そのゴーレム、元人間につき
話し合い
人間っぽくなってみました。
狐人間はどうにか俺がゴーレムだと言うことは伝わった。
狼とガケトカゲも俺が攻撃に耐えたことで信用しただろう。
簡単に信じるなよな。
問題はおっさんだ、何故かやる気満々なんだよな、酔いが覚めてるのかギラギラした目で見てくる。
「おい、本当にゴーレムなんだな?」
「そう言っているだろうに、酒が切れたかおっさん」
「なら丁度良い、俺と勝負しろ! 勝てばお前がゴーレムと認めてやるよ!」
何が丁度良いのか俺にはわからんが返事をする前にかかって来やがった。
こちらも丁度良い、とか正直思っている、体になれるためには戦闘が必要だろうな。
おっさんの拳をいなし、カウンターの右を打つ、それをおっさんは無理矢理体を回すことでかわした。
結構良いタイミングだと思ったんだけどな。
だが、俺の攻撃は終わっていない、足元か疎かになっているおっさんに足払いを決め、倒れた所に鉄拳を振り下ろす。
転がりながらかわしたおっさんは俺から距離をとり、立て直す。
「ははっ! 本当にゴーレムかよ、前の奴なら俺の攻撃を受けきった後の反撃だったんだがな!」
「そうしても良いが体の慣れが必要なんでな」
「まだまだ行くぜ!」
先程と同様に拳を振るう、なんだ、学習しないのか? そんなわけないか。
おっさんの拳はフェイクだった、本命は拳を引っ込めた後の捻りを生かした左足の蹴り。
それを右手で掴み取り、俺はおっさんを持ち上げる……のは無理だったのだそのまま振り回すことにした。
ハンマー投げの要領で回りに上空に投げる、落ちるまで放置。
ふむ、力は落ちているか、それは無駄な部分を削ったからだろう、その代わりに速く走れるかもしれないな。
何とか立て直したおっさんたが、落下の威力が強かったのか戦闘不能までもう一歩と言うところか。
「やるじゃねぇか、これならどうだぁ!」
そろそろ良いか、おっさんの最後の一撃とばかりに打ち込んでくる腕をはたき落とし、返す手で顎を殴り付ける。
多分その時点で意識はないだろうな。
空中で受け身もとらずに頭から落ちた。
「こんなもんで良いだろう」
「ゴーレムさん、こんなに強かったんですか!」
「まぁ、仮にも肉弾戦で角を倒したんだ、君はゴーレム君と言うことで」
認め方が雑すぎやしないか?
まぁ、認めると言うんだから良いだろう。
「さて、じゃあ、説明してくれるよね?」
「そうだな、必要だろうな」
全員で祠の前に集まり、座りながら話す。
女冒険者は俺の隣にいる、いい加減離れろ。
因みにおっさんは飛んでいったっきり戻ってこない。
そう思ったらよろよろと弱った様子で戻ってきた、タフな奴である。
俺はここまでの経緯を話した。
人間の持っているスキルについて、スキルが確認できたから試してみたこと、竜巻はおそらくスキルの一端だと言うことを。
狐人間は唖然としていた、コイツは最近驚いてばかりだな。
「スキル……かぁ、私たちはそんなこと知らなかったねぇ」
「割れも知らないな」
「尻尾が知らねぇんじゃ誰も知らねぇだろ」
「なんで魔物さん達は分からないんでしょうね」
「ゴーレム君、良ければ見せてくれないかな、そのスキルの一部を」
「分かった」
俺は立ち上がり、余ってその辺に落ちていた石を使うことにする。
「今から見せるのはこの石を……そうだな、小さな石像にでもしよう」
俺は[物質操作]を使い、小さな人形を作る、モデルは狐人間だ。
製作時間5分だ。
「……どうだ?」
「これは、私かい? 持つ少しカッコいいんじゃないかぁ?」
「安心しろ狐人間、お前はこんなもんだ」
「酷い言いようだねぇ」
寧ろお前が自意識過剰と言いたい所だ。
すると狼が尋ねてくる。
「と言うことはだ、我らにもスキルとやらが存在すると言うことで良いのか?」
「それは、分かりません。私も魔物がスキルに似た能力を所有しているとは聞いたことがありますが、それは魔物の特色では、と言う事になっているので、詳しくは……」
