そのゴーレム、元人間につき
尻尾との再会
森の南側は、かなり危険な場所だった。
所々に爆破装置が有る上に、そこそこ通ってきた道にも関わらず何故か迷う。
「どうなっている?」
「こりゃあ多分尻尾の仕業だな」
「尻尾って誰ウホ?」
「おめえは知らねぇか、妖狐の族長だ」
「ウホ!? この森には妖狐までいるウホか! オーガ、ガケトカゲ、グラスウルフに加えて! かなり異常な森ウホ!」
ガケトカゲはともかくオーガ、妖狐、グラスウルフはめっきり姿を表さないので、絶滅したと言う評価になっている。
実際にはランクが下がっていてそれに気付いていないオーガが調子にのって人里を攻めないように狐人間が出さないようにしたからこの結果になっている。
「異常かどうかは知らねぇが、尻尾の奴、こんなに高度な罠が張れたのか?」
「俺が最初に来たときは罠なんて無かったがな」
たまに穴が空いていたり、地面から縄が出てくるアトラクションは有ったが罠なんて張られていなかった。
妖狐って罠張るんだな。
呆れた目で見てくるおっさん。
こっちを向くな。
等と会話をしているとゴリラの奴が爆破装置を踏んで起爆させてくる。
「す、すまないウホ」
「……気を付けろよ、微妙に危険だぞこの罠」
おっさんが注意を促し再び進む、前方に有る罠を回避するもののゴリラが罠にかかる。
……ふざけているのだろうか。
「わざとじゃないウホ、俺にはちょっと見つけるのが難しい」
こんなに分かりやすいのにか?
「ランドさん良くすいすい行けますよね、私これ見つけるの難しいですよ」
「なに?」
ゴリラもエマも視認しづらいとはどういう事だろうか。
おっさんと狼は軽々と避けている。
ガケトカゲは……うん、起爆しても無事そうだ、こいつは放置で。
「あー、まぁ確かに見つけにくいな、俺は勘でなんとなく分かるが」
「我は森にはない匂いで分かるぞ」
それに加えて付き合い長いから分かるんだろうな。
にしても、なんでこんな罠を仕掛けたんだろうな。
「俺等が出た後に何かあったか?」
「我らはエマ殿からスキルとステータスを聞いたあと、個別に訓練をするためにそれぞれ領地に籠ってそれきりである!」
「1週間ほど顔合わせしてないのか、お前ら毎日会っているもんだと思ってた」
「それはゴーレム殿が来てからだ、実際にはこれくらいである」
俺が来てから話し合うようにちょくちょく集まるって……俺が悪いみたいじゃん。
気のせいだ、俺は悪くないぞ。
つまり、各々がどんな力を持ってるか分からないと言うことか。
エマから聞いた妖狐の情報は拙い子供だましの罠だと聞いたが、これでは子供騙しとは言えないなと思う、爆破なんて子供が考えねぇよ。
ゴリラが度々罠に引っ掛かり、こちらを巻き込みながらも狐人間のいる集落までたどり着くことができた。
広場にはだれもいないと言うことは家の方だろう。
広場を通りすぎて狐人間の家へと向かう事にする。
「ったく、アイツは何がしたいんだか」
「尻尾殿は基本的に楽しければ良いとか思ってるお方だ、これも気まぐれであろうな」
「迷惑な奴だ、また家壊すか」
これは本気で打診するとしよう。
俺たちが家についたとき、全てが燃えていた。
1つ残らず火がたっており、大火事になるところだろう。
「ヤバイですよ! どうするんですかコレ! なんでだれもいないんですか!」
「落ち着け、狐人間はよくやってくれた、弔ってやるのが一番だ、あと火葬が捗る」
いやーラッキーだな、わざわざ火を起こすのも面倒だからな、捗る捗る。
