とある学園生活は制限付き能力とともに
スキルブローグ
ヴィオラ先輩が次々とネジを発射して行く。
「無駄だって言ってるのがわからないの?あなたの攻撃は通用しないの」
「ふっ、あなたは知らないかもしれないけど私と楓の模擬戦での戦績は48勝76敗なのよ…だから私がその機械相手に勝てないと決まったわけじゃないのかしら…」
「そう…まあ、勝手に頑張ってちょうだい」
「ええ、そうさせてもらうかしら」
そう言いながらヴィオラ先輩はネジを連射する。が、ヴィオラ先輩が放ったネジは楓先輩の能力でヴィオラ先輩は狙った場所とは全く違う場所に向かっていく。
「そろそろあなたの攻撃を防いでばかりというのも飽きてきたからスキルブローグの攻撃機能をonにするわね」
「勝手にするがいいのよ…」
ヴィオラ先輩の言葉を聞き弥生先生は手元にあったリモコンのようなもののボタンを押す。
『攻撃モード機能、敵に向けての攻撃を開始します』
スキルブローグから音声が流れるとスキルブローグの背中から何本かの銃口が現れた。そしてスキルブローグはヴィオラ先輩目掛けて銃口から弾を連射する。
「なっ…」
ヴィオラ先輩は驚きながらも小さいネジを大量に作り出しスキルブローグが放つ銃弾にぶつけていく。
「へえ、なかなか器用なことをするのね…」
スキルブローグの後ろに立つ弥生先生がヴィオラ先輩の戦い方を興味深そうに見つめる。
「じゃあ、これはどうやって防ぐのかな?」
弥生先生がパソコンを取り出し何か入力を始める。
『新規プログラムインストール完了、攻撃パターンを20種類追加』
スキルブローグから発せられた言葉を聞きヴィオラ先輩は驚く。
「今の一瞬で20種類も攻撃パターンをこの機械に送ったのかしら」
「ええ、そうよ。攻撃パターンにいろんな生徒の能力を組み込んでみたの。頑張って防いでみてね」
弥生先生がそう言った直後、スキルブローグがさっきと同じように弾丸を放つ。
「さっきと同じ攻撃みたいだけどちゃんとプログラムしたのかしら?」
ヴィオラ先輩が余裕の笑みでネジを飛ばしていく。
「まあ、ここまではさっきと全く同じだけど…」
弥生先生がそう呟いた瞬間、弾丸の軌道が急に変わり放物線を描きながらヴィオラ先輩に向かっていった。
弾丸とぶつからなかったネジは全てスキルブローグとは全く別の方向に飛んでいく。
「まずい…」
ヴィオラ先輩は慌てて数歩下がりかなりギリギリだったが弾丸を回避する。
「へえ、よく避けれたわね。じゃあ次はもっと工夫した攻撃パターンだから頑張って」
弥生先生がそう言うとスキルブローグが動き出す。
スキルブローグから弾丸が発射される。先程と同じように弾丸は放物線を描いて迫ってきた。それがわかっていたヴィオラ先輩はネジを弾丸に的中させた。
直後、弾丸が爆発する。
「きゃっ…」
ヴィオラ先輩が爆風に巻き込まれ、床に倒れこむ。
「弾丸に能力を使用した物が衝撃を与えられたら軽く爆発する能力を使ったのよ。これで、終わりね…」
弥生先生がそう言った直後、スキルブローグはヴィオラ先輩目掛けて真っ直ぐに弾丸わ放つ。床に倒れていたヴィオラ先輩にそれを避ける術はない。
「くっ…」
ヴィオラ先輩に何発か弾丸が当たった。手と足に数発ずつ弾丸が当たりヴィオラ先輩はその場から動けなくなった。
「ふふふ、急所は外してあげたわ。あなたには私のモルモットになってもらいたいしね…」
「まだ、終わってない…のよ…」
ヴィオラ先輩がそう言いながら最後の力を振り絞る。
「これで、終わりなのかしら」
「なっ…いつの間に…」
ヴィオラ先輩が先程から少しずつスキルブローグの上空に留めていたネジを最高速度で一気に打ち出した。スキルブローグが楓先輩の能力を発動させる前にネジはスキルブローグに当たるかのように思えたがスキルブローグにネジが当たる少し前にヴィオラ先輩の力が尽きた…
勢いを失ったネジはスキルブローグの装甲にあっさりと弾かれた。
「くっ…」
ヴィオラ先輩が悔しそうな顔をしながら弥生先生を見つめる。
「残念だったわね。最後の一撃が通じなくて、じゃあ早速あなたを私の研究室に運ばせてもらうわね…」
そう言いながら弥生先生はヴィオラ先輩に近づいていく。
「させない…」
突如現れた声の主が弥生先生目掛けてビームを放つ。
突如放たれたビームに驚き弥生先生は慌ててスキルブローグに後ろまでさがる。
「ヴィオラ先輩、大丈夫ですか…」
ダイナが慌ててヴィオラ先輩に近づく。
「ええ、大丈夫なのかしら…」
「今、緑先輩たちがここに向かってきてます。詳しい座標がわからないため緑先輩のテレポートが使えないみたいですがあと数分で到着するはずです。緑先輩が来るまでここで大人しくしててくださいね」  
スキルブローグから飛んでくる弾丸をビームで消滅させながらダイナはヴィオラ先輩を部屋の隅まで運び寝かしつけて言う。
「悪いわね…あとは任せるのかしら」
「はい。任せてください。とりあえず緑先輩が来るまでヴィオラ先輩は私が守りますから」
ダイナがヴィオラ先輩の前に立ちヴィオラ先輩に言う。
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