Koloroー私は夜空を知らないー

ノベルバユーザー131094

第六話 世界で一番最強、それはO・BA・TYA・N!!!

教会に戻ると、神父様が心配した様子で駆けよってくれた。
神父様は、裏で仕事をしていたものの、掃除している様子じゃないと不思議に思い様子を見に来たとのこと。
そして仕事部屋から出ると、まだ私達が帰ってきていなかったため心配していたという。ルーノは神父様に私の体調が少し悪くなったのだと告げると私を椅子に座らせ、またバケツに水を汲みに戻ってしまった。
「ルーナちゃんにはこの雪の寒さは耐えられなかったかもねぇ。ほら、緑の街グリーンタウンはもう少し過ごしやすい気温だったろ?」
「あー…はい。最近は片頭痛ないなって安心してたんですけどね」
緑の街グリーンタウンの気温は知らないが、日本とは違いすぎる頭にキンとくる寒さ。どこかじめっとしているのが日本だったが、あまりにも空気が乾いていて寒さが頭まで響く。鼻の奥までツンとくる寒さだ。慣れない生活のせいか早くも体に不調が出たらしい。…この世界では悩まされなくて済むかもしれないと喜んでいたのに…。
そんなことを考えて頭を悩ませている私を見て、神父様は私の頭に少し強く手を置いた。そのままワシャワシャと髪がぐちゃぐちゃになりそうなくらい撫でられた。
「体が弱いっていうのは、ルーノくんから聞いていたけど暮らす場所が変わったのだって環境の変化でしんどいはずなのに、この寒さ、久々にった兄との同居生活。しばらくなかったとはいえ、体は素直だからね。完全に倒れる前に気づけてよかったよ」
神父様のほうを見ると、彼はいい笑顔で笑った。うん、イケおじ。
「落ち着いてからルーノくんの仕事手伝えばいいから。もう少しここで休んでなさい」
彼が神父様と呼ばれるのは、中身もイケおじだからだと確信した。
私はこの人達の優しさに、甘えてもいいのだろうか…。
ルーノが戻ってくるまで神父様は隣にいてくれる様子だが、なんだか手伝いに来た私が完全にお荷物になっているようで恥ずかしいやら自分に苛立つやら…。

「君のせいで仕事ができなかった」「君は体調管理もできないのか」…なんて絶対に言う【あの人達】が、ルーノと神父様を見たら、なんて言うのだろうか。
絶対的な優しさなんてない。善意だけなんてありえない。
そう言って、優しさに甘えようとしている私を「怠け者」だと笑うのだろうか。
「自分」が一番大事で「他人」はどうでもよくて、それが「先生」と「生徒」の関係であっても「先生」は一番「自分の立場」が大事なのだ。
また、頭がズキリと痛んだ。過去のことに囚われていても仕方ないと思うのだが、思っていたより私はうらみを忘れられない人間らしい。占いでは忘れっぽいと書かれていたが、絶対あれは嘘だ。私は小さい頃からの思い出をその時の「感情」まで忘れることができないでいる。さらに、自分に関しては圧倒的記憶力を持っているの人間なのだから。

