とある学園生活は制限付き能力とともに
キャッスルアウト
「ねえねえ、晴樹たち、今暇?ていうか暇よね。一緒にキャッスルアウトしない?」
暇そうにホテル内をぶらついていた僕達に楓先輩が声をかけて来た。
「当夜とヴィオラ、信一、信二、緑、百合子にミカさんもやるみたいだしやりましょうよ」
「えっと、キャッスルアウトってなんですか?」
キャッスルアウトというものがなんなのかわからない僕は楓先輩に尋ねる。
「キャッスルアウトって言うのはね、2つのチームに分かれてバーチャルリアリティ空間でする遊びのことよ。バーチャルリアリティ空間の城下ステージで行うの、片方のチームが城を守り片方のチームが城の中にあるフラッグを取れば勝ちになる簡単な遊びよ。公式の大会があるくらいここら辺じゃ有名なのよ」
志穂先輩が丁寧に教えてくれる。ちなみにどちらかのチームを全滅させた場合も勝利になるらしい、結構面白そうだな…せっかくなので僕達も参加することにした。
チーム分けの際に見学を希望していた杏奈先生や花実、当夜先輩、ティナちゃんも強制参加になり全員で行うことになった。
チームはくじ引きで僕、ゆき姉、花実、楓先輩、志穂先輩、ティナちゃん、緑先輩、ミカさんのチームが城を攻める側
ダイナ、巫女さん、杏奈先生、当夜先輩、ヴィオラ先輩、百合子先輩、信一先輩、信二先輩チームが城を守る側だ。
「とりあえず作戦を決めましょう、晴樹とミカさんは敵と遭遇したら真っ先に戦闘して、緑と志穂、ティナちゃんはフラッグを探して、花実は常に晴樹の側にいること、わかった?」
「はい。わかりました」
楓先輩に聞かれて花実が少し慌てて返事をする。
「ゆきさんは私と城の前で敵を引きつけてもらえますか?」
「もちろん、喜んで協力させてもらいます」
「敵で要注意なのはダイナ、巫女、百合子、ヴィオラよ。そして信一と信二、2人は絶対に同時に戦っちゃダメよ」
「どうしてですか?」
ゆき姉が楓先輩に尋ねる。
「信一君と信二君の能力は相性がすごくいいの、ゆきさんは知らないかもしれませんが去年のダブルスランキングで信一君と信二君は4位です。2人同時だとゆきさんでもかなり苦戦すると思いますよ。ちなみに能力は…」
「志穂さん、それ以上は言わないでください。面白く無くなっちゃいますから」
ゆき姉が真剣な表情で志穂先輩に言う。なんかどこぞやの戦闘民族みたいな表情になってますよ〜
「じゃあ、そろそろ始めましょうか、そっちは準備できましたか?」
杏奈先生が僕達に尋ねる。僕達は杏奈先生に準備できてると答えゲームを開始する。
「さあ、あの城を落とすわよ」
「とりあえずみんなばらけて城に向かいましょう。敵と遭遇した場合の判断は基本みなさんに任せます」
志穂先輩はそう言い残して楓先輩とともに城に向かう。ミカさん、ティナちゃん、緑先輩、ゆき姉もそれぞれ城に向かう。
「晴樹、一緒に行こ」
花実が僕の手を掴んで言う。
「え、別々の方がいいんじゃ…」
「私の能力、晴樹と一緒じゃないと使えない…好きな人と一緒にいないと使えないの…」
「え、そうなの?」
「うん。だから一緒にいて…それに晴樹の能力と私の能力が合わされば無敵でしょ?」
「わかった。一緒に行こう」
僕は花実とともに城を目指す。
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