度重契約により最強の聖剣技を
第四話 暗殺の裏側
「なるほど、瞬君が遅刻した理由と建物への被害の経緯は分かりました。
今回は、グランディーネが建物を修復したので、四人への責任は免除します」
経緯を大まかに説明した俺はまた、アテナのお説教が始まる事がなくひとまずは安心し一息つく。
今回の騒動を起こした俺以外の三人も安心したらしくホッと一息ついていた。
「さて、本題に入りましょう」
まだ少しだけ不機嫌そうな聖王兼学長のアテナは手と足を組見ながら黒い革のソファーの左側に腰かけている。
彼女の右側には、グランディーネとリナが腰かけていた。
対して、ガラステーブルを挟んだ側のソファーにはアテナと向かい会う形で俺が座り、アマテラス、ツクヨミ、姉ちゃんの順で腰かけている。
「何者かによって自らが操られる·····これは、聖域全土を脅かしかねない今までにない事態です。
今回の寒冷を引き起こしている銀竜を討伐する前に情報を収集しておく必要があります」
冷静な顔つきになったアテナの声に、緊迫がはしり、そこにいる皆が圧倒される。
先ほどメイドのような服を着た緑色の瞳を持つ女神が持ってきた紅茶をアテナ以外の一同がおもわず一口運び、ほぼ同時にティーカップをおろす。
「では、まず今回の暗殺に至たる前の経緯について話そうかしら」
「ええ、よろしく頼むわ。グランディーネ、リナ」
二人はアテナに頷くとこちらに向き直った。
「······私たちは、貴方を暗殺しようとした前日
この、聖域内中心国で魔術士に会いました」
「ええ、どんな服装をしていたのかは忘れたけど黄金色の髪をしたエルフだったわ。
そのエルフが、視界に入ったあとすぐに体が立ったまま動かなくなって肩をなぜか触られたの
それに、その魔術士に会ったあとから暗殺に至るまで私とグランディーネはどう過ごしていたのか記憶がないのよ
あるのは、貴方を暗殺しようとした時の記憶だけ」
「記憶の改変に、遠隔思念による操り……か
本来この手の呪術だと、対象者に行使した後、自らが関わった記憶を全て抹消するはずなんだが······抹消しないのが謎なんだよな」
「それ以前に、魔術士がこの聖域中心国内まで進行していることも気になるよね。
でも確か……」
姉がこちらに確認を求めるように目を向けてきた。
「聖域内はアテナの結界が張り巡らされている
だから、そう簡単に侵入できないはずだ」
「そうですね
瞬君の言ったとうり、私の結界は魔を持つ者を拒み聖域内に受け入れる事はありません これまでも異常なく結界は作動しています
もしも、何らかの方法で聖域内に入れたとしてもすぐに魔力を感知して私へと知れ渡るはずです
それが起こらなかったとすると……思い付きませんね
でも、何か引っ掛かるような? 」
「ムゥ……なんか難しい」
「確かに……難問です」
「私も、ちょっと」
ちまっとした、もはや姉妹のような微笑ましいツクヨミとアマテラス。プラス、俺の姉は疑問の声をあげた。
「その他に、その女神について覚えていることはないのか? 些細なことでもいい」
俺は、リナとグランディーネに改めて向き直りそう投げ掛けた。
「他になら······瞳が黄金色だったかしら? 記憶が曖昧だけど……そうだったような気がするわ」
「確かにそうだったわね
まぁ、それ以外は私もリナも、記憶が抜け落ちてほとんど覚えていないのだけれど」
「黄金色の瞳ですか!? ······そして相手に干渉する能力……まさか、そんなはず!! そんな······ことが······」
どうやら、やっと手がかりをつかめそうだ
「どう言う事だアテナ? 説明してくれ」
アテナは、深呼吸すると疑問に思っている俺たちに自らが思い至った考えを語り始めた。
「聖力を持った王族が私のように、証として黄金色の瞳を持つことは知っていますね」
「他の属性と比べて膨大な力を持つ聖属性だけ黄金色の色素として現される。
だよね? 確か、髪が淡い金髪なのもそうだったような」
「聖力を持った者なら誰でも知っている事よね? 」
「はい」
アテナは、姉ちゃんとリナの投げかけに返事ひとつで答えた。
「で、その瞳がどう関係あるんだ? 」
俺の問いかけに、アテナは顔を引き締め答える。
「あの異界化が起こる前、お父様を除いてその瞳を持ったものは、私を含め三人しかいませんでした。
一人は私の妹であり、現魔王のアリシア。
