過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~無断外泊と嫁の願い~

『居住区』ユウジ邸・10月27日13時00分

〔昨日はお楽しみでしたか?二人とも〕
鬼気迫る勢いで尋ねてくるサーシャ

「《ごめんなさい・・・》」

今正座している俺とあかりの前には、額に浮かべた青筋をピクピクとさせながらもとても眩しい笑顔をしている鬼、もとい、サーシャがいる
只今俺とあかりは絶賛サーシャのお説教タイム中である

そもそもなんで俺とあかりがお説教されているのか・・・
話は今朝にまで戻る

□□□□

王都イシス 宿屋・10月27日7時00分

俺は先日の武術大会であかりを倒した後、狂愛の衝動を抑える為に王都の宿屋に駆け込んだ

《おはよう、雄司君》
「ああ、おはよう。あかり」
お嫁さんの義務であるおはようのキスを軽く交わす

体が少し気怠いなぁと感じつつ体を起こすと、そこには一糸纏わぬ姿で恥ずかしそうにシーツで体を隠しているあかりが微笑んでいた
その微笑みは爽やかな朝にふさわしい優しさに包まれていた

視線を下に向けてみるとシーツで体を隠してはいるが、その暴力的な山脈はシーツを押し上げ、これでもか!と言わんばかりに存在を主張している
またシーツの隙間から見えるあかりの肌はとてもきめが細かくなめらかで、そしてとても白く美しい
更に肉付きのいい大きいお尻は安産型である
まさに愛し合う為に用意された体だと言ってもいいぐらいだ

昨日はそんなあかりの体に俺は夢中になった
何度も何度も激しくあかりを貪り求めた
またあかりも、最初は初めての経験ということもあり恥ずかしそうにしていたものの、途中からはかなり悦んでいた
まさに天性の床上手と言ってもいいぐらいだった
俺はそんなあかりに更に興奮して何度も求め、あかりもまた俺を狂おしく何度も求めてきた

そんな昨日の情事を思い浮かべ、そして今目の前にはまたおいしそうな獲物あかりがいる・・・
健康的な男児ならこれでどうしていきり立たないと言えようか!
俺はまたあかりを欲してそのままベッドに押し倒してしまった

《きゃっ!?雄司君!?またするの!?き、昨日いっぱいしたよね?それにサーシャさん達に一言言わなくてもよかったの?心配してるんじゃないかな?》

そう、あかりが言う通り、俺は無断外泊をしてしまった
ちなみにあの後はずっと宿屋で楽しんでいた為、武術大会はすっぽかしてしまった

宿屋に駆け込んだ後は狂愛を抑え切れなくなり、あかりを何度も何度も夢中に犯した
狂愛が切れた後もあかりの魔性の体に魅了されていた俺は、そのまま疲れ果てて意識を失うまであかりをひたすら貪っていた
こんな状態だったから連絡しよう、とは露ほども思わなかった

「今からまたあかりとしたい。我慢できない。それに一日ぐらい連絡しなくても大丈夫だろ?子供じゃないんだし」

(この俺だぞ?どうこうできるやつなんていないだろ。何日も連絡なかったら心配するだろうがたった一日ぐらいで騒ぐ連中じゃないはずだ)

この時の俺はこんな感じで軽く考えていた
その甘い考えが後に後悔することになるとは思いもしなかった

《そうなのかな?普通連絡ないと心配すると思うんだけど?でも雄司君がそういうなら大丈夫なんだよね?ならいいのかな。・・・きて、雄司君》

(なんだよ!ぐだぐだ言う割に雌の顔になってるんじゃねぇか!期待してたんだろ?また昨日のように蹂躙してやる!・・・避妊魔法、色情解放!・・・狂愛発動!)

そしてまた俺とあかりは昨日のようにめくるめく官能の世界へと旅立つことになった
現実の世界に戻ってきたのはそれから3時間後のことだった

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これで冒頭に戻る訳だが、その前に説明しなければならないことがある

どうして簡単に狂愛を発動させているのか、だ

狂愛を発動させると本能のままに相手を貪るようになる
そこに気遣いや優しさなどはない
ただひたすら雄が雌を求めて本能的に征服するだけである

しかしこれが実は女性陣には興味の対象となっているようだ
ヘイネだけでなくサーシャも、もう一度経験してみたいと以前言っていたような気がする
ただ・・・かつて狂愛を耐えられたのは女神であるヘイネだけだ
正直ずっと悩んでいた性生活の問題点だった

