とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

初戦組み合わせ















「ほうほう、これはおもしろい組み合わせになりましたね」

神峰学園ランキング戦初戦の組み合わせを見て杏奈先生が言う。ガーディアンズ第11番基地で神峰学園ランキング戦に参加しているのは僕とダイナだけだ。そして初戦僕達はそれぞれsランク能力保持者との戦いになってしまった。

初戦では僕と雷帝と呼ばれる総合ランキング2位の人が戦いダイナとゆき姉が戦う。

「まさか1位と2位にあたるなんてあんたたち運がないわね」

楓先輩がコーヒーを飲みながら呟く。

「あの、楓先輩、雷帝ってどんな方なんですか?」

「雷帝?私と似たような能力保持者よ。まあ、私より少し早いくらいかしら」

「楓ちゃんは去年の総合ランキング戦で雷帝を倒したことがあるのよ。ねえ、楓ちゃん」

「なんで志穂が自慢気に言うのよ…まあ、勝てたのは最初の1回だけで残りは負けてるけどね」

「それでもすごいですよ。楓先輩、あっ、コーヒーのおかわり淹れてきますね」

ダイナがそう言いながら奥の厨房に入っていく。

「そういえば晴樹、この前は惜しかったわね」

「あれ、惜しいって言うんですかね?」

「ま、まあ白雪姫をあそこまで追い詰めたのはあんただけだし惜しいって言うんじゃない?」

「最後…チート…だった…」

ずっと黙っていた百合子先輩が珍しく口を開いた。

「あの急速冷凍はどう足掻いても止められませんからね…」

楓先輩のコーヒーのおかわりを淹れながらダイナが言う。どうやらあの急速冷凍はあの試合を見た全員からチート認識されたみたいだ。前哨戦の翌日教室に入った瞬間クラスメイトにあれは勝てんわ。と言われ謎のどんまいコールをされたくらいだ。

「そういえば次はあんたが白雪姫とやるんでしょ?どう、勝てそう?」

「どうでしょう…やってみないとわからないですけど頑張ります」

「期待してるわよ。あいつに黒星をプレゼントしてあげなさい」

「楓先輩、白雪姫のことになると人格変わりますよね…」

ダイナと楓先輩の話を聞いていた巫女さんがボソッと呟く。

「まあ、昔のトラウマがあるから仕方ないわよね」

巫女さんの横で志穂先輩がボソッと呟く。

「ちょっとそこ、聞こえてるわよ!」

「さて、そろそろ交代の時間だし帰りましょうか」

「そうですね」

そう言いながら志穂先輩とダイナが帰る準備を始める。僕と花実も荷物を持ち立ち上がった。

「ちょっ、無視するな〜」

「じゃあ楓ちゃん、お先に」

「私も帰るわよ!志穂、待って…」

楓先輩は慌ててカバンを持って志穂先輩の後を追いかける。

「じゃあ、百合子先輩あとよろしくお願いします」

僕は交代に来てくれた百合子先輩に言う。緑先輩も交代で来てくれるはずなんだけどまだ来てないな…

「うん…任された…」

「私もいますよ…」

突如テレポートで現れた緑先輩が言う。能力出勤か…

「じゃあ緑先輩もよろしくお願いします。ティナちゃん、またね…」

「うん。またね〜晴樹、ダイナ…ティナ応援してるから頑張って」

僕達が第11番基地から出ようとした時ティナちゃんが僕とダイナにそう言ってくれる。やばい、嬉しい…

「この前の晴樹さんと白雪姫さんの戦いを見てティナちゃん、次のランキング戦がすごく楽しみみたいなんです。私も応援してますから頑張ってください」

ミカさんからも応援の言葉を頂いて僕達は帰路に着く。

「明日はダイナとゆきさんの戦いね…ダイナ、応援してるわよ」

「はい。頑張ります」

花実の言うとおり明日はランキング戦初日、その最初の試合でゆき姉とダイナが戦う。初戦なので当然注目度は高い。白雪姫との戦いとなれば尚更だ。明日はダイナとゆき姉の戦いが生放送されるらしい。

「ダイナ、頑張ってね」

僕はダイナに応援の言葉をかけてあげる。これくらいしか僕にできることはないしな…

「はい、ちゃんと晴樹さんの仇はとってきます」

「あの、僕まだ死んでないんだけど…」

「知ってます」

そんなやりとりをしているうちにアパートについたので今日はお開きになった。
















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