過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~モテ期と情愛のお宅訪問~エステル攻略戦?③

最近エステルの様子が変だ
いや、変というのは語弊があるな
いい傾向にあるのだから

最近のエステルは俺の家族、取り分けお嫁さん達と非常に仲良くなっている

以前は家族に対して受け身というかあまり興味を示していなかった
所謂俺しか目に入っていなかった状態だ

だが最近はエステル自身が積極的に関わっていこうとしている
突然の変化に驚きはしたがいい傾向なので喜ばしい

喜ばしいのだが────ちょっと寂しい
いつもベッタリしていただけに・・・
これがひな鳥の巣立ちを迎えた親鳥の心境というやつだろうか

今日も今日とてエステルはお嫁さん達とリブループ観光をしている


────さてと、俺は何しようかね?


□□□□

帝都エクスペイン『迷宮区』・冒険者ギルド

「あれ?リアもヒルダもいない?」

俺がやってきたのはエクスペインの冒険者ギルドで、目的はリアに会うためだ
リアの部屋の合鍵を貰ったのはいいのだが、肝心のリアがいないのでは意味がない
そこでリアのスケジュールを確認しにきたのだが────

(う~ん?リアもヒルダもいないとか初めてのパターンだな。今日が休日だったのか?それとも仕事で席を外してる?ヒルダはともかくリアはいちお副ギルド長だしな。入れ違いになったら嫌だし確認してみるか)

俺が向かったのは5つの窓口の内、その中でも一番美人な受付嬢がいるカウンターだ
いや、みんな美人なのだが取り分け美人さんってやつ?
そこは譲れないよな!

それはいいのだが、なんだこの雰囲気?みんなギラギラしてるぞ?
異様な雰囲気に違和感を感じたがとりあえず尋ねてみることにした

「あの。ちょっと確認したいのですが、今日は・・・」
【きゃ────!!!ユウジさんに話しかけてもらっちゃいました!!!】

(ええええ!?なんだ!?なんだ!?この異常なハイテンションは!?話しかけただけでこのテンションとか異常すぎだろ!)

俺の言葉を遮るほどの異常なリアクションに思わず後ずさりしてしまった
周りの、特に他の受付嬢の様子を確認してみると明らかに残念そうな表情を浮かべている

(────どういうことだ?みんな俺に話しかけられるのを期待していたのか?さっきまでの異様な雰囲気は俺が原因ってことか?そんなに有名になるようなことしたか?)

【あ!失礼しました。私、ユリって言います!よろしくお願いします!】
「は、はぁ?俺はユウジです。よろしくお願いします?ユリさん」
【ユ・リ、でお願いします!】
「・・・」

(あれ?前にもこんな感じのやり取りがあったような気がするぞ?それにしても────リアやヒルダだけでなく受付嬢はみんなグイグイくるな!なに?みんな男に飢えているのか?でも冒険者ギルドなんだから男ならたくさんいるよな?────適齢期?おっと!これはさすがに失礼か!)

「いやいや、ユリさんと呼びますよ。いつもお世話になってるヒルダさんもそう呼んでますし」
【ユ・リ、でお願いします!】
「いえ、ですからユリさんだけ特別扱いするわけには・・・」
【うぅ・・・。ユ・リ、でお願いします。ぐすっ】

(ええええ!?ちょっと!ちょっと!?それはずるくないか!?いくらなんでもそこに女の武器を持ってくるのは反則だろ!!────はっ!これはもしや・・・)

俺は嫌な展開を思い浮かべたので周りを確認してみると────

やはり周囲からは冷たい目で注目を集めていた
そうだよな、端から見ると俺がユリさんを泣かしているように見えるもんな
冒険者の中には俺を知らないのか、ユリさんを助けようとして近づいて来る奴までいやがる
その顔に明らかに下心満載です!との表情が出ていたので、気持ち悪すぎてもちろん神圧で黙らせた

(そもそも男が俺に近づくな!話しかけるな!気持ち悪い!)

