とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

告白















「ふあ〜みんな、おはよう」

僕はホテルのロビーにいた花実とダイナ、ゆき姉、巫女さんに挨拶する。

「あっ、おはようございます晴樹さん」
「おはようございます」

ダイナと巫女さんが僕の返事に答えてくれる。

「おはよう、晴樹…」

朝はいつもテンションが低いゆき姉はまだ少し眠たそうに言う。

「お、おは、おはは、おひゃよう、晴樹」

「どしたの?」

僕と目すら合わせようとしない花実の顔を覗き見ながら僕は花実に尋ねる。

「べ、別に何でもないわよ。ふん…」

あれ、なんか拗ねてる?どうしたんだろ…わけわからん…ダイナは花実の横で引きつった笑みを浮かべているしなんなんだこの状況……

「………晴樹、少し話がある。ちょっと来なさい」

花実がそう言いながら僕の手を引っ張り無理矢理僕を連れて行く。僕は何がなんだかわからないうちに花実の部屋に放り込まれてベッドに押し倒された。え、何この状況……なんかいろいろとまずい気がする……

「あの〜花実さん、話ってなんでしょうか?」

僕は恐る恐る花実に尋ねるが花実はベッドの上に横たわる僕の上に座ったまま何も言わない。ちょ、これ本当にやばいから、誰かに見られたらどうするのさ…まあ、オートロックの部屋だから見られることはないと思うけど…

「晴樹、私、晴樹のことが好き」

そう言いながら花実はベッドに横たわる僕に抱きついてきた。ちょ、花実さん、胸、当たってます!ちょ…

「どうしたの花実?罰ゲームか何かか?」

「違うわよ…私は本当に晴樹のことが好きなの…」

花実が顔を赤くしながら僕を抱きしめる力を強くして言う。あれ、なんか花実がいつもよりかわいく思える……

「えっと…いつから?」

「わかんない、気づいたら好きになってた」

即答だった。花実は僕の質問に何の戸惑いもなく即答した。

「なんで急に…」

「昨日の夜あんたがゆきさんと2人でいたのを見て居ても立っても居られなくなったの…」

花実は恥ずかしそうに小さな声で答えた。

「ねえ晴樹、私と付き合って…そうしてくれたら私、晴樹の役に立てるように精一杯いろいろ頑張るから」

「花実……」

「返事…聞かせて……大丈夫、どんな返事でも私は晴樹のことを好きでい続けるから…」

僕は花実になんて答えればいいかわからなかった。今僕はゆき姉に告白されて返事をしていない状態だ。それなのに花実に返事をするのは少し気が引ける…

「花実、ごめん。まだ返事はできない…」

「え、どうして…」

花実は目に涙を浮かべながら言う。

「ごめん。今は無理なんだ…」

僕は花実の涙をそっと拭き取ってあげながらゆき姉との約束のことを花実に言う。

「なるほどね。わかった。たしかにゆきさんに返事してないのに私に返事なんてできないわよね。あんたがゆきさんに返事をするまでこの返事は待ってあげるわ…」

「ありがとう、花実…」

「その代わりゆきさんとの約束を果たしたらちゃんと私に返事をしなさいよ」

「うん。約束する」

「ねえ、晴樹、もう少しだけこのままいて…」

花実はそう言いながら僕をギュッと抱きしめる。これは断れないな…

その後しばらくして僕と花実はみんなのもとに戻った。














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