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猫好き高校生と人間になった三匹の美人三姉妹

チャンドラ

11話

「それでは、位置について、よーい……」

 バァン! とスターターピストルの音が、鳴り響いた。今更ながらスターターピストルとは、陸上競技、運動会などでスタートの際に鳴らす、音の出る銃のことであり、科学技術の発展により火薬を使わない電子式のものもある。(豆知識)

 最初の走る選手達は、一斉に走り出した。リレーに出場する佐江を除く選手は、全員何らかの、運動部に所属している。走るのが速いのは当然であった。
 四番目の選手達の状況を見ていると、どうやら、貴正のクラスは、現在四位で
 また、佐江のクラスは、三位であった。
 佐江は、バトンを受け取ると、かなりの速さで、先頭を切っている選手に迫り寄ってきた。ものすごい速さだと思った。百メートルそうで、彼女の走りは見ているが、改めて見るとやはり目を見張るものがあると感じた。 

 例えるなら、某ポ○モンマスターを目指す少年の一年間に地方を巡るスピードと同じくらいの速度なのではないか貴成は思った。
 まぁ、あの世界は時の流れが特殊なのかもしれないが。
 というか、佐江に百メートル走で勝った美賀子もリレー走に出場すればよかったのにと貴正はつくづく思った。今、貴正たちのクラスは五位であるが、美賀子がでればもっといい試合になっただろう。 
 佐江は、一位に躍り出て、次の選手にバトンを渡した。

 結局、二年女子のリレー走は、一位が六組で、二位が四組、三位が三組、四位が二組五位が一組、六位が五位という結果に終わった。
 ちなみにリレー走の得点は、一位から順に、百点、八十点、六十点、四十点、二十点、点数なしとなる。
 ゆえに、リレー走までの得点が大差であっても、逆転は、十二分に可能なのである。
「それでは、二年生のここまでの合計得点を発表します。」
 アナウンスの声が会場全体に流れた。貴正は、自分たちのクラスが現在何位なのか全く把握していなかった。
「一組、現在三百二十点。二組、三百七十点。三組、三百五十点。四組、三百八十点。五組、三百六十点、六組四百点です。」
 現在、六組が一位で、貴正のクラスが三位であった。
 優勝するには、四組より二十点以上、六組より三十点以上、リレーで差をつける必要があるということだ。
 貴正は、バトンをもらう位置に移動した。アンカーとして、頑張って走りきろうと思った。
「頑張れよ! 貴正。」
 キャプテンの三澤拓郎が貴正に話しかけてきた。拓郎もリレー走に出場すると前に部活で言っていたことを貴正は思い出した。貴正と違ってアンカーではないらしいのだが。

「ありがとうございます。」
礼を言い、バトンをもらう位置に向かう。定位置に着くと、近くには五十嵐がいて、貴正に話しかけきた。
「頑張れよ! 貴正。ワルブレばりの高速移動披露しろよ!」
「ありがとう、五十嵐頑張るよ。」

 正直、あのアニメは最初の方しか見たことがなく、貴正は『綴る』や『そのためのヤシの木』くらいしか分からなったものの、一応五十嵐に礼を告げた。

 なんやかんやで優勝したいという気持ちに貴正はなった。相手チームには、陸上部の連中もいるが、部活でたくさん走り込んでいる自分は、陸上部のやつらにだって負けはしない、そう思っていた。自分なら、ファ○ズのアクセルフォームばりの走りをすることだってできると信じていた。
「それでは、よーい……」
 バァンと銃声の音と同時に、選手たちが一斉に走り出した。貴正たちのチームは、今の所、二位であった。なかなかいいペースである。
 5番目の選手まで、二位を保ち、六番目の選手がバトンを受け取り、走りだした。六番目の選手は、演劇部のエース、渡辺音也であった。彼は、中学時代陸上で短距距離走の選手であり、県大会までそこそこいい成績をとったことがある。
 いまでこそ、将来俳優を目指すために、高校から演劇部に入部したものの、まだかなりの速さで走ることができる。彼は、前にいた三組の選手を抜かし、七番目の選手にリレーをつないだ。
 いけるぞ、そう貴正は思った。このまま一位の状態のまま自分がバトンを受け取ったら、そのまま一位で走りきり優勝できると感じた。
 仮○ライダーが怪人と戦う時、処刑用BGMが流れる時くらい勝利できると考えていた。

