TS転生は強制的に

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一話~ボクとエロ餓鬼ことマイク君と救世主ことナタリー~



 ボクは今、アルフィールと言う世界に住んでいる。理由は神と名乗る幼女に誘拐されたからだ。
 この世界には地球とは全く違う事が有り、獣人、魔族、エルフ、人族と言う風に人型の生命体が複数個ある。
 そして特筆すべき点は、魔法と言う概念が存在すると言う事だ。

 文化的には魔法があるため、科学の前身でもある錬金術が少しだけあるだけで、電気とかそう言う物は全く存在しない。
 つまりは変なところで便利な中世と言う事だ。詳しく言うと中世ヨーロッパに近い。
 身分制度も中世ヨーロッパに限りなく近く、ボクが転生させられた、アルト王国は名の通り王制で王族、貴族、平民、奴隷。と言う様な身分制度になっている。

 ただ、この世界には、奴隷には基本的人権は無い訳ではない。
 基本的な生命の保護や食事、衣生活の提供を奴隷を雇う側の人間に求める、と言う様なシステムになっている。
 まあ、これは借金で奴隷となってしまった場合で、犯罪奴隷は鉱山での強制労働等はある。

 だから、借金で奴隷になった人間は殆ど低賃金労働者とあまり変わりが無い。利点としては利益を横領できないと言ったことがある。
 だから殆どの小売店の労働者は奴隷だ。

 勿論、ムフフな事を奴隷に強制させることも禁止になっている。そんな事をした人は犯罪者になる。
 と言うかそんな事を想像した人は自首してもらいたい。と言うか投獄されろ。

 この世界の説明はこれ位にしておこう。
 次は今のボクについてだ。

 さっき書いた通り、ボクはこの世界に三つあるうちの一つ、アルテナ大陸にある小国、アルト王国に生まれた。
 転生者は優遇されて貴族に……と言う風なラノベもあるが、ボクの場合は何も優遇されず、小さな男爵領の小さな村に、村人の子として生まれた。
 性別はね……残念な事にアルテナが最後ら辺に言っていた「女にしてやる!」と言う事で女になっていた。容姿は、赤い髪の毛をした活発系の女の子と言った感じだ。

 そして、今ボクは、前世で言う第二成長期みたいな奴に入っている。それはつまり身体の成長があるり、男女の違いが明確化する時期だ。ボクもとても悩まされた。

 つまり、ボクが言いたいことは、胸とかそう言う所が成長してくると言う事だ。……ま、まあ、ボクだって元思春期の男の子なのだ。だからそう言う様な邪な考えをする事だってある。
 それに、女に生まれ変わったのだから、そういうことを少しだけ期待していたのだけれど……ぺったんこって、ボクの女バージョンはナチュラルに胸が育たない体質とか、少しだけ悲しく感じるよ。
 こ、これはきっとアルテナの陰謀だ! そう考えておこう。
 まあ、胸が育たなく、そして男だった時にすごく可愛らしい容姿だったので、一瞬だけ格好いい女になるかと思ったことは有ったけど……そういう事は全くなかったね。

