悪の幹部達!?

きりんのつばさ

議事録8

あの裏切りの事件から数日後・・・
私ことバルクは久しぶりに休暇をもらい
実家に帰ることにした。
いつも私たちが仕事をしている地区からは
馬を使い二時間程度の場所にある。
その道中でお土産を買い
懐かしい景色に感動し
実家の前に着いた。

「ただいま」
ドアを開け、私は言った。
すると中から男女のドワーフが出てきた。
「おぉ〜バルク‼︎よく帰ってきたな」
「お帰り、バルク。そこに立ってないで
こっちに来なさい」
彼らは私の育ての親である。
私は人間であり、彼らはドワーフだが
血は繋がっていないものも
私が幼い頃から育ててくれた。
私が人間だという事を知っている
数少ない魔物である。
「ただいま、父さん、母さん」
と私は両親に連れてかれるまま
リビングに向かった。
このリビングを見ると
実家に帰ってきたと
改めて実感する。
城の庭も見ていると落ち着くが
やはりここが1番落ち着く。
「にしてもバルクも大分出世したわ〜
今じゃ国のNo.2だもんね〜
まさかこの村からそんな英雄が
出るなんてね〜」
「あぁ流石自慢の息子だ‼︎
よっ、村の英雄‼︎」
「やめてくれよ母さん達・・・
恥ずかしい」
両親に褒められて恥ずかしいと思う反面
褒められて嬉しいのであった。
・・・しかし
「というか村の英雄ってなんだよ」
「あら知らないのバルク?
あなた、この村ではそんな風に
呼ばれているのよ?」
驚愕の事実判明。
「初耳なんだけど⁉︎」
なんて私が驚いていると
「そりゃこんな田舎の村から
No.2が出たら、そうなるわ〜」
と母さんが楽しそうに言っていた。
「今日はバルクが帰って来るから
村を挙げての祭りだからな‼︎」
「父さん⁉︎なんなのさそれ⁉︎」
私が本日2回目の驚愕の事実を
聞き、驚いていると
「お前から数日前に帰るっていう手紙を
もらった際にご近所に話したんだよ。
そしたら村長が祭りをしようって
事になった‼︎
まぁ楽しめや‼︎英雄‼︎」
と父さんに肩を組まれた私。
「はぁ・・・まぁいいけどさ
それよりお腹減った・・・
母さん何がある?」
と私がそういうとキッチンからだろうか
美味しい匂いがしてきた。
「そういうと思って作っておいたわ〜
さぁ食べましょうか?」
「ありがとう、母さん」

昼食は私の好きなステーキがあった。
やっぱり母さんは私の好みの味を
わかっていた。
・・・そして最近知ったのだが
私の好みと父さんの好みが似ているらしい。
似るものなのか〜と思いながら
久しぶりに家族で食べる昼食を
とっていると
トントン
誰が外からドアを叩く音がした。
「あら、誰か来たみたいね〜
バルク出てもらえる?」
と母さんに言われたので
「あぁ、いいよ。
今開けます」
とドアを開けると目の前には・・・
「・・・来た」
「ク、クリセス⁉︎
何故ここに⁉︎」
クリセスがいた。
本来ならまだ城で療養のはずだが・・・
「・・・バルクに会いたくて」
「なんでしょうか・・・
本来なら喜ぶべき言葉なのですが
クリセスが言うと
私のヒヤヒヤが止まりませんね・・・
それより体調は大丈夫ですか?」
「・・・即効で治してきた」
「あなたは一体なんなんですか・・・」
と私達が話していると後ろから
「あら‼︎クリセスさん‼︎
遊びに来たのね〜」
「ん?母さん今何て言った?」
私は不思議に思い、母さんに尋ねた。
「遊びに来たのね〜
だけど?」
「・・・おばさん、こんにちわ」
と礼儀正しく頭を下げた。
「いやいや待ちなさいや⁉︎
何で2人が知り合いなんですか⁉︎」
「だってよくクリセスさん
ウチに来るもの〜」
「・・・よく遊びに行く」
私はクリセスの頭を掴み
強く握った。
「あなたは仕事をしなさい・・・‼︎
日々しわ寄せが私に来ているんですよ・・・‼︎」
「・・・バルク、痛い〜離して」
「ほう、まだ口答えできる体力があるとは・・・
ならもう少し力を強く握っても
いいかもしれませんね〜」
「・・・やめて、私病人」
「病人ならさっさとベッドで寝なさい‼︎」
「痛い〜痛い・・・
・・・別に照れなく」
「更に強めますが?」
「・・・もう勘弁」

とこの後、母さんに注意されるまで
私はクリセスの頭から手を離さなかった。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品