元、チート魔王が頼りない件。
作戦終了
足音が徐々に近づき、勇者の影ともう一人。リミル……? と魔王様が呼んでいた影が見える。
魔王様の幹部はどんな感じなんだろう。
鎌を持った死神みたいな奴なのだろうか。竜人のような喋って立ち剣を持つカッコイイ系のやつか? それともお色気をしてくるような悪女なのか。
どれも力が弱まわっているとはいえ強そうなやつなのだろう。
そして遂に姿が見える。
そこにいたのはぐるぐる巻きに縛られ引きずられる勇者と低身長の美少女だった。
髪は短く切ってあり金髪で制服を着ていて赤い目をしている。
ハーフと思われるくらいで日本にいてもバレなそうだ。
「見張りをありがとう。リミル」
「いえ……これくらいの仕事は当然ですよ」
「その割には去年、こたつを片付ける時には邪魔してくれたな」
「そんな前のことを引きずっているなんて器の小さい男ですね」
そう言うと手に持っていた紐で縛り付けていた勇者を柱に縛り直し、魔王様の前に立ち塞がるように講義し始める。
「……」
何だよ……この魔王軍の緩い感じ!
去年の冬、リミルはこたつから出れませんでした。か!?
何だよ。その日常アニメみたいなやつ!
と、一人で討論を始める。
はぁ……そろそろ喧嘩は終わったかな。
「ふぅ……すまない。すまない。今年はこたつを出さないということで終止符を打とう」
「何で!? こたつないと死ぬよ!?」
「いや……とりあえず勇者を倒すんじゃないんですか?」
「「忘れてた!」」
何で魔王軍が勇者のことを忘れてるんだよ!
勇者よりこたつの方が上なのか!?
「すまない、すまない。俺はリミルと続きを話すから勝手に勇者と話してくれ」
少し呆れながらも俺は柱に結ばれた勇者の近くまで歩き座ったまま縛られている勇者と目線を合わせて質問をする。
「……情報は対して聞けなそうだから簡単なことを聞いてもいいか?」
「情報による」
と、鋭い視線を俺に向けた。
何かしらの覚悟が出来ているのだろうか。情報を吐くくらいなら死んでやる。ということなのだろうか。
「なぁ……気になってたんだけど俺はお前に刺されて死んでいるはずだった。何で生きているんだ?」
さすがに厚い本で鋭い輝きを放つレイピアが防げるとは思えない。
「……仕方ない。俺は負けてしまった。その一つだけ情報を教えてやろう」
一つだけ……か。まぁいいだろう。
これといって質問がまとまっていた訳でもないし。気になることを晴らすだけだな。
「なら、それでいいから教えてくれよ」
「砦が契約した人の思いによって形成されるのはもちろん知ってるな?」
「知ってる」
「なら俺が契約した人間の思いはどうだった?」
「契約が解除されるためにお前が負けることを願っていた」
「そう。俺と契約した願いは要らなくなっていた。つまり思いは弱くなっていた。だから……『砦は俺が待ち構えている部屋だけになった』」
「……だからって俺が死なない理由にはならないだろ?」
「確かにそうだな。だがな……砦は思いで形成される。あの時、俺には人間の力があるだけで砦の形状は不安定になっていたんだ」
「どういう事だ……?」
「お前の方に砦の力が移りつつあったってことだ」
それで……足がいつも以上に速くなるのを感じだってことか?
「お前が胸に何を感じていたのかは分からない。だが砦を取りたいという思いがお前自身を強くしたのは確かだ」
俺は確かにあの時、漫画みたいに防げないかな。と、いう気持ちで入れた。
それがあの人を倒した後に絶対に勝たなきゃって思いに変わった。
それにより厚い本が鎧みたいに硬くなったってことか?
……馬鹿みたいな話だ。笑えてくる。
だが、実際に金属音は鳴り響いていたしおかしい体験を沢山してきた。
だから紛れもない事実と言えるだろう。
「そ、そうか。信じ難いけど事実だと信じるよ」
「礼などお前からはいらない! 私達はお前を許さない。勇者の誇りにかけて絶対に倒してやるからな……!」
縛られてるけどな。まず解いてから言え。
だいたい、俺達関係ない地球……いやあの村を巻き込んできたことに関しては一喝入れたいしな。
「倒してみろよ。俺が魔族を絶対に救うからな!!」
と、魔王様にも聞こえるような声でアピールするようにそう叫んだ。
それに応えるように魔王様は「おう!」と応え続けるようにこう話していた。
「……よし。なら早速、の家に戻るか!」
おい。もしかして「おう!」っていうのは俺への返答ではなくて……?