ごめんなさい先生。やっぱり私、この世界でもあなたのことを許せない。

「あ、ルーノくん、おかえりー」
「ルーノっ!」
ヘラヘラと笑ってルーノに手を振る神父様を無視し、バケツを近くに置くと私に視線を合わすように屈んで彼は尋ねてきた。
「ルーナ、体調は?」
「こんな短時間で変わるわけないでしょ、ルーノくん」
「神父様、ルーナに聞いてるんです」
おぅ…ルーノ、神父様になんてことを…。
「大丈夫だよ、ルーノ。今のところ落ち着いてるから…」
「本当に?」
「教会の中、暖かいから、少し落ち着いてきたみたい」
「あまり無理するな」
私の頬をぎゅーっと両手で挟み込んで彼は笑った。外に出てたはずなのに彼の手は温かい。
そうだ!二人にちゃんとお礼を言わなくちゃいけない!
「ルーノ、神父様、心配かけてすみません…」
二人が悲しそうな顔をするが、続きがあるのだ!
「それと!助けてくれて、心配してくれてありがとうございました」
しっかり、お礼を言うのは久々だったため、恥ずかしさが交じって軽く頭を下げる。二人とも嬉しそうに笑った後、神父様は私の肩をギュっと抱き、ルーノは私の頭を撫でた。ちょっとびっくりしたが、嬉しい。そう、私、嬉しい。
「いやぁ、ルーナちゃんやっぱりかわいいね!!こんな娘が欲しいよ!」
「養子には出しませんから」
「知ってる知ってる。そんな優しいお兄ちゃんじゃないもんねぇ」
養子…ってことは、奥様がいる…ってことかな?
「あの、神父様には奥様が…?」
「いるわけない。この人の性格上、遊んではい…」
「ほらもうダメだってそういうの初心うぶな女の子に教えちゃダメだよねぇ、ルーナちゃん!」
「…やっぱりチャラい系イケおじ…」
「え?」
「いや、まあ神父様ですもんね!」
「そうそう、皆の神父様だから!私は!!!」
笑いながら私の肩を引き寄せるので、がくがくと脳みそが揺れて片頭痛と交わり高度なハーモニーを奏で…うぶっ…気持ち悪っ…。
「神父様!!ルーナが死にます!!!!」
「え?あ、えぁ!ごめんごめんつい!どうしようどうしよう死なないよね!?」
あああ騒がないで、片頭痛と揺れと大声がハーモニーを奏ですぎて不協和音になる…。
「神父様落ち着いてください。こんなことで人間は死にません」
「あ、そっか」
パッと神父様に手を離される。それをルーノがしっかりと受け止めてくれた。ナイスぅ…。
「神父様が扱っている薬草に痛み止めと吐き気止めありましたよね?」
「よし、今すぐ持ってこよう。ルーナちゃん待ってて!!」
最初ここに来た時は、大人で冷静なチャラいイケおじかと思ってたけど、思ってたより…いや、かなりファンタスティックに笑って喋って騒ぐイケおじらしい…。
「ルーナ、あの人はああ見えて仕事は完璧なんだ」
「ああ見えて……」
ルーノ。ああ見えてとか言っちゃダメだよ。人間どこで何聞かれてるかわからないからね…。
「この街の神父は医者代わりでね。薬草の調合に魔石ませきの使い方まで完璧。他所から頼ってくる人もいる天才的な人なんだ。…仕事は」
ねぇ、ルーノ、神父様に対して厳しくない?しかし、医者なら片頭痛ぐらいで動揺しないでほしいって気持ちもわかる。
「ルーナちゃぁああん!これこれ!いいのあったよ!!」
「頭に響くと思うので静かにしてください」
「あ、はーい」
ああ、やっぱり少し厳しいくらいでちょうどいい人なのかも。
「はいこれとりあえず飲んで」
神父様の手に握られていたマグカップ。中身はお湯…にしては少し濁っている。
「痛み止めに吐き気止め。それらを調合した薬草を茶葉にして作った特製のお茶だよ」
なるほど。だからこんな濁ってるんですね。っていうか、それ、絶対に美味しくない味…。
「はい、躊躇ちゅうちょしてないで一気に飲む!!!」
「うぐっ」
無理矢理口に突っ込まれて、神父様特製のお茶を飲む。
口に入ってきたお湯が苦いのではと硬く目を瞑ったが、鼻に通るハーブの香り、口に残る優しい甘さ。花畑で淹れた紅茶を優雅に飲んでいるかのような贅沢な味!!
な、何コレ!!ちょう美味しいんですけど!?
「どう?美味しい?」
「美味しいです!!とっても!!美味しい!!」
なんか飲んでるだけで元気が出そうな贅沢な味わい!
「数分して来たら胃から成分が入って体中に周り、痛みも吐き気も消えてくると思うから、もう少しだけ待ってね」
良薬は口に苦し、と言うのだけれど、こんなに美味しいお茶を飲むだけで頭痛が消えるのなら毎朝飲みますよ!私は!!…と言っても、元の世界の薬もそんなに苦かったわけじゃなかったんだけどね…錠剤だし。
「これ、普通に薬草から…?苦いのかと思ってました」
「そうだよねぇ、薬=苦いは基本常識だからねぇ」
彼はうんうんと頷いて薬草茶やくそうちゃー勝手に私が命名したーを飲んでいる私を見て楽しそうに笑った。
「草そのものの苦みや青臭さ、そういうのが嫌われてるんだけど、近年の研究によりそれらを緩和かんわできることが解明されてね」
「なるほど…」
「特に魔石ませきの使い道がどんどん明らかにされて行った現代だからこそできる、ってところかな」
「あの…その魔石ませき…って?」
もしや、この世界では割と当たり前の単語なのだろうか。だとしたら、それについて質問してる私って相当な世間知らずに見えるのでは…いや、世間知らずなんだからしょうがない!!
「ルーナ、魔石ませきは【魔力を持った石】のことだ」
「なるほど…でも、その魔石ませきがどうしてこのお茶に?」
「いい質問だよルーナちゃん!!!」
ガっと顔を近づけようとした神父様の顔をルーノが無理やり止めた。
「近いです…神父様…」
神父様の興奮状態でお話されているのをしばらく聞いていたが、あまりにもテンション高すぎて文章になっていなかったため、ざっくり簡単に神父様の言葉をまとめることにする。

