とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

ランキング戦前哨戦














「晴樹…好きだよ…私と付き合って…」

「え?」

数年前、ゆき姉が僕に別れを告げる時に僕はゆき姉から告白された。

「ゆき姉、急にどうしたの」

「いや、しばらく晴樹に会えないと思ったらつい…」

その後しばらく沈黙が続いた。しばらくするとゆき姉が口を開いた。

「急にこんなこと言われても困るよね…返事は次会った時に聞かせて…」

その後ゆき姉は遠くへ行ってしまった。当時僕はゆき姉のことを本当のお姉ちゃんとしか思えていなかった…その気持ちは今も変わらない…






「へえ、晴樹君とダイナちゃんはランキング戦に参加するんですね。花実ちゃんは参加しないんですか?」

ミカさんにガーディアンズの仕事を教えながら杏奈先生が花実に尋ねる。

「私は…無理ですよ…私の能力じゃ…」

「花実……」

「晴樹、ダイナ!聞いたわよ!あなたたちもランキング戦に参加するんですってね。今年の総合ランキング戦は盛り上がりそうね」

突然第11番基地に入って来た楓先輩が僕達に言う。

「総合ランキング戦?」

「総合ランキング戦っていうのはね毎年夏に神峰学園領土内にある全ての高校の生徒で行われるランキング戦よ。ちなみに楓ちゃんは去年の総合ランキング戦で28位、ヴィオラちゃんは32位、百合子ちゃんは102位、信一君は986位、信二君は2045位、緑ちゃんは35462位、当夜君は698532位で私は385426位だったわ」

疑問そうな表情をしていたダイナに志穂先輩が説明してくれる。ちなみに総合ランキング戦も自由参加なので参加したくない生徒は参加しなくてもいいようだ。毎年約750000人が参加するお化けイベントのようだ。

「去年は白雪姫が1位で雷帝が2位、爆裂姫が4位で画王が8位、風神が9位と神峰学園がトップ10の半分を独占してるからね…巫女には期待してるわよ!」

楓先輩が巫女さんの肩を叩きながら言う。てかゆき姉1位なのか…すごいな…ちなみにゆき姉は総合ランキング戦でも無敗らしい。

「今年は1年生にsランクの能力保持者が多いからかなりランキングが荒れそうですよ。晴樹君に巫女ちゃん、ダイナちゃんも頑張ってくださいね」

翌日、僕とダイナは校内のランキング戦に参加登録をした。そして僕とダイナがランキング戦に参加登録をしてから数日後…僕の元に1枚の封筒が届いた。

「…….…まじか」

僕宛に送られてきた封筒の中には1枚の紙が入っていた。その紙には…新年度ランキング戦スタートの前哨戦参加願い…新年度ランキング戦が始まる前に今年の1年生代表として前哨戦に参加していただきたいと思います。是非ご検討ください…僕の学年にはsランク能力保持者が4人いる。その中から1年生代表として僕が選ばれた。そして前哨戦は今年期待の1年生と昨年度王者、白雪姫こと白節雪との一騎打ち…つまり僕が前哨戦に参加することになったら僕とゆき姉が戦うことになる。

どうしようかと僕が考えていた時、ズボンのポケットに入っていたスマホが震える。

「知らない番号……もしもし?」

知らない番号からの電話だったが一応出てみることにした。

「もしもし、晴樹?」

「ゆき姉 ︎」

どうして?と疑問に思ったがそういえばこの前ゆき姉に会った時に電話番号を教えてたな…

「晴樹、前哨戦の案内届いた?」

「え、あっ、うん。届いたけど…どうしてゆき姉が僕のもとに送られたことを知ってるの?」

前哨戦の案内は1年生のsランク4人のうち1人だけに配られる。もちろん正式に相手が決まるまではゆき姉は誰が相手になるかはわからないはずだ。

「私が前哨戦の相手に晴樹を推薦しといたの…どうせ戦うなら晴樹がいいから…だから前哨戦、参加してよ…あと、晴樹が私に勝ったらあの返事を聞かせてよ…」

「え?ゆき姉が勝ったらじゃなくて僕が勝ったらなの?」

「だって…罰ゲームみたいな感じで返事をされたくないもん…だから私に勝って返事をしてお願いだから…」

「ゆき姉…」

「もちろん手は抜かないけど…勝ってね…」

そう言い残しゆき姉は電話を切った。ゆき姉との話を終えたあと僕は前哨戦の依頼を受けると学園側に連絡した。

そして翌日、ランキング戦前哨戦で僕とゆき姉が戦うことが学園内で報道された。















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