「ちょっと魔王様……いいですかぁ?」
俺は指の骨をボキボキと鳴らす。
「な、何を怒ってんだよ」
「そ、そうだ! そうだ!」
「少しリミルさんは黙ってください」
「す、すみません」
「さっきの『おう!』は何に対しての『おう!』何ですか?」
「それはー……その。こたつを出さなきゃいいって結論になったからお前の家のこたつで温まればいいのかなーと
……」
「ふざけんな!!」
そう怒りながら用事が済んだ俺達は元の場所に戻った。
魔王様の幹部はどんな感じなんだろう。
鎌を持った死神みたいな奴なのだろうか。竜人のような喋って立ち剣を持つカッコイイ系のやつか? それともお色気をしてくるような悪女なのか。
どれも力が弱まわっているとはいえ強そうなやつなのだろう。
そして遂に姿が見える。
そこにいたのはぐるぐる巻きに縛られ引きずられる勇者と低身長の美少女だった。
髪は短く切ってあり金髪で制服を着ていて赤い目をしている。
ハーフと思われるくらいで日本にいてもバレなそうだ。
「見張りをありがとう。リミル」
「いえ……これくらいの仕事は当然ですよ」
「その割には去年、こたつを片付ける時には邪魔してくれたな」
「そんな前のことを引きずっているなんて器の小さい男ですね」
そう言うと手に持っていた紐で縛り付けていた勇者を柱に縛り直し、魔王様の前に立ち塞がるように講義し始める。
「……」
何だよ……この魔王軍の緩い感じ!
去年の冬、リミルはこたつから出れませんでした。か!?
何だよ。その日常アニメみたいなやつ!
と、一人で討論を始める。
はぁ……そろそろ喧嘩は終わったかな。
「ふぅ……すまない。すまない。今年はこたつを出さないということで終止符を打とう」
「何で!? こたつないと死ぬよ!?」
「いや……とりあえず勇者を倒すんじゃないんですか?」
「「忘れてた!」」
何で魔王軍が勇者のことを忘れてるんだよ!
勇者よりこたつの方が上なのか!?
「すまない、すまない。俺はリミルと続きを話すから勝手に勇者と話してくれ」
少し呆れながらも俺は柱に結ばれた勇者の近くまで歩き座ったまま縛られている勇者と目線を合わせて質問をする。
「……情報は対して聞けなそうだから簡単なことを聞いてもいいか?」
「情報による」
と、鋭い視線を俺に向けた。
何かしらの覚悟が出来ているのだろうか。情報を吐くくらいなら死んでやる。ということなのだろうか。
「なぁ……気になってたんだけど俺はお前に刺されて死んでいるはずだった。何で生きているんだ?」
さすがに厚い本で鋭い輝きを放つレイピアが防げるとは思えない。
「……仕方ない。俺は負けてしまった。その一つだけ情報を教えてやろう」
一つだけ……か。まぁいいだろう。
これといって質問がまとまっていた訳でもないし。気になることを晴らすだけだな。
「なら、それでいいから教えてくれよ」
「砦が契約した人の思いによって形成されるのはもちろん知ってるな?」
「知ってる」
「なら俺が契約した人間の思いはどうだった?」
「契約が解除されるためにお前が負けることを願っていた」
「そう。俺と契約した願いは要らなくなっていた。つまり思いは弱くなっていた。だから……『砦は俺が待ち構えている部屋だけになった』」
「……だからって俺が死なない理由にはならないだろ?」
「確かにそうだな。だがな……砦は思いで形成される。あの時、俺には人間の力があるだけで砦の形状は不安定になっていたんだ」
「どういう事だ……?」
「お前の方に砦の力が移りつつあったってことだ」
それで……足がいつも以上に速くなるのを感じだってことか?
「お前が胸に何を感じていたのかは分からない。だが砦を取りたいという思いがお前自身を強くしたのは確かだ」
俺は確かにあの時、漫画みたいに防げないかな。と、いう気持ちで入れた。
それがあの人を倒した後に絶対に勝たなきゃって思いに変わった。
それにより厚い本が鎧みたいに硬くなったってことか?
……馬鹿みたいな話だ。笑えてくる。
だが、実際に金属音は鳴り響いていたしおかしい体験を沢山してきた。
だから紛れもない事実と言えるだろう。
「そ、そうか。信じ難いけど事実だと信じるよ」
「礼などお前からはいらない! 私達はお前を許さない。勇者の誇りにかけて絶対に倒してやるからな……!」
縛られてるけどな。まず解いてから言え。
だいたい、俺達関係ない地球……いやあの村を巻き込んできたことに関しては一喝入れたいしな。
「倒してみろよ。俺が魔族を絶対に救うからな!!」
と、魔王様にも聞こえるような声でアピールするようにそう叫んだ。
それに応えるように魔王様は「おう!」と応え続けるようにこう話していた。
「……よし。なら早速、の家に戻るか!」
おい。もしかして「おう!」っていうのは俺への返答ではなくて……?
「ちょっと魔王様……いいですかぁ?」
俺は指の骨をボキボキと鳴らす。
「な、何を怒ってんだよ」
「そ、そうだ! そうだ!」
「少しリミルさんは黙ってください」
「す、すみません」
「さっきの『おう!』は何に対しての『おう!』何ですか?」
「それはー……その。こたつを出さなきゃいいって結論になったからお前の家のこたつで温まればいいのかなーと
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