そして、もう一人は、王族の生まれながらその能力のひ弱さ故に使用人として生涯を過ごすことを命じられたアルラインという女神です。
彼女は、攻撃する聖術が一切使えず、干渉する聖呪術を得意としていました。
どんな敵でも麻痺させ、操り殺戮し、また、時には、味方を癒したりと陰ながら支えていてくれた素晴らしい女神でした。
お父様は、彼女にたいして低い評価をしていましたが、私は今でもそう思っていません。
ですが彼女は、異界化の大戦中、命を落としこつぜんと姿を消しました」
「つまりアテナは、あのアルラインが今回の一見を引き起こしたと見ているのかしら」
「間違いなく、彼女だと確信しています」
「そう、あの子が。気の優しい子だったわよね……」
「······ええ。しかし、彼女だったとしても魔術士に転生した者がどうやって侵入したのか私には、分かりません」
「「「zzzzZ……」」」
どこか、悲しそうな顔を浮かべる二人の会話を聞いたかぎり、どうやらそのアルラインという女神はアテナとグランディーネの親しみのある旧知の仲らしい。
グランディーネの横に座るリナは、契約している女神から初めて聞いた話だったのか眉を潜め聞き流している。
「·····そのアルラインていう女神が起こしているなら術にかかるきっかけもアテナなら分かってるんじゃないか? 」
「「「zzzzZ……」」」
「······はい、瞬くん
今、説明しますから。
彼女の術が発動する条件としては対象者の視野に入り印象を残す、直接触れるの2つの方法です。
どちらか一方でも発動可能ですが、2つとも行うとより強固な聖呪術になります」
「······だから、私達の前に現れて後ろから肩を触ったのね」
納得したような顔で発言したリナの言意見にグランディーネも賛同し頷く。
「なるほどな……」
「「「zzzzz……」」」
やはり先ほどから微かに聞こえていた寝息は空耳ではなかったようだ。
その発生源は、ちまっとした女神2体と俺の姉だった······全くもって情けない。
「いい加減に·····しなさい
私は、真剣に話しているんです。
ふざけていると本当に痛い目をみますよ」
アテナの今までにない威圧を込めた静かな怒りと発せられる聖力の威光に周りにいるものは、おののいた。
まずいなこれは……
今回は、グランディーネが建物を修復したので、四人への責任は免除します」
経緯を大まかに説明した俺はまた、アテナのお説教が始まる事がなくひとまずは安心し一息つく。
今回の騒動を起こした俺以外の三人も安心したらしくホッと一息ついていた。
「さて、本題に入りましょう」
まだ少しだけ不機嫌そうな聖王兼学長のアテナは手と足を組見ながら黒い革のソファーの左側に腰かけている。
彼女の右側には、グランディーネとリナが腰かけていた。
対して、ガラステーブルを挟んだ側のソファーにはアテナと向かい会う形で俺が座り、アマテラス、ツクヨミ、姉ちゃんの順で腰かけている。
「何者かによって自らが操られる·····これは、聖域全土を脅かしかねない今までにない事態です。
今回の寒冷を引き起こしている銀竜を討伐する前に情報を収集しておく必要があります」
冷静な顔つきになったアテナの声に、緊迫がはしり、そこにいる皆が圧倒される。
先ほどメイドのような服を着た緑色の瞳を持つ女神が持ってきた紅茶をアテナ以外の一同がおもわず一口運び、ほぼ同時にティーカップをおろす。
「では、まず今回の暗殺に至たる前の経緯について話そうかしら」
「ええ、よろしく頼むわ。グランディーネ、リナ」
二人はアテナに頷くとこちらに向き直った。
「······私たちは、貴方を暗殺しようとした前日
この、聖域内中心国で魔術士に会いました」
「ええ、どんな服装をしていたのかは忘れたけど黄金色の髪をしたエルフだったわ。
そのエルフが、視界に入ったあとすぐに体が立ったまま動かなくなって肩をなぜか触られたの
それに、その魔術士に会ったあとから暗殺に至るまで私とグランディーネはどう過ごしていたのか記憶がないのよ
あるのは、貴方を暗殺しようとした時の記憶だけ」
「記憶の改変に、遠隔思念による操り……か
本来この手の呪術だと、対象者に行使した後、自らが関わった記憶を全て抹消するはずなんだが······抹消しないのが謎なんだよな」
「それ以前に、魔術士がこの聖域中心国内まで進行していることも気になるよね。
でも確か……」
姉がこちらに確認を求めるように目を向けてきた。
「聖域内はアテナの結界が張り巡らされている
