そのゴーレム、元人間につき
森の侵入者
夜通し森の奥がうるさかった。
お陰で眠れやしない。
寝る必要ないけど。
別に寂しいなんて思ってはいないさ、ただ孤独なゴーレムを放置するのはどうかなと思っていただけだ。
あー、楽しそうでなによりだー。
ドンチャン騒ぎで楽しそうな声がこの距離まで聞こえるってことはそんなに楽しかったんだろうな。
もう一度言おう、寂しくなどない。
ちゃんと祠は直したからな、時間も潰すことはできた。
かなり不器用なせいで結構大変だったが何とかなった。
ただ、その間聞こえてくる楽しそうな声…これは俺に迷惑をかけている事にはならないのだろうか。
誘ってくれなかった事に拗ねているのではない、のんびり過ごしたい俺からしてみれば少し静かにしてほしいと思ってるだけだ、寂しくなどない、ないったらない。
さて、そんな地獄が終わった明朝だ、森に爆発音が鳴り響いた。
だが、森にはなんの騒ぎも起きていない。
つまり、昨日の宴会で誰一人起きてないと言うことだろう。
不用心にもほどがあるな。
暇だし様子見をしていこう。
音の鳴った場所に向かって一時間ほど歩いた所だろうか、俺の目の前には沢山の木がへし折れている。
何故だ、俺の森でも陣地でもないからどうでもいいんだけどな。
所詮は暇潰しだ、森がどうなろうと知ったことではない。
おっと、そろそろ音が近くなってきたな。
と言うかここまで音を立てられておきながら誰も来ないとは。
俺が好戦的なら殺してたな。
さて、そろそろ音源の元にたどり着くぞ。
ん? なんだアイツは。
結構でかいな、俺くらいはあるか、四つ足で黄土色、長くて発達した尻尾をもった、完全にアン○ロサウルスな魔物だ。
尻尾の先端が鉄球みたいだがな。
ふむ、こいつが森を荒らし回っている魔物だな。
強そうだなぁ、あんなんで殴られたらバラバラになりそうだ。
俺は全身が崩れたらどうなるんだろうか。
想像してみたけどヤバイ、生きていられる自信はない。
さて、俺は何も見なかった、耳が無いくせに音を聞くことが出来るが今日ばかりは調子が悪かったようだ、大きな音なんて聞こえなかった。
何も見ていない、よし帰ろう。
──ドォォォォォォン!
──バァァァァァァン!
うん、うるさいな、ここまで聞こえる。
昨日の騒ぎとは違う意味でうるさい。
静かにしてほしいものだ、近所迷惑だな。
ほら、今も衝撃のせいで記録が3回だったじゃないか。
変な魔物が暴れだして2時間ほどか、奴のいる反対側が騒がしくなった。
ようやく起きたのだろう。
遅すぎるな、実質4時間の遅れだ、それはちょっと致命的だろ。
ま、音の発生源の奴に辿り着くまでで向こうから行くには4時間はかかる、それに加えて確認と報告で同じくらいだろう。
そして対策とかを含めると今日では終わらないんじゃないだろうか。
さて、この森の主達はどうするのかね。
精々頑張ってほしい所だ。
さて、夕方になった。
やっぱり探しさは無くならないな、ほら、川の魚がパニック起こしてる。
あ、岩に頭ぶつけて気絶した。
川は俺にとっては絶好の暇潰しだな。
そう言えば、忘れていたが俺が偶然開けてしまった土を埋めてしまおうか。
でも土がないんだよな、よし、ここは諦めておこう。
祠に戻ってみると同時に一匹の魔物が走って来ていた。
あれは、狐人間だな。
相当焦っている。
「大変だよぉ! 謎の音が響いているんだよぅ!」
うん、知ってる。
第一発見者俺だからね。
そして放置しました。
今頃見晴らしのいい広場が出来ているところだろう。
「君は何か知っているかい?」
いや、知らんな、昨日の夜に崖の上にいた奴だと思ったし音にも気がついて無視したのは俺だが何にも知らない。
「私は報告を聞かずに真っ先にここに来たからねぇ、どうなっているのかは分からないんだよ」
ほぅ、道理で早いわけだ。
それで、なんのために俺の元へと来たんだろうか。
「実は、私達は夜通し騒いでいてね、異変に気がつかなかった。恥ずかしい限りだよ」
全くだ、お前らそんなんじゃいつか痛い目見るぞ。
あ、今か、それはな多分皆で騒いでいて静かにしている魔物を誘わなかったからだと思うんだ。
誰とは言わないけどそれでバチが当たったんだな。
