とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

蝶の襲撃















「巫女さん強すぎですよ〜」

「本当に…勝ち目ないわ…」

巫女さんにやられた楓先輩とミカさんがバーチャルリアリティ空間から追い出された。2人とも反射の式神の前ではなす術がなかったようだ。

「お疲れ様です」

先に脱落していた信二先輩が2人に声をかける。

「信一と信二もやられたのね。誰にやられたの?」

「白雪姫です。なす術なく瞬殺されましたよ」

「そう、じゅあどうやら私たちを倒した者通しが戦うみたいね」

楓先輩が見つめていたモニターにはゆき姉と巫女さんが対峙する映像が映されていた。

「白雪姫…本気でやらせてもらいます」

巫女さんはそう言いながら4体目の式神を召喚する。巫女さんは視覚以外の感覚を全て失った。

「さて、反射の式神をどうやって攻略しようかな…」

そう言いながらゆき姉は巨大な氷の柱を巫女さん目掛けて放つが反射の式神により反射される。そして3体の式神がゆき姉に襲いかかる。剛腕の式神、剣聖の式神、そしてもう1体は真っ赤に燃え盛る灼熱の式神

ゆき姉が氷のフィールドを展開しようとするが灼熱の式神がそれを許さない。

剛腕の式神がゆき姉に殴りかかる。ゆき姉は剛腕の式神の攻撃を防ぐために氷の壁を作り出す。

「もろい…」

モニター越しで見ていた楓先輩が呟く。巫女さんが召喚した灼熱の式神のせいでゆき姉の氷が溶けていく。故に普段よりも脆い。

剛腕の式神はあっさりとゆき姉の氷の壁を破壊してゆき姉を殴りつける。

そして地面に叩きつけられたゆき姉に再び拳を振り落とす。ゆき姉は慌てて剛腕の式神の拳を氷漬けにして地面に剛腕の式神を囲む氷を突き刺す。

地面に深く突き刺さった氷により固定された剛腕の式神の攻撃が止んだ直後、剣聖の式神がゆき姉に襲いかかる。ゆき姉は氷の剣を精製して剣聖の式神の剣を受け止める。一太刀、二太刀と受け止めると氷の剣は砕けた。

「ちっ…」

氷の剣が破壊されたのを見てゆき姉は数歩後ろに下がる。

だが、ゆき姉が下がった先には剛腕の式神が待ち受けていた。灼熱の式神によりゆき姉が剛腕の式神を固定していた氷は溶かされていた。

前からは剣聖の式神、後ろには剛腕の式神そして灼熱の式神はゆき姉に向けて火の塊を大量に発射した。

「本当に厄介ね…本当に面白い!」

そう呟いたゆき姉の両目は完全に変色していた。ゆき姉はまず灼熱の式神が放った火の塊を氷漬けにした。そして剛腕の式神、剣聖の式神を完全に氷漬けにする。

灼熱の式神が最大火力の炎をゆき姉に放つがゆき姉はそれすらも氷漬けにした。

「強すぎでしょあれ…」

モニター越しで見ていた楓先輩はそう呟いた瞬間異変を感じた。

「みんな、下がって!」

突然の襲撃者に対応できたのは楓先輩とミカさんのみ信一先輩と信二先輩、ホテルの人々はその場に倒れていた。

「へえ、今のを避けるんだ…なかなかやるね…」

突然現れた3人のフードを前に楓先輩とミカさんは慌てて戦闘態勢になる。現在、他のみんなはバーチャルリアリティ空間にいる。みんなの意識をバーチャルリアリティ空間から強制的に出すにはホテルの管理室に行かねばならない。

「さて、一応聞いてみるけど迷子じゃないわよね?」

「違う。任務を果たすために来た。呪われた血の少女を差し出せ…」

「それはティナちゃんのことを言ってるの?渡すわけないじゃない」
「楓さん、なるべく話を伸ばしてください」

即答する楓先輩の横でミカさんが呟く。先程、モニターで見ていたところ恐らくだが巫女さんとゆき姉の戦いはもうすぐ決着がつく。どちらかがバーチャルリアリティ空間からこちらに戻って来てからの方が勝率が高いと判断したミカさんはなるべく時間を稼ぐことにした。

「ティナちゃんを狙う目的は?」

「依頼主からの依頼だから」

「依頼主は誰?」

「回答不可」

ミカさんがなるべく時間を稼ごうとするがミカさんの質問は一瞬で返されてたいした時間稼ぎができない。

「あなたたちは何者?」

「黒の蝶」

フードはそう呟いて楓先輩とミカさんに襲いかかる。ミカさんと楓先輩はバーチャルリアリティ空間にいるメンバーの体がある部屋の扉の前に立ち3人を迎え撃つ。















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