 しかし、ここで思い掛けないことがおこる。
 七番目の選手が六十メートルほど走ったあたりで、転んだ。そして三組の選手と四組の選手が貴正のクラスの選手を抜かしていった。
(なん…だと…)
 思わず貴正は、そう思った。オイオイオイ死んだわあいつという周囲の声が貴正の耳から聞こえてきた。
 やばい、しっかりしなくてはと貴正は心を入れた。このまま優勝できなかったら、転んでしまった選手は、みんなから直接的ではないにせよ、非難の目で見られてしまうそう思った。何としても優勝せねばという衝動に貴正は駆られたのだった。
 七番目の選手が、貴正の元までやってきて、バトンを渡した。ついに、貴正の走る番がやってきたのであった。

「頼む貴正、優勝してくれ!」
 熱い眼差しで、七番目の選手でそう言ってきた。貴正は、少しグッときそうになったが、貴正は心の中で、てめぇが言うな! と心の中で毒づいた。

 必死に足を動かして、前の選手を抜かそうと力を入れた。しかし、相手もかなりの手練れであり、そう簡単に抜かすことできなかった。
 仕方ないか――そう諦めかけた時、声援が聞こえてきた。
「頑張れ! 貴正くん。」 
 クラスのイケメンの委員長が声を張り上げていた。委員長は、顔面偏差値七十という評価、つまり普かなりのイケメンと周りに評価されていたるため、あまり貴正は好きではなかったが、彼の声援は素直に嬉しかった。
「貴正くん、ファイト!」「優勝して!」「がんばれー!」
 あまり貴正が、絡んだことがないクラスの人も応援してくれている。日頃、昼休み美人三姉妹と一緒に昼休みを過ごしている弊害か、ほとんど女性の声援だったが。
「貴正、俺の親友のお前なら、この程度の距離抜かせるだろ!」
 貴正は僕は友達が少ないとはいつからあいつの親友になったのかと疑問に思ったのだが、励みにならないこともないこともないと思った
「貴正くん、二組を優勝させて!」
 美賀子の声が聞こえた。
(そうだ…俺は、優勝するんだ!)
 貴正は、脳内でとあるゲームのBGMを再生した。
 それは、『激突!グ○メレース』である。貴正は、星の○ービィのゲームをこよなく愛しており、そのゲームのBGMもよく動画投稿サイトで視聴していた。勉強する際にもよく聴きながらこれを勉強している。激突!グルメレースは、よくMAD動画で使われる音楽である。この曲には、歌詞は存在しないが、有志によって、歌詞まで歌われている動画もある。

(誰よりも速く走り抜けろ、もたもたしてるとなくなっちゃう) 
 貴正は、心の中で歌いながら走り続けた。三組の選手、四組の選手を抜き去った。
 そして、そのまま一位をゴールした。
「やった! 一位だ!」「すげぇ、貴正!」「貴正最高だぜ!」
 二組の生徒は、貴正に賞賛と盛大なスタンディングオペレーションを送った。貴正は、こういうのも悪くないと思った。
(やれやれって感じだぜ。)
 某黄金の精神を持った主人公のようなセリフを心の中で言い優勝した喜びをかみしめた。

最終合計は、一組が三百四十点、二組が四百七十点、三組が四百三十点、四組が四百十点、五組が三百六十点、六組が四百四十点で終わった。
 会場の片付けの時間、貴正は磨衣子と彩香に話しかけられた。
「おめでとう、貴正くん。見事な走りだったよ。」
「ああ、ありがとう磨衣子。」
「最後、すごく速かったな、驚いたぞ。まるで130族のようだった」
「まぁ……必死だったからな。」
 最後、あの走りをすることができたのは、クラスの声援と日頃から聴いていた、ゲームのBGMのおかげであるが、前者はともかく後者のことは誰にも言う気はなかった。
 佐江が貴正の元へ近づいてきた。何か深刻そうな顔をしている。
「貴正くん、さっきの走りすごかった。さっきみたいな力を先輩たちの最後の大会でも出せるように頑張ってね!」
 貴正はハッとした。そう、もう少しで先輩たちのとって最後の大会がやってくる。決して忘れていたわけではない。いや本当に、そう貴正は思った。
「ああ、もちろんだ。」
 力を込めていった。貴正は大会に向けて、今日も練習頑張ろうと心に誓った。(運動会の日でも、普通に練習はあるようです。)


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