魔石ませき、とはルーノの言った通り魔力を持った石である。
宝石のような美しさを持ちながら、水晶のような透明感、石の見た目だけでも価値が高そうなのだが…それの何がすごいかって、魔石があることによっていろんなものの開発が進んだのだ。
この世界で、【魔力=生命の源】だと考えられている。魔石の研究が進むまで「魔力は人間だけが持つ特別な力」と思われており、魔力を持つ者が魔法を乱用すれば簡単にその人は死ぬし、逆に生まれ持って魔力を持たない人は短命だともいう。
便利なようで、その力の代償は自分自身の寿命だったのだ。
だが、魔石があると話が変わってくる。これは触れるだけでその石から魔力を受け取ることができるため、失った魔力を取り戻すことができる。魔導士の平均寿命が伸びた事例もあったり、魔石に魔法をかけることで魔石の魔力が切れるまで魔法を持続させるという力を持つという。しかし、人よって魔力を持てる器の大きさは生まれ持って決まっているので、運命が決めた寿命が伸びることは無いが。
この雪国で水道が凍ってないのも、貯水タンクや水道管が、ある一定の温度で暖める魔法をかけられている魔石で作られているからだという。そして、薬草茶の何に関係しているかと言うと、乾かした薬草を「臭い、苦みを取る魔法」にかけられた魔石の瓶や箱の中に入れておくと手間暇かけずあっという間に美味しい茶葉の出来上がる、というわけだ。
…正直言って、魔石より、そんな魔法があるんかい!!便利だな!魔法!!って言いたくなる魔法が多かったが、その魔法を遠慮なく使える世の中になったことや、魔石のおかげで魔力が少ない一般市民も平等に同じ力を得たと言われているのだから、やっぱり魔石すごい。
…つまり、スマホができたから、パソコンを持ってない人でも気軽に色んなことができるようになった、みたいな感じ!

だけど、スマホが普及したことによって、新しい犯罪や歩きスマホでの怪我があるように、魔石が広く一般的に使われるようになってから、【正しく使わない人達】によって、新しい犯罪が増えてしまった。
魔石には魔力がある。魔法をかければ魔力が無くなるまで魔法を持続させる。
…その魔法が、もし、攻撃魔法だったらどうなるか、簡単に想像がつく。
攻撃魔法は資格を持った一部の人間のみに教えられる高位の魔法。それを使うだけで沢山の魔力を使うし、色んな人が危険に陥る。今までは自分の命のことも考え、自衛に使うのみだったから、よかったのだが…。
魔石のおかげで短命になる恐れがなくなり、無差別殺人事件、誘拐、人が死ぬ事件が絶えない時期もあったという。
…流石に今は魔石を取り扱う緑の街グリーンタウンの【サティルーソ】の研究員達が目を光らせて管理しているため、落ち着いてきたとは言うが、外が危ないことに変わりはないという。

だが、それも結局のところ元の世界にいれば同じことだったと思う。
元の世界に魔法はないし、魔石もないが、人を殺す道具は沢山あった。どんなに気を付けていても自分より圧倒的に強くて大きな大人だって殺害される事件が多数あったし、自分より小さくて守らなければいけない子達が誘拐され殺された事件もあった。女だってだけで私も連れ去られそうになったこともあった。
…どこの世界にいても、一番恐ろしい生き物は人間だということは、変わらない。
弱肉強食のピラミッド、その天辺てっぺんにいるのは人間なのだから。

「掃除終わったー!!」
「二人だったから早かったな」
「最初、私のせいでタイムロスしちゃったから…終わる時間はルーノ一人でやる時間と同じだったけど…」
「いや?それでも早かったさ」
掃除道具を片付けて、ピカピカになった教会を見る。いつもルーノが掃除しているのだというのもあって、もともと綺麗だったが、さらにピカピカになったのではないでしょうか!!結構頑張ったよ私!!掃除嫌いな私!!!!
とはいえ、まだまだ午前中。これからお昼を食べてもいいのだが、午後からはどうするのだろうか。
「で、これからはどうしたらいいの?」
「そろそろ、いつも昼食を届けてくれる近所の食堂の店主が来る頃だから、彼女が来たら昼食を取ろう。それからはまた休憩してから話すよ…昼食前に疲れることになるから…」
…?もう仕事もないのにどうして疲れるというのだろうか。
「了解!お昼ご飯って言葉聞いたらお腹空いたー…」
「掃除だけでも疲れただろうから、明日はいい感じに筋肉痛になってるよ」
「ひぇ」
「腕も足も使ったからな」
「私ここで働いてたらムキムキになっちゃう…」
「俺を見たらわかるだろ。ムキムキにはならない」
ぷにぷにの腕でない力こぶを作る私をにルーノがすかさずツッコむ。…確かに、ルーノは脂肪もないけど筋肉も最小限しかないように見える。ちゃんと普段からご飯を食べているのだろうか。じーっとルーノを見ている私に流石に恥ずかしくなったのか私の両頬を片手で掴んでむにゅっと挟まれた、その時だった。

バンッ!!!!