そしてコイツは俺のことを忘れていることを忘れているな。
殴ってやろうかな。
「一先ず、今は牙率いるグラスウルフが斥候に出ていて角率いるオーガが退治にでるらしい。君もこの森の仲間だからねぇ、知らせに来たんだ」
いらない報告をありがとう。
真摯に受け止めよう。
さて、俺は川に戻ってのんびりするか。
「君は行かないのかい?」
いく必要が有るだろうか。
俺は森がどうなろうとも構わない訳だ。
ましてや統治しているお前らの失態でこうなった訳だが、それに俺が協力する意味はない。
というのは建前、本音は面倒だからです。
「でも、角でも対処しきれないようだったら今度は頼みに来るよぉ、じゃ、またねぇ」
次も来る気満々だな。
そして、狐人間は去っていった。
何かとこじつけて俺を動かそうとするだろう。
だか、俺は喋れない、意志疎通は不可能なのだ、だから、ちょっと何言ってるかわかんないとなんの行動も起こさずに無視することができる。
喋れない事がこんなにも幸運だとはな。
ん、ちょっと待て、俺は以前狐人間にジェスチャーで答えた事があったな。
そもそも俺は首を振ることができるのだ、その事に気づかれたら終わりだな。
<尻尾>
急に森に騒音が響いていた。
私達は夜通し騒いでいたお陰でその異変に気がつかなかった。
痛い話だよぉ。
斥候役となる牙率いるグラスウルフを偵察に出した。
最初私はゴーレムが起こした癇癪だと思った、だから確認のために祠まで急いだ。
この森広すぎだよぉ!
私の足じゃ結構きついのさぁ。
取り敢えず、少しでも早く対処するために角達も向かわせた。
これで少しでもタイムロスを無くせると良いけどねぇ。
どうやら、ゴーレムの仕業ではないようだねぇ。
だが、この森に関して興味が無いんだろう、返事をしてくれないねぇ。
あ、そう言えば喋れないのかぁ。
仕方ない、角達と合流するとしよう。
あれ? そう言えば私、以前彼の意思を1度だけ聞いたことがある気がするよぉ。
まぁ、いい、今は合流と対処を優先するとするよぉ。
手に終えなかったら、どんな手を使ってでも来てもらうけどねぇ!
お陰で眠れやしない。
寝る必要ないけど。
別に寂しいなんて思ってはいないさ、ただ孤独なゴーレムを放置するのはどうかなと思っていただけだ。
あー、楽しそうでなによりだー。
ドンチャン騒ぎで楽しそうな声がこの距離まで聞こえるってことはそんなに楽しかったんだろうな。
もう一度言おう、寂しくなどない。
ちゃんと祠は直したからな、時間も潰すことはできた。
かなり不器用なせいで結構大変だったが何とかなった。
ただ、その間聞こえてくる楽しそうな声…これは俺に迷惑をかけている事にはならないのだろうか。
誘ってくれなかった事に拗ねているのではない、のんびり過ごしたい俺からしてみれば少し静かにしてほしいと思ってるだけだ、寂しくなどない、ないったらない。
さて、そんな地獄が終わった明朝だ、森に爆発音が鳴り響いた。
だが、森にはなんの騒ぎも起きていない。
つまり、昨日の宴会で誰一人起きてないと言うことだろう。
不用心にもほどがあるな。
暇だし様子見をしていこう。
音の鳴った場所に向かって一時間ほど歩いた所だろうか、俺の目の前には沢山の木がへし折れている。
何故だ、俺の森でも陣地でもないからどうでもいいんだけどな。
所詮は暇潰しだ、森がどうなろうと知ったことではない。
おっと、そろそろ音が近くなってきたな。
と言うかここまで音を立てられておきながら誰も来ないとは。
俺が好戦的なら殺してたな。
さて、そろそろ音源の元にたどり着くぞ。
ん? なんだアイツは。
結構でかいな、俺くらいはあるか、四つ足で黄土色、長くて発達した尻尾をもった、完全にアン○ロサウルスな魔物だ。
尻尾の先端が鉄球みたいだがな。
ふむ、こいつが森を荒らし回っている魔物だな。
強そうだなぁ、あんなんで殴られたらバラバラになりそうだ。
俺は全身が崩れたらどうなるんだろうか。
想像してみたけどヤバイ、生きていられる自信はない。
さて、俺は何も見なかった、耳が無いくせに音を聞くことが出来るが今日ばかりは調子が悪かったようだ、大きな音なんて聞こえなかった。
何も見ていない、よし帰ろう。
──ドォォォォォォン!
