過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~新米冒険者①と隷属の首輪~

『サラセニア王国』

迷宮大国とも呼ばれ、国内に5つの迷宮が存在する国家
迷宮は初心者向けが3つと中級者向けが2つの計5つで構成されている
国と迷宮が密接に関わり合っている国家で迷宮が主な収入源となっている
以前白鷺あかりが一人で全てを踏破した場所である

□□□□

サラセニア王国・ダンジョン『嚆矢濫觴こうしらんしょう

俺とエステルは久しぶりに二人でダンジョン攻略に来ている
俺達がやってきたのは迷宮大国サラセニアだ
いつもならあかりも一緒なのだが、今日はSランク冒険者の集まりがあるらしい

え?俺は出なくていいのかって?
そんなもん出る訳ないだろ!めんどくさい!

そんな訳で今日はエステルと二人っきりだ
思う存分いちゃいちゃするであります!
エステルからの告白も期待できちゃうか!?

俺とエステルが今いるのはサラセニア王国の初心者向けダンジョンだ
全部で50階層。通常の初心者向けダンジョンは100階層が普通なのだがそれよりも階層が少ない
所謂超初心者向けダンジョンなのだろう
もはや俺が出張る必要もないほどのダンジョンなのだがいちおクリアはしとかないとな
夏休み中にある程度のダンジョンはクリアすると決めたし、こういうところにもユニークアイテムが・・・

「・・・ある訳ないか。さっさとこんなとこクリアしちゃおうぜ?任せたぞ、エステル」
{任されたのじゃ!お師匠様もちゃんとご褒美忘れないで欲しいのじゃ!}
もちろんだ!俺がエステルへのご褒美を忘れるなんてありえない!

ここ最近のエステルはとにかくご機嫌だ
セリーヌとの一件が片付いたからだと最初は思っていたが、どうやらそれだけではない?
何かスッキリとした、そんな表情さえ伺える。とにかくやる気に満ちている感じだ
そんなエステルを見ているとついつい嬉しくなってしまうのでご褒美の量はいつもよりも増し増しだ

このまま何事もなく攻略が終わってくれることを祈るばかりだ

というか終わって!?エステルといちゃいちゃできなくなるから!

□□□□

ダンジョン『嚆矢濫觴』・3F

【きゃあああああああああ!】
【う、うあわああああああ!】
【た、たたすけてええええ!】
【みんな待ってよおおおお!】

俺がフラグを残してしまったせいか、どこからともなく聞こえる男女の悲鳴
声色から察するにまだ年端もいかない少年少女のようだ

「・・・」
{お師匠様!早く助けにいくのじゃ!}
エステルは助けに行く気満々みたいだが、正直俺は躊躇った

(これ絶対めんどくさい系のやつだよな?しかもここは超初心者向けダンジョンの3Fだぞ?こんなところで危険な目に合うとか、こいつらダンジョンに適していないレベルだぞ?。絶対訳ありだ。巻き込まれる可能性が高い。できればスルーしたいんだがなぁ・・・ダメかなぁ?エステルは行く気満々だしな・・・こんなところでエステルの上機嫌が裏目に出るとはついてないな)

既にエステルが声のほうに駆け出してしまっているので仕方なく俺もついていくことにした

ついた先では若い男女4人組が複数の魔物に襲われているところだった
見ると4人組は所々怪我をしているみたいで回復が必要みたいだ・・・はぁ~。めんどくさ
とりあえずエステルが魔物を殲滅し始めたのでそちらはエステルに任せ、俺は男女4人組のほうに向かうことにした

「大丈夫か?今回復してやるから大人しくしてろよ」
【あ、ありがとうございます・・・】

代表してお礼を言ってきたのは少年だった。恐らくはこのPTのリーダー的存在なのだろう
それはいい。それはいいのだが・・・

(男が俺に話しかけんな!お礼を言うなら普通女の子だと相場が決まってるんだよ!はぁ~。一気に回復したくなくなったは・・・まぁせっかく助けてやったんだしとりあえず回復だけはしてやるか)

俺がゲンナリとした気持ちで回復している間に、どうやらエステルのほうは魔物を殲滅し終えたみたいでこちらに向かって歩いてきている
そんなエステルは若い少年少女から尊敬の対象となっているみたいだ。みんな目がキラキラしている
ちなみに俺の目はギラギラしていた。だってエステルが歩くたびにぶるんぶるんと。た、たまりませんな!

