私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、9章3話。【常任国では常に緊張感が漂っている】

 ♦国連島国連安全保障評議会常任国会議♦

「というわけで、以上が例の世界での活動報告書となりますが、何か質問は?」

 国連安全保障評議会常任国の国王級の人々の前、私は在住…もとい在留中におこった事件や向こう側の状況などを報告していた。
 というより報告することなんてわずかな事しかなく、2個中隊との衝突や放送の反響くらいであるが…

「ふむ…ありがとう」

 国連議長が報告書を閉じ私に軽く礼を述べた。
 その他の常任国の皆さんは報告書を手に意見を述べていた。モニター内だが…

「首相。質問だが、向こうで大規模な衝突があったが消耗品は結構あったのかね?」
「守備軍の責任者セルヴィア・アジェネンコフ大将によりますと、弾薬を少々、航空機用燃料を60L、爆弾12tほどを消耗したらしいです。」
「弾薬の少々とは、把握していないのか?」
「ええ、聞いた話では要塞構築中におこったらしくて、把握してないそうですが、少々だとか…」

 最初に質問してきたのはツァールバリカー合衆公国公王、アルシヴェリア・M・ツァール氏だった。
 まぁ、そんなことより、おそらく伍長がここにいれば、えっ?ヨシフってまじめに報告できるのか!ってツッコまれそうだな…。それほど職務はきちんと務めているつもりなのだが…。伍長から私はどう見えているのだろうか?

「首相。私もいいですか?」
「なんでしょうか」
「例の放送の反響はどうなんでしょうか」
「例の放送…あぁ!世界放送ですな。今のところゼルビスタイ大帝国は黙秘を保っています。だが、放送を見た現地住民が見物に来ることはあるようですな」
「なるほど…」

 この質問はおそらく私という一人称の私で誰かはわかるだろう。
 そうです、ヴェルト州連合王国の女王陛下です。だって私って言ってるの女王陛下か伍長くらいだもの…。私の場合は、他人に対してはわしを使うのが多いしなぁ

「…質問がないようでしたら、私はこれで…」
「ああ、ご苦労様でした、首相……。っと、忘れていた、これを…」

 そう国連議長から差し出されたのは、ケースに入った勲章だった。

「これは?」
「新国家の建国を記念して作られた特別な勲章だ。名前はそちらで決めてくれ。国際法上この特別勲章は新国家ができるごとに作られ、贈呈された勲章はその国の勲章になるのですよ」
「はぁ、なるほど」

 議長からケースを受け取り中身を再確認する。
 菊の花の後ろに鉄十字が付けられた勲章だった。
 私はその勲章をケースに入れ直し、それを鞄に大事にしまい会議室を後にする。
 そしてその足でレッドヴェーレルリン連合王国の王宮まで戻ることにした。
 ……。一般機で

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