とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

帰還、そして果たし状















僕達の周りの光が消えると僕達は第11番基地の中にいた。

「帰ってこれたんですよね?」

当夜先輩が杏奈先生に尋ねる。

「ええ、私達が消えてから1時間くらい経過していますがちゃんと帰ってこれましたよ」

「ここが未来?」

ティナちゃんがあちこち見渡しながら僕達に尋ねる。横にいるミカさんも周囲をキョロキョロと見渡していた。

「はい。そうですよ。ミカさんとティナちゃんにはここで生活してもらいます。ミカさんにはティナちゃんの保護者になってもらいたいのですがいいですか?」

「もちろんです」

ミカさんが即答し杏奈先生が視線をミカさんからティナちゃんに変える。

「ティナちゃん、そのネックレスは大きくなるまでミカさんに預かってもらっててね…」

「わかった。ミカ、お願い…」

ティナちゃんがビスタさんからもらったネックレスをミカさんに渡す。ミカさんは丁寧にネックレスを受け取る。

「ティナちゃん、大切に預かっておくね」

「あと、ミカさんはこの第11番基地の職員になってもらいたいんですけど、どうですか?」

「是非やらせていただきたいです。正直、この世界でちゃんとした職に就けるか心配だったので助かります」

「わかりました。じゃあ今度正式な書類を用意しますね」

「よろしくお願いします」

その日僕達は第11番基地にミカさんとティナちゃん、杏奈先生と当夜先輩を残してそれぞれ家に帰った。家に帰ったら僕はすぐに寝てしまった。おそらく他のみんなもそうだろう。






「晴樹さん、晴樹さん、早く起きてください。遅刻ですよ!」

僕はダイナが扉を叩く音で目を覚ました。枕元に置いてある時計を確認すると時刻は8時15分……あっ、やばい遅刻だこれ……

僕は慌てて着替えて鞄を持って部屋を出る。僕が部屋を出るのと同時に花実も部屋から飛び出して来た。

「晴樹、テレポート!はやくテレポート!」

できればこんなことで能力を使いたくないのだが仕方ない…僕は慌てて花実とダイナの手を掴んでテレポートを発動させる。

「ふう、なんとか間に合ったね…」

テレポートで学校の近くまで移動しそこから教室まで猛ダッシュした花実が息を切らしながら言う。もちろん、僕とダイナもかなり息が荒かった。

「さあ、オリエンテーションテストの結果を返しますよ〜番号順に取りに来てください〜」

担任の先生が僕達のテスト結果の束を抱えて言う。ちょい待て、まだオリエンテーションテスト受けてから2日くらいしか経ってないんですけど…結果返ってくるの早過ぎない?

「晴樹さん、テストの結果どうでした?」

テスト結果の用紙を持ったダイナが僕の元にやって来る。

「う〜ん、まあ普通くらいかな…ダイナはどうだったの?」

「私も普通くらいですよ…」

「晴樹、ダイナ、テストの結果見せて〜」

そう言いながら花実が僕とダイナのテスト結果の用紙を奪う。見せて〜じゃなくて見せろの方が正しいな…

「2人とも…こんなに頭いいの……」

花実がそう言いながら自分のテスト結果を見せる。

英語96点
国語12点
数学0点
理科5点
社会26点
合計500点中139点

………悪すぎだろ…てかなんで英語だけそんなに点数高いんだよ…

ちなみに僕とダイナの点数は…

僕、英語48点
国語98点
数学100点
理科82点
社会72点
合計500点中400点

ダイナ、英語84点
国語86点
数学64点
理科75点
社会98点
合計500点中407点

ちなみに平均点は287点…花実さん、留年しないようにしてね……

そうこうしているうちに1時間目開始のチャイムが鳴ったので僕達は席に戻った。

そして机の中にテスト結果をしまった時に机の中に一枚の紙が入っていることに気づいた。折り曲げられていた紙を開き紙を見つめる。

その紙にはこう記されていた…
本日、昼休憩の時間に体育館裏で待つ!この紙を持参し我が前に顕れよ!と……これって、いわゆる果たし状ってやつなのか?

僕は紙をポケットにしまい授業に集中する。
そして昼休憩の時間、僕は紙をポケットにしまったまま体育館裏に向かう。普通ならいかないかもしれないが果たし状だよ。なんかカッコいいじゃん!気になるじゃん!僕はそう思いながら慎重に体育館裏に入る。


















コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品