(エ、エステルさん。そろそろブラジャーはしたほうがいいと思うであります!俺の前だけでならしなくてもいいが、他のやつら、特に男がいる場ではしてもらわないと困る!そのぶるんぶるんは俺のものなんだから!・・・いや!もしかしたら俺の為にしていないとか!?誘ってるの!?誘ってるんだよね!?それなら美味しく頂くであります!)

俺の為に頑張って、ノーブラでいるエステルが愛おしくてたまらなかった
やっぱりエステルは俺のことが大好きなんだな!俺も大好きだ!この気持ちをエステルに伝えたい!
そう思った俺はこちらに歩み寄ってきたエステルを優しく抱きしめ、みんなが注目している前で・・・

{お、お師匠様!?どうしたのじゃ!?}
「ありがとう、エステル!俺は嬉しいよ!でもここクリアしたらブラジャー買いに行こうな?」
{お、お師匠様は何を言っておるのじゃ!?}
「いいから、いいから。俺は全部分かっているから・・・好きだぞ、エステル」

そう言って、そっとエステルの唇に触れた
お互いの唇と唇が触れた瞬間はまさに天国!エステルの柔らかい感触が俺の唇を包んでくる
あぁ~このままエステルを押し倒しちゃのもいいよなぁ・・・
エステルは俺の突然の出来事に驚いていたようだが、満更でもないのか受け入れてくれたみたいだ

【う、うわああああ・・・】
【・・・】
【・・・】
【お、おとなだよぉ・・・】

俺とエステルの突然の桃色ラブラブワールドに若い少年少女の反応はまちまちだ
少年組は気恥ずかしいのか無言でチラチラと見ているようだ
対して少女組は興味津々なのかいちお手で目を覆い隠してはいるがガッツリ見ている

(よ~く見ておくんだ!少年少女!これが大人の恋愛だぞ!少年少女よ!大志を抱け!)


少年少女が大人の階段を一歩進んだ(多分)ことを確認した俺はエステルとの熱い抱擁を終えた

□□□□

エステルとの熱い抱擁を終えた俺はあまりしたくなかったのだが自己紹介を始めた
だってこれ自己紹介しちゃたら絶対めんどくさくなるやつだよな?
それでも助けてしまった以上は仕方ないので・・・

「俺はユウジ。いちおSランク冒険者だ」
あっ。Sランク冒険者は言わなくてもよかったかな?

【ほわあああ~Sランク冒険者とか初めてみたよ~】
あぁ、この子はどこかほわほわしてる感じの女の子だな

【え、Sランク!?兄ちゃん!二つ名は!二つ名はなんだ!?】
誰が兄ちゃんだ!野郎のくせに馴れ馴れしいな!

【あああ、握手、握手してもらってもいいですか!?】
ダメに決まってんだろ!何が悲しくて野郎と握手なんかするんだ!

【た、助けて頂いてありがとうございましゅ!】
あっ。噛んだ。緊張しなくていいんだよ?女の子には優しいからな

とりあえず二つ名は?二つ名は?とうるさいガキは無視して紹介を続けることにした

「こちらはエステル。俺の嫁だな」
{お師匠様!?}
いやいや!間違ってないだろ?エステルは俺のだしな!

【お人形さんみたい。きれい・・・】
君も将来美人さんになるよ。楽しみだ!

【なぁ兄ちゃん!二つ名は?二つ名教えてくれよ!】
うるせぇガキだな!少しは黙ってろ!絶対教えてやらん!

【あああ、握手、握手してもらってもいいですか!?】
ダメに決まってんだろ!エステルに触れてみろ?ぶっ飛ばすぞ!

【か、カッコよかったでしゅ。ありがとうございましゅ!】
また噛んだ。なんか癒されるなぁ~、この子

「絶対エステルには触れさせん!エステルは俺以外の男に触れることを禁止する!例え親でもだ!エステルに触れていいのは俺だけだ!」

{お師匠様・・・お師匠様は本当傲慢なのじゃ。で、でも嬉しいのじゃ}
照れているエステルは本当可愛いな!

顔を赤くして照れているエステルは最高に可愛らしかった
こんな可愛いらしいエステルを護る為なら俺は鬼にもなれる!
今後も世の男共害虫からエステルを護っていかないとな!

