とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

22:新たなる物語








「え〜それじゃあ、新しいメンバーの加入と今回の一件の解決とヴィオラちゃん、志穂ちゃんの退院を祝して………乾杯〜」

杏奈先生がそう叫びながらジュースが入ったグラスを突き出す。僕達も杏奈先生に続き乾杯と叫びながらグラスを突き出す。

今日は僕達の歓迎会、昨日の事件解決祝い、ヴィオラ先輩と志穂先輩の退院祝いをまとめて第11番基地で行なっていた。第11番基地所属メンバーは全員参加しているみたいだ。

「志穂先輩、もう動いても大丈夫なんですか?」

「ええ、もう大丈夫よ。心配かけてごめんね。ダイナちゃん…」

「そうですか、なら良かったです。一応無理はしないようにしてくださいね」

「ええ、ありがとう」

「あっ、ダイナちゃん〜ちょっとこっち来て、ダイナちゃん達が会ったことない人達に紹介するから」

「あっ、はい。じゃあ、志穂先輩失礼します」

緑先輩に呼ばれたダイナは志穂先輩に軽く頭を下げて僕達の元にやってきた。

「みんな揃ったね。じゃあ軽く他のメンバーの紹介をするね。こちらは佐幸当夜先輩、3年生よ」

「当夜です。よろしく。そっちの2人には昨日会ったね。これからよろしく」

「「「はい、よろしくお願いします」」」

当夜先輩は黒髪でどこにでもいそうな高校生という感じだったがすごく優しそうな感じの先輩だった。

「こっちの2人は上川信一と上川信二双子の2年生」

「「上川「信一」「信二」です。これからよろしく!」」

さすが双子…息がぴったりだ…信一先輩は赤色の髪で少し暑苦しそうなタイプ。信二先輩は青髪で大人しそうなタイプだ。

「そしてこの子は東百合子ちゃん、私のクラスメイトだよ」

「東…百合子…です……よろしく…」

少し長めの黒髪を1つに纏めた凄く大人しそうな感じの先輩だった。

「百合子ちゃん、しっかり挨拶しないと!」

「えっ…あっ…ごめんなさい…」

百合子先輩はそう言いながら緑先輩の後ろに隠れる。

「ごめんね。百合子ちゃんちょっとだけ人見知りなところがあるから…まあ、そのうち慣れると思うから…」

緑先輩が僕達に言う。ちょっとというレベルを超えていると思うのだが…

「さて、これで全員紹介したかな…じゃあ後は適当に楽しもう!」

緑先輩はそう言い近くにあった料理に手をつける。今日はみんなが食べたい物を適当に少しずつ持ち合ったのだがダイナはこういう集まりが初めてみたいで気合い入れて料理を作りすぎたらしい。

「これ…凄く…美味しい…」

百合子先輩がダイナが持ってきた唐揚げを食べて言う。

「へえ〜どれどれ〜私もいただきま〜す」

百合子先輩につられて緑先輩もダイナが持ってきた唐揚げを口の中に運ぶ。

「ん、美味しい…これダイナちゃんが作ったの?」

「あっ、はい。今朝早起きして頑張りました」

ダイナは朝早くから準備を始めて夕方までずっと料理をしていたみたいだ。

みんながダイナの料理を食べて美味しいと言うのでダイナはすごく嬉しそうだった。




「あの〜すみません…」

みんながダイナの料理を味わっていると1人の女の子が扉を開けて入って来た。

「あっ、来ましたね。待ってましたよ」

入って来た女の子を杏奈先生が迎え入れる。

「皆さんに紹介しますね。晴樹君達と同じく今年から第11番基地に所属することになった神の倉巫女さんです」

「神の倉巫女と申します。これからよろしくお願いします」

そう言い女の子はその場で深く頭を下げる。それよりも気になるのが…

「え〜と、ちょっと聞いていい?」

おそらく僕が気になっているのと同じことを楓先輩が尋ねようとする。

「はい。なんでしょうか?」

「え〜と、なんで巫女さんのコスプレしてるの?」

そう、彼女は神社とかにいる巫女さんが着てるような服を着ているのだ。自虐ネタかな?

「あっ、実家が神社をやっているので…さっきまで家の手伝いをしていて…」

あっ、そういうことね。みんなが納得したような顔をする。

「じゃあ、紹介も済んだことですし巫女さんも楽しみましょう」

「あっはい。」

杏奈先生に巫女さんがそう答える。

「巫女ちゃん、巫女ちゃん、こっち来なよ〜」

花実が巫女さんをこっちに呼ぶ。花実に呼ばれた巫女さんが僕達の元にやってきた。

「ねえ、もしかしてあなた八代高校の生徒?」

僕達の近くにやってきた巫女さんに楓先輩が尋ねる。

「はい…そうですけど…もしかして楓先輩と志穂先輩ですか?」

「え?なんで知ってるの?」

「今日部活で学校に行ったら噂になってましたよ。レズで有名な志穂先輩と楓先輩が生徒暴走事件の解決に貢献したって…」

「ちょっと、待って…私たちがレズって誰が言ってたの?」

「弓道部の部長さんが…」

「あいつか〜今度しばき倒す」

楓先輩が拳を強く握りしめて言う。

その後僕達は巫女さんに軽く自己紹介を済ませて話をしたりして楽しんでいた。





「さて、夜遅くなってきましたしそろそろお開きにしましょうか…」

夜10時くらいになり杏奈先生がみんなに言う。たしかにそろそろ良い子は寝る時間だ…

「じゃあ、ここら辺でお開きにしましょうか」

緑先輩がそう言い立ち上がる。





その瞬間、第11番基地が光で包まれる。

「何が…」

僕達は何が起こったのかわからずにいた。第11番基地から光が消えた時、第11番基地の中には誰もいなかった。











英雄の意思は引き継がれる。

過去でも…

現在でも…

未来でも…

これは古の大戦を終わらせた英雄達の物語

この世でもっとも新しい英雄達の物語を今!始めよう………
















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