めて作ったのに逆に目立ってるから!)

まぁ目立ってしまっているおかげからかお決まりのテンプレが発生しないのは助かる
まさか詩乃はこれを見越して・・・ないない
ただ単に詩乃の悪い癖がでただけだからな

ここで俺達選手組は家族達と別れて会場入りすることになった

□□□□

『迷宮区』武闘会場

予選参加者は全員会場に集合する事になっている
なんでも今から本選出場者を決める予選を開始するためらしい

「予選って何やるの?」

武闘大会の予選は総勢128名が参加していて、
それぞれ16のブロック(A~P)に8名ずつ分かれて、全員一斉のバトルロワイアルを行う
その後16名でくじ引きして対戦相手を決め、ベスト8まで決めるのが予選の内容である、とサーシャが教えてくれた

(めんどくさ!128名とかいすぎだろ!なんでそんなに集めちゃったわけ!?半分・・・いや、多いな。さらに半分の半分でよくないか?)

「今から神圧発動しちゃえばあっという間に本選出場者決められそうだよな」
[さすがユウ様ですの!やるならセリーヌも拳圧で協力しますの!]
〔ユウジ様も、セリーヌちゃんも、やったらダメですからね!?〕
[[・・・]]

若干めんどくさくなってきた俺
もはや俺とサーシャとの戦いしか眼中にないセリーヌ
暴走する俺とセリーヌを必死に抑えるサーシャ
そんな俺達のやり取りを見て呆れるハリーとアイサ
うん、家族のあるがままの姿だな

□□□□

いよいよ予選開始の時間だ
大会関係者から挨拶やら何やら長い話が行われた後、大会関係者の誘導に従ってそれぞれ各ブロックに案内された

(俺はBブロックか。家族はきれいに全員分かれたみたいだな。とりあえずこのバトルロワイヤルでは脱落者の心配はいらないようだ)

俺はBブロック、セリーヌは隣のCブロック、サーシャはEブロック、ハリーはHブロック、アイサはPブロックだ

それぞれのブロックから予選開始の合図が叫ばれる
会場から観客席から熱気が漂う。あふればかりの拍手が注がれる
武術大会がついに始まったのだと改めて感じさせられた

・・・。

「サーシャは大死滅圧を使わないみたいだな」
[サーシャ姉は真面目ですの]

予選開始の合図とともに俺は神圧で、セリーヌは拳圧で決着をつけた俺達二人はサーシャのいるEブロックにきていた

「確かにサーシャは真面目だよな。相手になるやつなんていないんだからさっさと黙らせればいいのにな。最近では俺でさえサーシャの動きを捉えるのがきついのに」

[サーシャ姉の動きはセリーヌもしばしば見失いますの。動きだけならもはや誰も敵いませんの。お姉様ヘイネ様にも匹敵するかもしれませんの!]

セリーヌさえ認めるサーシャの素早さは確かにヘイネぐらいしか比較対象がないぐらい凄まじいものだ
基本的に敏捷に関しては、ステータスに2倍ぐらいの差が出ると姿を捉えるのが難しくなる
今や俺とサーシャは2倍ぐらいの差ができつつあった
日々の鍛練の賜物だろう、サーシャはサーシャ自身の確かな強さを手に入れている

(あぁ、美しい・・・。サーシャが揺らめく度に相手がどんどん倒れていく。まさに神速の戦乙女!惚れ惚れする。・・・ムラムラするな、今すぐにでもその美しさを穢したくなる!・・・今すぐ穢したい!・・・このまま犯してやる!・・・じゃなくて!色魔、色魔・・・落ち着け!ここじゃ、マズイ!夜だ、夜まで我慢だ!)

武舞台上では、まるで何事もなかったかのようにサーシャだけがその場に立ち尽くし他の選手は倒れていた
それはさながら、この武舞台上に一筋の優しい風が吹いたかのような一瞬の出来事だった
俺は今すぐにでもサーシャの元に飛び出して行きそうになった衝動を抑え、予選を終えたサーシャを出迎える

〔ユウジ様、セリーヌちゃん。わざわざ応援ありがとうござい・・・きゃ!?〕
[ユウ様!?]

