とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

制圧完了














「さて、無事到着しましたけど、どうしますか?」

「とりあえず中に入ってそこの研究所のコンピューターのセキュリティを無効化してちょうだい。紙の資料とかがあったらなるべく写メして当夜君に送って」

電話越しで志穂先輩が僕に言う。

「あ、あと敵についてもう少しだけわかったわ。敵は黒の蝶、メンバーは7人、3人は楓ちゃんたちの方にいるはずだからそっちには多くて4人、あとは黒の蝶の雇い主がいるはずよ。雇い主は絶対に逃がさないで」

「わかりました」

僕は志穂先輩との通話を切りみんなとともに研究所内に突入する。研究所の周囲は特に何もない荒地だった。故に…みなさん遠慮なく破壊してらっしゃる。一応何の研究をしていて何故ティナちゃんを狙うか調べないといけないからなるべくコンピューターとかは破壊しないようにね…

などと僕が思っていると気持ちのいい爆発音が鳴り響く。リンリン先輩だ…

リンリン先輩の爆破により研究所の1棟が崩れ落ちる。そして、その横の1棟は空から降り注いだ1つの光の柱により真っ二つになる。ダイナさんこえ〜

爆破、ビームで切断ときたら次はどうなるかご想像がつくだろう。ゆき姉は残りの棟を全て凍らせて研究所の敷地内を氷地獄に変えた。ゆき姉パネエっすわ…

崩壊する研究所、真っ二つになった研究所、急に氷漬けになった研究所から慌てて研究員が逃げ出してくる。逃げ出した研究員たちの前には式神とともに仁王立ちした巫女さんが立ち塞がった。

巫女さんは慌てて逃げてきた研究員たちを拘束の式神で全員捕らえた。あれ、これ僕出番ないんじゃ…

こうして、研究所制圧はあっさりと終わった。

あれ…何かおかしくないか……

「あまりに手応えがなさすぎる…」

僕の横にいたゆき姉がボソッと呟く。

「………」

僕は慌ててスマホを取り出して志穂先輩に連絡する。

「志穂先輩、楓先輩たちの方に何か異常は?」

「え、いや、さっき連絡があってティナちゃんを無事取り戻せたみたいよ…あと、黒の蝶も捕らえたって…今、他のガーディアンズの人に引き渡してるみたいだから帰るのはもう少し遅くなるみたいだけど」

電話が繋がった途端、急に質問された志穂先輩は少し驚きながら僕の質問に答えた。

「楓ちゃんたちの方は大丈夫みたいだから。晴樹くんたちは研究所内で情報を集めて、拘束した研究員は逃さないようにちゃんと見張っててね…」

「わかりました。何かあったらまた連絡します」

その後、研究員たちを巫女さんとリンリン先輩に任せて僕とダイナとゆき姉は研究所内で情報を集めることにした。






「………まさか、あなたが黒幕だったなんてね」

7人の蝶とその雇い主に囲まれた楓先輩がボソッと呟く。穂花の能力により楓先輩たちの通信機器はハッキングされていて志穂先輩には嘘の情報が届いていた。研究所内にも重要な実験結果や設備、人材は残っていない。

つまり、僕たちはまんまと敵の手のひらで踊らされはめられていたのだった。












コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品