とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

対決












「何故あなたがここに……」

僕達を追いかけて階段を降りて来ていたアシュリーさんの足が止まる。

「あなたをとめるためです。アシュリー…お願いだからもうやめて…」

「ミカ様、すみません。今は辛いかもしれませんが必ずミカ様のためになります。ですから全てが終わるまで大人しくしていていただけませんか?」

「それはできません…」

「そうですか…では申し訳ありません。少し手荒になってしまいますがお許しください」

「どうしてもやめてくれないのですね…なら仕方ありません。私も覚悟をきめましょう…」

ミカさんがそう呟きながら能力を発動させる。

「ミカ様、あなたは強い…ですが私には勝てませんよ…」

「やってみないとわからないでしょう…たしかに私に戦い方を教えてくれたのはあなたですけど私はすでにあなたより強いと思いますよ…」

「そうですか…もしそうだったら嬉しいです。ですがミカ様のために負けられません…」

「………だから私はそんなこと望んでねえんだよ」

ミカさんは拳に怒りを込めてアシュリーさんを殴りつける。ミカさんに殴られたアシュリーさんが消えることはなかった。

「何故私が本体だと?」

ミカさんに殴られたアシュリーさんがミカさんに尋ねる。

「乙女の感ってやつかな…」

ミカさんは笑いながらアシュリーさんの問いに答える。







「どけどけどけ、どきやがれー」

テレシアさんを探しに向かった楓先輩はレヴナント本部から少し離れた場所にいたレヴナントの兵士達と戦っていた。

「くそっ強すぎる…」
「撃っても構わんさっさと仕留めろ」

レヴナントの兵士達を束ねていたリーダーらしき人物が指示をだすとレヴナントの兵士達は容赦なく楓先輩に向かって弾丸を放った。

「私に弾丸は効かないわよ」

楓先輩は能力を使い弾丸の軌道を変える。楓先輩が軌道を変えた弾丸は全てレヴナントの兵士達のもとに戻っていった。
楓先輩から返ってきた弾丸をレヴナントの兵士達が慌てて弾丸を躱している間に楓先輩はレヴナントのリーダーらしき人物が乗っていた車を能力で楓先輩の近くまで引き寄せた。

「さあて、痛い目に遭いたくなかったら私の質問に正直に答えなさい」

楓先輩は車の扉を開きリーダーらしき人物に手を触れながら言う。

「貴様の質問に答えるわけないだろ」

「へえ、じゃあ答えなくていいわよ。そのかわりあなたの体に大量の電流が流れることになるけど…」

「ぎゃあ……いってえ…」

楓先輩が試しに弱めの電流をリーダーらしき人物に流し込む。

「次はもっと強力なのを…」

「わかった。わかったから、なんでも教えるからもうやめてくれ」

リーダーらしき人物は相当痛かったのか素直に楓先輩の言うことを聞くことにした。

「そう、じゃあまずあなたたちはここで何をしてるか教えてくれない?」

「上からの命令で取り逃がしたアビリティアの女を捕らえるように言われその女の捜索をしてました」

「そう…で、その女は見つかったの?」

「いいえ、まだ見つかってません。ここら辺にいるはずなのですが…」

「そう。答えてくれてありがとう。お礼に死なない程度に加減してあげるから許してね…」

「え?」

リーダーらしき人物はきょとんとした表情をした時には楓先輩の電流が容赦なくリーダーらしき人物の体に流れ込んでいた。楓先輩、意外と酷いことするな…

「どうやらテレシアさんはまだ無事みたいね…はやく探さないと…」

楓先輩は止めていた足を再び動かし始める。










「ヴィオラ先輩…ちょっと…待って…ください……」

僕は息を切らしながら精一杯ヴィオラ先輩を追いかける。ヴィオラ先輩走るのはやすぎだろ……

「全く、男のくせにだらしないのかしら…はやく来ないと置いてくのよ…」

「少しだけ…待って…ください…」

僕が必死に走ってヴィオラ先輩に追いついた瞬間、ヴィオラ先輩の足が止まる。

「行き止まりなのかしら…」

ヴィオラ先輩の前には巨大な扉が立ち塞がっていた。扉の横には扉を開けるためのパスワード入力装置のようなものが設置されていた。

「どうしますか?」

「正面突破に決まってるのかしら」

ヴィオラ先輩はそう言いながら巨大なネジを作り回転をかけて扉めがけて発射した……のだがヴィオラ先輩が発射したネジは巨大な扉にあっさりと弾かれてしまった。

「すごい硬いのかしら…晴樹、お前の能力で進むのかしら…」

ヴィオラ先輩がそう言いながら僕に手を差し出す。

「わかりました」

僕はヴィオラ先輩の手を取り、テレポートを使い扉の向こう側に移動する。

「ここは?」

『侵入者発見、侵入者発見、迎撃に入ります。迎撃のためNO.1を解放します』

音声が流れた後、1と書かれた扉が開く。

「侵入者か…貴様らを倒せば俺様は自由になれる。悪く思うなよ…」

そう言いながら1人の男が扉の奥から現れた。

「どうやらむこうはやる気みたいなのかしら…」

「やるしかないみたいですね…」

僕とヴィオラ先輩は戦闘態勢に入る。男が僕達の方へ走り出した瞬間、僕はテレポートで男の真後ろに移動し男の後頭部に蹴りを入れる。

僕の蹴りが直撃した男は数メートル程吹っ飛んだがすぐに立ち上がった。

「なかなかやるじゃねえか、面白い…」

男はすごく楽しそうに笑いながら再び僕達に迫る。


















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