悪の幹部達!?

きりんのつばさ

議事録7ー6

〈フォード視点〉
俺はバルクとの連絡を終えたあと
会議室で指令を出していた。
「とりあえず今クリセス領に向かっている兵を
すべて戻せ!今すぐにだ!」
こう命令を出してはいるものも
中々兵は戻ってこない。
最悪な事にクリセスが怪我を負ったことで
軍全体が仇を取るという雰囲気になっていて
なかなか命令が思うように末端まで届かない。
「くそっ!」
「な、なんでそんなにフォードが焦っているの?」
とアレイヤがびっくりしたように俺を見た。
「今、クリセス領に行くと死ぬからだ!」
「何で?私たちが人間相手に負けると
思っているの?」
不思議そうに答えるアレイヤ。
「怖いのは人間じゃない・・・」
「じゃあ誰よ?」
「・・・バルクだ」
「バルク?何で?
いつも前線に出てこないのに?」
「・・・とりあえず理由は後で話すから
兵を戻すの手伝え!」
「う、うん!」

それからしばらくしてなんとか兵を戻すことに
成功した。
そして城の会議室には俺とアレイヤ、トールがいた。
「フォード、いきなり招集かけてどうした。
・・・こっちは今すぐにでもあいつらを
殺してやりたいんだが」
「トールは落ち着いて。
さぁフォード、理由を話して」
「分かった。だが
多分実際にみた方が早い」
「どういうこと?」
とアレイヤが不思議そうにつぶやいた。
「誰があんな血も涙も無い奴を
見なきゃいけないんだ?。
悪いが俺は出るぞ」
とトールは席を立ちそうになった。
「ちょっとトール!
今バルクに怒っているのは分かるけど
フォードの話を聞きなよ!」
アレイヤが注意したためか
「・・・分かった。
話は聞いてやる」
と再び席についた。
「とりあえず現地の状況を見せる」
と俺はバルクが向かっているであろう場所を
壁に映し出した。
そこに見えたのはたくさんの兵が
クリセス領に向かっている状況だった。
数は大体十万ぐらいだろう。
「あいつら!この状況に乗じて
来やがって!」
トールはこの状況を見てさらに
感情が高ぶっていた。
「あれ?あの地上にいる物は?」
とアレイヤが何かに気づいたらしく
指をさした。
あれは・・・
多分俺の予測があっていれば・・・
「ーーーバルクだ」
「「えっ!?」」
とすると相手国もその物体に気づいたらしく
進行が止まった。
「あれはなんだ」
と相手側の隊長クラスだと思われる
人間の声が聞こえた。
そこにいたのは
「・・・ふぅ。
やっぱり上空を高速で飛ぶのは
疲れますね・・・」
やっぱりバルクであった。
・・・というかお前は空を飛んで
待ち伏せしていたのか?
「「バルク!?」」
とアレイヤとトールがとても驚いていた。
「・・・む?お前は
確かあの魔物の副官であったな?
名は・・・」
「バルクですよ。
久しぶりですね、大臣殿」
「そうだ!バルクだったな。
まさか上司の敵討ちではなかろうよ?」
「まさか上司の敵討ちなんてしませんよ。
ただ何故あなたはクリセス様にあのような
ことをしたのかを聞きに来ただけです」
とバルクはいつもの調子で言っていた。
「何故かって?そんなの簡単だ!
あの魔物が一番だましやすかったからさ!
あいつは魔法しか使えないから
魔法を封じる城に呼び込めば
殺せると思ったんだが」
それを聞いたトールは
「あいつ・・・
絶対殺す!」
今にも戦場に向かいそうだった。
「そうですか・・・」
とバルクはいつもの調子で答えていた。
ただ見ればいつも通りに見えるが・・・
「あいつキレてる」
俺はすぐに分かった。
「バルクが怒っている?
全然そんな風に見えないけど?」
アレイヤが不思議そうに言ってきた。
「いや、あいつは間違いなく怒っている。
俺はあいつと長年いるから分かる」
そうだ、言葉の口調からは全然わからないが
雰囲気で分かる。
「なぁバルク、どうだ?
あいつなんて裏切って俺の元に来て
右腕にならないか?」
と隊長クラスの人間がバルクに
そう言っていた。
「あいつ・・・
次は俺らを裏切るのかよ‼︎」
とトールが机を叩いていた。
・・・あぁ、机に溝が出来たよ。
直すの面倒だ。
今度はバルクが口を開いた。
「そうですね・・・
中々魅力的な発言ですね
同僚が面倒じゃなそうですが・・・」
・・・おいおいバルク⁉︎
それはマズイだろ?
だってよ・・・
「バルク・・・あいつシメヨウカ?」
「アレイヤ⁉︎発言気をつけろよ⁉︎」
「だって私達を裏切ろうと
しているんだよ⁉︎」
「アレイヤ、俺も行く
・・・あいつは俺もシメたい」
「トールまで⁉︎
お前ら落ち着けって‼︎
バルクは大丈夫だって‼︎」
・・・バルクー‼︎
この2人の止まらないぞ⁉︎
とするとバルクが考えが決まったらしく。
隊長の方を見て
「ーー決まりました
私の答えはーー」

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