色情の効果で多少は持つものの根本的な解決には至らなかった
そんな問題点を解決してくれたのが武術大会で戦ったアンジェリーヌの房中術だ
この房中術は性技だけでなく体力増強(H限定)効果もある。しかも効果はレベル依存だ
更にこのスキルは愛し合うだけで自然とレベルが上がるというご都合スキルなのだ
大袈裟に言えば相手が気絶してても愛し合いさえすれば、相手の房中術のレベルもあがるということだ

(いや~!俺は歓喜したね!今回の武術大会はユニークアイテムを逃しはしたが、あかりと房中術を手に入れたのは何よりも行幸だったよ!快適な性生活をようやく手に入れることができた!実際あかりも狂愛状態に満足してるみたいだしな!好きな人に征服されたいとか思う女の子には好評なのかもしれないな!きっとセリーヌやマリーもハマるだろう、リアはどうかな?一途だしハマる可能性は高いな。問題はエステルかな?エステルは気が強いからなぁ。それにしても・・・アンジェリーヌは房中術Lv.201だったよな?かなりのエロフじゃねぇか!アンジェリーヌなら狂愛を耐えるんじゃないか?ふむ。人妻か・・・)
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そして冒頭に戻る

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俺とあかりが怒られている理由・・・それは無断外泊だ
あかりが一緒に怒られているのは空気を読んだかららしい

《ほら!雄司君のせいでサーシャさん怒ってるよ!》
「ふ、ふざんなよ!あかりだって満更じゃなかっただろ!」
あかりが肘で俺の脇腹を突いてきた

《~~~!!ゆ、雄司君に求められたら私は断れないよ!だから雄司君が悪いんだよ!何回も何回も求めてきたんだから!今朝だって私はちゃんと注意したよ?》

「ぐぬぬ。今朝は俺が悪かった!それは認める。あぁ認めるさ!だけどサーシャが怒ってるのは無断外泊のことだ!それはあかりにだって責任あるだろ!それにあかりだって何度も求めてきただろ!」

俺とあかりはサーシャには聞こえないようこそこそと言い争っていた
所謂無駄な責任転嫁をお互いしあっているのである
そんなことをしてしまうぐらいに目の前にいるサーシャは恐怖の対象となっていた

〔ふふふ・・・。随分と仲がよろしいですね?私の話を無視して目の前でいちゃいちゃ、いちゃいちゃと・・・。〕
「《ひぃぃ!?》」

しかしサーシャからしてみれば、そんな俺達の行動は反省もせずただいちゃついてるようにしか見えなかったようだ
サーシャの額に浮かぶ青筋が少し増えたような気がする・・・

(サーシャ怖い!怖いから!!助けて!助けてくれ~俺の愛姫セリーヌ!)

この恐怖から一刻も早く抜け出したかった俺は、慈愛の天使である可愛いセリーヌに縋るように視線を向けた
セリーヌはどんなときでも俺の味方だ。やはり頼るならセリーヌしかいない!
慈愛の天使セリーヌなら、サーシャの師匠であるセリーヌならいつものようにきっと今回も事態の収拾が早くなるはず!
・・・そう思っていた時期が俺にもありました

[ユウ様?セリーヌはいつでもユウ様の味方ですの。ユウ様がしたいことされたいことなんでもして頂いて結構ですの。セリーヌはどんなことでも怒ったりしませんですの。でもさすがに今回無断外泊はセリーヌも心配しましたの・・・。危険があるないに関わらずせめて一言だけでも欲しいですの・・・]

セリーヌの可愛い象徴とも言えるけもみみと尻尾がシュンッとうなだれてしまった
よく見るとサーシャの目尻にも涙がうっすらと見える

(・・・。俺はまた失敗してしまったのか。反省しないとな。セリーヌにはどんなことがあっても離れないと約束したのに・・・。サーシャに対してはこれで2度目の失敗だ・・・。確かに心配もすれば怒りもするよな。ちゃんと心配してくれた二人に、家族に謝らないとな)

「ごめんなさい。以後気をつけます」

そう言って俺はサーシャ、セリーヌ、そして家族達にと順番に素直に頭を下げていった
それを見ていたあかりも俺同様頭を下げていた

その後もしばらくはお説教タイムが続いたが、俺とあかりは茶化すことなく真面目に聞いていた

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『居住区』ユウジ邸・~夫婦会議?~ 【あかりの願い】

サーシャのお説教はあの後2時間にも及んだ
正直足が痛い。あかりは余裕釈々みたいだが・・・
くっ。旧家のお嬢様は伊達じゃないってことか!

