私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、9章2話

「あいたたた!」

腰がまだ痛む。
だが、1週間も待てないので4日目にして国連島まで行き、すぐに治る方法がないか聞いてみることにした。
そして現在…

「あいたたたたた!!」
「我慢してください…」

国王がぎっくり腰でそれを治すために国連島まで来るという状況にて、先生に治してもらっている状態だった。
恥ずかしくないかって?恥ずかしいわ!ちきしょうめ!!

「はい、終わりましたよ」
「ああ、ありがとう」

試しに立ち上がってみると全く持って痛みを感じない。
おお、これはいいな。本当に痛みを感じない。

「一応治りましたが、再発する可能性もありますので気を付けてください。」
「分かりました」

病院を出て、久しぶり…というか少し前に公務でやってきたのだが、公私混同はせず、今回はゆっくりと国連島を見学しようではないか…
そんなことを考えながら、自動扉をくぐる。

「さて、どこに行こうかね…」

正直今はあまり外出に適していない状態である。
100年に一度歩かないかともささやかれている、今回の戦争。フェルトワン対第32異次元世界との戦争。世界情勢も経済も不安定を保っていた。
っと、目の前に、

「喫茶店…か」

年代を感じる喫茶店、確かこの世界は日本文化圏の世界だから喫茶店も日本にあったのだろう。
実の話、私は地球では喫茶店もそうだが、バーに行ったこともない。
当たり前だ、指導者なのだから…

「いらっしゃいませ!」

店奥から、威勢のいい?声が聞こえる。
私は適当にカウンター席についた。ちょうどマスターの目の前の席である。

「いらっしゃいませ。ご注文は…」

私と同じくらいの年代だろう。
老紳士といっても過言ではない男性が、ガラスを拭いていた。

「あぁ、じゃぁ、ブラックコーヒーを…」
「ブラックですね。少々お待ちください」

マスターはそういうと、コーヒー豆を焙煎し始めた。
しかも手動で、

「自動じゃないんですね」
「あぁ、いえいえ、私が機械に不慣れなだけですよ…」

マスターは普通に話しかけてくる。
まぁ、そうだろう。私がレッドヴェーレルリン連合王国の国王とカミングアウトするまでは誰も気が付きやしない。
国際法上、国家元首が顔を出すのは、会見か、国連の総会ぐらいだろう…
パパラッチも全面規制されてるそうだ。
もう一つ特殊な国際法があったな…たしか、国家元首批判規定法だったか?
まぁ、そういうに名前にしておこう。
この法律は、自国の国家元首を公で批判するのは、必ず【あくまで個人の見解です】というテロップなどを出さなければならない。
テレビやラジオで、国家元首の誰かを批判する場合などはこのテロップを出さないと、放送禁止されるそうだ。

「お待たせしました。ごゆっくり…」
「どうも」

いい匂いだ。
おそらく子供が飲めば間違いなく、苦いと思うだろう。
だが、この苦さが意外とハマるものなのだよ。
私はブラックコーヒーを少しづつ飲み干していった。

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