「ふむ、なるほど理解した」
「気になるなら試せば良いんじゃないか?」
「試す?」
「スキルの確認の仕方は『ステータス』と念じれば俺は出たぞ」
それを聞いていた狐人間、おっさん、狼はお互いの顔を見ながら頷き合った。
「「「ステータス」」」
「いや、念じるだけで良いだろ」
とか野暮なこと言ってみるが誰も反応しなかった。
つまらないな。
「……どうなんですかね」
「さぁな、知らん」
「ゴーレムさんってドライなんですね」
狐人間、おっさん、狼は全く動かない。
ステータスが覗けなくて自分がカッコつけたせいで恥ずかしくて動けないのだろうか。
「角、牙、どうだい?」
「うむ、こんなものがあるとは思わなかった」
「あぁ、最初から知ってりゃ俺等もっと強い魔物じゃなかったか?」
「……どうやら見たようだな」
見れたらしい、俺の予想は外れたか。
さて、どんなスキルを持っているのやら。
「まぁ、上手く使えるようになるために内緒さ」
「俺もだ」
「我も」
「なるほど、では俺からのアドバイスをやる。大事なのはイメージだ、あとは考えろ」
「君、喋れるようになって口調がキツくないかいぃ?」
「最初からそうだ」
色んな事で少し疲れているようだな。
今日のところはお開きにした方が良いだろう。
奴らが再び帰ったあと、もう少しスキルの練習をしようと石を拾っていると、女冒険者が俺を呼んだ。
「あの、ゴーレムさん!」
「……なんだ、また回るか?」
「それは嫌です! そんなことじゃないですよ。少し提案です!」
「提案?」
なんの提案だ、生意気にも俺の不利な条件を叩きつける気だろうか。
「……人の住んでいるところに、行ってみませんか!」
「……は?」
狐人間はどうにか俺がゴーレムだと言うことは伝わった。
狼とガケトカゲも俺が攻撃に耐えたことで信用しただろう。
簡単に信じるなよな。
問題はおっさんだ、何故かやる気満々なんだよな、酔いが覚めてるのかギラギラした目で見てくる。
「おい、本当にゴーレムなんだな?」
「そう言っているだろうに、酒が切れたかおっさん」
「なら丁度良い、俺と勝負しろ! 勝てばお前がゴーレムと認めてやるよ!」
何が丁度良いのか俺にはわからんが返事をする前にかかって来やがった。
こちらも丁度良い、とか正直思っている、体になれるためには戦闘が必要だろうな。
おっさんの拳をいなし、カウンターの右を打つ、それをおっさんは無理矢理体を回すことでかわした。
結構良いタイミングだと思ったんだけどな。
だが、俺の攻撃は終わっていない、足元か疎かになっているおっさんに足払いを決め、倒れた所に鉄拳を振り下ろす。
転がりながらかわしたおっさんは俺から距離をとり、立て直す。
「ははっ! 本当にゴーレムかよ、前の奴なら俺の攻撃を受けきった後の反撃だったんだがな!」
「そうしても良いが体の慣れが必要なんでな」
「まだまだ行くぜ!」
先程と同様に拳を振るう、なんだ、学習しないのか? そんなわけないか。
おっさんの拳はフェイクだった、本命は拳を引っ込めた後の捻りを生かした左足の蹴り。
それを右手で掴み取り、俺はおっさんを持ち上げる……のは無理だったのだそのまま振り回すことにした。
ハンマー投げの要領で回りに上空に投げる、落ちるまで放置。
ふむ、力は落ちているか、それは無駄な部分を削ったからだろう、その代わりに速く走れるかもしれないな。
何とか立て直したおっさんたが、落下の威力が強かったのか戦闘不能までもう一歩と言うところか。
「やるじゃねぇか、これならどうだぁ!」
そろそろ良いか、おっさんの最後の一撃とばかりに打ち込んでくる腕をはたき落とし、返す手で顎を殴り付ける。
多分その時点で意識はないだろうな。
空中で受け身もとらずに頭から落ちた。
「こんなもんで良いだろう」
「ゴーレムさん、こんなに強かったんですか!」
「まぁ、仮にも肉弾戦で角を倒したんだ、君はゴーレム君と言うことで」
認め方が雑すぎやしないか?
