私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、1章2話【男は男と再会する。地球ぶりであった】

 伍長閣下は驚愕めいた様子でこちらを凝視してくる。

「な、何故貴様が…」
「分からん、私も先ほど気が付いたばかりだ」

 立派すぎる口ひげが奴の特徴でもあり、確か奴のチャームポイントらしい…
 クンクン…どこからか異臭が立ち込めてくる。いったいどこから?む…?伍長の着用している軍服から異臭がする。この匂いは…石油のにおいか?いや、違うな…ガソリンか!伍長の軍服から匂うガソリン臭にはまだ当の本人である伍長はまだ気が付いていない様子だが…
 そう思いながも、果たして指摘していいのか迷ったので、何事もなかったように、くしを使い白髪が混じっている自分の髪を整える。

「なるほど、貴様だけか…」
「ああ、そうだ。何故お前がここにいるのかそれも知りたいが…これからどうする」

そう答えると私は、伍長が座っているベンチに、よっこらせ、といいながら腰を下ろす。ちょうど奴の隣の席だ。

「とりあえず、基本的の情報収集と行くか」

 奴は基本的というが…私は情報収集なんぞやったことがない!
まぁ、そりゃそうだ、だって私も奴も一国家の指導者だったんだもの…すまない、私の場合は政治家であったが…

「ふむ、まぁ、そうだな。……なぁ、ところで何故わしら言葉が通じるのかね」
「あっ、確かに!」

 突然隣から、大声を上げられ心臓が止まりそうになる。
ってか、何故気が付かんかった。伍長よ…!今更感が半端ではないぞ…最初に気が付くべきであろう…その事実。
別の国の出身であり別の言葉を地球上では使っていたのに…私も奴も生で会話したのは初めてだぞ。
私は心の中でぼろくそ言ってやった。これ、伍長には内緒な…
ちらっと、隣を見てみたら、奴もしばらく考え込む形で黙り込んでいた。
うーむ、もったいないな。私はこの無駄な時間が一番許せないぞ…!

「まぁ、ええわい。情報収集にわしは行くぞ。30分後にこの場所で会おう」

全部聞いてたかは知らんが、私はとりあえず商業街の方向へと歩いて行った。
少し行って振り返ってみると奴は反対方向へと歩き出している真っ最中であった。

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