そして俺はエステルに握手を求めた野郎の手を押し退けて、少年少女らに自己紹介を促した

【私はテレサだよ!】

最初に名乗りをあげたのは、ほわほわしている女の子でテレサ
赤目の釣り目型でシルバーブロンドのロングヘアーだ
特徴的なのは尖った耳と褐色肌だな
所謂ダークエルフというやつだろう

【兄ちゃん!俺はスハイツ。なぁ二つ名教えてくれよ~】

次に名乗ったのは二つ名、二つ名うるさいくそガキのスハイツ
碧眼釣り目型のシルバーウルフヘアーだ
髪型と同様狼種族で、なんでも珍しい銀狼種なんだとか
既にイケメンの風体を為している。ちっ!クソが!

【僕はジーンだよ。よろしくね~】

俺のエステルに触れようとした不届き者のくそガキはジーン
金眼垂れ目の茶髪で短髪だ
特徴的なのは背中に小さい羽があるのと、おっとりしている見た目とは違い鋭い爪があるところだろうか
ジーン曰く、梟人族なんだとか

【私はふ、フアナでしゅ!よ、よろしくお願いしましゅ】

さっきから緊張しているからか噛みまくっているのはフアナ
茶眼垂れ目でふわふわの白髪おかっぱヘアー
特徴的なのはふわふわの毛とくるくる巻いたような形の角だ
どこからどう見ても羊人族だろう

これで全員の自己紹介は終わった
さて、この見るからに新米オーラを出している少年少女達は一体なんなのだろうか?

□□□□

全員の自己紹介が終わった俺はひとしきりこの少年少女達を観察してみた

そして気になる点が2つあった

「なぁ、エステル。こいつらもしかして・・・」
{奴隷なのじゃ}
やっぱりか・・・。となると近くにこいつらの主人がいるのか?

気になる点の1つがこの少年少女達のいかにも不衛生な出で立ちだ
着ているものはボロボロだし、体も薄汚れている
それにあまり食事も取っていないのだろう、ガリガリな体
よく見ると裸足で、足の爪が割れている子もいる

(これはひどい・・・帝都の奴隷とは雲泥の差だ。男はどうでもいいが、女の子がこれはかわいそすぎるだろ!)

「サラセニアの奴隷事情はこんなものなのか?」
{サラセニアは奴隷に厳しい国じゃからな。迷宮大国とも言われていて、特に戦闘奴隷の扱いは酷いものじゃ}

(なるほど・・・戦闘奴隷か。羊人族のフアナを除くと、ダークエルフに、銀狼、梟人族だもんな。確かに戦闘に向いている種族ばかりだ。そしてこのサラセニアは奴隷に厳しい・・・クソッ!なんか胸糞悪いな!!)

どの世界でもそうだが奴隷に対する扱いが酷すぎる!
人を人として見ていない考え方に俺は苛立ちを感じていた
そんな俺の苛立ちに気がついたのか、そっとエステルが寄り添ってきてくれた

{お師匠様・・・}
「ありがとう、エステル。さすが俺の賢妻だ!」
俺はエステルの優しさに甘えることにした

エステルを優しく抱擁し、気の高ぶりを鎮めることに集中する
あぁ~エステルの体は柔らかいな~いい匂いもするし
違う高ぶりを感じそうになったが、色魔でなんとか抑えこんだ
ふぅ~あぶない、あぶない!危うく膨脹するところだった

さてと。エステルのおかげで落ち着いたから話を進めるか!

「お前達が奴隷なのは分かった。それでご主人様はどこだ?」
近くにいるんだったらガツンと言ってやるか!女の子の為にも!

通常奴隷を野放しにする主人はいないはずだしな
こいつらの主人もこのダンジョンのどこかにいるに違いない
野郎の扱いはどうでもいいが、女の子の扱いだけは我慢ならん!
一言言ってやらないと腹の虫が収まらん!

【・・・兄ちゃん、ご主人様はいないよ?】
「いない?どういうことだ?ならなんでお前達は逃げ出さないんだ?今の生活に満足なんかしてないだろ?」

いや、逃げ出しづらいのは分かっている
奴隷契約を結んだ上での逃亡は逃亡奴隷扱いされるからな
そして逃亡奴隷は何かと不便なのもわかる
だが下手したら今よりかはいい生活ができるかもしれないぞ?

(それに主人が近くにいない理由がよくわからん。こんな扱いをしておいて奴隷が逃げないとでも思っているのか?これがイリアスの常識なのか?)

