とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

王の剣









「ミカさん大丈夫?」

ミカさんの報告を受けて慌ててミカさんの元に戻った楓先輩がミカさんに訪ねる。

「えぇ、大丈夫です。ご心配をおかけしました」
「そう、ならいいんだけど…」
「楓先輩…敵…です……」

百合子先輩が楓先輩とミカさんにそう告げると楓先輩とミカさんは警戒態勢を取る。

「あなたがお姉様の教え子…楓さん?だっけ?」
「お姉様?」
「弥生ちゃんって言えばわかるかな?お姉様に随分と気に入られていたみたいだけど…あー、気に入らない。だから死んで」

突如現れた少女…どことなく弥生先生に似ている女の子が能力を発動、大量の剣を生成して楓先輩を襲う。

「この能力って…」

疑問を抱きながら楓先輩は敵の攻撃を回避して百合子先輩を遠くに逃がす。そしてミカさんの横に立ちミカさんに尋ねる。

「あれってミカさんと同じ能力じゃない?」
「えぇ、そうでしょうね。あなたは弥生家の今代の頭首ということでしょうか?」
「………弥生家の頭首はお姉様、私はお姉様の最強の武器、弥生雫、弥生家に代々引き継がれてきた『王の剣』の45代目継承者」

少女は45本の剣を自身の周りに浮かべてこちらの様子を伺う。

「ミカさん、どういうこと?」
「簡単に説明すると私の能力は代々弥生家の頭首に引き継がれているのです。この能力は弥生家の血が流れる人間にランダムで継承され代を重ねるごとに強くなっていく…10代目の私は10本の剣を…45代目の彼女は45本の剣を…」
「つまりミカさんの上位互換ってことでいいの?」
「簡単に言えばそういうことです」
「私、ミカさんにすら勝てないのに勝ち目ないじゃない…」
「でもやるしかありませんね」
「そうね。百合子、援護お願い」

楓先輩は百合子先輩にそう言い能力を発動させる。楓先輩に続いてミカさんも能力を発動し、10本の剣を作り出した。

大量の剣が飛び交いミカさんと楓先輩を襲う。楓先輩とミカさんは完全に防戦一方という展開を強いられていた。

「手数が足りないわね…」

敵の攻撃を防ぎながら楓先輩が呟く。

「ミカさん、少しだけ時間を稼いで」
「わかりました」

楓先輩はミカさんの返事を聞き建物の窓から外に向けて電流を放つ。

「今考えた手だから使えるかわからないけどやってやるわ」

大量の磁場を生成した楓先輩は無数の砂鉄を固めて大量の武器を生成した。電気を帯びて宙を舞う砂鉄の塊が一斉に敵を襲った。

「そんな子供騙しのおもちゃで私を倒せるわけないでしょう」

敵はそう言いながら楓先輩の武器を一瞬にして全て破壊する。だが、楓先輩の武器は破壊された直後再び塊に戻り敵を襲った。

「私にそんな子供騙しは通じないって言ってるでしょう…あと、子供騙しの癖にかなり体力を使うみたいね…」

楓先輩の能力が限界に達し砂鉄の塊が砂のように散った。

「あとは45本の剣で10本の剣を抑えるだけ…勝ち目はないから投降したら?」

敵は微笑みながら45本の剣でミカさんの剣を完全に封じた。









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