今俺の寝室にはサーシャとセリーヌ、あかりとエステルがいる
所謂お嫁さん達だけに集まってもらってもらった
え?エステルは違うだろって?細けぇこと気にすんな!
どうせお嫁さん陣に加えるんだから別にいいんだよ!
早いか遅いか、の違いだけだ!

あかりとお嫁さん達の自己紹介もつつがなく?いや、エステルが少しむくれていたが・・・終わった
ここにみんなを集めた理由はいくつかある

「みんな確認してほしいことがある。まずは俺のステータスを見てくれ」

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ユウジ・ハクト 17歳 ♂ レベル:610 ★カンスト

種族:人間族
職業:勇者

体力:5.012E+13/5.012E+13(+2.664E+13) 50兆1200億
魔力:6.352E+13/6.352E+13(+2.664E+13) 63兆5200億
筋力:1.030E+12(+615000000000)     1兆0300億
敏捷:720000000000(+480000000000)    7200億
器用:450000000(+264000000)      4億5000万
幸運:500(+500)
愛情:ヘイネ:99★/サーシャ:98/セリーヌ:98
   白鷺あかり:99★/アオイ:80(※)ユウジは認識不可

技能:イリアス言語/神眼/異空間ボックス操作/生活魔法
   魔力極操/サイレント/パーフェクトフェイク  
   聖龍偽造/無限書庫/世界創造/転移/スキル管制
   エクストラオートヒール/エクストラヒールex
   アストラル/アプソリュート/マテリアル/転移門
   剣神Lv.300/舞神Lv.284/成長時能力UP極大
   上限促進/セブンバレット/神帝龍/双龍刃Lv.263
   煉獄火炎/避妊魔法/グラビティ/無我の境地
   色魔Lv.84/異空間門/サーシャの世界/アハルテン
   リフレクトLv.200/ファウスバンカーLv.173
   ビブラシオンLv.173/テレポート/移動認識鏡
   魔聖流体術Lv.237/絆の響き/神圧/魔法剣Lv.220
   飛天翔翼/インパーセルデイト/リヴァイヴex
   プリズン/天変魔法/万力/魔器創成/陰陽Lv.203
   記憶収集/魔物調教/房中術Lv.20/捕縄術Lv.6
   白鷺流護身術Lv.1

先天:『ムーンライト』/『狂愛』
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[〔『ええええええええ!?』〕]
おぉ!綺麗にハモったなぁ~

『お師匠様はどれだけ強くなるつもりなのじゃ!?』
え!?見るのそこ!?いや、エステルらしいけどさ・・・

〔ユウジ様!ユウジ様!狂愛!狂愛があります!自由に使えるんですか!?スキルだから使えるんですよね!?〕
うわっ!?興奮しすぎだろ!怖いわ!目が血走ってるから!

あまりの剣幕に俺は若干サーシャに引いて距離をとる
すかさずあかりが何かをサーシャに耳打ちしているようだ
仲いいなぁ~、なんて思っていたら二人は顔を赤らめてチラチラと俺を見ている。おい!そこ!何を話してるんだ!?
てか見て欲しいところはそこじゃないんだよなぁ・・・

[ユウ様どういうことですの?アカリの愛情度がすごいことになってますの]
それ!それを見て欲しかったんだよ!さすがセリーヌだ!

「そこを見て欲しかったんだ。俺が言いたいのは晴れてあかりも俺の嫁になったということだ。よろしく頼む!」
《みんな、改めてよろしくね!》

[そういうことでしたの。わかりましたの。実力は昨日見ましたの!セリーヌは歓迎しますの!一度手合わせしてみたいですの!]
やめてください!セリーヌはまた姉を増やすつもりか!?