嬉しそうに駆け寄ってきたサーシャを強引に抱き寄せ、そのままその場でキスをする
驚いているし外だから仕方がないが、サーシャのちょっと控え目なキスのやり取りでもサーシャの味がした

(サーシャとのキスを終えたら次はセリーヌだ!平等は大事だからな!みんなが見ていようと関係ない!)

抱き寄せていたサーシャを離し、側で驚いているセリーヌを強引に抱き寄せてそのままキスをする
サーシャとは異なり、セリーヌの激しく情熱的で積極的な
キスのやり取りはセリーヌの味を感じるには十分過ぎた

(これだよ、これ!サーシャの控え目なキスもいいが、セリーヌの積極的なキスもまたたまらん!それぞれの良さがあるんだよなぁ)

「ふぅ。ごちそうさまでした。大変満足です。悪いな?二人とも。また悪い癖狂愛がでそうだったから二人のキスでなんとか抑えさせてもらったよ!」
これは仕方がない事なんだよ!本能だからな!

〔そ、そうでしたか。ビックリしました。次からは物陰に隠れてしてもらえると嬉しいです。みんなに見られていますので〕
そんな余裕がないんだよなぁ、本能なんだから!

確かに俺達のキスのやり取りは、会場から、観客席から、注目を浴びていた
集まる視線にサーシャは身を小さくしていた
ちょっとかわいそうな事をしたかな?
しかしこればっかりは仕方ないんだよな

[セリーヌはいつでも大歓迎ですの!サーシャ姉は恥ずかしがり屋ですの!]
嬉しいことを言ってくれるじゃないか!

確かにサーシャは少し遠慮がちだ
まぁそこがサーシャの可愛らしい所なのだが。
ただ、セリーヌのこの積極性をほんの少しでも見習ってもいいんじゃないかな~とは思う
だがそんなことを言うときっとサーシャは傷つく
だからセリーヌにはサーシャの分まで頑張ってもらいたい

次に俺達はHブロックで戦っているハリーの応援にきた
ハリーの戦い方はなんというか・・・

「ハリーは雑な戦い方をするな~。今のだってハリーなら避けられたよな?」
ただ突っ込んでるだけじゃねぇか!猪娘かよ!

〔そうですね~。ハリーはいつもあんな感じがしますね。アイサが防いで、ハリーが攻める。それが彼女らの戦い方なので一人で戦うとあんな感じになるんでしょうね〕
あ、なるほど!二人でワンセットなのか。にしてもひどいわ!

ハリーの戦い方は実にシンプルだ
真っ正面から突っ込んでただただ打ちのめす
避けることも防御することも一切しない弾丸娘だ
優秀な盾役がいればこその純粋なアタッカーなのだろう
まぁハリーらしいと言えばハリーらしいか
そして純粋なアタッカーだけに決着も早い
武舞台上でガッツポーズしているハリーには苦笑しかでないよ

逆にハリーとは違って上手い戦いを披露しているのは、Pブロックで戦うアイサだ
相手の攻撃を盾で防いではランスで突き、攻撃を盾でいなしてはまた突く
時間はかかっているが、実に上手く安全に、かつ確実に相手の体力を奪っている

「アイサはねちねちといやらしい攻撃を繰り返すんだな。同格レベルだったら最もイライラするタイプだよな」
[アイサが上手く防いでくれるからあたいも安心して攻撃できるさね!]
ハリーはアイサに頼らず自分でも避ける努力をしような?

(それにしても・・・アイサはなんか夜もいやらしくねちねちしそうだよな~。[こうでありますか?こうして欲しいんでありますね?これがいいんでありますね?これが気持ちいいんでありますね?それなら何度も何度も攻めてあげるであります!]とか、想像しただけでたまらん!一度はねちねちしたくんずほぐれつも経験してみたいな~。・・・はっ!いかんいかん、色魔、色魔!)