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『奴隷』
このイリアスでの奴隷制度は少し複雑だ
基本的に奴隷には体のどこかに奴隷である証の刻印がある
この刻印がある以上は身分は必ず奴隷となり、一定一年の期間を主人のもとで奴隷として過ごさねばならない規則がある(規定期間を過ごさないと刻印が消えない)
俺が詩乃達家族を奴隷から解放しないのはこの規則のせいだ
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主人契約する前は奴隷商と「仮契約」を結んでいる
セリーヌに助け出されたアオイがこれに当たる
仮契約の場合は高い金を出して奴隷解放をすることができる
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【兄ちゃんは奴隷のこと知らないのか?逃げたくても逃げられないんだよ。俺達にはこれがあるからさ】
そう言ってスハイツが俺に見せてきたのは首に巻いている首輪だ

実はその首輪も気になっていた。全員同じものをしていたからだ
初めはオシャレか?と思っていたが、どうやら違うようだ
それにしても初めて見る。なんだあれ?

「エステル。あの首輪はなに?」
困った時のエステル頼りだな!エステルに聞くのが一番早い!

{あまりいい趣味ではないのじゃが、それは隷属の首輪なのじゃ。所謂奴隷である証じゃな}
「隷属の首輪?なんだそりゃ?奴隷はそもそも主人の命令には絶対服従の刻印がされてあるだろ。必要なのか、それ?」

{必要はないが、人に誇示したいのじゃろ?こやつらは自分の奴隷なのじゃと、自分の所有物なのじゃと・・・貴族にはそういう自己顕示欲の塊みたいなものが多いのじゃ。しかもダークエルフに銀狼じゃろ?市場に滅多に流れない種族じゃ。自慢したいのじゃろう}

「・・・お前達の主人とやらは貴族か?」

俺は若い少年少女達に確認の意思を込めて尋ねてみた
若い少年少女達は言葉を発しないまでも全員首を縦に振っていた

(そうか、貴族か。そしてこいつらは自分の自己顕示欲の為の道具か・・・)

俺の怒りのボルテージは少しずつ上がりはじめていた

「エステル。隷属の首輪について詳しく教えてくれ」

そしてエステルから聞いた隷属の首輪の詳細はこうだ

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『隷属の首輪』
奴隷が自己の物であることを示す首輪
特に必要な物ではなく貴族の一種のお遊びアイテム
主人の意思で自由に首輪対象者に罰を与えることが可能
また主人以外が首輪を外そうとすると自動で首輪が締まり、首輪対象者が死に至る
更に経験値共有システムがあり分配は主人が任意で可能
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似たものに『従属の首輪』がある
狼人族や犬人族などの特定種族が生涯仕えてもいい主人を見つけた時に主人からしてもらう首輪
主人のものであるという愛情の一種のアイテム
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「・・・」

エステルから聞いた隷属の首輪の内容はそれは酷いものだった
生殺与奪だけでなく経験値共有システムすらあるとか・・・

(つまりあれか?自分は高見の見物をしているだけで経験値が入るという訳か?こいつらをダシに使って安全地帯からぬくぬくとしている訳か?)

俺の怒りのボルテージはふつふつと沸き上がってきていた

「お前達、経験値の分配はどうなってるかわかるか?」
【俺達には経験値は入らないよ、兄ちゃん】
なんで毎回お前が答えるんだよ!それに兄ちゃんじゃねぇ!

それにしてもどういうことだ?
こいつらに経験値が入らないとただ潰れて終わりだろ?
すぐ潰れちゃったら買った意味なくないか?

俺は疑問に思ったことをエステルに尋ねてみた

{簡単なことじゃ。こやつら以外にも奴隷がおるのじゃろ。貴族なら複数の奴隷がいてもおかしくないのじゃ}

「・・・」

(・・・つまりこいつらが潰れてもおかしくないと?代えはいくらでもいると?)

俺の怒りのボルテージはもはや爆発寸前だった!

(・・・本当貴族って野郎はどうしようないな!前から貴族は嫌いだったがもはや我慢ならん!そうかい、そうですかい。そこまで奴隷を物扱いしますかい!・・・貴族達にとって奴隷は物なんだよな?だったら俺も物らしくそれ相応の扱いをしてやるよ!)

「・・・エステル。こいつらが物なら俺が持ち帰っても問題ないよな?自分の物をほっぽりだしてる奴が悪いよな?」
{くふふ。さすがなのじゃ!それでこそ妾のお師匠様なのじゃ!}
さすが分かってるじゃないか!ご褒美になでなでだな!