まぁ、認めると言うんだから良いだろう。
「さて、じゃあ、説明してくれるよね?」
「そうだな、必要だろうな」
全員で祠の前に集まり、座りながら話す。
女冒険者は俺の隣にいる、いい加減離れろ。
因みにおっさんは飛んでいったっきり戻ってこない。
そう思ったらよろよろと弱った様子で戻ってきた、タフな奴である。
俺はここまでの経緯を話した。
人間の持っているスキルについて、スキルが確認できたから試してみたこと、竜巻はおそらくスキルの一端だと言うことを。
狐人間は唖然としていた、コイツは最近驚いてばかりだな。
「スキル……かぁ、私たちはそんなこと知らなかったねぇ」
「割れも知らないな」
「尻尾が知らねぇんじゃ誰も知らねぇだろ」
「なんで魔物さん達は分からないんでしょうね」
「ゴーレム君、良ければ見せてくれないかな、そのスキルの一部を」
「分かった」
俺は立ち上がり、余ってその辺に落ちていた石を使うことにする。
「今から見せるのはこの石を……そうだな、小さな石像にでもしよう」
俺は[物質操作]を使い、小さな人形を作る、モデルは狐人間だ。
製作時間5分だ。
「……どうだ?」
「これは、私かい? 持つ少しカッコいいんじゃないかぁ?」
「安心しろ狐人間、お前はこんなもんだ」
「酷い言いようだねぇ」
寧ろお前が自意識過剰と言いたい所だ。
すると狼が尋ねてくる。
「と言うことはだ、我らにもスキルとやらが存在すると言うことで良いのか?」
「それは、分かりません。私も魔物がスキルに似た能力を所有しているとは聞いたことがありますが、それは魔物の特色では、と言う事になっているので、詳しくは……」
「ふむ、なるほど理解した」
「気になるなら試せば良いんじゃないか?」
「試す?」
「スキルの確認の仕方は『ステータス』と念じれば俺は出たぞ」
それを聞いていた狐人間、おっさん、狼はお互いの顔を見ながら頷き合った。
「「「ステータス」」」
「いや、念じるだけで良いだろ」
とか野暮なこと言ってみるが誰も反応しなかった。
つまらないな。
「……どうなんですかね」
「さぁな、知らん」
「ゴーレムさんってドライなんですね」
狐人間、おっさん、狼は全く動かない。
ステータスが覗けなくて自分がカッコつけたせいで恥ずかしくて動けないのだろうか。
「角、牙、どうだい?」
「うむ、こんなものがあるとは思わなかった」
「あぁ、最初から知ってりゃ俺等もっと強い魔物じゃなかったか?」
「……どうやら見たようだな」
見れたらしい、俺の予想は外れたか。
さて、どんなスキルを持っているのやら。
「まぁ、上手く使えるようになるために内緒さ」
「俺もだ」
「我も」
「なるほど、では俺からのアドバイスをやる。大事なのはイメージだ、あとは考えろ」
「君、喋れるようになって口調がキツくないかいぃ?」
「最初からそうだ」
色んな事で少し疲れているようだな。
今日のところはお開きにした方が良いだろう。
奴らが再び帰ったあと、もう少しスキルの練習をしようと石を拾っていると、女冒険者が俺を呼んだ。
「あの、ゴーレムさん!」
「……なんだ、また回るか?」
「それは嫌です! そんなことじゃないですよ。少し提案です!」
「提案?」
なんの提案だ、生意気にも俺の不利な条件を叩きつける気だろうか。
「……人の住んでいるところに、行ってみませんか!」
「……は?」
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