「くっ!恐るべし武術大会!こんなに厳しい場所だとは思わなかったぜ!」
〔ユウジ様!?いきなりどうされたんですか?〕

「サーシャ、聞いてくれ。俺は武術大会をナメていたよ。あぁ、完全にナメきっていた。しかし今改めてわかったんだ。俺にとって武術大会はまさに地獄、この世の終末場だったんだ」
〔ユ、ユウジ様がそこまでおっしゃるなんて・・・。訳をお聞かせ願えますか?〕

「サーシャ、よく聞くんだ。俺は今アイサのあのねちねちとしたいやらしい攻撃から、夜もねちねちといやらしいんじゃないかと想像した。そして凄く興奮した。アイサ相手に危うく悪い癖狂愛さえでそうになった。これは大変なことだよな?さっきはサーシャにも欲情した。この後もきっと欲情するだろう。サーシャだけじゃない、セリーヌにもきっとする。ハリーは・・・ないかもしれないな。だがアイサにもまた欲情するかもしれない。俺はみんなに欲情する度に毎回色魔で欲情を抑えないといけなくなる。・・・こんな生き地獄があるだろうか!?俺はお預けを食らった犬か!?武術大会は俺にとってまさに天敵だ!こんな苦しみは初めてだ!これを地獄と言わずして何という!まさにこの世の終末だろう!?」

・・・。

[〔[・・・]〕]

サーシャ、セリーヌ、ハリーの三人は、俺の言葉にぽか~んとした顔で呆気に取られている
気持ちはわかる。わかるのだが・・・
なぜ理解してくれない!?男の子の苦しみを理解して!?

[じ、自分の戦いに、よ、欲情したのでありますか?]
はっ!いつのまに!?夢中になりすぎて気付かなかった!

バトルロワイヤルの予選を終え、俺達の元に戻って来ていたアイサもどうやら俺の話を聞いていたらしい
さすがにアイサも本人を目の前にして、ねちねちしたいやらしさ、とか言われたら恥ずかしくなるよな
顔を真っ赤にしてもじもじいている
なんか可愛いな、なんて思ってアイサを見つめていたら、

〔・・・ユウジ様?どういうことですか?まさかアイサにも手を出されるんですか?・・・やはりその為に処女の子を選ばれたんですね?〕

(ええええ!?いつの話を持ち出してんの!?それちゃんと説明しましたよね!?いつもの嫉妬だけじゃなく、めんどくさい疑惑までついてきたぞ!?) 

[はぁ~。またいつものサーシャ姉の嫉妬ですの。放っておくしかないですの]
[[はぁ~。またいつものか・・・]]
ちょっ!お前ら見捨てる気か!?薄情者かよ!

俺は激怒している嫉妬の鬼サーシャをなんとかなだめようと悪戦苦闘していた
そんな俺達のやり取りを尻目に、周りは徐々に予選のバトルロワイヤルを終え、選手達でごった返し始めていた

《くすっ。・・・は、相変わらず・・・なんだね》

そんな選手達がごった返す喧騒の中、俺の耳にどこからともかくつぶやきのような微かな声が聞こえたような気がした
つぶやきの主を探そうと辺りを見回すも選手達で埋め尽くされて特定できそうにない

(・・・ん?今俺の名前を言われたような気がしたが、気のせいだったか?)

気になるものも今は目の前のサーシャを宥めることが先決だ
武術大会とはまた違う、別の戦い(サーシャを宥めること)を俺は始めなければならないようだ

□□□□

『迷宮区』武闘場 ~昼休み~

予選の全バトルロワイヤルが終わり、ベスト16が決まった
そのままくじ引きで対戦相手を決めた後、お昼休みを挟み、ベスト8戦を開始するみたいだ
このベスト8戦までが武術大会の初日の日程だ

ベスト16戦以降の組み合わせは以下のように決まった

<a href="//23149.mitemin.net/i272905/" target="_blank"><img src="//23149.mitemin.net/userpageimage/viewimagebig/icode/i272905/" alt="挿絵(By みてみん)" border="0"></a>

唯一の強敵である、セリーヌやサーシャは決勝までは当たることはない
ハリーやアイサは俺と対戦するときは棄権するみたいだ
それはいい。それはいいのだが・・・

「なぁ、エステル。俺の対戦相手についてなんか知ってたら教えてくれ。くじ引きのときにすげ~睨まれてたんだよ。なんか気になってさ」

昼休み、選手組の俺達は家族と合流してサーシャとサラのお弁当に舌鼓をうっている最中だ
そんな中俺はエステルに対戦相手の事について尋ねてみた
間違いなく、くじ引きの時に睨まれていた。まるで親の仇でもとるかのように・・・・
エルフの美しい顔が台なしだよ!と思ったぐらいだ