〔アカリさん・・・おめでとうございます。遂にここまで駆け上がってこれましたね。旅立つ前に背中を押した甲斐がありました〕
あぁ、そういえばなんか話してたもんな

『ぐぬぬ。お師匠様にまた新しい女が・・・』
これは仕方ないんだよ、エステル!エステルもいずれすは・・・

〔しかしユウジ様?アカリさんが加わったのはいいですが、数値がカンストされているのはなぜですか?てっきりヘイネ様だけが特別なんだとばかり思ってましたが・・・〕

(あぁ、やっぱり?気になっちゃうよな。実際俺も差があるのはそうなんじゃないかな~とは思ってたんだよ。みんなを平等に愛することには何にも不満はないしそのつもりでいたけど、なんだかんだ言ってもヘイネが最愛である気持ちは変わらないからな。ただこう目に見えて数値化されると、みんなを平等に愛すると約束したのに、実はみんなを平等に愛していないんじゃないか?って思ってたんだよな。もし本当に平等に愛していない為の差だったとしたら、それは俺を慕ってくれているサーシャ達に対しても失礼だ。だってみんなを平等に愛すると約束したんだから。実際サーシャなんかもヘイネが特別だから差があるんだと思ってたみたいだしな。そんな誤解を解くいい機会だから改めてみんなにステータスを公開した訳だ。ステータスに関しては恐らく条件が揃うだけでちゃんと数値もカンストする仕組みなんだろう。たかがステータスだけど、こういうところでみんなに差なんてないんだ、ってところを証明してあげれば、みんなをちゃんと平等に愛していることへの証明にも繋がるしな)

「確かにヘイネが最愛であるのは間違いない。ただちゃんと俺がみんなを平等に愛しているからこそのあかりの数値なんだと思う」

〔ではアカリさんと私やセリーヌちゃんは何が違うんでしょうか?ユウジ様に対する気持ちなら私達だってアカリさんには負けていないはずですが・・・〕

(多分あれだよな?可能性があるのは今朝あかりに見せてもらったあれだ。だってあかりとサーシャ達とで決定的に違うのはあれぐらいだしな)

推論ではあるが多分間違いないと確信もしていた
今朝あかりから教えてもらった事実はまさにこの問題の解決策にはピッタリだからだ
そのためあかりに言ってステータスをみんなに公開してもらった

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アカリ・シラサギ 17歳 レベル:507

種族:人間族
職業:勇者

体力:8.16E+12/8.16E+12(+2.88E+12)    8兆1600億
魔力:2.40E+13/2.40E+13(+1.23E+13)   24兆0000億
筋力:591000000000(+336000000000)     5910億
敏捷:612000000000(+456000000000)     6120億
器用:1968000000(+1280000000)     19億6800万
幸運:99★(+99)

技能:ヒール/ヒーリング/ハイヒール/ハイヒーリング
   エクストラヒール/キュア/キュアリング/聖龍偽造
   サンライト/障壁/大障壁/聖龍眼/魔力操作/魔力圧縮
   魔力創造/サンライト・セイバー/フロストフラワー
   サンライト・エストレア/サンライト・ミラージュ
   サンライト・テンペスト/サンライト・ブリッツ
   サンライト・クリーク/サンライト・グレイシア
   サンライト・バースト/火炎旋風/火硫雷/蒸気霧
   エクストラヒーリング/キュアヒーリング/太陽風
   短剣術Lv.183/リヴァイブ/ロック・オン/家事Lv.70
   白鷺流護身術Lv.177/身体覚醒/一騎当万/精霊王顕現
   英雄の奇跡/聖典讃歌/全器掌握Lv.117/馬術Lv.115
   白鷺流扇舞術Lv.160/魔力覚醒/アイテムボックス
   愛情Lv.6★/房中術Lv.20/魔聖気/魔器創成/隠密Lv.1
   サンライト・クロニクル/飛天翔翼/大死滅圧
   気配察知Lv.1/暗視Lv.1/遠視Lv.1/魔聖流体術Lv.198

体型:B94・W45・H90 Fカップ

『愛情』Lv.6★
(Lv)   (効果)      (解放条件)
・Lv.1 愛情度による加護取得  幼なじみ
・Lv.2 全能力成長速度絶大   初恋
・Lv.3 全能力消費魔力減10  お姫様抱っこ
・Lv.4 『乙女ヒール』解放   初キス
・Lv.5 『貴方の側に』解放   初体験
・Lv.6 『コウノトリ』解放   お嫁さん
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『アカリもすごいのじゃ!魔力と器用はズバ抜けておるの』
いやいやいや!そこを見て欲しい訳じゃないから!

〔ユウジ様とあかりさんの房中術のレベルが一緒ですね。どうしてなのでしょうか?明らかにそれ系の説明なのはわかるんですが・・・〕
サーシャも見てるとこ違うからな?論点ズレてるから!