おっさん、狼は平然と、ガケトカゲはボーッとしており、ゴリラは興奮しているのか木の上で枝を揺らしている。
「なんで皆さん……ではないですが、平然としてるんですか!?」
「これは、イタズラだろうな」
「え?」
「よく見ろ、火がついているのは家だけで森には広がっていない、これは狐人間の妖術だな」
それどころか燃えている筈なのに家は崩壊しない辺りはやはり子供騙しレベルだな。
……そろそろ脅してみるか。
「おい、気づいているだろう、あと5秒で出ないなら家を破壊するぞ。2! 1!」
「5から3はどこなのさぁ!」
慌てて燃えてる(嘘)の家から出てくる狐人間。
面白くもないイタズラは止めて欲しいものである。
「おう、尻尾、元気だったか?」
「息災であるか、尻尾殿」
「やぁ、角に牙、相変わらず元気そうだねぇ」
軽く挨拶を済ませている狐人間達、そしてため息を吐くとこちらへと向かってくる。
「所で、また誰か増えたようだけど? どう言うことだい?」
「今更どうでも良くないか?」
「そう言う訳にはいかな……」
「ウホォ! これが妖狐ウホか! 初めましてウホ!」
こちらの会話を遮ってゴリラが狐人間に抱きつく、俺の目の前から一瞬で消えていった。
……祠に戻るか。
「ちょ! ちょっと! ゴーレム君!? どう言うことだい? 説明しておくれよぉ!」
何か言ってるが聞こえないな、ゴリラがさんざん起爆したせいで耳がおかしくなったのかもしれない、帰って休まなきゃな。
「ん? ゴーレム、帰るのか?」
「そうだな、面倒だし今日は疲れたからな、また明日だ」
実際には体力的に疲れてはいないんだが、精神的に疲れた、ちょっと今はコイツらの相手をする余裕はない、ここ暫く騒々しかったからな、静かにしていたい。
俺がその場から立ち去ろうとするとエマも後ろから着いてくる。
「私も疲れましたし、帰ります!」
そう言って俺の背中に飛び込んでくる。
重さはないのだが如何せん、歩き辛いので止めてほしい。
「良いじゃないですかケチ」
「……はぁ、わかったよ」
俺はエマをおぶりながら今日は休むことにした。
所々に爆破装置が有る上に、そこそこ通ってきた道にも関わらず何故か迷う。
「どうなっている?」
「こりゃあ多分尻尾の仕業だな」
「尻尾って誰ウホ?」
「おめえは知らねぇか、妖狐の族長だ」
「ウホ!? この森には妖狐までいるウホか! オーガ、ガケトカゲ、グラスウルフに加えて! かなり異常な森ウホ!」
ガケトカゲはともかくオーガ、妖狐、グラスウルフはめっきり姿を表さないので、絶滅したと言う評価になっている。
実際にはランクが下がっていてそれに気付いていないオーガが調子にのって人里を攻めないように狐人間が出さないようにしたからこの結果になっている。
「異常かどうかは知らねぇが、尻尾の奴、こんなに高度な罠が張れたのか?」
「俺が最初に来たときは罠なんて無かったがな」
たまに穴が空いていたり、地面から縄が出てくるアトラクションは有ったが罠なんて張られていなかった。
妖狐って罠張るんだな。
呆れた目で見てくるおっさん。
こっちを向くな。
等と会話をしているとゴリラの奴が爆破装置を踏んで起爆させてくる。
「す、すまないウホ」
「……気を付けろよ、微妙に危険だぞこの罠」
おっさんが注意を促し再び進む、前方に有る罠を回避するもののゴリラが罠にかかる。
……ふざけているのだろうか。
「わざとじゃないウホ、俺にはちょっと見つけるのが難しい」
こんなに分かりやすいのにか?
