そのゴーレム、元人間につき
最後の挑戦者3
グラスウルフ達は封じることができたが、問題は俺の土の拘束を対処したゴリラ、まだまだ余裕があるガケトカゲ、何をするのか読めない狼と、正直全く進展がない。
どうしたものか。
3匹に囲まれ、いつどこから攻撃が来るかと思うが、なんとなく狼からの攻撃はないと思う。
根拠は先程から何もしてこないと言うことだけだが、微妙に確信がある。
今はゴリラとガケトカゲに意識を置くが万が一があるので、記憶の隅に留めておくことを忘れない。
ゴリラは状況としては、今はパワーで押してきており、木を使った変幻自在の攻撃をしてこない、これは恐らく周りに自分以外に味方がいるからだろう。
つまり先にガケトカゲ等を倒してしまうとそう言う攻撃を仕掛けてくる可能性がある、だから先にゴリラを倒すべきだろう。
幸いガケトカゲの速度は遅い、俺がゴリラへと側近するのに間に合うことは無いだろう、ちゃんと警戒をしておけばガケトカゲに対処はできると思う。
さっさと行動に出るとしよう、先手必勝、汚いことしてでも勝てってな。
何が汚いとかわからんけどな。
ゴリラへと突っ込む俺を迎撃しようとゴリラが腕を振おうとする、基本的に大振りが多いので、軌道とタイミングは読める。
しゃがみながら進むことで攻撃を避け、切り返される前に更に踏み込む、脇腹を目掛けて拳を叩き込む、ここで大事なのは吹き飛ばさない事、距離を空けてしまうと立て直され、邪魔が入るかもしれないので連撃を繰り出す。
力はゴリラの方が素の状態なら上かも知れないが速度ならこちらは負けん。
『付与』を使えばもっと楽になると思うがあくまでも『物質操作』で乗りきってみたいのだ、殴っている間にも少しずつ自分の拳に石や土等でコーティング、尖らせたりしてダメージの与えかたを変えたりしている。
あまり鋭くするとうっかり深く突き刺してしまいそうなのでそこはちょっと気を付ける。
そもそもこの森、回復できるような能力を持ってる奴がいない、そもそもそんなやついるのだろうか。
戦いとは言え、貴重な戦力に代わりない、そもそも俺が動きたくないから連れてきたのだ、こんなところで死なれては困ると言うものだ。
……ずっと殴りっぱなしだからか、いつの間にかゴリラの抵抗が無くなっている、どうやら気絶したらしいな。
攻撃を止めるとその場で崩れ落ちた、やり過ぎたかな……気にしていては仕方ない、次だ。
俺が殴り続けている間もガケトカゲは接近はしていたものの、その最大の攻撃である尻尾を俺がゴリラとかなり接近しているせいで叩き込むのに躊躇っていた様だ、牽制程度で使えばそれなりな事ができたと思うんだがな。
そこはまだまだなのかな、まぁ、自分でなんとかしてほしい。
さて、狼、何も仕掛けてこない。
戦うつもりは最初から無いと言うのだろうか、なら何で挑んできた? ……ガケトカゲを倒せば分かるだろうか。
「今だべ!」
「よっと」
ゴリラから離れた俺に尻尾を振るうガケトカゲだが、別に警戒を怠っていた訳じゃないので避ける。
……ガケトカゲも戦いは多少上手くなったか、何かしらスキルを持っているのだろうが、どうなんだろうか、ゴリラは封じる為にやらせなかったがこいつは幾らでも機会はあった筈だが。
それに以前吹き飛ばす事が出来たし、今回も油断しなければいけるだろう。
走り回りながら周りの土を集めていき、十数個程の土塊をぶつけていく。
「いでででで!」
……ふふふ、先端を尖らして針のごとく刺さるからな、ガケトカゲの鱗の隙間を狙えばそこそこダメージが蓄積されるだろう。
殆どは失敗してるんだけどな、緻密な操作はかなり難しい。
これは夜にできる課題が見つかったな、頑張るとしよう。
これは嫌がらせ程度にしかなっていないが、牽制位にはなっているとは思う。
現に痛がっている訳だし。
今の内に行動しよう、落ちたりまだ使われていない土は沢山ある、ここは前回ぶっ飛ばした腕をでかくして殴る方法をとるとしよう。
「やっと来たべな! 今度は簡単には行かねぇべ!」
