私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、4章6話

議場は今日荒れている。つまり荒れ荒れしい。
議場にはフェルトワンの全国家の国連大使と思わしき人たちが自国の座席に着席し、話を聞いていたり、うなずいたりするものもいれば、立ち上がってヤジを飛ばしたり怒号を飛ばす2人の男性の姿があった。
まぁ、その人たちは毎度おなじみス連邦とペルシアント王国の両国の大使だった。

「我がス連としては貴国らは我が国の保護地域に対して軍事攻撃を仕掛けたことは明白である。これはれっきとした宣戦布告であり、我が国は即座に攻撃できる立場である」
「あそこは我が国の領土である、それを貴様らが勝手に併合したのだろうが!」

…こんなやり取りが無限ループのように続く、最初はヤジを飛ばしていたほかの国の大使もげんなりしてきた。
さすがにキリがないと判断したのだろう、議長が大きくため息をついたと同時に、
   カーンカーン!
議場内に響き渡り一斉に音のする方へと顔を向ける。

「静粛に!静粛に!」

議長のやや荒げた声が議場内を響かせた。

「切りがないので、ただいまここで緊急決議をします。ペルシアント王国が侵略国家だと思うもの、賛成票、それ以外は反対票、お手元のスイッチで!」


数分後…正面の画面に賛成票、反対票、棄権数が表示されていた、数については次のとおりである。

・賛成票22

・反対票12

・棄権0

…議場にいる全員の顔が何とも言えない表情へと変わっている。
フェルトワンに34か国もなく、23か国(レッドヴェーレルリン連合王国)しかないはずだ…
つまり、反対票に入れた……ペルシアント王国がスイッチをギリギリまで連打し架空の票を獲得しようとしたのだ。

「なんとまぁ、よくそんなことができるわい」

私はあきれてそうつぶやいた。
とにもかくにも賛成票が上回ったため国連はペルシアント王国を侵略国家と断定し軍の武装解除を要求した、これが守らなければ国連はペルシアント王国に対し宣戦布告をするそうだ。
それを聞いたペルシアント王国国連大使は顔をびっくりするほど真っ赤にし議場を出ていった。

翌日、ペルシアント王国はス連邦に宣戦布告した。

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