すかさずあかりが何かをサーシャに耳打ちしているようだ
この二人の仲の良さはなんだ?などと思っていたら二人は顔を赤らめてチラチラと俺を見ている
またかよ!?何を話しているのかは今回は予想できるからな!?
てか見て欲しいところはそこじゃないんだよなぁ・・・
やはりここはセリーヌに期待するしかないな!

[F・・・アカリもやっぱり大きいですの・・・。ユウ様は大きいほうが好きなんですの?マリー姉様に、お姉様、サーシャ姉に、あかりに、エステル。みんな大きいですの・・・。セリーヌだけ小さいですの・・・]
セリーヌよ、お前もか!まさかの展開でビックリしたわ!

俺が必死に大きさじゃないだよ、感度が重要なんだ、と弁明していたらセリーヌが、

[冗談ですの。ちょっとしたおふざけですの。それよりもアカリの愛情スキルがカンストしてますの。これが原因ですの?]
そういうおふざけは心臓に悪いからやめてくれよ~

「ご、ごほん。俺はそうだと思ってる。あかりとサーシャ達の唯一の違いはそこだけだからな。そしてあくまで推論だが、この愛情スキルLv.6の解放条件はそれぞれの最終目的になってるんだと思う。つまりサーシャやセリーヌが俺と最終的にどうなりたいのか、ってことだな」

そこで俺が考えた推論の根拠をみんなに話し始めた
あかり戦後にあかりから嫁扱いしてほしいと懇願されたいきさつや実際そうしている事実
夫婦のような行為も既に体験済みである事実などだ。まぁ、これは主にエステルに、だが。

「だからそれぞれの想いの強さが原因ではなくて、あかり自身の最終目的が叶ったからこその心からの幸せってやつ?それが数値に影響しているんじゃないかと思うんだ。あかりの幸せは俺の幸せでもあるからな。つまりサーシャやセリーヌの心からの幸せを叶えればきっと同じになるはずだ。確かにヘイネは俺の最愛だ。それでも俺はみんなを心の底から平等に愛している。それを分かって欲しくて今回こんな場を設けたんだ」

[ユウ様・・・嬉しいですの!]
〔ユウジ様・・・ありがとうございます!〕

感激している二人を優しく抱き寄せ、それぞれ順番に唇を合わせていった
少し戸惑っていたあかりには、お嫁さんの義務だから、と説得してその唇を奪った
エステルにもキスするか尋ねてみたが、しないのじゃ!、と真っ赤な顔で断られてしまった。残念・・・

俺の推論は恐らく間違ってはいないだろう
ただそうなってくるとサーシャやセリーヌの最終目的が気になるな
とりあえず聞いてみるか?話してくれるかな?
自然な話の流れを作る為、とりあえず既に分かってはいるが、あかりにまずは聞いてみた

《私は小さい頃からお嫁さんに憧れてたんだよ。好きな人に嫁いで、好きな人に精一杯尽くしてあげたいの!そして私の好きな人は雄司君だよ。だから私の全てを雄司君のものにして欲しい。だって私は雄司君のお嫁さんなんだから!》

(おぅ!・・・なんか改めて言われると恥ずかしいな。そうか、あかりは小さい頃からの夢だったんだな。もし小さい頃から仲良くできていたら将来の約束とかもしてたのかな?せっかく幼なじみ?みたいな関係だったのにもったいなかったなぁ)

あかりの願いを聞いた俺は、以前よりもより一層あかりへの愛情を増した気がした
なんかこうやってみんなが俺とどうなりたいのかを確認するのはいいもんだな
想いが直接伝わるようで愛しさが増す気がした

あっ。サーシャ達の願いを聞く前にこれは確認しないといけないよな?

