ヨシフおじさん目線２章６話。【国連では気軽に国家を作れる】

　都市がある。
その都市の中央にガラス張りの巨大なビルが建っていた。そこの巨大なビルには様々な国家の国旗が掲げられていた。そのビルへは巨大な一本道が東西南北４方向から伸びており、その道の東側に私たちはいた。

「お、これが国連島か…」
「あぁ、らしいな」

　国連がある国連島は、島ではなく一国家として独立している。
　この国籍を取れば門まで行けるのだが、そう簡単に国籍を取れるわけではないだろう。なんか厳密な審査があるそうだ、だから私たちは新国家の建国へと向かって言っている。

「なぁ、ヨシフよ。さっきから食いすぎじゃないかね」

　横から伍長が心配そうにのぞき込んでくる。主にお腹だが…
　右手には国連島についた時に買っていた牛の串焼きを私はほおばっている。
　だが、先からずーっとこちらをちらちら見ている…、いい匂いだし、気になるのかのぉ…？

「ん…伍長君、食べたいのかね？」
「いや、いい」

　数分歩き、少々坂もあったが無事登り切った先、ようやっと国連本部の入り口前までやってきた。
　自動ドアが開き中に入る。

「ほぉ、これはこれは」

　私は心底驚いた。これは奴も同じだろうが
　内装はペルシアント王国の図書館よりも断然広い。広すぎて頭がくらくらしそうになるほど…
　いくつかの案内所を周りに周り、ようやく私たちは新国家建国案内所というものを見つけた。

『こちらは新国家建国案内所です。手続きをお願いします』

　紙が出てくる。
　ここ新国家建国案内所は誰一人もいない。スタッフもいない、ロボットだけが唯一いる存在だ。
そのロボットから出てきた紙にはこのような内容が書かれていた。

・あなたたちの国籍、住所を書いてください。

・新国家の領土を記入してください。

・指導者名を最低２人記入してください。

・新国家の国名、国旗を記入してください。

「おい、ヨシフよ。最初のこれはどう書くのかね。」
「お、おそらくだが、何も書かずに提出すると…思うのだが」

　伍長が心配そうに尋ねてくるが、私にもわからない。
　だがこう書くしかなかった、別に地球上の住所を書いてもいいのだが、誰かが見た瞬間、？っとなるのが目に見えている。
まぁ、ダダをこねても仕方がないので、私たちは机の上で記入始めた。