俺のなでなでに気持ち良さそうにしているエステルを見ると、俺も幸せになる
やはりエステルはいい女だ!エステルからの告白が待ち遠しい!

エステルといちゃいちゃしながら、新米君達を伺うと困惑しているようだ
まぁ俺達の会話の意味がよくわからないもんな
仕方ない、説明してやるか!

「簡単に説明すると今からお前達は俺の奴隷になる。あ・・・やっぱりテレサとフアナだけにしようかな?」

【私とフアナちゃんだけ!?】
【兄ちゃん!?ひどくないか!?】
【ぼ、僕とスハイツ君もお願いだよ~】
【なんで私達だけなんでしゅか!?】

{お師匠様は相変わらずじゃの。でもかわいそうだから、スハイツとジーンも助けてあげて欲しいのじゃ}
ちょっと妖艶な笑顔で可愛くお願いしてくるエステル

(え~。スハイツとジーンは男じゃねぇか!男なら自分の境遇ぐらい自分でなんとかしろ!・・・ただエステルの頼みとあっちゃ断れないな。しかしタダというのもなぁ・・・)

「エステルの頼みなら仕方ない。しかし条件がある!エステルから俺に愛を囁いて熱いキスをしろ!いつも俺からだしな!それをしてくれたらスハイツとジーンも助けてやる!」

{な、なんじゃと!?}
ダメだぞ?絶対譲らないからな!

【姐さん、お願いします!】
【お姉さん、お願いします~】
てめえら!俺のエステルに話し掛けんな!ぶっ飛ばすぞ!

エステルがやりやすくする為、俺はエステルを抱き寄せた
俺とエステルはしばらく見つめ合う。それを見守る8つの視線
8つの視線を感じ、段々と桜色に染まっていくエステルの顔がとても可愛らしい

{~~~}
「・・・」
【・・・】
【・・・】
【・・・】
【・・・】

(あぁ~くっそ可愛いなもう!俺から愛を囁いてキスしたいぐらいだ!しかしここは我慢、我慢!エステルからキスをしてくれるなんてこんな機会そうそうないからな!・・・しかしなかなか言い出さないな?恥ずかしいのか?まぁみんなに見られてるしなぁ。仕方ない。ここは手助けしてやるか!)

「エステル。俺のことは好きか?」
{・・・も、もちろんなのじゃ!}
「違う。もちろんじゃない。ちゃんと言葉にしろ」
{す、好きなのじゃ}

いいねぇ!いいねぇ!たまらないねぇ!!
普段勝ち気なエステルがこう汐らしくなっている姿は萌えるねぅ!
しかし!まだだ!まだ終わらないぞ!!

「俺はエステルを愛している。エステルはどうだ?」
{わ、妾もお師匠様のことをあ、愛しているのじゃ}

いい!すごくいい!エステルの口から愛しているとか嬉しすぎる!
もうこのままの勢いで告白できるんじゃね!?

「じゃあ俺のものになってくれるんだよな?」
{それはもう少し待って欲しいのじゃ・・・でも答えを見つけたのじゃ!だから近いうちに必ずお師匠様に気持ちを伝えるのじゃ!}

ちっ。このままいけるかと思ったがダメだったか・・・
しかし答えを見つけたとか言ってたな。なら焦らなくても大丈夫か

「分かった。それなら楽しみにしているよ」
{ありがとうなのじゃ!お師匠様!!}

そう言ってエステルは精一杯背伸びして俺の首に腕を回してきた
俺とエステルはかなり身長差があるから、自然と俺とエステルの体は密着するようになる

なるほど。確かにこれは情熱的だ。ドキドキする

「エステル。俺はエステルを絶対離さないぞ?」
{う、嬉しいのじゃ。妾をずっと捕まえていて欲しいのじゃ}

{お師匠様・・・大好きなのじゃ}
「エステル・・・愛している」
愛しているとは言わないんだな。まぁそれはまだか

【はわわ~・・・】
【・・・】
【・・・】
【す、すごいでしゅ・・・】

エステルから気持ちの伝わる熱い口付けがやってきた
緊張しているのか、恥ずかしいのか、少しぎこちない
ただそのぎこちなさがとても興奮した

あぁ、愛しい、愛しい俺の唯愛の賢妻エステル
最高のキスありがとうございます!