とりあえずエクスペインはホームな訳だし、これ以上変な噂が立つと厄介なので仕方なく・・・

「ユリ。とりあえずこれでいいか?ヒルダには内緒で頼むぞ?」
【はい!ありがとうございます!ユウジさん!】

そこにはとても可愛らしい笑顔が花開いていた
クッソ可愛いな!おい!ええ、分かってましたとも!嘘泣きなんだってな!
でも女性の泣く姿は見たくない!嘘泣きでも俺は女性の涙に弱いんです!
ひとまずこの場は落ち着いてたので早速本題に入ろうとしたら、背後から猛烈なプレッシャーが・・・

〈さすがユウジさんですね!女性にはお優しいというのは本当のようです。────それにしても、そうですか、私には内緒ですか。でしたら、しっかりと私にバレないよう気を付けてくださいね?〉

・・・。

(────おや?この声は?ま、まさかいらっしゃったんですか?てっきり姿が見えないのでお休みだと思ってたんですが・・・う、後ろの人物を確認したくないな・・・)

それでも、いつかは振り返らないといけないことだ
逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!
俺は意を決して振り返ってみると、そこには爽やかな笑顔なのにどこか殺気を纏わせているヒルダがいた
明らかにご立腹であることは明確だ。ここはあれだ!上手く切り抜けるならあれしかない!

「や、やあ!。探したんだぞ?」

そう!さりげなくヒルダも呼び捨てにしてしまおう作戦だ!
ユリとの会話はまず間違いなくヒルダに聞かれていたと考えるべきだ
それならまずい部分もヒルダに聞かれていたと考えるべきだろう
ならいっそそんなこと知りませんが?とシラを切るのがちょうどいい!

〈【・・・】〉

あれ?ヒルダだけでなくユリまで黙ったんだが!?もしかしてやらかしたか!?
二人とも俯いているので顔から表情を伺うことができない・・・
な、なんか怖いし他の受付嬢さんにリアのこと尋ねようかな?と思っていた時に、二人が一斉に口を開いた

〈【今後はちゃんとそれ呼び捨てで呼んでくださいね!そうしてくれるなら今回の事は大目に見ます!】〉

ふぅ~。どうやら怒っていなかったようだ。いや、怒っていたのかな?よくわからん
とりあえず俺はさっさとリアの事を尋ねたかったので、ヒルダにリアの事を尋ねようとしたら・・・

「えっと。聞きたいことが・・・」
【ちょっとユウジさん!?ユウジさんの今の担当は私なんですよ!私に聞いてください!】

(えぇ・・・今回はリアもヒルダもいなかったからたまたまユリに話しかけただけなんだよなぁ。ヒルダがいるんならいつものようにヒルダにちゃっちゃと聞きたいんだが・・・でも確かに俺から話しかけたんだしここはユリに聞いとくか)

「悪い。じゃあユリに聞くけどさ、今日リ・・・」
〈ちょっとユウジさん!?私を優先してくれるって言いましたよね!私に聞いてください!〉

あれ?なにこの状況・・・
俺の目の前では今、ヒルダとユリの間で火花が散っている────ような気がする

【ちょっと!ヒルダさんはいつもユウジさんとお話ししてますよね!今日ぐらいいいじゃないですか!】
〈ダメに決まってるでしょ!なに横からユウジさんをかっさろうとしてるんですか!私のユウジさんなんです!〉
「いや、俺はヒルダのものじゃないんだが・・・」
〈【ユウジさんは黙っててください!】〉
「なんで!?」

(なにこの理不尽感!?めんどくさ!すげ~めんどくさいぞ!?この状況!俺はリアの事を聞きたいだけなんだが!?そもそもなんで俺がこんなに人気あるのか分からないんだが?────とにかくどっちでもいいから早く教えてくれよ~。────いや、待てよ?二人は言い争っていてこちらには気を配っていない?だったら・・・)

「あの。今日リアってどうしてますか?」
[副ギルド長は今日はお休みですよ]
「助かりました。ありがとうございます!」
[いえいえ。ユウジさんも大変ですね]

俺と別の受付嬢さんはヒルダとユリの言い争いを見て、どちらともなくため息をついていた
そう、俺はこっそり別の受付嬢さんにリアのことを尋ねていたのだ
そもそもヒルダとユリの言い争いを待つ義理もないし、何よりもめんどくさい!
俺の目的はリアなんだから!
言い争っている二人は放置でいいと思う。例え俺が原因だとしてもな!

「では俺はこれで。本当に助かりました。あの二人にはよろしく言っておいてください」

さてと、二人にバレないよう陰陽のスキルでも使ってこっそりギルドをでるかな?
なんてことを考えていたらリアのことを教えてくれた受付嬢さんが、

[あ、あの。私、アズサって言います!よろしくお願いします!]