だから、そう簡単に侵入できないはずだ」
「そうですね
瞬君の言ったとうり、私の結界は魔を持つ者を拒み聖域内に受け入れる事はありません これまでも異常なく結界は作動しています
もしも、何らかの方法で聖域内に入れたとしてもすぐに魔力を感知して私へと知れ渡るはずです
それが起こらなかったとすると……思い付きませんね
でも、何か引っ掛かるような? 」
「ムゥ……なんか難しい」
「確かに……難問です」
「私も、ちょっと」
ちまっとした、もはや姉妹のような微笑ましいツクヨミとアマテラス。プラス、俺の姉は疑問の声をあげた。
「その他に、その女神について覚えていることはないのか? 些細なことでもいい」
俺は、リナとグランディーネに改めて向き直りそう投げ掛けた。
「他になら······瞳が黄金色だったかしら? 記憶が曖昧だけど……そうだったような気がするわ」
「確かにそうだったわね
まぁ、それ以外は私もリナも、記憶が抜け落ちてほとんど覚えていないのだけれど」
「黄金色の瞳ですか!? ······そして相手に干渉する能力……まさか、そんなはず!! そんな······ことが······」
どうやら、やっと手がかりをつかめそうだ
「どう言う事だアテナ? 説明してくれ」
アテナは、深呼吸すると疑問に思っている俺たちに自らが思い至った考えを語り始めた。
「聖力を持った王族が私のように、証として黄金色の瞳を持つことは知っていますね」
「他の属性と比べて膨大な力を持つ聖属性だけ黄金色の色素として現される。
だよね? 確か、髪が淡い金髪なのもそうだったような」
「聖力を持った者なら誰でも知っている事よね? 」
「はい」
アテナは、姉ちゃんとリナの投げかけに返事ひとつで答えた。
「で、その瞳がどう関係あるんだ? 」
俺の問いかけに、アテナは顔を引き締め答える。
「あの異界化が起こる前、お父様を除いてその瞳を持ったものは、私を含め三人しかいませんでした。
一人は私の妹であり、現魔王のアリシア。
そして、もう一人は、王族の生まれながらその能力のひ弱さ故に使用人として生涯を過ごすことを命じられたアルラインという女神です。
彼女は、攻撃する聖術が一切使えず、干渉する聖呪術を得意としていました。
どんな敵でも麻痺させ、操り殺戮し、また、時には、味方を癒したりと陰ながら支えていてくれた素晴らしい女神でした。
お父様は、彼女にたいして低い評価をしていましたが、私は今でもそう思っていません。
ですが彼女は、異界化の大戦中、命を落としこつぜんと姿を消しました」
「つまりアテナは、あのアルラインが今回の一見を引き起こしたと見ているのかしら」
「間違いなく、彼女だと確信しています」
「そう、あの子が。気の優しい子だったわよね……」
「······ええ。しかし、彼女だったとしても魔術士に転生した者がどうやって侵入したのか私には、分かりません」
「「「zzzzZ……」」」
どこか、悲しそうな顔を浮かべる二人の会話を聞いたかぎり、どうやらそのアルラインという女神はアテナとグランディーネの親しみのある旧知の仲らしい。
グランディーネの横に座るリナは、契約している女神から初めて聞いた話だったのか眉を潜め聞き流している。
「·····そのアルラインていう女神が起こしているなら術にかかるきっかけもアテナなら分かってるんじゃないか? 」
「「「zzzzZ……」」」
「······はい、瞬くん
今、説明しますから。
彼女の術が発動する条件としては対象者の視野に入り印象を残す、直接触れるの2つの方法です。
どちらか一方でも発動可能ですが、2つとも行うとより強固な聖呪術になります」
「······だから、私達の前に現れて後ろから肩を触ったのね」
納得したような顔で発言したリナの言意見にグランディーネも賛同し頷く。
「なるほどな……」
「「「zzzzz……」」」
やはり先ほどから微かに聞こえていた寝息は空耳ではなかったようだ。
その発生源は、ちまっとした女神2体と俺の姉だった······全くもって情けない。
「いい加減に·····しなさい
私は、真剣に話しているんです。
ふざけていると本当に痛い目をみますよ」
アテナの今までにない威圧を込めた静かな怒りと発せられる聖力の威光に周りにいるものは、おののいた。
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