「ほう、やってみろ」
巨大化させた右腕とガケトカゲの尻尾が正面からぶつかり、拮抗する。
ちっ、互角か。
だが、アドバンテージが違う、ガケトカゲが尻尾1つしかないのに比べこっちは左腕だって有るのだ。
「嘘!? 卑怯だべへぇ!」
ガケトカゲは俺の用意していた左腕により倒れる。
こちとら最初から真剣勝負なんてするつもりは無かったのだ。
右腕を用意している間にも左腕にも仕込んでおいた、大きさは変わらないんだから気づくと思ったんだけどな。
これでガケトカゲもあっさりと倒すことが出来た、俺の最初の苦労を返して欲しい。
さて、残ったのは狼だけ、他のグラスウルフは半分程は拘束しているが残りの半分も大して驚異にはならないだろう。
拘束を免れているグラスウルフ達は俺を警戒し、いつでも動けるように待機している。
俺もいつでも拘束出来るように不馴れながらも土塊をぶつける準備はする。
「ここまでだ!」
突然狼が吠え、他のグラスウルフは止まる。
は? 正直困惑だ、ここまでだと? 俺が優勢だが勝った訳ではない、いや戦いが終わるならそれで良いが、タイミングだ。
何故このタイミングで終わる? そもそも何故終わることにした?
「どういう事だ?」
「うむ、正直に言うと我自身は能力の関係上ゴーレム殿には勝てないと最初から分かっていたからな、我が試したかった事はゴーレム殿相手にグラスウルフの連携で如何に戦えるかを試したかった」
人を連携の実験台にしたと言うことか、ならゴリラとガケトカゲは?
「あれは偶然だ、ゴーレム殿が来ると言ったらリベンジ! と意気込んでいたぞ」
「なんとも迷惑な話だ」
「それよりもこちらの弱点もわかった、本日は感謝する、ゴーレム殿」
まんまと乗せられた感じか、癪に触るな。
「まぁいい、それよりも俺の名前はランドだ改めてよろしく、狼」
「我の名は牙だ、ちゃんと呼ぶことを進める、改めてよろしく頼むランド殿」
ふぅ、これでやっとリベンジ戦は終わりだろう。
ようやくゆっくり出来るかもしれないな。
どうしたものか。
3匹に囲まれ、いつどこから攻撃が来るかと思うが、なんとなく狼からの攻撃はないと思う。
根拠は先程から何もしてこないと言うことだけだが、微妙に確信がある。
今はゴリラとガケトカゲに意識を置くが万が一があるので、記憶の隅に留めておくことを忘れない。
ゴリラは状況としては、今はパワーで押してきており、木を使った変幻自在の攻撃をしてこない、これは恐らく周りに自分以外に味方がいるからだろう。
つまり先にガケトカゲ等を倒してしまうとそう言う攻撃を仕掛けてくる可能性がある、だから先にゴリラを倒すべきだろう。
幸いガケトカゲの速度は遅い、俺がゴリラへと側近するのに間に合うことは無いだろう、ちゃんと警戒をしておけばガケトカゲに対処はできると思う。
さっさと行動に出るとしよう、先手必勝、汚いことしてでも勝てってな。
何が汚いとかわからんけどな。
ゴリラへと突っ込む俺を迎撃しようとゴリラが腕を振おうとする、基本的に大振りが多いので、軌道とタイミングは読める。
しゃがみながら進むことで攻撃を避け、切り返される前に更に踏み込む、脇腹を目掛けて拳を叩き込む、ここで大事なのは吹き飛ばさない事、距離を空けてしまうと立て直され、邪魔が入るかもしれないので連撃を繰り出す。
力はゴリラの方が素の状態なら上かも知れないが速度ならこちらは負けん。
『付与』を使えばもっと楽になると思うがあくまでも『物質操作』で乗りきってみたいのだ、殴っている間にも少しずつ自分の拳に石や土等でコーティング、尖らせたりしてダメージの与えかたを変えたりしている。
あまり鋭くするとうっかり深く突き刺してしまいそうなのでそこはちょっと気を付ける。
そもそもこの森、回復できるような能力を持ってる奴がいない、そもそもそんなやついるのだろうか。
戦いとは言え、貴重な戦力に代わりない、そもそも俺が動きたくないから連れてきたのだ、こんなところで死なれては困ると言うものだ。