(ぶ~~~~!ヒルダやユリだけじゃなかった!!ここにもいたのか!ま、まぁ聞きたいことは聞けたしどうでもいいんだが・・・しかしその期待のこもった目で見られるとなぁ。いちおリアのことも教えてくれたんだしサービスしとくか)

「アズサ、ありがとう!それじゃ!!」
[はい!ありがとうございます!お気をつけて!!]
〈【!!!ちょっとユウジさん!どういうことですか!!】〉

(やばっ!ヒルダとユリに気付かれた!!さっさと退散するか。これ以上やっかい事に巻き込まれたくないからな!ヒルダとユリにはあとで謝るとしよう。とりあえず今はリアが優先だ!なんだか疲れたし、リアに癒してもらうとしよう。そう!癒しが必要だ、俺には!リアの全てで癒してもらうかな・・・げへへ)

こうしてヒルダとユリがやいのやいの言ってる中、俺はこれから起こるであろうリアとの癒しタイムに夢を膨らませつつ、そそくさと冒険者ギルドを後にした


□□□□

帝都エクスペイン『居住区』・エクスペインタワー

「ほぉ~これが有名なエクスペインタワーか。なかなかいいところに住んでるじゃないか」

俺が以前リアから教えてもらった住所に出向いてみると、そこには高級な高層マンションが建っていた
『居住区』の中にも裕福な層が住む高級エリアみたいな場所は当然ある
このエクスペインタワーもその高級エリアの中に当然あり、裕福な層の中でも取り分け裕福な超裕福層が住める場所に立地している

ちなみにリアが特別裕福という訳ではなく、ギルド上層部から貸し与えられている部屋なんだとか
リアはいちお副ギルド長という立場だしな

そんな訳で俺は今、リアの部屋の前にいる

(インターホンもあるとか文化レベルは無茶苦茶だが、敢えてツッコまないぞ!そもそもマンションもおかしいしな!ツッコまないからな!ツッコむなら女の子にツッコみたい!というかリアにツッコみたい!・・・は!色魔、色魔)

インターホンに軽く触れると・・・

────ピ~ンポ~ン

音まで同じなのかよ!文化水準おかしいだろ!
でもこんなのがあるなら俺の家にも設置しようかな?
付けるとなるとやはり監視カメラ付きがいいよな!
家族の安全を守る為だしな!よし、お風呂にも設置しよう!

そんなことを考えながら待っていたら、

『・・・どちら様でしょうか?』

(おぉ!機械音とか聞いたのいつぶりだろう?なんか懐かしくなるな・・・おっと!感傷に浸っていたら怪しまれる。挨拶するならここはやはり定番のあれしかないよな?誰だって一度は聞いたことがあるかもしれない超定番のあれだよ!)

「ちは~三河屋です~」
これだよ!これ!お前らも聞いたことあるだろ?

『・・・?』
な、、んだと!?伝わらないだと!?仕方ない。別のやつだ!

「佐○急便です~。お届け物です。ハンコお願いします」
まぁこれも定番かな?ク○ネコヤマトと迷ったがな

『・・・?あっ。シロネコ急便さんですか?今行きますね』

(名前雑!なにその、二つをくっつけちゃいました!的なノリ!もうちょっと捻ろよ!しかもイリアスにも宅急便的な仕事あるのかよ!何でもかんでも地球の文化とりいれすぎだろ!)

はぁ。色々とツッコみ所満載で疲れたな・・・
早くリアに癒してもらわないとな!

しばらく待つとリアがドアを開けてきた
ドアを開けてきたのはいいのだが、リアは俺を見るなりそこで固まってしまった
気持ちはすごくわかる。俺も正直驚いたからな
そしてこの後の展開はもはやテンプレなので、予めドアの内へと足を忍ばせておく
これでいいだろう。そろそろ現実に戻ってきてもらうか

「こんにちは、リア。『約束』通り遊びにきたぞ?・・・それにしても驚いたよ。リアって私生活では結構ラフな感じの服着るんだな」

俺の目の前にいるリアの服装は日本でいうところのスウェットに近い感じのものだった
明らかに部屋着だ。誰かに見せるものでもなく、誰かが部屋にいるとも想定していない完全な部屋着だ
普段のバリバリと仕事をこなすキャリアウーマンなリアからは想像できないその姿に、そのギャップに、俺はかなり萌えた
服装からこうなるとするともしや・・・

『ユ、ユウジさん?』
はいはい、そのユウジさんですよ?