「ランドさん良くすいすい行けますよね、私これ見つけるの難しいですよ」
「なに?」
ゴリラもエマも視認しづらいとはどういう事だろうか。
おっさんと狼は軽々と避けている。
ガケトカゲは……うん、起爆しても無事そうだ、こいつは放置で。
「あー、まぁ確かに見つけにくいな、俺は勘でなんとなく分かるが」
「我は森にはない匂いで分かるぞ」
それに加えて付き合い長いから分かるんだろうな。
にしても、なんでこんな罠を仕掛けたんだろうな。
「俺等が出た後に何かあったか?」
「我らはエマ殿からスキルとステータスを聞いたあと、個別に訓練をするためにそれぞれ領地に籠ってそれきりである!」
「1週間ほど顔合わせしてないのか、お前ら毎日会っているもんだと思ってた」
「それはゴーレム殿が来てからだ、実際にはこれくらいである」
俺が来てから話し合うようにちょくちょく集まるって……俺が悪いみたいじゃん。
気のせいだ、俺は悪くないぞ。
つまり、各々がどんな力を持ってるか分からないと言うことか。
エマから聞いた妖狐の情報は拙い子供だましの罠だと聞いたが、これでは子供騙しとは言えないなと思う、爆破なんて子供が考えねぇよ。
ゴリラが度々罠に引っ掛かり、こちらを巻き込みながらも狐人間のいる集落までたどり着くことができた。
広場にはだれもいないと言うことは家の方だろう。
広場を通りすぎて狐人間の家へと向かう事にする。
「ったく、アイツは何がしたいんだか」
「尻尾殿は基本的に楽しければ良いとか思ってるお方だ、これも気まぐれであろうな」
「迷惑な奴だ、また家壊すか」
これは本気で打診するとしよう。
俺たちが家についたとき、全てが燃えていた。
1つ残らず火がたっており、大火事になるところだろう。
「ヤバイですよ! どうするんですかコレ! なんでだれもいないんですか!」
「落ち着け、狐人間はよくやってくれた、弔ってやるのが一番だ、あと火葬が捗る」
いやーラッキーだな、わざわざ火を起こすのも面倒だからな、捗る捗る。
おっさん、狼は平然と、ガケトカゲはボーッとしており、ゴリラは興奮しているのか木の上で枝を揺らしている。
「なんで皆さん……ではないですが、平然としてるんですか!?」
「これは、イタズラだろうな」
「え?」
「よく見ろ、火がついているのは家だけで森には広がっていない、これは狐人間の妖術だな」
それどころか燃えている筈なのに家は崩壊しない辺りはやはり子供騙しレベルだな。
……そろそろ脅してみるか。
「おい、気づいているだろう、あと5秒で出ないなら家を破壊するぞ。2! 1!」
「5から3はどこなのさぁ!」
慌てて燃えてる(嘘)の家から出てくる狐人間。
面白くもないイタズラは止めて欲しいものである。
「おう、尻尾、元気だったか?」
「息災であるか、尻尾殿」
「やぁ、角に牙、相変わらず元気そうだねぇ」
軽く挨拶を済ませている狐人間達、そしてため息を吐くとこちらへと向かってくる。
「所で、また誰か増えたようだけど? どう言うことだい?」
「今更どうでも良くないか?」
「そう言う訳にはいかな……」
「ウホォ! これが妖狐ウホか! 初めましてウホ!」
こちらの会話を遮ってゴリラが狐人間に抱きつく、俺の目の前から一瞬で消えていった。
……祠に戻るか。
「ちょ! ちょっと! ゴーレム君!? どう言うことだい? 説明しておくれよぉ!」
何か言ってるが聞こえないな、ゴリラがさんざん起爆したせいで耳がおかしくなったのかもしれない、帰って休まなきゃな。
「ん? ゴーレム、帰るのか?」
「そうだな、面倒だし今日は疲れたからな、また明日だ」
実際には体力的に疲れてはいないんだが、精神的に疲れた、ちょっと今はコイツらの相手をする余裕はない、ここ暫く騒々しかったからな、静かにしていたい。
俺がその場から立ち去ろうとするとエマも後ろから着いてくる。
「私も疲れましたし、帰ります!」
そう言って俺の背中に飛び込んでくる。
重さはないのだが如何せん、歩き辛いので止めてほしい。
「良いじゃないですかケチ」
「……はぁ、わかったよ」
俺はエマをおぶりながら今日は休むことにした。
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