クズで捻くれの自己中心的な青春日記

柏崎 聖

高校生活が幕を開ける

 

 入学式の春。
 期待を胸に、高校の門を潜る。

 無事受験に合格し、今日から高校生。
 受験票忘れて、大惨事だったのは置いておいて……。
 新たな制服に身を包み、3年間通う新たな校舎へと向かう。

 桜が舞い、コンクリートの地面にはたくさんの花びらが落ちている。
 それを面倒くさそうに掃除している事務員の方。
 面倒なら、植えなきゃいいのに……。


 入学式が執り行われる体育館は、とても寒い。
 春とはいえ、冬が明けたばかり。
 そんな寒い空間の中、長い長い話を聞かされる身になって欲しい。
 ってか、教職員も昔は学生だったんだから寒いのが辛いことくらい知ってるでしょ?
 昔は暖房なんて無かったとか言うやつ、現実見ろよ。
 今は今。昔は昔なんだから。
 そんな古臭い概念は、今必要ない。

 ちらっと、在校生に視線を向ける。
 まぁ、中学の入学式を経験してるから分かるけど入学式って在校生にとってはただただ面倒なんだよな……。
 欠伸している生徒とか、寝落ちしている生徒もボチボチいる。
 そんな寝てる暇あれば、勉強しろよ。
 何たってここは、進学校なんだし。


 教室に行き、担任の先生紹介。
 担任は若い女の先生。
 2年めで初めての担任らしい。

 廊下には保護者がたくさんいる。
 そんな保護者の視線を受けているからだろうか……。
 さっきから緊張して同じ事ばっかり言ってるんだけど……。
 顔は真っ赤に染まっている。別に教室は暑くないし、むしろ寒いのにね。
 先生……。
 他のクラスは説明終わって帰り始めているのに、同じ事ばっかり話してないで終わってくれるかな?

 その後、何とか説明を終えた。


 ここで自己紹介。
 俺は、葛川くずかわ 高貴こうき
 名前から、「クズで、自己中心的です」みたいだって?
 俺は、人は平等だと思っている。
 ただ、その中で俺が少し上にいるってだけの事だ。
 別に自分が中心の世界だとは思っていない。

 え?
 それが自己中心的で、クズの考え方?
 仮にそうだとしよう。
 それの何が悪い?
 必ずしも正しいものなんてこの世の中にはない。
 1+1は2ではないと唱える人だっている世の中だ。
 だったら自己中心的で、クズであることが悪いとは限らないだろう?

 まぁ、あくまでも俺が自己中心的でクズだと仮定した時の話だがな。


 経歴を話そう。
 小学、中学と成績優秀。
 スポーツも出来ると、非の打ち所のない完璧な人間。
 小学校では、野球のクラブに。
 中学校では、野球部。
 そして高校でも野球はやるつもりだ。

 春休みに体験の形で、高校の野球部の練習には積極的に参加した。
 この高校の野球部は、人が少ない。
 だが、甲子園に行った経歴のある高校だ。

 俺がこの高校に来た理由の1つに、野球があった。
 簡単にレギュラーになれて、更に強豪ではない所に俺は行きたかった。
 というのも、小学、中学では控え選手。
 運動は出来た方だが、野球が上手いかと言えばそうではなかったからだ。
 そのため、出場機会を求めこの高校に入ったのだ。
 まぁ、強い高校や人の多い高校は練習が辛いからという理由でもあるんだけどね……。
 俺は、面倒事と辛いことは嫌いだ。


 ちなみにポジションは、ピッチャー。
 中学時代のあだ名の1つ、『ブルペンエース』の名を払拭し、本当の『エース』となるべくこれから頑張っていくつもりだ。
 ※『ブルペンエース』が着いた理由は、ほぼ毎試合ブルペンで投げていたからである。


 まぁ、野球のことはこの辺にしておこう。
 次は勉強について。


 勉強は全く問題なかった。
 特に勉強しなくても、それなりに点数は取れた。
 だが、勉強していなかっ訳では無い。
 むしろ逆で、めちゃくちゃ勉強していた。
 勉強するのが楽しすぎて、友達と勉強時間を競ったりしていた。
 多い時は、3週間で100時間以上勉強していた。
 まぁ、その競っていた人は俺より上に行ったんですけどね……。
 そしてそいつが俺に言った言葉。


「効率が悪い」


 その言葉が今でも頭に残っている。
 効率の悪さが問題で、ほぼ同じくらいの偏差値だったのが大きく開いてしまった。

 でも言っておくけど、俺は質より量主義。
 だから、俺は効率が悪かったことを公開しているつもりはない。
 量が多かったから、この高校に無事入れることが出来たのだ。

 俺は高校の勉強は大して問題ないと考えている。
 中学同様、量をすればきっと大丈夫だと思っているからだ。


 自己紹介はこれくらいにして、こうして俺は高校生活のスタートを切った。


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