「立ち話もなんだし、上がらせてもらうぞ?別にいいだろ?今日仕事休みだって聞いてきたしな」
俺は中に入ろうと動きだす。さてテンプレはそろそろかな?

『ち、ちょっと!ちょっと待ってください!部屋の中が散らかってますから!すぐ片付けます!10分、いや5分待っていてください!今すぐ片付けます!』
お約束キタ────!!こういうの一度は聞いてみたかった!

リアが勢いよくドアを閉めようとする
しかしお約束の展開も既に対策済みだ
俺は予め忍ばせておいた足でドアが閉まるのを見事防いでいた
そしてその状況に驚いているリアに死の宣告を言い放つ

「そうは問屋が卸さん!俺にはお約束が効かないからな!入らせてもらう!」
『いやあああああああああ!許してください!』

リアの叫びがマンション全体に響き渡る中、俺はリアの制止の声を無視して強引に部屋の中へと入っていった


□□□□

『居住区』エクスペインタワー・リアの部屋

「おふっ。こ、これはひどい・・・さしもの俺もここまでひどいとは思わなかったよ」

リアの部屋の中に入った俺の最初の印象がそれだった
一言で言うと汚すぎる。ただし汚いと言ってもそこは女の子
ゴミ屋敷とは違う汚さだ。ゴミは全く溢れてはいない
むしろ部屋自体は綺麗なのだ。それに甘い香りもする
溢れているのは服類だ。煩雑に投げ置かれているようだ

『うぅ・・・ユウジさんひどいです。だから言ったじゃないですか。散らかってるって・・・今すぐ片付けますね・・・』

涙目になりながらも部屋を片付けいていくリアを俺はひたすら眺めていた
リアはその様子とは裏腹に、片付けの手際の良さからさすができる女の片鱗をみせている

(ふむ。リアはあれだな。人が見ていない所では油断しちゃう系の女の子だな。家の外では完璧なお姉さんで、家の中だとダメ女か・・・いいな。そのギャップがすごく萌える!ムラムラさせられるな!色・・・いや色魔はいらないか)

────。

きっちり5分後、先程までの惨憺たる部屋から女の子らしい部屋と変貌していた

全体的に淡いスカイブルーを基調とした落ち着いた印象を受ける部屋で、家具類は全体的に白色で統一されている
アクセントとして所々にぬいぐるみが置かれている所は女の子らしさが垣間見える
そしてベランダにはハーブティーの素材だろうか、植物らしきものが育てられていた

『改めまして。ユウジさん、いらっしゃっい。あまりジロジロ見ないでくれると助かります』

リアは気恥ずかしそうに顔を赤くしながら、それでも嬉しそうな笑顔で訪問を喜んでくれていた
そしていつぞやの紅茶を振る舞ってくれたのだが・・・

(リアが喜んでくれたのは俺も素直に嬉しい。嬉しいのだが、今の現状には俺はかなり不満だ!何が不満かというと、リアが俺とテーブルを挟んで真向かいに座っていることだ!これじゃいちゃいちゃできないだろ!俺はリアといちゃいちゃするためにきたんだからさ!)

「・・・」
『ユ、ユウジさん!?』

俺が明らかに不機嫌になっていることに、リアは気付いたのだろう
そういう機微に聡い所は流石だと思う
しかし俺が不機嫌になっている理由までは流石にわからないのか困惑しているようだ
これではリアがかわいそうなので想いを言葉にしてあげた

「なんで向かいに座っちゃってるの?いちゃいちゃできないだろ?俺の隣に座れ。第一リアらしくもない。したいことはどんどんしてくれていいし、言ってくれよ」

俺の想いを皮切りにリアは俺に甘え出すことになる


□□□□

リアの部屋・手料理

リアの甘え第一弾は手料理だった

これはきっと部屋の惨憺たる結果を見られてしまった醜態を挽回したい思惑なのだろう
俺もリアの手料理は楽しみだ!

