私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、11章1話。【国会は想像以上にリアルだった】

 国会議事堂、国王特別待機室。
 そう書かれた部屋のソファーに私は紅茶を楽しんでいた。
 現在の時刻は午前10時、あと1時間ほどたてば国会の開会である。本来ならばこんなに早く来る必要なんてものはなかったのだが、私たっての希望で国会を見て回り立ったためである。 
 この国会の設計は相変わらずの皇宮財閥が担当していたが、デザインや部屋割りなどはヨシフが担当していた。そのヨシフが案内してくれるらしい。もちろん修正や設計方法などは1級建築士の人に担当してもらったが…。

「さて…、そろそろ見に行くか…。」

 コンコン
 私が紅茶を飲み干そうとしたとき、誰かが扉を優しくたたく音が聞こえる。優しい基準特にわからないが…

「入りなさい!」

 中に入ってきたのは、まぎれもなく政治家になった自由連合党党首ヨシフの姿であった。完全に容姿からヨシフなのだが、ヨシフ意外だったらそれは恐怖である。誰だよお前!

「やぁ、もう準備はできたかね?」

 黒色のスーツに身を包み、いつも以上にふさふさに感じられる自慢の髪を整えながらである。髭はどのように手入れしているかわからないほど綺麗に整えられている。

「あぁ、もちろんだ。では案内頼むよ」

 おじさん同士の会話なんてつまらないと思うので、私達は早速外へ向かった。


「凄いねぇ…」

 正面玄関から見た国会議事堂は立派であった。何というか…王宮よりも立派じゃないのか?!と思えるほどに…。
 地球で例えるならばアメリカの国会議事堂のような外見だった。だが、少し違うのは完全に左右対称になっていてどこにも誤差がない(ヨシフ談)のと、国旗であった。
 そういえば我が国の国旗はまだ書いていなかったかな…。でもなぁ…、言葉では表しにくいのだよなぁ…。

「まぁ、そうだな。わしら国会議員はこの正面門から入る。伍長は裏口から入れよ!」

 なぜか念を押された…。

「わかっとるよ…。そういえばヨシフや、私に話したいことがあるらしいな…?」
「…あぁ…そうだな。だが、今は案内中だ。話すのは国会が終わってからにしようか」
「わかった」

 はて?そんなに重要な話なのだろうか?私は脳内に?マークを浮かべながら中へと入っていった。ついでに言うと廊下はずいぶんと豪華に装飾されており、赤絨毯、アルパカの繊維100パーセントというえらく値段が高かった絨毯に、細かく施された大理石の柱、そして…たまに飾ってある私の肖像画…?!いつの間にこんなものを…。


 次にやってきたのは、上院の本会議場だった。
 1013議席が並んでおりただただだだっ広い空間が広がっていた。議員席の視線の先には上院議長が座る議長席があり、その下に演説台があった。その議長席を中心に左右に内閣各大臣や長官席が広がっていた…。現実で見たことはないが、日本の衆議院本会議場と似たような構造と思ってくれればいいだろう。
 ここの他にも、下院本会議場や両院本会議場が存在している。場所は上院が正面向かって右側だとすると、下院は左側、両院本会議場は中央ホールの裏に作られた第2議事堂にあった。
 だってね…。1000人以上+記者団+国王級を一気に収容するためにはでかく作らないといけないんだよ…。

「あらてめて言わせてもらうが、上院でも広いな…」

 ただ、こんなにでかく作る必要があるのか…?っと私は不安にもなり、これを1週間で作り上げた皇宮財閥の能力が怖すぎて寒気が出た。
 1週間だよ!1週間!私達が異世界やら並行世界やら選挙準備やらで忙しかった間に!1週間で出来上がったって聞いた時、思わず、「どうやって作ったのですか!?」ってややため口で担当者に聞いたら、「UFO,万能ブループリント、これだけで分かったよね?OK?」そう返された…。

「しっかし、本当に皇宮財閥だけで作ったのかね…?」

 ヨシフの疑問には激しく同情させてもらう。だが、結局は次の一言で治まった。

「「まぁ、ス連の会社だしな」」

 きれいにハモった。まぁ何でもいいけど、本当に何でもありだな、あの国家…。いつか軍が無人化されるんじゃないか?そんなことを考えながら私たちは開会時間まじかなのでそれぞれの待機室に戻っていった。






 後から聞いたのだが、軍の無人化計画はAIの導入と特殊コンピューターによってもう実践運用されている模様…。もちろんス連邦圏の国家の軍隊でだが…。これを聞いた時、我が国もス連邦圏に入れば無人兵器くれるのかなぁ…?と考えてしまった。


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