そのゴーレム、元人間につき

ノベルバユーザー168814

弟子とな?2

 そんなこんなで弟子っぽい何かをとった俺は現在、無駄に広い孤児院の敷地を走り回っている。

 なぜかと言われるとだな。

 「ランドさん! いい加減に捕まってくださいよ!」
 「何を言っている、捕まったら死ぬじゃないか」
 「そんな頑丈な体で私の刃が通るわけ無いじゃないですか!」
 「いや、何故か知らないが食らってはいけないと言う謎の勘が働いている」

 後な、例え効かないにしても心臓に悪いんだよ。わかる? 目の前に刃物突きつけられるそんな俺の気持ちが。

 精神的な者は静かに暮らしてなきゃ回復しないんだよ、気分的に、だから食らいたくないよね。

 「それより、そろそろフィル少年達に話の続きをしたいんだが」
 「止まれば終わりますよ?」
 「俺の人生がな」

 なお、現在進行形で逃げ回っている。
 俺は無尽蔵だがおかしいな、エマって普通の人間な筈。どうしてここまで走り回れるんだ。

 「やっぱり魔物と言う懸念は当たりか」
 「やっぱりぶっ殺します」

 いい加減飽きてきたぞ走り回るのは。

 「ちょっと! 終わりにしなさいよ!」

 俺とエマの丁度間に一人の女の子が割り込んできた。
 確か、フィル少年と同い年の上から目線ちゃんだったか。

 「いい加減私達をどうするのかの話が大事なの! お姉ちゃんは少し我慢してて!」
 「ア、ハイ」

 流石のエマもちょっと圧された。

 確かに子供じゃついてくるのに厳しい速度出してたのに綺麗に間に入られたからな。俺も流石に驚いたぞ。

 「ほら! 師匠もこっちに来なさい!」
 「ア、ハイ」

 ほら口調がうつったじゃないか。
 凄いねこの娘、俺ってば多分大人だよ? いやー大人顔負けだよね。
 いや、よくよく考えたら俺目覚めて半年以上しか経ってないし大人なのだろうか。



 「はい、と言うわけで冒険者志望の諸君。君達はまだまだ、子供です。いや割り込まれた時はビックリしたよ? でもさ、結局それだけだし基礎的な体力面は年相応だからね。決して言い訳とかささやかな反撃とかじゃないからその辺注意するように」
 「師匠何言ってるか全然わかんねぇよ!」
 「結局私達はどうしたら良いのよ! 冒険者にはなりたいけど技術とか知識なんて分からないわよ!」

 おっと、まだ子供には早すぎたお話だったかな。

 「言っておくが俺は長く冒険者をやってる訳じゃないしむしろ登録して二月位しか経っていない。教えられることなんて殆ど無いと思うぞ」
 「常識の辺りは自分達で勉強してみるから、師匠は戦闘を教えて!」
 「師匠は常識とか考えてなさそうだから期待なんて端からしてないわよ」

 ……泣きそう。
 俺はそこまで常識外な行動をした事ないんだがな。

 「それにしても師匠、何なのさあの速さは、お姉ちゃんもそうだけどあんなのBランク冒険者のダガシカシさんでも出せないぜ!?」
 「私が見てきたなかでは最速よ」

 結構な速度出しちゃったからな、いやでも、ダガシカシも頑張ればいけると思うんだよな、ほらアレおっさんじゃん。きっと年齢のせいだと思うわけよ。

 「エマでも出来るからお前達でも大丈夫だと思うぞ。後は頑張ってレベルをあげることだな」
 「マジか、やる気出てきたぜ! な! ピータ、スティーブ!」
 「うん!」
 「当然だ」

 ピータ……栗毛でボサボサの小さい子か、気が弱そうだが意思は強めって感じだ。
 あとスティーブ、年長組だな、背丈はフィルより高めで落ち着いた金髪。冷静そうだな。

 「ふん! エマのお姉ちゃんでも出来るなら私達も出来るわよ。ねぇ? ユン、リズ?」
 「もっちろん!」
 「全力は尽くしますよ、アルカ」

 あの上から目線少女はアルカって言うんだ~へぇー。
 ユンはピータと同い年位の女の子だな。空色の噛みにツインテールと普通にかわいいと言う印象。
 そしてリズ、アルカの友人の同い年か、こっちも冷静に物事を運びそうだよね。髪はセミロングの茶髪だ。

 1つだけ思ったことは全員が年が近い幼なじみの集団だな。
 これは拗れるぞぉ、何がかは分からないが。

 「基礎の訓練はエマから習ってくれ。アイツは俺が気づいていないとでも思ってるのか知らんがこっそり訓練をしてあの速さだ。お前達にもちゃんと考えた訓練が出来る筈だ」
 「「「はい! 師匠」」」
 「そこ、師匠じゃありません」
 「それで? 師匠は私達に何を教えてくれるの? 今のところ押し付けてるだけよ?」

 アルカが髪を弄りながら俺に疑わしい視線を向けてそう述べてくる。

 「俺は主に模擬戦とお前達のスタイルに合わせた訓練と言う所かな」
 「スタイル?」
 「当たり前だ、お前達全員が全員剣と盾を持って戦うなんてしないだろ? それに魔法を使えるスキルとか持ってるのもいるかもしれないし」

 全員が剣と盾もって襲いかかってくるとかかなり恐怖だぞ、あと冒険者として活動するんだから役割分担は必要なわけで、コイツら全員が脳筋とかならお手上げだけど見た感じスタイルが被りそうには無いのよ。
 多分安心出来るだろう。
 それよりもコイツらに武器を調達しなきゃならない問題ができた。
 買うのは勿体無いので、武器屋でどんな種類の物が有るかを一通りみてから自作します。
 『物質操作』便利である。

 「一先ず俺は武器を用意するからお前達はエマに押し掛けて訓練してもらってくれ。大丈夫だ、訳を話さなくても何だかんだでやってくれるから」
 「師匠、あなたそんな態度だからエマのお姉ちゃんに怒られるのよ」

 ごもっともな意見だ。
 ……機嫌をとらなきゃ行けないだろうか、取り敢えず何か良いものが無いか序でに見るとしよう。

 「じゃあ、行ってくるから。七三貴族には気を付けろよ」
 「師匠! 俺にも武器くれよ!?」
 「木剣があるだろ。まぁ一応用意はする」
 「やったぜ!」

 俺は武器屋へと歩いていると思ったんだが、七三貴族は序でに対処するかなと言う優先順位になっているような気がする。
 ……取り敢えず対策くらいは練っておくとするかな、出来ることが有るかは分かんないが。

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