それはいい。それはいいのだが・・・

「かあああぁぁぁつ!全くけしからん!」
『ひぃ!?』

俺はリアにマジ喝を言い放った。俺は悲しいよ、リア!
賢いお前らならわかるよな?俺が何に対して悲しんでいるのかを

「リアは何も分かってない!彼氏を家に呼んで手料理を振る舞うのに服の上からエプロンをするとは何事か!彼女失格だぞ!お家デートの手料理とは目で(裸を)見て楽しんで、美味しそうな香りを嗅いで楽しんで、美味しい料理を愛しい人と一緒に食べて楽しむものだろ!?さぁ、早く服を脱ぐんだ!俺が幻滅する前にな!」

『ええええ!?』

驚いているリアを余所に俺はリアに圧をかけていく
絶対ゆずれない所でもあり、譲ってはいけない所だ

『あ、あの。はずかし・・・』
「ダメです」
『じ、じゃあ、脱ぐのは上だ・・・』
「ダメです」
『せ、せめて、下着だ・・・』
「ダメです」
『うぅ・・・手料理はなかったことに・・・』
「ダメです」

「なぁ、リア。俺を失望させないでくれ。いいか?裸エプロンとは愛情表現の一つだ。彼女が彼氏の為に行う愛情表現の初歩中の初歩だ。そして古来より料理と裸エプロンは密接な関係にある(多分な)大袈裟に言えば料理=裸エプロンと言ってもいい。つまり裸エプロンとは偉大な先人達が遺した足跡なんだ。だから恥ずかしがること自体がおかしいんだぞ?それにリアは俺に愛情はないのか?」

まぁ最後の言葉はずるいかな?
それにしてもどうしてこう女の子達はわからないのだろうか?
もっと料理研究家とやらは料理だけでなく、料理に挑む心構えなどをキチンと広めてもらいたいものである
けしからん!実にけしからん!!

結局リアは俺の不退転の気持ちに負けて裸エプロンで料理をすることになった
当然だ。それ以外に選択肢はないのだから
てか、今日はもう裸エプロンのままでいいんじゃないかな?
提案してみよう!それがいい!実にいい!

ちなみにリアが作ってくれたのはオムレツだった
とてもおいしゅうございました。ごちそうさま


□□□□

リアの部屋・膝枕で耳掻き

リアの甘え?第二弾は膝枕で耳掻きだった

リアの手料理と裸エプロン姿を堪能した俺はかなり満足していた
調子に乗った俺はそのまま裸エプロンの継続と膝枕を要求してみた
リアもどこか吹っ切れてしまったのか、それとも反抗は無駄だと思ったのかすんなりと要求を飲んでくれた

(要求しといてなんだが、直の膝枕の柔らかさは半端ないな!それにエプロンを隔てた向こう側には生まれた姿のままのリアが・・・た、たまらん!)

俺は欲情しながらもリアの気持ちいい耳掻きに安らぎを得ていた
そんな午後の安らかな一時を満喫していたら、不意にリアが口を開いた

『そういえば私の家に来る前にギルドに寄ってきたんですか?先程私が休みだと聞いてきたって言ってましたよね?』

(ん?そういえばそんなこと言ったかな?てか俺もリアに聞きたいことがあったんだ。ヒルダにユリにアズサの件。なんで急にモテだしているのか分からなすぎる!リアならギルド職員だし何か知っているかも)

そこで俺はリアにギルドでの一部始終を話してみた
話をしていく内に、リアから笑顔がなくなってきていたのはちゃんと分かっていたので、そこらへんは上手くフォローを入れながらだが

以前家族を紹介した時もリアは嫉妬をしていた
リアは嫉妬をしちゃう子なのだ。だからフォローは大事!
ふぅ~。俺も大分嫉妬しちゃう子の扱いにも慣れてきたかな?
いつもサーシャやサリーに鍛えられているからな・・・

俺が自身の成長に感慨深さを感じていたら、リアが俺の疑問に答えてくれた

『ユウジさんは気付いていなかったんですか?なにもヒルダやユリ、アズサだけではないですよ?冒険者ギルドという括りならエクスペインやイシスの全女性職員がユウジさんに好意を抱いています』

「全女性職員!?なんで!?」

これにはさしもの俺も驚いた
そして同時に意味も分からなかった
仮にリアやヒルダはいいとしよう
懇意にしていたからある程度の好意は生まれるかもしれない
しかし話したこともない職員から好かれるなんて理解できん!

