私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、3章3話。【科学は時代を作り、古いものは必要が無くなる】

 私の場合はヨシフと別れ国連議長に連れられるままに車に乗り込み、そのまま国連島南方軍基地がある海岸線へと向かった。
 ヨシフは、ほかの職員に連れられるままに奥の会議室らしき部屋に連れられて行った。

「ここから、国連海軍の戦艦で目的地まで向かいます。そこからはヘリコプターによ視察になります。」

 そういわれ私は巨大な…巨大な…巨大な戦艦?戦艦らしき巨大な船が港に停泊してあった。下からなので分かりにくいのだが、おそらく戦艦なのであろう…。対空機銃が見えるし…。しかしだなぁ、

「なぜ、戦艦…?」

 私は独り言のようにつぶやいたのだが、それを聞いていた議長が答えをくれた。

「気が付きましたか?この戦艦もともとはス連邦海軍が所有していた旧式の戦艦なのですが原子力エンジンや永久機関動力エンジンの開発によって船舶用ガスタービンエンジン搭載型のこの船が大変お安く売られることになりましてね…」

 話をまとめるとこうだ、
 ス連などの列強国の軍事開発によってガスタービンエンジン型の船舶などの旧式化された軍事兵器が大量に発展途上国に売られることになった。まぁ、ほとんどは沿岸警備隊などへの引き渡しが多かったそうだが、ソ連のように大量に作る国家であるス連邦では、同型艦が数千隻単位で余っているらしく、仕方がないので他国へ大量売却された…。その時に国連もス連から他様々な軍事兵器を購入したらしい…が

「これ、何年前の兵器ですかね」
「?何をおっしゃいますか。永久機関動力エンジンが開発されたのが20世紀だから…15世紀半ばですね」
「なっ……」

 私は言葉を失った。そして絶句した。逆かもしれんが気にしないでくれ…。
 私が地球で生きていた時はガスタービンが実用化されていた時なのに、そのガスタービンが15世紀半ばには旧式化してきているという…。冷や汗が出てきたよ…恐ろしすぎて…。

「では、乗艦と行きましょうか」

 議長に促され我に返った私は停泊中の戦艦へと乗り込んでいく。横のタラップから乗艦していくのだが、つるつる滑りそうなほど輝いていた。磨かれていた。
 その旧式化した艦内は…何というか真新しかった。
 聞いた話だと最近近代化改修を施したそうだが…それにしては広くてきれいすぎる。
   ヴォー
 出港と同時に艦内が激しく揺れた。

「どうかしたんですか?」
「ああ、大丈夫です。横エンジンを稼働させただけですから」

 議長はそう答えた。
 そうか、それならいい…のだが。
 不吉な予感がありながらも、レッドヴェーレルリン諸島へ向けて出港した。

コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品