『Sランク冒険者『沈黙の凶器』アンジェリーヌ=フリードリッヒなのじゃ』
「ふ~ん。Sランク冒険者か。でもなんで睨まれたんだ?面識ないはずなんだが?」
美しいエルフに睨まれるとか人生のマイナスポイントだよな

『お師匠様はロビンを覚えておるか?ロビン=フリードリッヒじゃ』
「・・・?誰それ?全く記憶にないな。女の子なら忘れない自信はあるはずなんだが・・・」

(いや、待て?ロビンだから男なのか?・・・なんでエステルに男の知り合いがいるんだよ!?そいつか?そいつが原因でエステルに愛情スキルが付かないのか!?)

『お師匠様は本当ブレないのぅ。Sランク冒険者『光速の貴公子』ロビン=フリードリッヒなのじゃ。お師匠様のSランク昇格試験の時の相手なのじゃ』

(なんだエステルの男じゃなかったのか・・・不安にさせやがって!そうだよな、エステルは俺のことが大好きなんだもんな。男がいるわけないよな!)

「全然覚えてないな?試験の時はなんかやたらイケメンな糞野郎に悪の鉄槌を与えたぐらいしか・・・。で?そのロビンがなんか関係あるのか?」
アンジェリーヌに睨まれる経緯がさっぱりなんだが???

『わからぬのか?二人は夫婦なのじゃ。家名が一緒なのじゃ。それにアンジェリーヌは大の旦那さん大好き人間らしいのじゃ』
え?じゃあ睨まれた理由ってもしかして・・・。

「まさかとは思うが・・・逆恨みじゃないよな?」
『・・・逆恨みじゃろうな。昇格試験でロビンがお師匠様に手も足もでなくあっという間に倒された噂は広まっておるのじゃ。だからロビン大好きなアンジェリーヌならきっとこう思うはずじゃ。お師匠様に大好きなロビンの名声を貶しられた、とな』

(はあああああああ!?冗談だろ!?昇格試験の相手だったから倒しただけだぞ?そんなことでいちいち恨まれてたら身がもたん!)

「はぁ~。めんどくさ。いちいち恨まれるのもめんどくさいし、とち狂って俺の家族に危害を加えられたら厄介だ。ロビン共々仲良く現世からご退場願うか。その方が簡単だしな」

俺の家族にちょっかいを出すのだけは許さん!
死ねか諦めるかの2択だけだな
どうせテンプレ通り諦めない可能性が高いんだから退場してもらうしかない
ロビンも冥府へのお供に加えてやるんだ、感謝してほしい

『〔[[!?]]〕』

俺の言葉にセリーヌ以外は驚いてるみたいだな
まぁセリーヌはマリーでこういうことに慣れてるもんな
命は大切にするから価値があるのであって、粗末に扱うやつへの配慮なんか必要ない

『お、お師匠様は相変わらずせっかちなのじゃ。わざわざ殺すこともないのじゃ。アンジェリーヌをどうしても見過ごせぬならあれを使ってみてはどうじゃ?この前覚えた『記憶収集』じゃ!頻繁に使うのはマズいじゃろうが、アンジェリーヌもロビンも殺されるよりかはマシなはずなのじゃ!』

(あぁ~なるほどね。こういう時にこそ使える魔法だよな。アンジェリーヌの記憶から俺の存在を消しちゃえばいいのか。・・・いや、それだとまた噂で俺の存在がバレるぞ?いっそ俺とアンジェリーヌは親友で、噂が根っからの出鱈目だと記憶に刷り込ませるか。うん、そうしよう!人妻GETだぜ!げへへ)

「まぁ、エステルがそういうならそれに従うか。エステルは間違ったこと言わないしな。色んな・・・意味でありがとな?エステル。ご褒美だ!なでてやるぞ!」

『なでなできたのじゃ!!くふふ、気持ちいいのじゃ~』
おわっ!?びっくりした・・・

なでなででそこまで喜んでもらえるとは・・・
・・・そうか、今日は大会のせいで一緒にいる時間が少ないからあまりなでなでする機会がないもんな
アンジェリーヌを倒したらエステルのいる観客席に行くとしよう