「エステルも俺のお嫁さんになる?」
『お、お師匠様のお嫁さん!?わ、妾はならないのじゃ!』

いやいやいや!そのニヤけた顔!なりたいんだよな?いずれはしてやるぞ!
俺はエステルの満更でもない叫び声に決意を固めるのだった


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『居住区』ユウジ邸・~夫婦会議?~ 【サーシャの願い】

あかりの願いを叶えられてよかったと幸せの余韻にずっと浸っていたいが、そういう訳にはいかない
次いで解放条件が似ているサーシャの願いを尋ねてみた

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サーシャ 18歳 ♀ レベル:560

『愛情』Lv.5
(Lv)   (効果)      (解放条件)
・Lv.1 愛情度による加護取得  決意の告白
・Lv.2 全能力成長速度絶大   お姫様抱っこ
・Lv.3 全能力消費魔力減10  添い寝
・Lv.4 『乙女ヒール』解放   初キス
・Lv.5 『貴方の側に』解放   初経験
・Lv.6 『コウノトリ』解放   ???
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「サーシャは大体あかりと条件が一緒だな。となるとサーシャもお嫁さん?そうならあかりと同じようにするよ?」
まぁ今までとあまり変わらないから問題ないしな

顔を赤らめてもじもじし出すサーシャ
なんだろう?なんか言い出しにくいことなのか?
お嫁さんじゃない?経験以上の事で恥ずかしいこと?

(・・・はっ!ま、まさか・・・アブノーマルな体験とかか!?あの真面目なサーシャが!?・・・いやいや、待てよ?案外真面目な子ほど興味を持ったりするのかもしれないな・・・)

お外ぐらいなら経験あるしいいかな~
SMぐらいならいいかな~
なんて妄想に耽っていたら、サーシャが口を開いた

〔お嫁さんはもちろんですが、私はユウジ様と幸せな家庭を築きたいです〕

(幸せな家庭?今は幸せじゃないのか?だからLv.6が解放されないのか?なにか不満があるのか?)

俺はどういうことかわからなかったので改めて尋ねてみた

〔もちろん今も幸せですよ?不満などありません。幸せではあるんですが・・・。そ、その私のといいますか、といいますか・・・も含めての幸せな家庭です!〕

ふむふむ。なるほどね
ここで妹のこと?とか尋ねるほど俺も鈍くはない
要はあれだ。俺との子供と一緒に、いうことだな?

「何人ぐらい?」
サーシャは恥ずかしがり屋だからな。こちらから聞いてやるか

〔ユウジ様!そうですね~。家はそんなに大きくなくていいですが、最低でも男の子と女の子は一人ずつ欲しいですね。あと大きなわんちゃんとか飼いたいです〕
俺がサーシャの意図を汲み取った質問をしたからか華やいだ笑顔を向けてきた

(おいおいおい!随分とベタな設定だな!しかも家は大きくなくてもいいというが、家ここなんですが?子供は一人ずつとかどんだけ産むつもりだよ!?まぁ犬ぐらいは構わないが、大きい犬だとキャロが怖がるんじゃないか?・・・そしてサーシャの願いは現状だと俺との子供だと思っていいだろう。子供か・・・)

「サーシャの願いは分かった。つまり幸せな家庭を築く為に俺との子供が欲しいということだな?」
〔・・・は、はい〕

顔をりんごのように真っ赤にして俯くサーシャ
そんなサーシャは見ていて可愛いが、言わなければならないことがある

「え~と。子供はいずれサーシャだけでなく、みんなに産んでもらう予定だ。ただ今すぐは無理。しばらくは待って欲しい。何かをするから忙しくて無理とかじゃない。妊娠中は戦力ダウンするから無理とかでもない。単純に最初はヘイネに産んでもらいたい。それがヘイネとの『約束』であり、俺の願いだからだ。みんなを平等に愛していても、俺にだって譲れないものはあるからな。サーシャの願いは当分先にはなるが必ず叶えるから待っていてな?」

複雑そうな顔をしているサーシャだが、こればっかりは呑んでもらうしかない
それぐらいは賢いサーシャなら分かってくれるだろう
ただやはり罪悪感みたいなものは残るもので・・・なんとかしたい

ふと、あることを思いついた俺はサーシャを招き寄せた
近づいてきたサーシャを優しく抱きしめ頭をなでなでしながら、サーシャ以外のみんなには聞こえないよう耳元で囁いた

「ヘイネに一番最初に俺の子供を産んでもらうのは譲れないが、その次は必ずサーシャに産んでもらうことにするよ。みんなには内緒な?」

それを聞いたサーシャはまるでたんぽぽが咲き誇ったようなとても華やいだ笑顔を向けてきた
俺が恋した笑顔だ。とても愛おしい。俺の側でずっと咲き誇っていて欲しい

(みんな色々思う所はあるだろうが、いちお納得してくれたか。ヘイネとサーシャを特別扱いしちゃってはいるが・・・。みんなを平等に愛すると決めている以上、特別扱いはあまりよくないことではあるよな。・・・でもサーシャのこの笑顔が見れたならよかったのかも)

あっ。セリーヌの願いを聞く前にこれは確認しないといけないよな?