凄い音とともに教会の扉が豪快に開いた。
「ボーナンターゴン!!!!いーい天気ねルーノちゃん!!今日の昼食は…っと…お取込み中だったかしら?」
ボーナンターゴン、とはこちらでこんにちわ、と言う意味らしい。
ひへひへいえいえ!!ふぇんふぇん全然!!ひょっとちょっと手をはなひて離してるーほルーノ!!」
ボーナンターゴンこんにちわ、レザンさん。いつも昼食届けに来てくださってありがとうございます」
「あらやだいいのよ別に!!ほら、うちって旦那がいつも他のお客さん相手にしちゃってあたしったら放って置かれてばっかでしょ?そういうのちょっともう疲れちゃったって言うかしんどいっていうか!」
「あの、それ前も聞きまし…」
「だから私もうルーノちゃんの顔見に来るのが最近の癒しっていうか元気の源って言うの?そういう…あんたまだ前髪切ってなかったの!?それもったいないからやめなさいって言ったじゃない!もう!!いい理容師紹介しちゃうからおばちゃん!!…ってあら、そいういえばその小さい女の子誰かしら随分可愛らしい!!」
「ルーナといいま」
「おばちゃんも若い頃はこんなにお肌ピチピチで素敵な頃があったのよ。そういや若いって言えばおばちゃん旦那と出会った時のことなんだけどね」
やばい。この人、何者だ。会話にならないけど!!!!あのルーノでさえ黙っちゃってるよ!!このおばちゃん、実はこの世界のラスボスだったり…。

そこに、仕事部屋の扉がバンッ!!と開く。

ボーナンターゴンこんにちわ、レザン!!!!今日も綺麗だね!!」
「あっらやだボーナンターゴン!!神父様!!いつも通り口がお上手なのねほほほほほ!!やだわ、私ったらまーた自分の世界に入っちゃった」
「そんな君も素敵さ!それで、昼食は何かな?」
「今日の昼食は採れたて旬の野菜を七種類混ぜて炒めたもの、それからほくほくの採れたてジャガイモをバターで皮はパリッ中はホクホクの幸せバタじゃが!それからそれからいい肉が入ったからお・す・そ・わ・け!!ニンニク効かせて焼いたわよ!!」
すごい!!聞いただけでお腹空きそう!!
「ありがとう。お代はいつもの金額で大丈夫かな?」
「もちろんもちろん!ほんとはまけてあげたいんだけど、ほら、うちの旦那ってそう言うことだけには厳しいじゃない?ほんとごめんね神父様!」
「いやいやいいんだよ。いつもうちで薬買っていってくれるじゃないか」
「あらやだそんなの当たり前じゃない!!神父様の薬が一番効くってこの街じゃ常識じゃない?うちの旦那も風邪引いた時は神父様の薬に頼りっぱなしよ!!他所よその街行ったってこんないい医者いないわよ!!ねぇ!?」
突然会話を私とルーノに投げられる。
「「えっと、あの、はい」」
見事にハモった。ハッピーアイスクリーム!ハモった時にこれ先に言った人がアイスクリーム奢ってもらえるからね!今度奢ってよね!なんて心の中だけで喋るがおばちゃんのトークは邪魔できない。
「やだな、嬉しいよ!ルーノくんにルーナちゃん、私照れちゃう」
私達のハモりに嬉しそうに喜ぶ神父様。すると、神父様の言葉を聞いておばちゃんが目を輝かせた。
「あらやだ!この子、ルーナっていうの!?まあ可愛い!!新入りさんかしら?」
「ルーノくんの妹さんらしくてねぇ。急遽こちらに引っ越してきたんだ」
「いやだわルーノちゃんの妹!?どおりで可愛いわけだわ…あらやだ!!私ったら、ちゃんと挨拶しなくてごめんねぇ、あたしはレザン!いつもは食堂で働いててね、あ、食堂って言うのは、あたしの顔が大きく描かれた看板が目印!あたしと旦那の夢の店!!食堂【ボーヴォ】!!この教会の通りにあるちょっと大きめのお店よ!」
今だ!自己紹介のチャンスは今しかない!
「紹介されましたルーナです。これからよろしくお願いしますレザンさん」
やっと会話ができる程度にレザンさんは落ち着いてきた。
「こちらこそ!よろしくね!ルーナちゃん!!それよりあたしこの前旦那にね!?」

愉快ゆかいなおばちゃんが仲間なかまになった
▼おばちゃんは マシンガントーク をした
▼ルーノとルーナはひるんでいる


たしてつぎはなしでもマシンガントークはつづくのか…!?


「ルーノちゃん、だって…ふふっ」
「おい…笑うな」

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