悪の幹部達!?

きりんのつばさ

議事録7-4

そして食事会が終わりに近づいてきた頃
「クリセス様、そして副官殿
今日は起こしいただきありがとうございます。
そして今日は既に遅い時間ですので
私たちの城に泊まっていっては
いかがでしょうか?」
という申し出があった。
私としては泊まることにあまり賛成しないのだが
この暗い夜道をしかも慣れていない帰路を
帰るのは不安だった。
「クリセス様、ここは相手の行為に
甘えさせていただきましょう」
「・・・うむ、分かった。
では部屋まで案内してもらおう」
「かしこまりました」
と私たちは部屋まで案内された。

私たちは各個人に一つずつ部屋をあてられたのだが
クリセスの部屋の前に私とヌートが
見張りをすることにした。
寝る前に私は明日以降の打ち合わせをするために
彼女の部屋を訪れた。
コンコン
「バルクです、入ります」
「・・・入れ」
と許可が下りたので扉を開けた。
「・・・わぁバルクだ」
と私を見るとこちらに向かってきた。
「そりゃ私ですよ・・・。
というか一応相手の城の中なんですから
食事会の時のような態度でいてくださいよ」
「・・・大丈夫。
邪魔してくるやからが来たら消すから。
・・・ヌートであっても」
「理不尽ですね!?
というか何の心配ですか・・・」
「・・・私とバルクとの愛の」
なんとなくこの後の単語が予想できたので
「さて、明日以降の予定ですが」
と私はクリセスの話を無視して
話し始めた。
「・・・バルク、酷い」
「もともとですよ。
さて明日以降のよ
・・・なんだこの音は」
「・・・バルクどうしたの?」
微かだが沢山の足音が聞こえた。
「まさか、恐れていたことが・・・
ヌート殿!聞こえていますか!」
と隣の部屋を叩いた。
「はい、こちらに」
とヌートは直ぐにこちらの部屋に来た。
「・・・バルクもヌートもどうしたの?」
まだ状況が読めていないクリセスは
ポカンとしていた。
「バルク様、まさか・・・」
逆にヌートは何かを察したようだった。
「たぶんそのまさかだと思います。
・・・とりあえず」
と私は部屋の外を見て近くにいた兵士を捕まえた。
そして部屋に引きずりこんだ。
「・・・おい、今何が起きている」
ヌートがその兵士の首に刀を当て
「答えなければ、二度と家族に会えませんよ」
反対側から私も刀を当てながら尋ねた。
「い、今、ここに兵が向かっている・・・
お前らを倒すためにな!」
「やっぱりですか・・・」
「お前らはこの城から生きて出ることができない!
大人しく諦めろ!」
「貴様ら・・・!」
「ヌート殿、今は出ることを考えましょう。
クリセス、準備はいいですか?」
「・・・うん」
「では、行きますよ」
と私たちは先ほどまでの和やかな雰囲気から
一転して死と隣り合わせの脱出劇になった。

「魔法は使えませんね・・・」
どうやら城全体に魔法が使えない様な
ギミックがかけられている様だ。
魔法が使えないとなるとこちらが取れる
戦術が変わってくる。
私とヌートはある程度接近戦が行えるが
クリセスは全くと言ってもいいぐらいに
出来なかった。
「クリセス様はこちらに」
「・・・ごめんね」
「とりあえずは城を出ますよ」
クリセスを挟む様に私とヌートがいて
この状態で城の中を進むことにした。
「いたぞー‼︎」
「見つかりましたか・・・
ヌート殿、そこの窓割れますか?」
「お安い御用です‼︎」
と近くにあった窓を刀で壊し
「クリセス、しっかり掴まってください。
ヌート殿、行きますよ」
と私達は壊した窓から中庭に飛び降りた。
そして中庭に着地した
私達は中庭を全力で抜けて出口に全力で向かった。

「確かあともう少しのはず・・・」
ここは食事会の時
入り口から案内された箇所だった。
「バルク様‼︎危ない‼︎」
と誰かが私に向かって矢を射た。
私は当たるっと身構えた。
「・・・バルク‼︎」
ザクッ‼︎
「クリセス⁉︎」
「クリセス様‼︎」
「くぅ・・・」
クリセスが私をかばって矢を受けていた。
「1人が倒れたぞー‼︎
今が好機だー‼︎」
と相手側の士気は上がっていた。
「バルク様、クリセス様を背負って
ください」
「分かりました」
とクリセスを背負い、また走り出した。

そしてなんとか門まで辿り着いた。
だが・・・
「五神将クリセスら3人‼︎
お前らはここまでだ‼︎」
と門の前には矢を構えた兵達が沢山いた。
「貴方達は最初から降伏など嘘でしたか」
「そうだ、第一お前ら魔族に降伏など
死んでもするものか‼︎
さぁ大人しく首を差し出せ‼︎」
と隊長が声高らかに叫んだ。
「差し出せって言われて誰が大人しく
首を差し出しますかね・・・」
「そこの副官、名前はなんだ?」
「バルクですが?」
「ならバルク、取引をしないか。
そこの女を置いていけば
お前ら2人は見逃してやる」
「貴方は何を言っているのか
分かっているのですか?」
「そこの女は五神将っていうののもあるし
ーーなんせ見た目がいい」
「貴様‼︎いい加減にしろ‼︎」
とヌートは今にも敵に向かって
突撃しそうなぐらい怒っていた。
「ヌート殿、とりあえず逃げますよ」
「バルク様?」
「どこに逃げるつ」
「ーーオラオラ‼︎どけどけ‼︎」
と相手の後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「隊長‼︎五神将がもう1人来ました‼︎
ト、トールです‼︎」
「な、何だと‼︎だがたかが1人ぐらい」
「それが魔法を使わないタイプみた・・・
ぐはっ‼︎」
「バルク‼︎クリセス‼︎掴まれ‼︎」
とトールが手を出してきたので
私はクリセスを背負い、手に掴まった。
「助かりました・・・」
「外に俺の兵が準備してある。
とりあえず突破するぞ‼︎」
トールがそういうと一気に
馬を出した。

その後、何とか城を抜け出した私達は
クリセスの城まで何とか着いた。

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