□□□□

武術大会ベスト8戦 ~ユウジ  vs  アンジェリーヌ~

昼休みも終わり、いよいよベスト8戦が始まった
俺は初戦ということもあり早速武舞台上に上がる
武舞台上には既に鬼の形相になっている一人のエルフが待ち構えていた
折角の美しい顔が台なしだよ!
ベースは凄くいいのにもったいない・・・

俺を待ち構えていたのは、アンジェリーヌ=フリードリッヒ
Sランク冒険者で『沈黙の凶器』とか言われている人だ
『沈黙の凶器』ってあまりいいイメージ沸かないよな・・・
アンジェリーヌは輝く金髪に緑の綺麗な目
髪を一つにまとめ肩から流すようなゆるいルーズサイドテールヘアーをしている
全身はスラッとしていて、身長は160ぐらいだろうか
顔はエルフらしく本来は美しいはずだ、本来なら・・・

(なんかじっと睨んでるよ・・・。なんか文句いってくるかと思ったけど、黙っていられる方が余計に怖いな・・・。この寡黙な状態を沈黙と比喩しているのか?)

そう、先程からアンジェリーヌはただひたすら睨んでいるのだ
アンジェリーヌの瞳にはまるで復讐の炎が灯っているかのように。
全身からは憎悪?いや・・・それ以上の殺気を放っている
きっと彼女は俺を殺す気なのだろう、肌ではっきりとそう感じる

(さすがに怨念が篭りすぎじゃないか?旦那を瞬殺しただけだぞ?そりゃあ無様な負け方したらあまりいい評判は立たないだろうが・・・いくらなんでも旦那大好き人間過ぎるだろ!)

そんな俺とアンジェリーヌの睨み合いにも終わりがきた
審判から試合開始の合図だ

「降参する気はないか?女性とは戦いたくないんだが?」
<・・・黙れ。ロビンの仇。・・・殺す!>
いやいやいや!ロビンさん死んでないですよね!?

殺気を孕んだアンジェリーヌは懐から笛のようなものを取り出した

(笛?エルフだけにアオイ同様、演奏魔法か?)

と考えていたら、何かが凄まじい勢いで飛んできた
常人レベルなら見えないぐらい早いのだろうが、俺からしたらスローモーションもいいところだ
飛んできたものをキャッチしてみたら・・・

(へ?・・・矢?あれ吹き矢なの!?てか吹き矢ってなんだよ!?アンジェリーヌは忍者なのか!?・・・神眼!)

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アンジェリーヌ=フリードリッヒ 26歳 ♀ レベル:333

種族:妖精族エルフ
職業:暗殺者

体力:2800000(+1000000)
魔力:5000000(+1000000)
筋力:330000
敏捷:800000(+200000)
器用:560000
幸運:73

加護:くノ一琴葉『下忍』
称号:暗殺者/下忍
技能:身体強化/精霊眼/鎖鎌術Lv.60/暗殺術Lv.70/生活魔法
   剣舞Lv.51/剣術Lv.50/火炎魔法水刃魔法/風凪魔法
   家事Lv.45/魔力操作/魔力感知/吹き矢Lv.61/苦無Lv.60
   琴葉流護身術Lv.44/房中術Lv.201/迅雷魔法/土淵魔法

『下忍』:体力と魔力と敏捷のステータスUP小(固定)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(色々突っ込みたいが、・・・ぼ、房中術だと!?そして房中術高すぎだろ!?ねぇ、ヤりまくりなの?そうなの?若さを活かしてヤりまくってるの!?やはりロビンは殺すべきか・・・。うらやまけしからん!アンジェリーヌさん、・・・房中術は複製して頂きますね。ヘイネやサーシャにあげよう!房中術には無限の可能性がある!これさえはあればもしかしたら・・・)

俺が吹き矢をキャッチした事に驚いているアンジェリーヌは、更に鎖鎌を取り出し頭上で勢いよく振り回しはじめた
しかし俺はそんなアンジェリーヌにはお構いなく思案に耽る

(いちおくノ一扱いみたいだが職業は暗殺者なのか。まぁ似たようなもんか?忍者って職業はないみたいだ。考えてみれば魔法がある世界で忍術使うのも変な話だしな。にしても琴葉か・・・こいつ日本人じゃないのか?名前が明らかに日本人だよな?詩乃組か?たった一年で忍術道場でも開いたのか?・・・それとも俺達や詩乃達以外にも日本人がいるのか?アウラ様はまだなにか隠しているのか?)

