とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

第11番基地








「これって…」

僕が目の前に立つ建物を見て呟く。

「ファミレス、ですかね?」

僕が建物を見て驚きのあまりぽかーんとしていると隣にいたダイナが言う。

僕達は現在、ガーディアンズ第11番基地であるはずの建物の前にいた。見た感じ建物は一般的なファミレスだった。

「ここにガーディアンズ第11番基地って書いてあるけど…」

花実が建物の近くの看板を指差して言う。

「本当だ」
「本当ですね」

僕とダイナが看板を見つめて言う。

「とりあえず入ってみようか…」

「そうですね…」

僕の意見にダイナが同意して建物の扉を開ける。
建物の中に入ると中の様子はファミレスとは程遠いものだった。

右端にはファミレスのようなテーブルやイスなどが設置されていた。ざっと30人分の席はあるだろう。

そして左端はファミレスの厨房があり、真ん中にオフィスのような物がいくつかあった。

「あのーすみません」

僕は誰か人がいないか確認するために大声で叫ぶ。

「はい。どちら様でしょうか?」

厨房の横にあった扉から1人の女の子がでてくる。僕達の学校とは違う学校の制服を着ている。ブレザー、短めのスカート、黒タイツ、茶髪のツインテールと男子が好きそうな要素が満載な女の子だ。ただちょっと胸が控えめかな…

「どこ見てんのよ変態!」

花実がそう言いながら僕の頭を叩く。

「いやいや、変なとこなんて見てないし変態じゃないって」

僕は慌てて花実に言う。まあ、実際は見ていたのだが認めたくない…

「えーと、今日はどのようなご用件で?」

女の子が困ったような顔をしてこっちに近づきながら言う。

「あっ、僕達ガーディアンズ第11番基地に所属することになったんですけどここがガーディアンズ第11番基地であってますか?」

「あー貴方達がうちに配属になった新人さん達ね、さっき書類が送られてきたばかりでまだ目を通してなかったからわからなかったわ。ごめんね」

「こちらこそ急に押しかけちゃってすみません」

どうやらここがガーディアンズ第11番基地であってるみたいだ。

「いやいや、常に人手不足だったから早く来てもらえて助かったよ。とりあえずお茶でもだすからあっちの席に座っててよ」

「はい。わかりました」

僕達は言われた通り席に座り静かに待っていた。僕達が座っていた席はファミレスの6人用の席と全く同じ作りだった。

「おまたせ〜よかったら飲んでよ」

僕達の前にお茶が置かれた。

「「「ありがとうございます」」」

僕達3人は軽く頭を下げながら礼を言う。

「3人ともそんなに固くならなくていいよ。あっ、そういえばまだ自己紹介してなかったわね。私は花田緑、緑でいいよ。剣城高校の2年生、これからよろしくね。晴樹君、花実ちゃん、乃南ちゃん」

「「「はい。こちらこそよろしくお願いします」」」

「さて、とりあえず仕事とかの説明を…」

「「ただいまー」」

緑先輩が何か言いかけたのを2つの声が遮る。

「あっ、ほかのメンバーが帰ってきたみたいね。おかえりー」

緑先輩が返事をすると2人の女の子が近づいてくる。
1人はおっとりとした感じの優しそうな女の子、もう1人は強気な感じの金髪の女の子、どちらも同じセーラー服を身に纏っている。セーラー服、白ニーソ、紺のハイソックスとかなりいい…また見つめていると花実に何か言われそうなのでやめておこう。

「おつかれさま、2人とも」

緑先輩が近づいてくる2人に声をかける。

「本当に疲れたわ、そっちの3人は誰?」

金髪の女の子が緑先輩に尋ねる。

「この子達は新しくここに配属された子達だよ」

「へー新人か、私は結城楓、八代高校の3年生よ。よろしく」

高校3年生の割には胸が控えめのような気が…と心の中で思った。

「私は杉本志穂、楓ちゃんと同じ八代高校の3年生です。よろしくね」

こっちは高校3年生なのに胸でかすぎません?と思った。どちらもかなり可愛いです。

その後僕達3人は楓先輩と志穂先輩に自己紹介などをした。

「あっ、そういえば報告するの忘れてた…緑、やっぱり八代高校の生徒だったわ…まあ、私が気絶させて検査のため病院に搬送したけど」

楓先輩が緑先輩に言う。

「そう、また八代高校の生徒…偶然とは思えないわね…」

「ちょっと八代高校に行って異変がないか調べてくるわ…志穂行くわよ!」

「ええ、わかりました」

楓先輩と志穂先輩が八代高校に向かおうとする。ぶっちゃけ僕達は何について話しているのかわからずぽかーんとしているだけだった。

「あっ、楓先輩ちょっと待ってください。この子達も一緒に連れてってあげてくれませんか?」

緑先輩が楓先輩に頼む。

「え?私と志穂だけで充分だと思うけど…」

「八代高校を調べるなら人数が多い方がいいでしょうしついでに仕事とかも教えてあげてください」

「たしかに八代高校は広いしね、わかったわ。一緒についてきなさい」

楓先輩が僕達に言う。3人とも今日は暇だったので楓先輩と志穂先輩について行くことになった。










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