……ずっと殴りっぱなしだからか、いつの間にかゴリラの抵抗が無くなっている、どうやら気絶したらしいな。
攻撃を止めるとその場で崩れ落ちた、やり過ぎたかな……気にしていては仕方ない、次だ。
俺が殴り続けている間もガケトカゲは接近はしていたものの、その最大の攻撃である尻尾を俺がゴリラとかなり接近しているせいで叩き込むのに躊躇っていた様だ、牽制程度で使えばそれなりな事ができたと思うんだがな。
そこはまだまだなのかな、まぁ、自分でなんとかしてほしい。
さて、狼、何も仕掛けてこない。
戦うつもりは最初から無いと言うのだろうか、なら何で挑んできた? ……ガケトカゲを倒せば分かるだろうか。
「今だべ!」
「よっと」
ゴリラから離れた俺に尻尾を振るうガケトカゲだが、別に警戒を怠っていた訳じゃないので避ける。
……ガケトカゲも戦いは多少上手くなったか、何かしらスキルを持っているのだろうが、どうなんだろうか、ゴリラは封じる為にやらせなかったがこいつは幾らでも機会はあった筈だが。
それに以前吹き飛ばす事が出来たし、今回も油断しなければいけるだろう。
走り回りながら周りの土を集めていき、十数個程の土塊をぶつけていく。
「いでででで!」
……ふふふ、先端を尖らして針のごとく刺さるからな、ガケトカゲの鱗の隙間を狙えばそこそこダメージが蓄積されるだろう。
殆どは失敗してるんだけどな、緻密な操作はかなり難しい。
これは夜にできる課題が見つかったな、頑張るとしよう。
これは嫌がらせ程度にしかなっていないが、牽制位にはなっているとは思う。
現に痛がっている訳だし。
今の内に行動しよう、落ちたりまだ使われていない土は沢山ある、ここは前回ぶっ飛ばした腕をでかくして殴る方法をとるとしよう。
「やっと来たべな! 今度は簡単には行かねぇべ!」
「ほう、やってみろ」
巨大化させた右腕とガケトカゲの尻尾が正面からぶつかり、拮抗する。
ちっ、互角か。
だが、アドバンテージが違う、ガケトカゲが尻尾1つしかないのに比べこっちは左腕だって有るのだ。
「嘘!? 卑怯だべへぇ!」
ガケトカゲは俺の用意していた左腕により倒れる。
こちとら最初から真剣勝負なんてするつもりは無かったのだ。
右腕を用意している間にも左腕にも仕込んでおいた、大きさは変わらないんだから気づくと思ったんだけどな。
これでガケトカゲもあっさりと倒すことが出来た、俺の最初の苦労を返して欲しい。
さて、残ったのは狼だけ、他のグラスウルフは半分程は拘束しているが残りの半分も大して驚異にはならないだろう。
拘束を免れているグラスウルフ達は俺を警戒し、いつでも動けるように待機している。
俺もいつでも拘束出来るように不馴れながらも土塊をぶつける準備はする。
「ここまでだ!」
突然狼が吠え、他のグラスウルフは止まる。
は? 正直困惑だ、ここまでだと? 俺が優勢だが勝った訳ではない、いや戦いが終わるならそれで良いが、タイミングだ。
何故このタイミングで終わる? そもそも何故終わることにした?
「どういう事だ?」
「うむ、正直に言うと我自身は能力の関係上ゴーレム殿には勝てないと最初から分かっていたからな、我が試したかった事はゴーレム殿相手にグラスウルフの連携で如何に戦えるかを試したかった」
人を連携の実験台にしたと言うことか、ならゴリラとガケトカゲは?
「あれは偶然だ、ゴーレム殿が来ると言ったらリベンジ! と意気込んでいたぞ」
「なんとも迷惑な話だ」
「それよりもこちらの弱点もわかった、本日は感謝する、ゴーレム殿」
まんまと乗せられた感じか、癪に触るな。
「まぁいい、それよりも俺の名前はランドだ改めてよろしく、狼」
「我の名は牙だ、ちゃんと呼ぶことを進める、改めてよろしく頼むランド殿」
ふぅ、これでやっとリベンジ戦は終わりだろう。
ようやくゆっくり出来るかもしれないな。
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