──バァァァァァァン!
うん、うるさいな、ここまで聞こえる。
昨日の騒ぎとは違う意味でうるさい。
静かにしてほしいものだ、近所迷惑だな。
ほら、今も衝撃のせいで記録が3回だったじゃないか。
変な魔物が暴れだして2時間ほどか、奴のいる反対側が騒がしくなった。
ようやく起きたのだろう。
遅すぎるな、実質4時間の遅れだ、それはちょっと致命的だろ。
ま、音の発生源の奴に辿り着くまでで向こうから行くには4時間はかかる、それに加えて確認と報告で同じくらいだろう。
そして対策とかを含めると今日では終わらないんじゃないだろうか。
さて、この森の主達はどうするのかね。
精々頑張ってほしい所だ。
さて、夕方になった。
やっぱり探しさは無くならないな、ほら、川の魚がパニック起こしてる。
あ、岩に頭ぶつけて気絶した。
川は俺にとっては絶好の暇潰しだな。
そう言えば、忘れていたが俺が偶然開けてしまった土を埋めてしまおうか。
でも土がないんだよな、よし、ここは諦めておこう。
祠に戻ってみると同時に一匹の魔物が走って来ていた。
あれは、狐人間だな。
相当焦っている。
「大変だよぉ! 謎の音が響いているんだよぅ!」
うん、知ってる。
第一発見者俺だからね。
そして放置しました。
今頃見晴らしのいい広場が出来ているところだろう。
「君は何か知っているかい?」
いや、知らんな、昨日の夜に崖の上にいた奴だと思ったし音にも気がついて無視したのは俺だが何にも知らない。
「私は報告を聞かずに真っ先にここに来たからねぇ、どうなっているのかは分からないんだよ」
ほぅ、道理で早いわけだ。
それで、なんのために俺の元へと来たんだろうか。
「実は、私達は夜通し騒いでいてね、異変に気がつかなかった。恥ずかしい限りだよ」
全くだ、お前らそんなんじゃいつか痛い目見るぞ。
あ、今か、それはな多分皆で騒いでいて静かにしている魔物を誘わなかったからだと思うんだ。
誰とは言わないけどそれでバチが当たったんだな。
そしてコイツは俺のことを忘れていることを忘れているな。
殴ってやろうかな。
「一先ず、今は牙率いるグラスウルフが斥候に出ていて角率いるオーガが退治にでるらしい。君もこの森の仲間だからねぇ、知らせに来たんだ」
いらない報告をありがとう。
真摯に受け止めよう。
さて、俺は川に戻ってのんびりするか。
「君は行かないのかい?」
いく必要が有るだろうか。
俺は森がどうなろうとも構わない訳だ。
ましてや統治しているお前らの失態でこうなった訳だが、それに俺が協力する意味はない。
というのは建前、本音は面倒だからです。
「でも、角でも対処しきれないようだったら今度は頼みに来るよぉ、じゃ、またねぇ」
次も来る気満々だな。
そして、狐人間は去っていった。
何かとこじつけて俺を動かそうとするだろう。
だか、俺は喋れない、意志疎通は不可能なのだ、だから、ちょっと何言ってるかわかんないとなんの行動も起こさずに無視することができる。
喋れない事がこんなにも幸運だとはな。
ん、ちょっと待て、俺は以前狐人間にジェスチャーで答えた事があったな。
そもそも俺は首を振ることができるのだ、その事に気づかれたら終わりだな。
<尻尾>
急に森に騒音が響いていた。
私達は夜通し騒いでいたお陰でその異変に気がつかなかった。
痛い話だよぉ。
斥候役となる牙率いるグラスウルフを偵察に出した。
最初私はゴーレムが起こした癇癪だと思った、だから確認のために祠まで急いだ。
この森広すぎだよぉ!
私の足じゃ結構きついのさぁ。
取り敢えず、少しでも早く対処するために角達も向かわせた。
これで少しでもタイムロスを無くせると良いけどねぇ。
どうやら、ゴーレムの仕業ではないようだねぇ。
だが、この森に関して興味が無いんだろう、返事をしてくれないねぇ。
あ、そう言えば喋れないのかぁ。
仕方ない、角達と合流するとしよう。
あれ? そう言えば私、以前彼の意思を1度だけ聞いたことがある気がするよぉ。
まぁ、いい、今は合流と対処を優先するとするよぉ。
手に終えなかったら、どんな手を使ってでも来てもらうけどねぇ!
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