アンジェリーヌの投げてきた鎖が腕に絡まる
そこから迅雷魔法が鎖を伝ってやってくる

(痺れさせるつもりか。なるほど、こんなシーンを漫画なんかで見たことあるぞ。琴葉は間違いなく日本人だな。こんな魔法の使い方はイリアスの人達では思いつかないだろう)

鎖鎌から流れてくるアンジェリーヌの迅雷魔法はなかなかに効くものだ。肩凝り解消にいいだろう
所詮その程度のレベルなのだ

「え~と?もう力の差を理解できたかな?色々参考になったし、そろそろ終わらせたいんだけど?」
<・・・>

どうやら無視されたらしい
なにやら精霊級の魔法の呪文すら唱えはじめている

(はぁ~。どうして力の差を理解できないバカが世の中多いのだろうか?うちの体力バカ達ハリーとアイサの爪の垢でも飲ませたい)

「もういい、飽きた。・・・時間停止魔法アハルテン!」

~~時間停止中~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

記憶収集もしないといけないし急ぐか・・・テレポート!
鎖は邪魔だから引きちぎろう・・・いや、くノ一なんだからやはりここは縛るか!
くノ一が捕まるのはもはや定番だよな!
西洋が姫×オークなら、日本はくノ一×亀甲縛りか?

さてと、頂くスキルは『房中術』と『琴葉流護身術』だな
『房中術』はもちろん今後の楽しい性生活と俺の夢の為
『護身術』は体術とは分類が異なるみたいだし、あったらあったで便利だろう。家族全員に配っとくか

スキルの搾取が終了したら次は記憶の入れ替えだ

(・・・早速アンジェリーヌの記憶を入れ替えよう。発動スキルは絶対加護・パーフェクトフォース・エクストラヒーリング・抽出・書庫だ。抽出する記憶は俺への憎悪。入れ替える記憶は親友・・・親友?親友の記憶、、だと!?誰だ!?俺が気軽に接することができる親友って!?う、う~ん?とりあえずシルヴィ辺りに対する気持ちでもいれておくか?シャルに対する気持ちとかだと、もしかしたらアンジェリーヌが俺に好意持っちゃうだろうしな。まぁこんなもんかな。・・・記憶収集!)

よし、完了だ。脳への障害とかもないだろう
さてと・・・後は縛るか。というか、縛り方がわからん
現代の知識からスキルを創ろうかな!

(・・・イメージ、イメージ!テレビかなんかで見た亀甲縛りあたりでいいだろう・・・記憶創造!)

【スキル『捕縄術』を獲得 ランク:S】

・・・え?ランクあるの?
ということはイリアスでは存在しているのか?もしくは誰かが普及させたとかか?
まさか・・・琴葉じゃないだろうな?

まぁいいや、捕縄術で縛ろ~♪~♪~♪

・・・。

完成だ!素晴らしい!
エルフを亀甲縛りとか新しい分野を開拓してしまった
萌える展開だがそろそろ時間か・・・テレポート!

~~時間停止解除~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<・・・!これは!?>
「おはよう、アンジェ」
<・・・ん?あ、おはようございます。ユウジさん>
よし、記憶収集は上手くいったみたいだな

「俺と対戦してたのは覚えてるか?そろそろ決着つけたいから縛らせてもらったよ。アンジェを傷付けると旦那に悪いからな。降参してくれるか?」
いちおシルヴィがモデルだから大丈夫だろう

<あぁ、なるほど。どうして私は親友とわざわざ対戦してたんですかね?棄権してもよかったのに・・・。とりあえず・・・私は降参します!>

その後アンジェの体から縄を解き、健闘したことを称賛し握手を交わした
なんだこれ?やっすい三文芝居を演じている気分だ
記憶収集はやはりかなり危険な魔法だ
余程の事がない限りは自重したほうがいいだろう


こうして俺はアンジェリーヌを下し、ベスト8へと駒を進めた

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