「ライムー、ごはんできたよ」
「はぁい!」

 どうやら朝ごはんみたいだから、話はあとにしよう!



~~~~~~~~~~



「おい、ぺちゃぱい、いるか?」
「誰がぺちゃぱいだ! この野郎!」

 この世界でのお母さんが作ってくれた朝食を食べ終わり、今日は何をするかと悩んでいると、唐突に家の外から罵られた。
 この、唐突に今のボクの一番のコンプレックスである胸の事を罵って来た奴の名前はマイク。一言で言うとイケメンだ。

 マイクこと性悪イケメンは、ボクの家の隣に住んでおりここ周辺の殆どの女子たちから好かれていて、ボクの事を良く貶してくる。性格が悪い癖にイケメンでもてるとか……爆発して死んでしまえばいいのに。
 因みにボクはマイク君と呼んでいる。

 ただ、女子たちから褒められ好かれ、まとわりつかれ、そんな風な事が有ったせいか、先ほどの言葉通り、性格が悪い。
 特にボクとかに対しての。……ああ、誤解を生んでるかもしれないから言っておくけど、別にボクはマイク君に纏わり付いたりとかしていないから。同性……男とは付き合いたくはないからね。

「ちょっと相手をしろ、今度こそは勝つぞ」

 そしてボクの事を貶し、満足したのか、今度はマイク君が勝負を仕掛けてきた。
 マイク君の夢は冒険者、もしくは騎士だと言う。子供の時の夢を未だに引きずっている。まあ、現実を見せるような人が周りに居なかったからこんなことになってしまったのだろう。可哀そうに……主に対戦相手をさせられるボクが。

「ちょっと、あのさぁ、ボクは女の子なんだよ? そういう行為は絶対にいけないと思うんだよ!」

 マイク君の言っていた、相手をしろと言う言葉は本当に言葉通り、木刀で戦えと言う物だ。まあ、今まで一度もボクが負けたことがない事が原因かもしれないけれど、やめてもらいたい。
 ボクはまだ嫁ぐ前の乙女なのだ。

「何言ってんだ? いつも俺に楽勝でその後に悪口を滅茶苦茶言っているくせに。今更過ぎるんだよ」
「……」

 しかし、マイク君はボクがただ単に強いと言う事だけで、ボクと言う女の子を攻撃する事を正当化し始めた。
 勿論、こんなことは正当化できるわけがない行動なのだが、周囲の女子たちはマイク君の事をすべて肯定し、両親はボク達はイチャイチャしているように見えているらしく止める人が居ない。……狂ってやがるよ。

「おりゃ! 隙有りぃ!」
「うわぁ!」

 ボクがそんな風に思いながら、余所見していると、木刀を持ったマイク君が襲いかかってきた。本当にマイク君は意味が分からない。これはただの事案だよ。犯罪だよ! 婦女暴行だよ! 糞野郎だよ!
 まあ、そんな事を考えていても反撃はする。と言うか、反撃しないと駄目だろう。少し説教の意味を込めて。

「『破拳』」
「グホッ」

 因みに、説明し忘れたのだが、この世界には魔法と反対の物として武技スキルと言うものがある。まあ、分かりやすく言えば、ゲームの魔法以外の特殊攻撃技と言うような感じのものだ。
 因みに破拳も武技で、武闘士ジョブのスキルらしい。そのジョブには付いていないからきっとアルテナが付けたのだろうけど。

武技スキルを使うのは卑怯だって言っただろうが! ペチャパイがぁ!」
「急に襲ってくるのが悪いんだよ! お仕置きの一環としてやったんだけど……まだ足りなようだね! じゃあ歯を食いしばってね! 『破拳』」

 そんな風に愚かな事を口に出した愚者マイク君に向けて拳を向けたのだが、その拳がマイク君へ放たれることは無かった。
 理由としては、ボクの拳を避けようとしたマイク君がボクの方へ転んで、ボクが押し倒されたからだ。

「ひゃぁぁ! ま、ま、マイク君! 早くそこから顔退けて! ぴゃ、押し付けるなぁ!!」
「なに女見てぇな声出してんだよ」

 ……何をマイク君は言っているんだ、ボクはもう女だ、十五年前くらいから。それよりもだ。マイク君は通常的な感性を持っているのだろうか? 女の子の胸に顔を押し付けるとか、ただの犯罪者だよそれは。……ボクには胸と呼べる程立派なものは無いけど。

「なんだ、顔をあかくして、女子が俺と会話するときになるのと同じだぞ?」
「煩いなぁ! 仕方がないじゃないか! 君は顔だけは良いんだから!」

 本当にマイク君の様な容姿の持ち主にこう言う事をされると、母性本能と言うか、キュンと来ると言うか……と、取り敢えずそう言う事をするのはやめて欲しい。普通に惚れそうになってしまう。

「貴方達何してるのよ?」

 そんな風に思った時、奇跡的に友達のナタリーが現れた。

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