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猫好き高校生と人間になった三匹の美人三姉妹

チャンドラ

最終話

「それじゃ、注文をどうぞ。」
「俺は、らぶりーハンバーグセットで頼む。」
「私は、ぷりてぃオムライスでお願い。」
「私は、きゅんきゅんミートソースでお願いします。」
「かしこまりました!」
 十分後、料理が届いた。
「おにぃ。想像以上に料理おいしいね。」
「まぁ、ぶっちゃけ冷凍食品とか上手く盛り付けしてるだけなんだが確かにそれなりにおいしいな。」
「ええー!? 手作りじゃないの?」
「違う。そんな暇はない。彩香のところもだよな?」
「うん。まぁぶっちゃけ。」
「聞かなきゃ良かった……闇を聞いた気分だよう......」

葵は、落胆したようにそう呟いた。
 言わないほうが良かったかなと貴正は後悔した。
 ご飯を食べたあと、三人は教室を後にした。
「そういえば、彩香は磨衣子のクラスは昨日見に行ったのか?」
「うん、一応見に行ったよ。」
「ねぇ、おにぃ。磨衣子さんって誰?」
「彩香と美賀子の姉だよ。」
 ありのままの事実を貴正は、葵に伝えた。
「ええ? 三姉妹なんだ。私、見に行くわ! 教室どこ?」
「磨衣子は隣の一組だ。」
「分かった! 私、一人で行くから、おにぃたちはデート楽しんできてね!」
 葵は、グッと親指を立てて、貴正たちから離れていった。
「あいつ……全く。」
「貴正、この後どうする?」
 この後の予定を彩香が訊いてきた。彩香の休憩時間の終わりまで、後一時間ほど残っていた。
「そうだな……彩香少し付き合ってくれ。」
「え? いいけど……」
 貴正は、彩香を屋上へと案内した。屋上は、本来行くのを禁止されているが、去年、貴正は昼休みなどよくここで昼食を食べていた。
「久々に来たなー。ここ。」
「へー。学校にこんなところがあったんだね。初めて知ったよ。」
「まぁ、本来行くの禁止されてる場所だしな。」
「えー! そんな場所にいても大丈夫なの?」
「まぁ……ばれたことないし、大丈夫だろ。」
 屋上に行くのを禁止している学校は以外と多い。学校のサボり場所になったり、男女の不純異性行為が行われることも昔は稀にだがあったということが原因とされている。貴正の学校は屋上に行くのは禁止されているものの、屋上への扉に鍵などはかけられていないため、簡単に行き来できた。

 しかし、あまりその存在を知られていないため、ほとんど屋上を利用するものはいない。
「お前ら三人が転校する前はさ、よくここで一人で昼ご飯食べてたんだ。」
「そうだったんだ。友達と食べたりしなかったの?」
「まぁ……去年は、友達少なかったしな。」
 クラスには、五十嵐くらいしか親しい友達はいなかった。それに、バスケ部の同じ学年の部員は、貴正が二年で唯一のレギュラーメンバーということで特別扱いしていおり、どこかよそよそしい態度をとっていた。
「でも。お前ら三人が来て、昼休みが楽しくなったよ。」
「そっか。それは、良かった。」
 嬉しそうに彩香は答えた。屋上は風が強く、短い彩香のスカートがパンチラを発生させそうで、少しドキドキしたが、貴正は話を続けた。
「なぁ……彩香。聞いてくれ。」
「うん。なに?」
 貴正は、彩香たちが転校してからの日々を思い出した。
 体育祭、テスト勉強、メイド喫茶、そして今日の文化祭。自分の気持ちに気づいたことがある。
「彩香。俺は、お前が好きだ。付き合ってくれ。」
「え……」
 彩香は、時が止まったかのように硬直した。
 いつからだろうか。貴正は、彩香を好きになった。無邪気で気まぐれでそして可愛らしくまるで猫を彷彿とさせるような彩香に惚れ込んだ。
「私――」
「こらー! お前ら、何やってるんだ!」
 先生が、屋上にやってきた。二人は、怒られたものの、軽い注意で済んだ。
 彩香は答えを言わないまま、去っていった。話かけようとしたものの、「私、クラスの手伝いあるから!」と去ってしまった。
 これはダメかな……と貴正は半ば諦めた。その後の文化祭は適当に体育館でやっている劇団やバンドの演奏を見たりして時間を潰した。
 長かった文化祭もようやく終わりを迎えた。十六時三十分に全クラスの出し物の時間を終え、体育館でフェナーレを行い、文化祭の全日程を終了した。
 フェナーレ終了後、彩香は美賀子を呼び出した。

「彩香、どうしたの? 突然話があるって?」
「実は……私、貴正に告白されたの。」
 美賀子は、物凄くショックそうな顔をした。その顔をみて、彩香は悲しそうな顔になった。
「私……断ろうと思う。だって、美賀子のほうが貴正のことを好きだと思うし……」
「私のことよりも彩香。あなたはどうなの? 貴正くんのこと好きじゃないの?」
「それは……好きだけど。美賀子のほうが好きだったじゃん。それこそ、私たちが猫だった時から。」
 彩香たちは、朝食と夕食の時以外、ほとんどの時間を人間の姿で過ごしていた。完全に人間の生活に適応できていた。
「いい、彩香。たとえどれだけ片方が相手を好きでも……愛していても、もう片方が愛していなければ恋愛は成り立たないの。彩香と貴正くんはお互いに好き。なら、付き合うべきだわ。」
「でも……いいの?」
「いいもなにも、普通は好きな人の幸せを願うものじゃない!」
「美賀子……」
  彩香は人目も気にせず、美賀子に抱きついた。周りの人は、レズの波動を感じ、二人に目をやった。
「ちょっと……恥ずかしいから離れなさい。彩香。それと、早く貴正くんのところに行ってきなさい。」
「分かった!」
 彩香は、貴正のところに駆け出していった。
「あーあ。私、振られちゃったな……告白もしてないけどね。」
 一人ポツンと美賀子は呟いた。しかし、貴正と彩香ならきっと上手くいくだろう。そう美賀子は予感していた。
 告白撃沈したと思っている貴正は、早く帰って寝ようと考えていた。玄関の自分の靴箱に手をやった瞬間、声をかけられた。
「貴正!」
「美賀子……!」
 数秒間、二人は見つめ合い沈黙していた。
「とりあえず一緒に帰るか。」
 貴正はそう彩香に提案した。
「うん。」
 二人は並んで歩いた。しばらくの時間、沈黙が続いた。何分か経過して、彩香が口を開いた。
「ねぇ……貴正。さっきのあれだけど。」
「ああ……」
「私のほうこそ、よろしく頼む!」
 そう言われ、貴正はマスオさんのような声を出しそうになったが、必死にこらえた。
「え……お前、本当にいいのか?」
「うん! 私も貴正のこと大好きだし。それに……美賀子も応援してくれたしさ。」
「美賀子に相談したのか……まぁいいけどよ。」
「ってか貴正は私のどこを好きになったの?」
「なんていうか……無邪気で……猫っぽいところかな!」
「え?」
「うん? あ、いや何でも。そうかー! 猫っぽいところか! うん! そういうところ確かに私あるかも!」
 彩香は一瞬、貴正が自分の正体を知っているのではないかと思い、驚いた。
「とりあえず、よろしくな。彩香。」
 貴正は、彩香に手を差し出した。彩香は貴正の手を握った。
 彩香と貴正の交際一日目。二人は手をつないで帰宅したのであった。


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