「エステルも俺の子供欲しい?」
『~~~!!!お、お師匠様はエッチなのじゃ!!!』

いやいやいや!必ず産んでもらいますから!逃がしません!
俺はエステルの満更でもない叫び声に更に決意を固めるのだった

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『居住区』ユウジ邸・~夫婦会議?~ 【セリーヌの願い】

頭をスリスリと俺の胸に擦り寄せているサーシャ
一旦甘えモードに入ってしまったサーシャは止めることができないので、というか、止めたくなかったのでこのまま話し合いを続けることにした
サーシャの次はセリーヌの願いを尋ねてみた

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セリーヌ=セラ=ハラスティン 13歳 ♀ レベル:647

『愛情』Lv.5
(Lv)   (効果)      (解放条件)
・Lv.1 愛情度による加護取得  決意の告白
・Lv.2 全能力成長速度絶大   愛の宣誓
・Lv.3 全能力消費魔力減10  誓いのキス
・Lv.4 『乙女ヒール』解放   初キス
・Lv.5 『貴方の側に』解放   二度目のキス
・Lv.6 『コウノトリ』解放   ???
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「セリーヌはサーシャやあかりとは随分解放条件が違うよな?それでもやっぱりセリーヌも俺の嫁になるのが夢?というか願いなのか?」
解放条件にキスが3つもあるとか相当憧れてたのかね?

[・・・?どういうことですの?セリーヌがユウ様の妻となるのは当たり前のことですの。約束された、将来ですの!だから夢でも願いでも何でもありませんの!]

(あぁ、セリーヌは王女だもんなぁ。俺やあかり、サーシャとは結婚観に違いがあるか。お嫁さん~とかはどっちかと言うと一般市民的な願いだもんな)

確かにセリーヌは差も当たり前ですの!と言わんばかりの表情だった
とすると、まぁあれしかないよな?キスの次でお嫁さん以外だと・・・

[セリーヌの願いはただ一つですの!セリーヌの全てをユウ様に捧げることですの!身も心も全てですの!だからセリーヌの願いはセリーヌが15歳になるまで待つんですの!]

(やっぱりそれか・・・。まだセリーヌはイリアス式の暦を知らないんだよな。いずれは話そうと思っていたがセリーヌが落ち込む未来が容易に想像できて話すタイミングが掴めなかったんだよなぁ。でも話すしかないか・・・)

それから俺はセリーヌにイリアス式の暦を教えることになった
当のセリーヌはよくわからない、と言った表情をしている

[どういうことですの?この世界の1年が24ヶ月ということが、セリーヌと何か関係があるんですの?]
ん~?と、顎に人差し指を当てて小首を傾げるセリーヌは可愛らしかった

「多いにある。11月10日でセリーヌは14歳になるよな?とすればショーマリー式の暦ならあと1年、いや12ヶ月でセリーヌは15歳になる。セリーヌがショーマリーにいて、ショーマリー式の暦で考えたらな。しかし今セリーヌはイリアスにいる。そしてイリアス式の暦は24ヶ月だ。だからイリアス式の暦だとセリーヌが15歳になるには後24ヶ月待たないといけなくなる。つまり11月10日で14歳になっても、セリーヌが今いるイリアスではショーマリー式の暦で考えたら実質更に2年近く待たないといけなくなるんだ」

俺の説明にセリーヌはようやく現状を理解し、その場に音もなく崩れ落ちた
表情からはこの世の終わりだとばかりに絶望の色が見える
目尻には悲壮の涙さえ浮かべている
けもみみや尻尾などは見たこともないほどシュンとうなだれている

(う~ん。。。やはりこうなっちゃうよな。セリーヌがかわいそうすぎる。しかし15歳になるまではしないと『約束』したのはほんの数ヶ月前だしなぁ。そんな簡単に反故にしていいものかどうか。せめて俺の気持ち的に反故にしても問題のない納得のいく大義名分さえあれば・・・。────いや、待てよ?さっきヘイネとサーシャの二人だけを特別扱いにして罪悪感を抱いていたよな?この件についてもヘイネとサーシャ同様、セリーヌも同じように特別扱いにすればいいんじゃないか?セリーヌはいつでも俺を受け入れる準備はできていた。・・・はぁ、結局俺の気持ち次第だったんだよなぁ。・・・よし!覚悟を決めるか!!・・・ただセリーヌにも特別扱いをあげたとするとあかりにも何か一つ特別扱いをあげないとなぁ。何にしよう~?)