俺はそのあたりを詳しくリアに聞いてみた

『簡単なことですよ。ユウジさんは大抵礼儀正しいですよね。冒険者の方って大概は粗野な方が多いんですよ?それにこちらが女性だと分かっているので上からものを言ってくることなんて日常茶飯事なんです』

(な、なるほど。俺は礼儀正しくしてるつもりはないんだがな。所謂典型的な日本人の癖というか習慣的なやつだな。初対面の人やあまり親しくない人には敬語で話すみたいな?それが結果礼儀正しく紳士な冒険者像を作りだしているのか・・・)

俺が一人考察している中、リアの説明は続く

『それにユウジさんはお強いですよね。実際Sランク冒険者ですし、まだ真の力を出していない感も見受けられます。女性なら強い男性に護ってもらいたいと思うものですよ。それにユウジさんは年齢の割に可愛いのも好印象です』

(ぶっ!?可愛い!?あれか?あれなのか?異世界物でよくある日本人特有のベビーフェイスってやつか?女性の母性本能をくすぐっちゃうやつ!?な、なるほど。イケメンでなくとも日本人なら異世界ではモテる可能性はあるのか・・・まぁ強さうんぬんはエステルも言ってたもんな。Sランク冒険者は地位も名誉も思いのままだって)

俺の考察が続く中リアの説明は更に温度を増していく
────あれ?リアさん変なスイッチ入ってないですか?

『あとユウジさんはお金持ちですよね。大豪邸に住んでますし、いつも大量の収入を得ているじゃないですか。担当者でなくともユウジさんの収入が凄まじいことは誰だってわかります。仮にユウジさんに嫁ぐことができれば一生不自由なく、いいえ!豪遊生活も夢じゃないと思われていますよ』

(現金!それって逆玉狙いってやつか!?結局日本だけでなく異世界でも金かよ!いや確かに金は大事だよ?最後にものを言うのは金だしさ?でもあまりにもリアルすぎだろ!)

俺が社会の本質にゲンナリにしていると、どうやらリアはまとめに入ろうとしていた

『以上のことから、優しくて可愛くて紳士なSランク冒険者。そして大豪邸に住まうお金持ち。これだけのモテ要素があるユウジさんがモテない訳ないんですよ?』

「ソ、ソウデスネ」

(う、う~ん。改めて第三者から見た俺のイメージ像ってのはすごいことになってるんだな・・・今まで気にしていなかったしなぁ。ただ、女性に好意を持たれるのは素直に嬉しいが、今日のギルドでのような出来事とかは勘弁してもらいたいな・・・今後は慎ましく生きていくとしよう────あれ?これフラグか?)

「とりあえず受付嬢枠はリアだけでいいかな」
『え?』

────スボッ!!

リアが驚いた拍子に俺の耳に激痛が走った
うん、お約束だよね。お約束なんだけどさ・・・

「イタッ!!ちょっとリアさん!?そういうお約束展開いらないんですが!?そもそもリアは俺の彼女なんだから驚くのはおかしいだろ!」

『ご、ごめんなさい、ユウジさん!』

本当勘弁してくれよ・・・
自称お約束ブレイカーとしては避けたい所なんだからさ


その後はリアの膝枕と耳掻きを十分に堪能することができた

疑問も解決できたし、なかなか有意義な時間だった

さてと・・・最後はデザートでも頂きますか!


□□□□

リアの部屋・デザート

膝枕と耳掻きも終わり、俺とリアは寄り添って紅茶を楽しんでいた
やはり紅茶には音楽がつきものでしょ!
ということで、クラシックボックスを取りだした
これにはリアも大喜びだったので、初お家デートの記念にプレゼントしてあげた

流れる荘厳な音楽に、癒しを提供する紅茶、そして愛し合う二人
まさに完璧なムードと言っても言いだろう!

俺は依りかかるリアの肩に手を置き、リアの顔を見つめる
リアの可愛いらしい顔が少しずつ赤みを帯びていくのがわかる
この後の展開が分かっているのだろう。いや期待しているのかな?

