私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、11章2話。【国会の設備は非常識】

 国会首相待機室。私は今そこにいた。
 できたばかりともあって、内装は最低限の物しか置かれていなかった。何故か紅茶の束はあったのだが…。
 さて、たった今来たばかりだったが、ある場所に行かねばならない。
 幼児を早く済ませるために廊下へと出る。基本的に国会議事堂のデザインは米国の国会を参考にし、部屋割りやデザインなどを私が担当した。もちろんプロの方に修正はしてもらったが、廊下をよくよく見れば私の名前が彫られている場所がある。みんなも国会に来たらぜひ探してみてくれないかね。
 さて、雑談はさておき、廊下を出た私はあるシークレットエリアへとやってきている。
 ここは国王や他国の大使など国際的な要人が休憩するため、基本私と侍従数人以外全面立ち入りが禁止されている。
 そこの一番奥の部屋に奴はいた。
 コンコン
 軽いノックをする。

「入りなさい!」

 入室許可をもらったので、中へと入っていく。 
 察しのいい人ならば、中にいる人物が誰かはわかるであろう。レ連初代国王、伍長閣下である。国王なんだし閣下をつけるのはやめるか…。陛下?となると、伍長陛下になるのか?だめだ、似合わねぇ…

「やぁ、もう準備はできたかね?」

 どこかのサラリーマンのように、きっちりとスーツに身を包み、異常なほど綺麗に分けられた3:7分けを携えた伍長は紅茶のお代わりを入れる様だった。
「あぁ、もちろんだ。では案内頼むよ」

 お代わりを入れると思っていたが、どうやらそのつもりはなかったそうだ。
 時間もカツカツなので、早速案内することにした。



「凄いねぇ」

 うむ、さすがに立派だ。さすが皇宮財閥とプロといったところだ。左右のずれがパッと見ても全くない。完璧な左右対称的な建物である!

「まぁ、そうだな。わしら国会議員はこの正面門から入る。伍長は裏口から入れよ!」

 ここで念を押しておかないと、うっかり正面から入ってきそうなんだよなぁ…。まぁ間違えた私が裏口から入ることがあるかもしれんが…。

「わかっとるよ…。そういえばヨシフや、私に話したいことがあるらしいな…?」
「…あぁ…そうだな。だが、今は案内中だ。話すのは国会が終わってからにしようか」
「わかった」

 ここで話そうか迷った末、話す内容が国家存続問題にもつながる重要な案件などで、国会が終わってからにすることにした。
 だってね…。『あれ』をここで話して誰かに聞かれていて、それが出回って混乱…それは起こしたくないじゃん。
 そんな私の心境を察したのかは知らんが、伍長は私を置いていくかのように先に中へと入っていく。慌てて入った先、『それ』を正面ホールで見た私は思わず苦笑いを浮かべてしまった。
 帽子をかぶり、スーツ姿で軍刀を持ち仁王立ちしている伍長…の肖像画がでかでかと階段の踊り場に飾られていた。 
 この絵は、画家の方に伍長の写真を見せて書いてもらったのだが…、現実世界の伍長よりもなんかイケメンになっているような…。気のせいか!
 しかもその伍長の絵が、廊下のところどころに飾られているというね…。正面ホールのは私だが、廊下のは私ではないぞ!



 その後は上院本会議場など様々な部屋や場所をめぐりに巡った。結論から言うと皇宮財閥すげぇ…

 

コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品