「なぁセリーヌ。1つ提案なんだが聞いてくれ」
[な・・・んですの?ユウ様]

セリーヌが首だけをこちらに向け虚ろな目で見つめてきた
こんな状態でも俺の言葉ならちゃんと耳を傾けてくれる健気なセリーヌだからこそなんとかしてあげたくなっちゃうんだよな

「イリアス式の暦はショーマリー式の暦に比べて2倍あるよな。そして俺達は今イリアスにいる。だから月日はイリアス式の暦で考えるのが当たり前だ。ただイリアス式の暦で考える1年はショーマリー式の暦で考える2年に当たる。別に月日はイリアス式の暦に合わせてもいいが、なにも考え方までイリアス式の暦に合わせなくてもいいんじゃないか?そもそも俺やセリーヌはイリアス人じゃないんだし」

[?どういうことですの?]

「発想を柔らかくしろって言ってんの。イリアスでの1年はショーマリーでの2年だ。だから11月10日でセリーヌはイリアスで14歳になるが、ショーマリーでは15歳になったと思っていいんじゃないか?ってこと。だってイリアス人ではない俺やセリーヌにしてみれば、イリアスで1つ歳をとるということは、ショーマリーでは2つ歳をとるということになるんだからな」

俺の言葉にみんなぽか~んとした顔をしている
いや、わかりますよ?無茶苦茶なこと言ってる自覚はある
ただ自分自身に言い訳できて、しかもセリーヌが喜ぶ方法って考えたらこれぐらいしか思い浮かばないんだよなぁ

[・・・セリーヌは今度15歳になるんですの?]
セリーヌが現実に戻ってきてようやく捻り出した最初の言葉だった

「そう考えていいんじゃないか?セリーヌはイリアス人じゃないんだし」

セリーヌの顔色がだんだん明るくなってきている
少しずつ状況を受け入れ始めているようだ
目尻にたまった涙は悲壮から歓喜へと変わったものだろう

[15歳になるなら・・・今度の誕生日でセリーヌを抱いて頂けますの?]
「それは違うな」

確かにそう約束した。でもそうじゃないんだよ、セリーヌ
セリーヌは俺の言葉にキョトンとしている

[え?どういう・・・]

きっと勘違いしているだろうセリーヌの言葉を遮って、俺は言葉を続けた

「セリーヌにお願いされて抱くんじゃない。俺がセリーヌを抱きたいんだ。そこは勘違いするなよ?」

セリーヌの顔が見る見る笑顔で花開いていく
もう大丈夫かな?と思ったが、一瞬顔が曇る。どうした?

[・・・本当にユウ様はセリーヌを抱いて下さるんですの?セリーヌはマリー姉様やお姉様、サーシャ姉やあかり、エステルのように胸が大きくもなければ、スタイルも良くないですの。それでもユウ様はセリーヌを愛して頂けるんですの?]

(・・・さっきのはやはり冗談じゃなかったのか。昔からセリーヌは幼児体型にコンプレックスを持ってたからなぁ。特に胸だが。まだ成長期だからと慰めてはいたが、セリーヌより年下のエステルがロリ巨乳だから心中穏やかじゃなかったのかもしれないな)

「胸の大きさとかスタイルとかどうでもいい。俺はセリーヌを抱きたいんだ。セリーヌの全ては俺のものなんだろ?だったらごちゃごちゃ言ってないで俺に大人しく抱かれてろ。それぐらい俺はセリーヌを愛したいんだ。分かったか?セリーヌ」

[ですの!]

顔を涙でくしゃくしゃにして飛びついて来るセリーヌ
いつも甘えさせてもらってる分、こんな時ぐらいは甘えさせてやりたい
俺は胸元で感涙している小さな小さな愛姫をいつまでも愛しく抱きしめていた


俺は心の中で密かに決意する

愛しのメイドサーシャ慈愛の愛姫セリーヌ純愛の撫子あかり

これからもこの3人の愛しい嫁の願いをできる限り叶えていってあげようと・・・


(そういえば、俺の最愛ヘイネはどんな願いを抱いているんだろう?今度聞いてみるかな)

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