「リア・・・」
『ユウジさん・・・』

そしてお互いの距離が縮まっていき、唇と唇が軽く触れた
リアの瞳は既にとろ~んと蕩けている
恋する乙女の瞳ではない。一人の女性としての瞳だ

もはやリアを頂く絶好のタイミングだ
しかしこの小洒落た雰囲気の中で、「リアが欲しい」だの「リアを抱きたい」とかの言葉ではどうも不釣り合いだ
やはり気の利いた言葉が必要だろう。だから・・・

「リア。俺はデザートリアが欲しい」

すいません!全然気が利いてませんでした!
紅茶ならデザートじゃね?という安易な発想でした!
しかし俺は言った!この雰囲気、このタイミングで言い切った!
流石にリアなら分かってくれるだろう
そう思いリアの表情を伺うと、一人の女性の瞳から恋する乙女の瞳に戻っていた

・・・あれ?リアさん!?まさか、ね?

『あっ。私で作れるものなら。なにか希望ありますか?』

(ええええええええ!?今このタイミングでそんなボケいらねええええ!!いやいや、リアからしてみればボケじゃないんだろうけどさ!いちおムードってやつを演出したんだから分かろうよ!大人のお付き合いしてるんだからさ!大人!大人!)

「作ってくれなくていいよ。最高のデザートは目の前にあるから」
『・・・え?どういうことですか?』

いや~驚いたね。ここまで伝わらないもんかね?
それともリアが特別純真なんかね?
やはりこういうことは比喩表現にしたらいかんね
こうズバッ!と言ったほうが気持ちが伝わるからな!

「俺の欲しいデザートはリアだ。リア以上のデザートはない。だからリアが欲しい!」
『あっ。そういう意味で、、し、、ええええええええ!?』

リアも意味が分かったみたいなので、早速リアの体を横抱きにしてベッドまで運んでいく

(あれ?そういえばリアをお姫様抱っこするのは初めてだったかな?リアの為にもう一つ記念を作るか!)

「リア。お姫様抱っこ初めてだろ?もう一度キスしようか!今度はお姫様リアからキスをしてくれ!」

リアは既に顔が真っ赤だった。いや体全体が真っ赤と表現したほうが正しいだろうか
その原因がお姫様抱っこなのか、はたまたその先のことを思ってなのかはわからないが・・・

リアから遠慮がちながらもぎこちないキスが届いた
ちょっと萌えた。だから俺からは熱いキスを贈った
しばらくはお姫様抱っこのままお互いを堪能し続けた

(リアに素敵なお姫様抱っこのプレゼントはできただろうか?)

頃合いやよしと判断した俺はそのままリアをベッドに寝転がす
その間もお互いのキスの応酬は止まることはなかった

(どうやらリアもスイッチが入ったみたいだな。かく言う俺もそろそろ我慢の限界だ・・・リアは一般人だし、色情解放も狂愛もいらないだろう。いずれは使うとしてもそれは今じゃない。第一リアは初めてだろうしな。普通初めての時に狂愛使うのがおかしい。セリーヌが特別なだけだ。それでは、この世の全ての食材に感謝を込めて最高のデザートリアを・・・いただきます!)


そしてその後俺は最高のデザートリアに酔いしれたのだった


────二時間後。

「ごちそうさまでした。とても美味しかったです。リアも気持ちよかった?」
『し、知りません!恥ずかしいので聞かないでください!』

俺とリアは裸のままで寄り添い食後の余韻に浸っていた
リアは恥ずかしさのあまり俺を直視できないみたいだ
なんかこういう初な態度はいつ見ても可愛いらしいな

「少し休んだらベルカイムにデートでもしにいくか」
『いいですね!私欲しいものがあるんです!』

そうか、そうか。俺は最高のデザートを貰ったからな!
リアの欲しいものなんでも買ってあげるぞ!

「じゃあムラムラしない程度に抱き合って休むとするか・・・っとその前に最後の締めはこれだよな?」
『もう・・・ユウジさんったら。私も最後はユウジさんとしたいです!』

俺らの、いや俺のこれと言ったらあれしかないよな!

「リア・・・愛している」
『ユウジさん・・・愛しています』

お互いが、お互いの愛を確認しあうに口付けをして仲良く眠りに着いた


こうして俺と情愛の愛民リアとのありふれた、ごく普通のデートが終わったのだった

・・・あれ?普通だよな?これ?


そしてつまる所、何が言いたいかと言うと・・・

「エステルが側にいないと寂しいので一緒にいてください!」

改めてエステルへの想いを募らせたのだった


もちろんリアとのデートは最高だったし、リアのことは愛しているのでエステルの代用とか変な勘違いはしないように!

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