□□□□

愛しいエステルからの熱いキスをもらった俺は、約束通り全員助けてあげることにした

{そ、それでお師匠様はどうやってこやつらを助けてあげるのじゃ?}
先程までの情事が原因か恥ずかしがっているのが丸わかりだぞ?

「ん?なにが?」

────カランっ

{【【【【・・・え?】】】】}

エステルだけでなく、新米冒険者君達も一様に驚いていた
気持ちはわかるぞ?いきなり隷属の首輪が外れたからな

俺はエステルとの熱いキスを終えて後、すぐさま行動を開始した
まずは邪魔な隷属の首輪を外さないといけない
そう考えた俺は、側にいたテレサの隷属の首輪に手を添えてスキルを発動した

「そして隷属の首輪が外れたとそういう流れの次第なんだが?」
俺はさも何事ないように答えた。そもそも余裕だしな!

【【【【ええええ!?】】】】
{なんだが?じゃないのじゃ!どうやったのじゃ!?}
あれ?エステルなら分かっているのかと思ったんだが・・・

「簡単な原理だ。結局経験値共有システムや首輪に寄る激痛なんかも全て魔力が源になってるはずなんだよ。だったらその上からより強い魔力を流してやれば、支配権を強奪できるはずだ。そもそもこの隷属の首輪もマジックアイテムなんだから俺に係れば壊すことなんか簡単なんだよ。人が作ったものは人が壊せる。それが俺なら壊せないものなんてこの世にはない。第一エステルだって壊せるはずだぞ?首輪に流れている魔力を感知してそこに魔力を流すんだ。フアナにやってみろ。ただし!スハイツやジーンにはやるなよ?二人は俺がやる!エステルが俺以外の男に触れるのは絶対許さん!」

エステルは苦笑しつつもフアナに試した所、問題なくできた
まぁエステルなら当たり前なんだがな!
そして俺も仕方なくスハイツとジーンの首輪を外すことにした
これで全員の邪魔な隷属の首輪は外れた

いちおこれでこいつらが逃げることは可能になった
可能にはなったが・・・問題が残る
そう、こいつらが逃げた場合逃亡奴隷となってしまう
こいつらの主人は死んではいないからな
だから俺が考えた方法は・・・

(・・・イメージ、イメージ!イメージ元は帝都奴隷商のアロルドさんだ!・・・記憶創造!)

【スキル『奴隷契約』を取得 ランク:S】

よし、できたな!
今まで考えもしなかったが、奴隷商が使えるなら立派なスキルなんだよな
だったら記憶創造で創れるはず!そう考えてやってみたら見事創れた
あとはこの契約を使って俺と再契約してしまえばいい

俺が考えた作戦は、新米君達の今の契約を破棄させて新たに契約し直してしまおう!ってことだ

(しっかし奴隷契約か・・・これこっそり女の子なんかに使ったら、みんな俺の奴隷になっちゃうんだよな?げ、げへへ・・・た、たまりませんな!この世の女みんな俺のもの計画も可能ってか!?・・・はっ!いやいや!いかんぞ!俺には愛すべき嫁達がいるからな!ま、まぁこのスキルはちょっとやんちゃな聞き分けのない子に使うとしよう・・・敵キャラにも女の子がいるのはお約束だしな!いるよね!?テンプレ先輩!?)

俺は新たに得た力で次々と再契約をしていきながら、力の活用方法に夢を馳せていた

「よし、これで完了だな。いちお確認してみろ?主人は俺になってるはずだからな!」

俺の言葉に一斉に確認し出す新米君達
そして確認が完了すると同時に泣き出す始末・・・
余程辛い境遇だったんだろう

とりあえず・・・

「さっさとこんなところクリアして帰ろうぜ、エステル!こいつら臭くて敵わんからな!」

{くふふ。お師匠様は本当素直じゃないのじゃな?それでもそんな優しいお師匠様が妾は好きなのじゃ!}


こうして俺とエステルは新米冒険者君4人を連れてダンジョン攻略に乗り出した

・・・。

「あ、そうだ。スハイツにジーン。これから俺の家族を紹介するが、手を出したらぶっ飛ばすからな?」

【兄ちゃん!?】
【お兄さん!?】

だ・か・ら!俺はお前らの兄じゃねぇんだよ!!

新しい家族が加わったが、また一段と騒がしくなりそうだな。やれやれ・・・

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