十勝晴れ

August

3

アスパラガスが昔から好きで、土地の多くを割いて生産している。
 アスパラガスの栽培は家庭でもできる簡単なことだ。
 ただアスパラガスにはアレロパシー効果があり、連作障害が起こる。同じ土地で生産を続けると劣化してしまうのだ。新しく植えられる土地があればいいのだが、土壌や水源の条件が良い場所は限られている。
 帯広畜産大学や試験場と協力して、劣化を防ぐ栽培方法を考えて来た。
 手間はかかるが、前より美味しく育てられている。売る値段を上げることは難しいからしないが、趣味というか、なんとなく美味しくしたいと思ったから努力してみた。
 母方の祖父は秋田の米農家で、高く売れない米を丁寧に育てていた。
 骨折り損のくたびれ儲けと言われたらそんな気もするが、そういう問題ではないと思っている。
 自分の土地には、自信の持てる作物があってほしい。
 風呂に入って足先まで洗うのが面倒でなおざりにしていると、そのうちいずくなる(気持ち悪くなるという意味だ)。手間を省いて栽培をしているとそんな感覚になるのだ。
 坊ずたちはアスパラは好きではないようだ。食べ物の好き嫌いはいけないから残さず食べさせる。
 幼馴染の二郎が豚の生産をしているが、近く工場を建てて加工品の製造も始めるようだ。うまいベーコンと一緒にアスパラを食べたら、きっと坊ずたちも好きになるだろう。

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