私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、2章5話。【青い海は見事であった】

 ザァーザァー
 青い海青い空がどこまでも続く。青すぎて、おなかが痛くなってきた。あまりにも痛いので、私は近くの柵に腰掛ける。本当はだめだけどね…。柵はサクッとしましょう…今のは、柵とサクッとをかけましたが何か?

「おー、これはこれは」

 太陽の光で光り輝く海面を見ながら伍長は見とれている。
 そして、腹痛はなぜか治まってきた。危ない…まじで冷や汗が出てきそうだった。
 その私は指導者時代の服を着込みやはりこちらも革靴という服装であるが、奴はいつの間買ったか知らないが焦げ茶色のスーツに革靴という服装に身を包んでいた。
  ヴォー

「おっと、来たか来たか。伍長!乗り遅れるなよ」
「分かっとるわい」

 まるで旅行に来た子供のようにはしゃぐ私に対し冷静なツッコミを入れる伍長。
 おそらく奴も思っているだろうが、桟橋へやってきた船は実に興味深かった。二人して同じように眺めているもの。その船は煙突が一つもなく何で動かしているかという事は全くわからなかった。それだけじゃない、船員のほとんどがロボットだった。人間に近いロボットが働いているのである。

『まもなく出港します。まもなく出港します。』
「乗ったか伍長!」
「乗ったわヨシフ君!」

 私と伍長は甲板へと上がった。甲板には対空機関砲もないいたって普通の甲板だった。普通過ぎて普通だ。


  ザァーザァー
 波は穏やかである。非常に穏やかであるが。風は強いが。
 いや、風が強いというよりこの船の速度が速い。4,50ノットは出てるんじゃなかろうか。

「ヨシフ!あとどれくらいでつくのだ…?」
「あと、10分ほどだそうだ」

 私はそういった、かすかに進行方向に島らしき影が見えるからである。

「ところでヨシフ君。国連のどこで資料を提出するのかね」
「さぁ、知らん。わしに聞くな」

 私の答えに一瞬伍長の顔が曇る。

『まもなく、国際統合連盟島東海岸、まもなく、国際統合連盟島東海岸。お忘れ物が無いようにご注意ください』

「おっ、じゃぁ、準備するぞ!伍長君」
「分かっとるわい。ヨシフ君」

 昔の宿敵という事も忘れ、私と伍長は船内へと戻っていった。

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