私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、11章11話。【事後は終わる前から調査される】

 伍長との通信が途絶えて、1時間ほどが経過した。
 逆探知によりおおよその座標は判明したものの、ポ皇自衛警備軍も空軍災害時及び緊急時捜索第3航空師団も200km離れている。
 この世界で、200kmといえば…ごめん言いたとえが思い浮かばなかった。
 だが、それ以上に心配なのは…

「伍長の奴め、寒空の中熟睡してなければいいが…」

 今は夏…というより夏から秋に入る時期である。
 夜はまだそんなに冷え込むことは無いとはいえ、この世界では油断禁物である。夏なのに氷点下近くまで気温が下がるという事もざらではないそうで、特に西大陸では寒地が多いらしい。
 まぁ何が言いたいかというと、伍長凍死とかしてないよな…。

「全く、君たちは本当に仲がいいな。仮想敵国同士だったとは誰も思わんだろ」
「んな!失礼な!」

 ルーズヴェールが冷ややかな目で冷やかしてくる。
 いや…別に私の子の反応はおかしいか…?!いや!待て待て待て!

「なんで、お前がいんの?!」

 そう、この部屋は私の執務室のはずだ。部屋さえ間違っていなければ…
 私の部屋に奴がいることがおかしいというか、なんで入ってきたことに気が付かなかったんだ?

「まぁまぁ、落ち着かんか。私は君がそこでうろうろしているときに入ってきたぞ。お主は私に目をくれなかったが…」
「いや…そりゃすまなかった。んで、なんか用か?」
「おっと、忘れていた。2つ言う事がある」
「なんだ?」
「まず、国際軍事パレード委員会から連絡が入って、新国家なのである程度のことは、皇宮財閥と共に負担してくれるそうだ。」
「そりゃぁ、よかった。12車線の道となると、どれだけ掛かるか…。」

 確実に、国家予算の1パーセントは持っていかれるだろう。

「して、2つ目は?」
「あぁ、もうそろそろ来られるだろうよ」

 ルーズヴェールの言葉に首を傾げつつ、言われた通り待っていると…
 コンコン

「入りなさい」

 深夜帯のこの時間に客とは珍しいな。
 扉をたたいた主は、静かにドアを開けた。そこにいたのは…スーツ姿の女性だった。どこかの官僚かな?とも思える雰囲気を周囲に放ち、私は直感的に、あっ、この人仕事にすごくお堅い対応だ…。と結論ずけてしまった。

「国際統合連盟中央情報捜査省運輸安全局事後調査委員会より派遣されました、はアルメルト・D・ロンメルです。よろしくお願いいたします」

 うん、役所の名称が長い。もう略して国連中報省運安局事調委員でいいか………………………。いやちょっと待て?ロンメルだと?



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